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秋アニメ『株式会社マジルミエ』ファイルーズあいインタビュー

面接や自己PRで苦しんだ就活生時代は無駄じゃなかった! 「無駄なことはなにひとつなかった」第1話を振り返る――『株式会社マジルミエ』桜木 カナ役・ファイルーズあいさんインタビュー

就活生だった“あの頃”とのリンク

ーーカナの第一印象はいかがでしょうか?

ファイルーズ:潜在的な意識の中で、カナは弱い子だと思っていたのかもしれません。というのも、最初にちょっと弱々しく演じたら、音響監督に「そんなに線を細くしないで、もっと等身大で良いよ」、「オーディションのときの“ファイルーズあいのパーソナルな部分での肝の座った感じ”がすごく良かったから、それをカナに乗せてほしい」と言われて。

そこで気づいたんですよね、最初はおどおどしているけど、それは自分に自信がないだけ。本来のポテンシャルを発揮できれば、堂々とできる子なんだと。彼女は彼女なりに100%のパフォーマンスをしているから、彼女なりの100%を毎回毎回、どのシーンでも出すことを意識しました。

ーー演じながらカナの魅力をどんどん見つけたような?

ファイルーズ:そうですね。そうしながら役を作っていったところはあります。

ーーカナを通して元気をもらえたというお話がありましたが、彼女に共感することも?

ファイルーズ:私自身、就活をしていたんです。だからこそ内定をもらえなくて苦しい気持ちがよくわかりました。

ーーああ……!

ファイルーズ:しかも、当時の私は、自分のことをSランクの人材だと思っていたので「内定なんて楽勝でしょ」という気持ちだったんですよ(笑)。でも現実はお祈りメールばかりで、「同情するなら内定をくれ!」と毎日思っていたくらい。だからこそ、カナの「私はどこで必要とされるんだろう」というセリフは刺さりました。でも今回、彼女の苦しみが実体験に基づいて分かるのは私にとっての強みだなって。それだけ寄り添った演技ができる機会をいただけて光栄です。

ーー就活のリアルな描写もありましたが、そこで当時を思い出すことも?

ファイルーズ:緊張して声が上ずっちゃう感じとか、聞かれてもないことを早口で言っちゃうところとか、すごく分かります(笑)。でもそんな過去の失敗が、カナのお芝居としてポジティブなものにできたのはすごく嬉しいです。

ーー今作は戦闘中の詠唱が独特で、難しいワードが沢山あったと思います。実際に演じられてみていかがでしたか?

ファイルーズ:難しい言葉を言うのが声優なので(笑)、詠唱はそこまで難しくはなかったです。ただ、バトルシーンの声の張り上げ具合は悩みました。やっぱりカナは、越谷のようにドスを効かせたり、がなって叫ぶような子ではないので、清楚な声を保ったまま叫ばないといけないんですよ。それでいて音の圧を損なってはいけないので、勇ましい声を出すのは本当に大変でした。でも音響監督が何度もテイクを重ねてくださって、そのたびに良いものが出来上がっていって。辛抱強くお付き合いしてくださったので、本当に感謝でいっぱいです。

ーー具体的にはどんなディレクションがありましたか?

ファイルーズ:シーンによってディレクションの内容が全然違うので難しいところではありますが、「戦っている範囲はどのくらいの大きさなのか」「相手は何メートル先で、今カナはそれが見えているのか」といったものから、「部屋の温度は何度なのか」といった細かい状況を一緒に研究して、それを踏まえて「じゃあ、こういう声が出るよね?」というディレクションをいただきました。

ーーシチュエーションを細かく把握することが重要だったのですね。

ファイルーズ:もちろん絵も大事な情報なんですけど、それよりも状況を把握できているのかが大事でした。これまで、そういう着眼点がなかったのでとても勉強になりました。作品の雰囲気は和気あいあいとしているんですけど、収録現場はみんながストイックに自分の役と向き合っていたと思います。

実際のところ、多くの人が「(カナ役と越谷役が)逆じゃない?」って思ったはずなんです。私も『マジルミエ』に受かった話を聞いて、「やった、越谷だ!」と思ったら「桜木カナ役です」と言われて衝撃を受けて(笑)。

ーー(笑)。ファイルーズさん自身もそう感じられていたのですね。

ファイルーズ:そうなんです。でも私ならカナを演じられるとみなさんが信じて任せてくれたということなので、その大きな期待に応えたいという気持ちがモチベーションに繋がっています。

ーー役者として挑戦も多かったのでは?

ファイルーズ:新しい引き出しが増えましたし、カナと一緒に成長しているなと感じています。

ーー日常のシーンはどのように?

ファイルーズ:カナは清楚であり、裏表がないので、ある意味、1番平凡な子でもあるんです。だからこそエッジが効きすぎないよう、見ている人が投影しやすいような素朴さみたいなものは意識しました。

越谷の適切な距離感に惹かれる

ーーカナの先輩であり、掛け合いも多い越谷に対してはどんな印象を持っていますか?

ファイルーズ:こんな先輩がいたら会社に行くのが楽しみになります! やっぱり社会人の最初の壁って人間関係だと思うんです。そこで失敗すると会社に行くことが辛くなったりして。越谷ってそういう新人の苦労を察したうえで、そっと背中を押してくれるような先輩なんですよ。多くを語らずとも、独り立ちできるようにそっとサポートしてくれる距離感がすごく好きです。

ーー背中で見せるタイプですよね。

ファイルーズ:なんでも助けちゃうと成長にならないことを理解しているんでしょうね。そういう意味でも適切な温度感で接してくれているんだと思います。

ーー花守(ゆみり)さんと掛け合ってみていかがでしたか?

ファイルーズ:こんなに引き出しがあるのかと驚かされました。私だったら越谷をこう演じる、みたいなものがあったんですけど、もうその何倍も上を行く素敵なお芝居をされていて。「越谷ってこういう面があるんだ」「私は越谷の上澄みしか知らなかったんだ」と。とにかく良いものを見せるというプロ意識の高さを随所で感じて、その姿にすごく感銘を受けました。

ーーほかにお気に入りのキャラクターはいますか?

ファイルーズ:ミヤコ堂の(葵)リリーです。やっぱり魔法少女といえば変身バンクで、この作品は会社ごとに変身バンクに個性があるんですけど、リリーの変身は口上の段階から魅力的なんですよ。絵コンテの段階からそう思うほど魅力的だったので、いちファンとしてオンエアが楽しみです。

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