秋アニメ『君は冥土様。』熊谷俊輝さん（横谷人好 役）×上田麗奈さん（雪／シュエ 役）インタビュー｜ドジで天然。元“暗殺者”であるメイドさんの可愛さが魅力

10月5日（土）より放送がスタートするTVアニメ『君は冥土様。』。高校生・横谷人好の家に「雇って欲しい」とやってきたメイドの雪。だが、黒髪で清廉なメイドさんの前職は“殺し屋”で、特技は“暗殺”だった……。雪は、人好の家で、メイドとして家事をすることになるのだが、家事は初心者で、しかも“ドジっ子”。果たして2人の共同生活はどうなっていくのか。裏社会で生きてきて、ひとりぼっちだったメイドさんが、徐々に家族の温かさを知っていく物語、『君は冥土様。』。

今回のインタビューでは、横谷人好を演じる熊谷俊輝さんと、メイドの雪／シュエを演じる上田麗奈さんに、作品の魅力や演じる際のこだわりなどを聞いた。

ドジで天然。元“暗殺者”であるメイドさんの可愛さが魅力

――原作／しょたん『君は冥土様。』（小学館『サンデーうぇぶり』連載中）を読んだ印象を教えてください。

　
熊谷俊輝さん（以下、熊谷）：雪さんの天然さと、人好くんの歩み寄るようなところ。そのすれ違いにちょっと笑ってしまうことが多かったんですけど、人好くんの優しさで、雪さんの心が動いていくというところもあって、すごく心温まる作品だと思いました。

　
上田麗奈さん（以下、上田）：私も心温まる、ポカポカする感じがありました。その温かさがベースにあるのがすごく素敵だし、そのベースがある上で、素直な雪さんだからこそのボケと、常識的な人好くんのツッコミがある。バランスが絶妙で、コミカルさがあるんです。

でも回想では、雪さんの暗殺者だったときの姿が描かれていたりする。そういう経験をしてきたからこその、雪さんの台詞や表情があって、そこにシリアスさが詰まっているんです。そのコミカルとシリアスが、コロコロと切り替わっていくところも面白かったですし、飽きずに観ることができる作品だなと思いました。

――タイトルがメイドでなく“冥土”というのが、雪さんのことをよく表していますよね。

上田：そうですね。結構不穏な感じにはなっていますね（笑）。

熊谷：でも、本当に雪さんにはぴったりなタイトルだと思います。

上田：彼女の寂しさや孤独感は、タイトルからにじみ出ている感じはします。ただのメイドさんじゃないところを匂わせているのがいいんですよね！　でも“君は”ってあるので、視点が人好というところで、2人が主人公なんだなっていうのもわかるタイトルだと思います。

――お互いが演じているキャラクターについての印象をお聞かせください。

熊谷：雪さんはすごくドジで天然なんですけど、ちゃんと人好くんのことも考えてくれていて、すごく真面目なんです。でも、それ故にやらかしてしまうこともある（笑）。そこでしゅんとなっちゃうところもすごく可愛いので、素敵なキャラクターだなと思います。ふと見せる照れた表情は本当に可愛いんです！

上田：人好くんは、すごく常識的な子だなってところからスタートするんですけど、名前の通り、お人好しな感じが、第1話からにじみ出ているんです。善悪とか倫理観はすごく常識的なんだけど、話していくうちに相手の良さとかをちゃんと見つけて、雪の少しドジなところも受け止められる器の大きさがあるんです。

なんとかしてあげられるのかなって、人のために動けるお人好し感がすごく出ていて、この人だから雪はどんどん心を解放していけるんだろうなと思いました。すごく温かみのある人だと思います。

――そんなキャラクターたちを、どう演じていったのですか？

上田：雪は「人の役に立ちたい、喜ばせたい」という気持ちが人一倍強い子なので、他人の喜びが自分の喜びになるからこそ、それまでのお館様だったり、その前の主人だったり、環境や関わる人によって生き様が変わってきた子なのかなと思います。

でも、お館様と触れたからこそ、家族というものにもう一度踏み込むきっかけを与えてもらえたと思うし、その時点でちょっとだけ希望を見い出せるようなメンタルにはなっていたと思うんです。だから、周りの環境と相手の言葉や雰囲気などを素直に受け止めて、ピュアに考えたり心を動かしたりしながら、少しずつ変わっていく姿を見せられるようにしたいなと思いながら演じていました。

冷たい人、怖い人に見えるけど、それはたぶん殺し屋としての経験があったからで、本当は温かみのある子なんだということを忘れないようにしたいと思っていました。

――回想シーンではシリアスになり、人好といるシーンではドジで可愛いところがある。その切り替えは難しくはなかったですか？

上田：ずっと流れで録っていて、確かに原作でも雪の表情はコロコロ変わっていたので、アニメの表情変化も多かったんです。だからそれはそれで難しかったんですけど、私の中で重要視しているのがそこではなかったので、あまり気にならなかったかもしれません。

――熊谷さんは、人好を演じてみていかがでしたか？

熊谷：大前提として、16歳の高校1年生の男の子なので、等身大な、自然な高校生を演じられるようにしようという意識はずっと持っていました。これは、監督&音響監督の渡辺歩さんのディレクションでもあるんですけど、人好は純粋なので、雪さんや他の人に歩み寄ろうとする優しい心というものを持って演じられたらと思っていました。

あと、雪さんはすごく天然だけど、一切ふざけてはいないんですよね。だから、それに対しての人好くんのツッコミは強くしなければメリハリが出ないので、テンションの高さとか、底抜けに明るいところは、僕なりに考えて演じていました。