『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』『.どついたれ本舗』レビュー|孤独な葛藤を乗り越え“笑い”あるチームになる【7連続リリースCD連動企画】
それでも前に進んでいく躑躅森 盧笙の「On My Way」
躑躅森 盧笙は教師という肩書もあってか、どこか真面目な印象があったかもしれません。ツッコミ役でいつも冷静、どこか一歩下がって物事を見ているような……。
そんな彼からは想像がつかないほど泥臭い歌詞が印象的な曲が生まれました。
<(on my way) まだ道の途中で (on my way) ただ未来に夢中です>という歌詞から始まる「On My Way」。その名の通り、躑躅森 盧笙が自分の道について語った曲でもあると思います。
前回のソロ曲「Under Sail」はどちらかというと教師ならではの聞く者を鼓舞する、背中を押すような曲でした。
しかし、今回の「On My Way」は、自分に対するエールを送っている曲のように聞こえます。
<あの時あーやったらな どの時どーやったらなって (on my way) いつまで言ってんねん yo インサイドヘッドこの世界を見ろよ>
<こどもの頃想像してたのとちゃうくて 大人なるほどわからないことだらけで 心のそこから嫌なる日もありゃ 不安で眠れない夜もあるよ>
私達にもこういう瞬間ってありますよね。自分の頭の中に自分の行動をせき止めているかのような存在がいて、「そんなの無理だよ」「やらないほうがいいよ」「恥かくよ」と悪魔の囁きを吹きかけてくるのです。
そんな時こそ<長い道が見える (on my way on my way) どうにかなっちゃいそうな時ほど 一歩一歩行くぞ!(OK!)>なのです。
躑躅森 盧笙の未来は彼の一歩一歩の足並みによって生まれていくのでしょう。
<あの日のことまだ忘れないままで 昨日の自分さえ許せないままで 自分を信じてくれる人たちを背中に 背負わなきゃいけない時だってあるよ とか言っちゃって 何ビビっとんの いつまでやってんねん yo インサイドヘッドこの世界を見ろよ 長い道が見える どうにかなっちゃいそうな時ほど 一歩一歩行くぞ!(OK!)>
冷静に考えれば不安ばかり。でもとにかく一歩踏み出してみよう! そんな泥臭くもとてつもなく格好いいメッセージが含まれているのが「On My Way」なんだと思います。
新時代の若手サウンドに酔いしれる
東京を拠点に活動するポップデュオ・SATOH。その若さからは信じられないほどサウンドが完成されている二人でもあります。
インダストリアルで海外のようなサウンドも特徴的ですが、歌詞も直球的かつ挑戦的。最初に聞いたときは「おや?」と感じたかと思いきや、心のどこかに引っかかるようなフレーズも多く、聞けば聞くほどのめり込んでいってしまうことでしょう。
かと思えば、こんなおしゃれな曲もあって、私が若い女の子ならキャーキャー言ってしまいそうです。
まだまだ秘めたる力がありそうな彼らの未来に期待です!