JELEEが青い光に照らされて輝く日――『夜のクラゲは泳げない』スペシャルイベント「JELEE MEET UP! 2024」レポート
そうやって気ままに歌う一輪の花が、私だって大好きだ
「ののたんは太陽みたいに輝いていて、私はそれに照らされていた月でした」と語るめい(島袋さん)。そんな彼女が推しである花音と行動を共にするなかで、「強く輝いてくれる存在を強く押し付けていたのかも。今なら分かります。推されるのも大変だって」と言葉にし、今は「抱きしめたくなるくらいみんなが大切で。私の温度は、太陽に照らされた温度と一緒だったんだって」と、優しく言葉にします。
めいのモノローグ後に花音が歌ったのは、「月の温度」。白いペンライトがJELEEたちを照らします。物語を経たいま、この曲は、花音が歌う意味が分からなくなったとき、苦手な歌を解禁してまで気持ちを伝えためいに対して「ただいま」を届けているような、そんな曲のようにも感じられました。
「最初に聞いたときは、ちょっと大胆過ぎるよと思った」と語るのはまひる(伊藤さん)。続けて、「あの人は厄介で自分勝手で無鉄砲で。それでいて寂しがり屋で本当に世話が焼ける。だけど、いや、だからこそ、なのかな。そうやって気ままに歌う一輪の花が、私だって大好きだ」と素直な気持ちを吐露します。
その流れから花音が歌唱したのは「渋谷アクアリウム」。「クラゲってさ、自分では泳げないし輝くこともできないけれど、外から光をため込んだら自分だって輝けるようになるの。私も花音ちゃんの傍にいたら輝けるようになるかな」と言葉にしていたまひる。実際に、彼女はJELEEの活動を通じて輝けるものを見つけました。しかし、それは花音や他のメンバーも同じ。「私は好きだ」という歌詞をまひるたちに見守られながら真っすぐ歌う花音の姿は美しく、輝いていました。
「最初は、私のための歌だった。」と語り出した花音(高橋さん)。「だけどそれは段々と雪を解かすための温かい歌へと変わっていった。私を縛っていたあの人に私の大好きを自慢してあげるような、私をつれだしてくれたみんなに大好きだよって伝えるような温かい海のような歌に」と気持ちの変化を吐露します。そして、今は「君に届けるための歌を私は歌いたい!」と宣言し、まひると抱きしめ合ったあとに歌唱したのは「深海遊泳」。
ここまでの曲同様に真っすぐに歌を届けつつも、少し切なさも乗ったような歌声に、ペンライトを振る腕を止めて聞き入る人の姿も見られました。歌い終えて深々と礼をした彼女に、ファンは鳴り止まない拍手で自分たちの想いをレスポンスしていました。
JELEEのみんなでステージ立ちたいと思っていたんです。叶って幸せでした
ライブ後に行われた朗読劇では、JELEEたちが卒業旅行でディスティニーランドへ行く物語が展開。いつもの日常を感じられるJELEE4人のやり取り、そして何だかんだ面倒見がいいみー子さんの姿が描かれていました。
そして、様々な想いが詰まったイベントも終了の時間が迫ります。高橋さんは「JELEEのみんなでステージ立ちたいと思っていて。それが叶ったのがすごく嬉しくて。幸せでした」と涙を浮かべながら思いの丈を言葉にします。
続く富田さんが「アニメのなかで彼女たちはこういう光景を見ていたんだろうな」と感想を言葉にすると、島袋さんもそれに賛同しつつ、「ライブで正面から光を浴びたことがなかったのですが、本当に美しい光景でした」と感動を露わにします。伊藤さんは、「りえりー(高橋さん)のおかげで疑似体験ができました」と感謝の気持ちをステージ上で述べていました。上坂さんは「JELEEがんばれという気持ちを込めて歌いました」と歌に込めた思いを吐露。その想いが伝わっていた観客からは、惜しみない拍手が送られました。
アクアワールド茨城県大洗水族館とのコラボ、HTML ZERO3 × JELEE コラボアパレルの発売、10月25日(金)から池袋Live Cafe Mixaにてオフィシャルカフェが開催されること、JELEEの新曲制作が決定したことなどのお知らせをしたあとは、イベントも終了の時間。登壇者それぞれがイベントの感想を述べ、最後は出演者全員で「1日は25時間。」を歌唱して、大団円でイベントの幕は閉じました。
それぞれの挨拶
上坂さん:みー子はJELEEの叔母ちゃん的な存在。見守り人としてJELEEのことを応援している側としては、みなさん側に亜璃恵瑠(ありえる)と一緒に座りたかったです。本当に愛のこもったイベントで、それに応えるみなさんの歓声がとても素晴らしい光景でした。『ヨルクラ』イベントはもう一回あるでしょう。やらせてください!
島袋さん:本日は本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、ほんとーに! ありがとうございました! 私はめいちゃんと同じ様に女性アイドルを応援していた時期があって。当時はフェスとかでいいパフォーマンスをした子がいたら「見つかったな」という言い方をしていました。(今回のイベントで)これだけのみなさんに『ヨルクラ』を見つけていただいたんだなと思い、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
富田さん:学生時代から芸能活動をしていたので、いじめられることもあって。ろくな学生生活じゃなかったなと思いながら生きてきました。でも、キウイに出会って、オーディションの原稿をいただいたとき、「私と一緒かも」と思ったんです。演じていくうちに、自分が「なくなっちゃえばいいのに」と思っていた学生時代の経験は、この子を演じるためにあったんだという風に思えて、自分のなかで気持ちが消化できた気がします。気持ちがしんどいなと思った人はぜひ『ヨルクラ』を見て、元気に生きていきましょう。
高橋さん:何から伝えたらいいかなと胸がいっぱいなのですが、今日あった楽曲たちに、それぞれ込められたかなとも思います。今日、歌がまた新しい形に変わった気がしていて、やっぱり今日で終わらせたくない。もっと育んで、もっと素敵な音楽にしていきたい。新たなお知らせもたくさんありましたが、もっと聞きたいお知らせだって、いっぱいあるんです。またみんなと未来の話ができたらいいな、と。居心地のいいこの場所が、一生続くことを願っています。
伊藤さん:『ヨルクラ』に出会えたことが人生の宝物だなと思います。私の青春でもあったなと。『ヨルクラ』はオリジナルアニメーションということもあり、ここに来てくれているみなさんが、一緒に作品を育ててくれたと思っています。本当に心から感謝しています。でも、まだ『ヨルクラ』は終わっていません。いいですか。これからも、まだまだ『ヨルクラ』の応援をよろしくお願いします!
[取材・M.TOKU]
作品概要
あらすじ
明日話すべき話題も、今週買うべき洋服も、
全部スマホ(ルビ:トレンド)が教えてくれる。
何者かになってみたい——そんな願いを持つ間もないほどこの世界は忙しい。
活動休止中のイラストレーター“海月ヨル”
歌で見返したい元・アイドル“橘ののか”
自称・最強Vtuber“竜ヶ崎ノクス”
推しを支えたい謎の作曲家“木村ちゃん”
世界から少しだけはみ出した少女たちは匿名アーティスト“JELEE”を結成する。
自分じゃない“私たち”なら——輝けるかもしれない。
キャスト
(C)JELEE/「夜のクラゲは泳げない」製作委員会