JELEEが青い光に照らされて輝く日――『夜のクラゲは泳げない』スペシャルイベント「JELEE MEET UP! 2024」レポート

オリジナルTVアニメーション『夜のクラゲは泳げない』（以下、『ヨルクラ』）のスペシャルイベント「JELEE MEET UP! 2024」が、2024年10月6日にカルッツかわさきにて開催されました。登壇者は光月まひる役の伊藤美来さん、山ノ内花音役の高橋李依さん、渡瀬キウイ役の富田美憂さん、高梨・キム・アヌーク・めい役の島袋美由利さん、みー子役の上坂すみれさん、オープニング主題歌を担当したカノエラナさん、エンディング主題歌を担当したツルシマアンナさん。MCは儀武ゆう子さんが務めました。アニメイトタイムズでは、本イベントの模様をレポートします。

クイズコーナーは富田無双

開演時間が近づいたところで会場内に流れ始めたのは、JELEEのメンバーによるアナウンス。初のライブということで「気合を入れなきゃ！」という意気込みに続いて、「JELEE MEET UP!　2024」という掛け声で、イベントがスタートします。

最初に登場したのは、カノエラナさん。オープニング主題歌「イロドリ」を歌い始めると、青いペンライトの光りが会場を包み込みました。カノエラナさんの歌唱でボルテージが高まるなか、続けてツルシマアンナさんが登場し、エンディング主題歌「1日は25時間。」を披露。ツルシマアンナさんの動きや掛け声、そして楽曲のリズムに合わせてTO（『ヨルクラ』を熱烈に応援する方々”トップオタク”のこと）たちがクラップを鳴らし、会場が一体となってイベントを盛り上げました。

　
ふたりの歌唱が終わるとMCの儀武さんが登壇し、続けて、色とりどりの衣装に身を包んだJELEEのメンバーがステージに登場。伊藤さんは「TO、つまりはトップがいっぱいいるので素晴らしいイベントになること間違いないでしょう」と言葉にすると、高橋さんは「今日をずっと楽しみにしていました。受け取れるだけ受けとってくださいね」と元気に挨拶。

島袋さんによる「1階席、2階席、3階席！」のコール＆レスポンスで会場の空気が十二分に温まったところで、今度は上坂さんが「銀河系最強アイドル」とみー子らしく挨拶したり、ラジオでも話題になった「毛深い」コールをしたりと彼女らしい暴れっぷりで、会場に集まったファンを湧かせました。

　
登壇者が挨拶を一通り終えると、まずは2024年の『ヨルクラ』活動を振り返っていくことに。その後「神絵師のミックラゲは造作もない」と題したコーナーが行われました。本コーナーは『ヨルクラ』のラジオで降臨したミックラゲが描く独特のイラストを登壇者が当てるというもの。イラストが完成する前に当てられたら5ポイント、完成したあとに当てられたら1ポイント、面白い事を言えたら3ポイントというルールで行われました。

　
早押しのボタンを何度も叩いて儀武さんに注意された回答者たちに出題されたお題は「渋谷の目つきの悪いハト」「夢の国でテンションMAXのJELEE4人」。「えっ、何!?」「これは誰!?」という困惑の声が回答者たちからあがるなか、2問とも富田さんが完成する前に正解を言い当てます。勝利を手にした富田さんは、ミックラゲが描いた人物の絵を「鼻が……面白いんだよな！」と絶妙な誉め言葉で称えていました。

　
上坂さんがライブの準備をしている合間に行われたのは、「ヨルクラあいうえお作文」。今回は「ライブへの意気込み」をテーマにJELEEの4人があいうえお作文を披露しました。回答は以下の通り。

あいうえお作文
伊藤さんのヨ「よ～し！みんなでこれから」
高橋さんのル「ルールブックには載ってない」
富田さんのク「クラクラさせちゃうぜ。」
島袋さんのラ「ライブだ　ライブだ　ライブだー!!　楽しむ準備はできてるかー!!」

「意外とできるね」と驚く儀武さん。続けて「こんな感じのライブをこれからやってくれるんだね！」と発破をかけて、準備へ向かおうとするJELEEたちの高まる気持ちを後押ししました。

JELEEいけーーーー！

バラエティコーナーがひと段落したところで、イベントはライブパートへ。暗くなった会場では、観客が今か今かとライブが始まるその瞬間を待ちます。そんな空気のなか、上坂さんが「みんな、いっくよー！」という掛け声と共に勢いよく登場。よどみない歌声で「カラフルムーンライト」を届けた上坂さんは、最後に「JELEEいけーーーー！」と叫び、バトンをつなぎました。

　
第一話で「自分を貫くと決めた」と語っていた花音が作詞した「カラフルムーンライト」。物語の序盤でみー子は本楽曲について、「ちょっとネタ曲になっちゃうけど」と言葉にしていましたが、今回のイベントでは、真剣に最後までその曲を歌い上げます。上坂さんの真摯な表情、そしてJELEEへのメッセージを叫ぶ様子は、まるで、みー子がJELEEと出会って自分らしいアイドル道を貫く決意をしたことを振り返りながら、曲に込められたメッセージを酌んで歌っているようにも感じられました。

　
これ以上ないお膳立てをされて、舞台上に姿を現したJELEE。スタンバイが終わると、まずは「青一色」を歌い始めました。同曲は、花音の過去が明かされてしまったことで中止せざる得なくなったリアルライブで歌唱する予定だった曲。作中では配信という形でライブを行いましたが、今回は実際に観客の前で披露することが叶いました。

暗くなった会場で思い思いに振る青いクラゲのペンライト。ファンと一緒に作ったあの光景は、まさに花音が見たかった景色だったかもしれません。歌い終えたあとの高橋さんの姿は、第8話でライブを終えた花音の笑顔と重なって見えました。

　
今回のライブは、歌唱前にメンバーそれぞれのモノローグが入る構成になっているのが特徴で、「最強ガール」の前には、キウイ（富田さん）が心の内を明かします。「俺は最強だった」「でも、いつの間にかヒーローではいられなかった」と振り返るキウイ。しかし、JELEEの活動を続けるなかで「俺は世界には噓をつき続けているけれど、自分自身には嘘をついていない」ことを改めて振り返り、「俺たちJELEEは最強だ！」と高らかに宣言します。

　
「最強ガール」は、そんなキウイをはじめ、JELEEの気持ちを表現しているかのような楽曲。第7話で、「私くらいひとりぼっちの生徒の味方になってもいいのかなぁって」「でも、本当は世界に立ち向かえなかった弱い自分を救った気分になりたいだけかも」と言っていたが、そんなキウイだから寄り添える気持ちもある。筆者はライブのラスサビで拳を掲げた高橋さんのパフォーマンスを見て、免許合宿で夢を打ち明けてくれたキウイに花音がメッセージと感謝を届けているような絵が勝手ながらに思い浮かんでいました。