秋アニメ『百妖譜』主人公を演じる東山奈央さんが語るフリーダム系ヒロイン「桃夭」の魅力と第2期の衝撃
2024年1月にフジテレビ「B8station」で放送されたアニメ『百妖譜』の第2期が、10月2日から放送中!(※毎週水曜日 25:25~) 本作は中国制作のアニメシリーズで、中国の動画配信サイトbilibiliではシリーズ総再生回数5.6億を記録している大人気コンテンツだ。
今回は待望の第2期の放送を記念して、『百妖譜』主人公の「桃夭(とうよう)」を演じる声優・東山奈央さんにインタビューを行った。第1期からの反響や、第2期の要注目ポイントなど、たっぷり語っていただきました! 当記事を読んでから『百妖譜』を見れば、より一層アニメを楽しめるはず!!
主人公「桃夭」を演じる東山奈央さん、第1期のラストじゃ終われない!
──『百妖譜』の第2期が決まったときの感想をお聞かせください。
東山奈央さん(以下、東山):すっごく嬉しかったです! 中国では第4期まで配信されています。なので日本でも「第2期ができるんだ!」と、嬉しかったです。
──第1期が終わった時点では、まだ未定だったのですね。
東山:そうですね。続けられるかわからなかったので、アフレコ現場では「最終回かもしれない……」と思いながら収録をしていた記憶があります。そういうのもあって、マネージャーさん経由で第2期のお話を聞いたときは、「おぉっ! 決まりましたか!!」と声が出ました(笑)。
──それは嬉しいですね!
東山:というのも、第1期の最終回で桃夭が“百妖譜”を紛失してしまったことが明らかになったんです。桃夭の旅は、実は百妖譜を探す旅をしていた……という、衝撃的な最終話でした。このままじゃ終われません。役者としても視聴者としても、続きが気になりすぎて、「これは絶対に続きをやっていただきたい!」と思っていました。
──おっしゃるとおり、あの最終回のままでは気持ちが落ち着きません!
東山:それだけじゃなく、『百妖譜』第1期は2話ごとのお話で構成されているオムニバス形式のアニメで、どのエピソードもハートウォーミングなお話でした。「本当の親孝行とは?」とか「命の尊さ、生きたい思う気持ちとは?」など、メッセージ性を感じるお話ばかりでした。大好きだったアニメなので、純粋に第2期はどうなるかが、個人的に気になっていました。
──第1期も制作の合間にインタビューをさせていただきましたが、第1期の収録を終えて、東山さんの心境に変化はありましたか?
東山:そうですね、『百妖譜』第1期をすべて録り終えて、作品からは「説明しすぎない美学」のようなものを感じました。神話やおとぎ話を見ているような、そして視聴者側に余白を与えてくれるような、不思議な物語でした。この質感が、最近のアニメでは珍しい気がしました。
──第1期が放送された後、周囲の声や反響はいかがでしたか?
東山:見てくださった方々から、「不思議な世界観がおもしろかった」とご好評をいただきました。アニメを毎週楽しみにしてくださっていたんだなという想いが伝わってきました。そして、第2期の決定が発表された後も、「この作品は好きだったので嬉しい!」という声をたくさんいただきました。
そんなファンの方々に伝えたいのですが……、実は『百妖譜』の第2期は、テイストがけっこう変わるんです。
『百妖譜』の第2期はココが変わる!第1期から大きな変化点とは
──シリーズ作品なのに、変わるのですか! どのように変わりますか?
東山:はい。私は変化を感じました。私の個人的な意見なので、公式の発表とは違うかもしれませんが、第1期のときは人間や妖怪から「心の温かさ」が伝わってくるお話が多かったです。物語のなかには切ないお話もありましたが、根底に流れているのはハートウォーミングでした。どれも「前を向いて歩こう!」と思える、いいお話でした。ですが、第2期はシリアスです!
──シリアスですか!?
東山:すべてのエピソードではありませんが、私は「人間臭いエピソードだな」と感じました。アンダーグラウンドというか、時にドロドロしていたり残酷だったり。
──第一期も「お金稼ぎに必死になる」お話がありましたが、そういうドロドロではない?
東山:あのお話(第3話・第4話「漱金(そうきん)」)は、親孝行のためのお金稼ぎでした。本当の親孝行はお金を稼ぐことではなく、お母さんのそばにいて、「笑顔で温かい時間を過ごすことこそが親孝行」というお話でした。
でも、第2期では……。言葉にしにくいのですが、想いを搾取されてしまうお話があったり、とても幸せだったのに一瞬で地獄に落ちてしまったり……でも、それには事情があるんです! みたいな(笑)。
──気になります!
東山:さらに、必ずしも「人間対妖怪」という構図ではなかったり……。おっと! これ以上はネタバレになってしまいます!!
一同:(笑)
──そうですね。やめてください(笑)。
東山:第1期を楽しんでくださった方が見たら、「これは本当に『百妖譜』ですか?」と驚いちゃうシーンもあるかもしれません(笑)。それくらい大人向けの作品に変わってきた感じがしました。
──確かに、第1期は「おとぎ話」のようなテイストの話数が多かった気がします。
東山:ですよね? 普段、我々が生活している世界では、残念だけどひどいことは起こってしまうと思うんです。現実はいいお話だけでは済みません。『百妖譜』第2期は、そういうドラマを見せてもらえるので、「この世界に救いはあるのか!?」と感じる瞬間もあるかもしれません。でも、最終的には私が演じる「桃夭」ががんばらせていただきますので、安心してご覧になってください!
一同:(笑)
──桃夭のキャラクター性に、変化は感じましたか?
東山:変わっていません!(笑) 人の食べ物を取っちゃうし、旅の仲間にげんこつをむけることもあるし……相変わらずフリーダムなヒロインです。
──それを聞いて、安心したファンも多いと思います。
東山:第1期のときは、妖怪の悩みを引き出してから、必要な言葉を投げかけることで命を救ってきました。第2期でも基本的な流れは同じですが、より強者のような立ち振舞いをしています。どっしり構えて先を見越した行動をしているように感じました。私はそんな桃夭の変化を見て、「この桃夭を演じるには、かなり先まで予習してからじゃないと収録しにくいな」と思いました。
──では、収録よりも先の話数まで読み込む必要がある?
東山:はい。わかりやすく言えば、「これってどういう伏線なんだろう?」というような仕掛けや謎解きが散りばめられていて。時系列の演出にもこだわりを感じました。第2期はそういう凝った構成になっているので、すべてが明らかになったときは、より大きな感動を得られると思います。
──それは毎週の楽しみが増えそうです。
東山:そうだと思います。アニメを見ていると、たまに「えっ!? どういうこと?」というような不思議な違和感が、サブリミナル的に差し込まれています。ですが、全11話を見終えたら、すべてがわかるはずです。
──おもしろい! 脚本家の仕事が難しそうです。
東山:そうなんです。よく練られている物語なんです。最後まで見たら、きっと感動するはずです。お話はスッと入ってくるのですが、ちょっとずつ引っかかりがあって、それが最後にすべてつながるのが気持ちいいと思います。
──第2期の構成は、第1期と同じくオムニバス形式でしょうか?
東山:はい。第2期の序盤は第1期と同様に2話完結で進み、その後は変則的になります。第2期は大きくわけて3つのエピソードを描いています。