秋アニメ『魔王2099』第2話振り返り|ベルトールへの激重感情のあまりマキナの言動がところどころおかしく…⁉ 職探しに苦戦するベルトールが最後に選んだのはまさかの……?
現在放送中の、ファンタジア文庫で刊行中の紫大悟先生のライトノベルを原作としたアニメ『魔王2099』。究極の発展を遂げた未来都市・新宿に蘇った、500年前に滅びたとされる伝説の魔王・ベルトールの活躍が見どころとなっている作品です。
今回は第1話に引き続いて、筆者の感想も交えつつ第2話の内容を振り返っていきたいと思います。
なお、本記事は『魔王2099』第2話までのネタバレを含んだ内容となっておりますので、第2話をご覧になった上でご一読ください。
第1話 振り返り記事はこちら
ベルトールに首元を触られている時のマキナのリアクションがいろいろスゴイ
第1話では、勇者・グラムによって滅ぼされた500年後の新宿に復活を遂げるも、かつての配下・マルキュスが進めていた計画により、世界の中でも最弱に近い存在にまで堕とされてしまうことになった魔王ベルトール。マルキュス役の松風雅也さんの清々しいほどの悪役っぷりも最高でした。
ベルトール復活のために、かつてとは全く異なる環境で長い時間を過ごしてきたであろうマキナの現在の暮らしを見て、ベルトールがその忠誠心を改めて実感し労いの言葉をかける一幕もありましたが、第2話のアバンでは、なぜそこまでマキナが尽くしているのかの一端が分かるエピソードが描かれました。マキナにとってベルトールは、純粋にその場で命を救ってくれただけではなく、“不死”の種族として虐げられる辛い生活からも救い出してくれた、2重の意味での恩人なんでしょうね。
そんなマキナがベルトールのために朝食を振る舞うシーンでは、メニューこそ質素ながら味噌汁も味噌だけじゃなくしっかり具が複数入っていて、一応主菜らしきもの(未来世界らしく、謎食材なのはご愛嬌です)もあり、朝食としては十分すぎるほど手が込んでいます。冷蔵庫から食材を取り出していたので、前々から用意していたのかもしれませんが、ベルトールが復活したら食べさせてあげようと、ウキウキしながら買い物をしているマキナの姿を想像すると、ちょっと心がほっこりしますね。
そんなマキナの料理を食べた時のベルトールの、本当に心から漏れたかのような「うまい…」という台詞も印象的 。個人的にベルトール役の日野聡さんが演じる食事シーンといえば、『鬼滅の刃』の煉獄杏寿郎の「美味い!」が印象深いのですが、それとはまったく「美味い」のニュアンスが違っていて、同じ一言の台詞でもここまで表現を変えられるのかと、プロの凄さを改めて思い知らされました。
今の全身鎧の姿のままで過ごすわけにもいかないので、ベルトールの服を買いにいくシーンでは、SFっぽい未来を感じられる描写が満載でワクワクしました。店員が一人もおらず、AIが自動で似合う服を見繕ってくれるというのは、服屋で話しかけられるのが苦手な筆者のような人間にはありがたい仕組みです。ただ◯ニクロって、現時点でもカゴの中にある商品を勝手に精算してくれるので(始めて利用した時はハイテクすぎてビビりました)、結構遠からぬ将来に近いシステムが実現しそうな予感もしますね。
その後、ファミリアについてベルトールが調べるシーンでは、ベルトールに首元を触られている時のマキナのリアクションが、まさに表情と声が両方“とろけている”と表現するのに相応しいものになっていて笑いました。第2話冒頭の薄幸の美少女といった雰囲気からのギャップが凄まじく、こんな顔をできるくらいマキナが明るくなったのもベルトールのおかげなのでしょう。
ついに始まったベルトールの職探しはツッコミどころが満載
さすがにこのままマキナ一人を働かせるわけにはいくまいと、職を探し始めたベルトール。彼を心配しすぎるマキナが渡した端末、明らかにキッズ向けの携帯電話みたいな性能でしたが、予めベルトールが復活したら持たせようと準備していたんでしょうか? そうだとすると準備があまりにも良すぎてちょっと怖くもなってきます。
一方、右も左も分からない状態のベルトールに履歴書をくれて、ブラック疑惑のある仕事まで教えてくれるエジュウの親切さにはちょっと感動。浮浪者っぽい見た目ですが、その直前には明らかに何か仕事の話をしていたり、ベルトールの抱える厄介な事情にも慣れた様子だったり、明らかに只者ではない空気感も漂わせていました。
その後の商工ギルドでのやりとりは「特技は◯オナズンです」の某有名コピペを連想させつつ、この世界の常識を知らないベルトールがやりそうな、ちょっとズレた会話内容になっていたのもツボでした。ベルトールの場合、実際には嘘もついてないし誇張もしてないんですけど、正体を知らない普通の人からすればどう見ても真面目に書いてない適当な履歴書なので、仮にファミリアがあったとしても、まともな仕事は紹介してもらえなさそう。
仕事が見つからず、すっかり自信を失ってマキナに膝枕されているベルトールの姿はシュールで面白かったのですが、それ以上にベルトールを慰めているマキナが心なしか嬉しそうなのが気になりました。
薄給にも関わらずベルトールが職に就こうとすることにも反対していましたし、とにかくベルトールに余計な働きなどさせずに偉大な王として構えていてもらい、その彼を臣下として支えたいという尽くし願望をマキナからヒシヒシと感じます。
ここまで言われると、甘い言葉に負けて引きこもり化しそうなところを、すぐに跳ね除けて立ち直るベルトールの精神力はやっぱりすごい。おそらくこれまでも、魔王という立場に甘んじて他人任せにせず、自分の力で事態を打開して来たのでしょう。
そんなベルトールに仕事を紹介してくれるというマキナの友人は、第1話にも登場していた自称スーパー天才美少女ハッカーの高橋でした。ベルトールが魔王ということを知っても一切物怖じしない高橋はベルトールといい友人になれそうですが、高橋の勧めでベルトールが始めた仕事は、なんと動画配信者。
早速「こんばんモータル~」という定型の挨拶を作って、ノリノリで配信してるベルトールの適応力の高さに驚きつつ、魔王という設定(ベルトールの場合は本当ですが)も、VTuberならそこまで違和感がないですから、ベルトールがベルトールのままで仕事をできる天職と言えるのかも。魔王であることを隠して誰かの下で仕事するとか、ベルトールには向かなさそうですしね。
全体的にシュールなギャグシーンも多めだった第2話ですが、常識とずれてはいるけど根は真面目でメンタルが強いベルトールや、ところどころでベルトールに対する愛が暴走しかけていて、実は結構ぶっ飛んでいるのでは…という片鱗が垣間見え始めたマキナなど、第1話よりもキャラクターの魅力がさらに引き出された回でもありました。ところどころで見られる、サイバーパンク的なSF要素を感じさせる描写も、SF好きとしてはワクワクします。
配信者になったベルトールが、ここからどうやってドン底の生活から抜け出し世界を支配ていくのかは注目のポイントで、次回以降も目が離せません。
作品概要
あらすじ
統合歴2099年―――
不死の王国を統べていた、伝説の魔王・ベルトールが迎えてから500年―――魔王再臨の刻、来たれり。
サイバーパンクシティ『新宿市』。天を貫く超高層ビル群、宙を錯綜する極彩色のネオン光―――
魔導工学の技術革新によって栄光ある発展を遂げた、究極の未来都市。
魔王が降り立った世界は、かつての絶対支配者を置き去りに、驚愕の進化を果たしていた―――。
巨大都市国家が手にした、華々しい繁栄。
しかし……その裏に隠されていたのは―――恐るべき“闇”だった。
輝かしくも荒んだ“新たな世界”を再び支配すべく、魔王は未来を躍動する!
キャスト
ベルトール=ベルベット・ベールシュバルト:日野聡
マキナ=ソレージュ:伊藤美来
高橋:菱川花菜
グラム:浪川大輔
マルキュス:松風雅也
木ノ原:伊藤静
放送情報
2024年10月12日(土)24:00~ ON AIR
TOKYO MX、群馬テレビ、とちぎテレビ、BS11:10月12日より毎週土曜24:00~放送
毎日放送:10月12日より毎週土曜27:08~放送
中京テレビ:10月15日より毎週火曜26:19~放送
AT-X:10月13日より毎週日曜日22:30~放送
※放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。
配信情報
dアニメストア、ABEMAにて地上波同時・最速配信決定!
10月12日(土)より毎週土曜24:00~
その他サイトも順次配信予定