2024年10月の総括(憧れ)|青山吉能『みずいろPlace』#93
皆さんこんにちは、元気ですか?
わたしは元気です。
青山吉能です。
さすがに今年こそは、「秋無かったよねー」なんて話はさせないぞと言わんばかりの横暴な気温が、秋の訪れを日毎に見せてくれます。
引っ越しをしてからしばらく我が家の有象無象と化していたGoogle Homeも、最近ようやくそれらに足を踏み入れる覚悟を持ち、問えば天気などを教えてくれるようになりました。
でもお前、一昨日は雨降らないって言ったじゃないか。
アスファルトに反射する輝きをゆっくり追い越しながら坂道をとぼとぼ歩きます。
あ、わたしはよく坂道を登って家に帰るという表現をしますが、これは実際にわたしが坂の上に住んでいるというわけではなく、坂の上という言葉へのなんとなくの憧れから使っています。
ポニョの家とかマジックツリーハウスとか、身近にあり地続きにあるけれど、何故だか近づけないし触れられないみたいな、Dメロみたいな、そんな魅力が「坂の上」には詰まっている気がします。
崖だし木だけど、まあなんかニュアンスは伝わってくれているはずです。
そんな概念坂の上ハウスから、相も変わらず日々どこかに行っては消費して帰る日々を過ごしています。
しかし、肌に触れる温度だけでなく、各所でしっかり季節の変わり目を把握できる職業であると思います。
ラジオの台本には必ず時候の挨拶が入っているし、収録スタジオにも季節の飾り付けを施しているところが多々あり、秋になると毎日のように異形のカボチャを目にすることになります。
とりわけ力を入れているスタジオもあって、ハロウィンの時期はもはや戦慄迷宮です。
わたしが未就学児でなく、酒気を帯びておらず、心臓に疾患がないからギリ許されているレベルに改装されています。
この無数の人骨たちは、このあとどこに行くんだろうか。成仏してくれと願うばかりです。
思えば、季節感のある人間に憧れている節もあります。
人を模したカボチャも例に漏れず、クリスマスにツリーを飾ったり、冬だからと鍋パーティーをしたり、正月におもちを焼いたり。人間のみならずお気に入りのぬいに季節ものの服を着せていたりもしますよね。
それが楽しいと思える心に、わたしには到底手の届かないレベルの充足感を勝手に感じ取っては、今の自分を見つめて、以下同文の感情。
日常に溶け込む季節が自分を置いてどんどんと進んでいっているみたいで、秋は特に足が早いものですからなんだか急いてしまいます。
わたしにはわたしの季節の感じ方だってあります。去年に比べておでんの餅巾着のこと好きになったり、洗濯物があんまり乾かなくなったなあとかちゃんと感じています。
ここに残す感情や文章が短くなったのも、向き合う矛先が増えて、それはそれは楽しく苦しく好きな日々たちに心を向けているからと言えます。
お仕事の最中で出会う様々な感情たちはすべてそのお仕事の中で完結していますし、守秘義務の関係でまだ言えなかったり、時が来た時にはもう旬が過ぎた気持ちで言葉にするまでもなかったりしています。
特にわたしは「いま」「そのとき」みたいな、面よりも線よりも点を愛することが多いです。
そんなだから流れゆく季節なんて多次元で壮大なものの存在は自分に落とし込みようがないんですね。
それではこの辺りで終わります。
さようなら。
青山吉能
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企画協力:81プロデュース
編集担当:川野優希