演じて気付いた“アイドルと声優の共通点”。TVアニメ『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』つぐみ役として出演中の井上和（乃木坂46）さんにインタビュー丨思い出のアニメと憧れの声優は？

演じて気付いた“アイドルと声優の共通点”

ーー『銭天堂』の世界観をご覧になっていかがでしたか？

井上：独特の雰囲気があって見ていてほっこりしますし、私自身、ファンタジー作品が好きなので、駄菓子の力でなにかが起こるハラハラ感に惹かれました。加えて、この作品は、駄菓子の力でなにかが起こるけど、その登場人物の感情にフォーカスがあたっているんですよね。自分の手の中にある現実とかの大切さをすごく感じさせてくれるような作品だと思います。

ーー短いエピソードながらも、毎話、人間ドラマが凝縮されていますよね。

井上：そうですね。小さい子はもちろん、大人でも楽しめる作品です。

ーー演じられるつぐみのビジュアルや設定をご覧になった感想をお聞かせください。

井上：すごくかわいいですよね。自分が演じるとわかっていながらも、「この子はかわいい声を出すんだろうな」と想像できました。その分、プレッシャーを感じましたが（笑）。

ーー（笑）。演じるにあたってはいかがでしたか？

井上：つぐみちゃんはAIということで、教授に対してはものすごく従順でありながら、アプリを使う人には明るい雰囲気で接するので、ひとりでふたつの人格があるようなキャラクターなんですよね。そこは役について説明していただいたときに不安を感じたところでもあって。

ーーひとりでふたりのキャラクターを演じているような？

井上：そうですね。なので喋り方とか声のトーンを少し変えて演じています。ただ、まったく異なるキャラクターにはしたくなかったので、共通する部分は残すように意識しました。

ーースタッフからなにかオーダーなどはありましたか？

井上：小学4、5年生くらいの女の子を想定してほしいと。収録前は自分の声色や喋り方でどうやって幼さを引き出せば良いのか悩んでいたんですけど、具体的な年齢感を提示していただいたおかげで演じやすくなりました。

あと、AIっぽさが全面に出るシーンがあるんですけど、AIを意識し過ぎてどこか堅苦しくなってしまって。そこで、AIではあるものの、アニメキャラクターっぽく、ロボットが強くなりすぎないようにすると良いですよ、とアドバイスをいただきました。

ーー演じてみて、手応えはありましたか？

井上：う〜ん、どうなんでしょう。何度か収録はしているものの、やっぱり不安はありますね。でも、ほかのキャストさんに助けてもらいながら、大切に演じられたので、きっと素敵な女の子になっていると思います。

ーーアフレコはスムーズに進んでいると聞きました。きっとバッチリだったのではないですか？

井上：そうだと嬉しいんですけどね（笑）。アイドルも楽曲などを通して言葉を届ける仕事なので、そこは共通しているのかなと思いました。

ーーアフレコにあたってなにか準備はしましたか？

井上：そもそも一番最初のアフレコは、もうなにをしていいのかわからなかったですし、何回台本を読み返しても映像と声のタイミングが合わなかったんですよ。そんな中、ほかのキャストさんに「セリフの頭と終わりの秒数を書くとタイミングが合いますよ」とか、セリフはないけど微笑んでいるときにどうすれば良いのか、アドバイスをいただくことができて。

今では教えていただいたことを踏まえつつ、家で何度も映像を見て練習しています。まだまだマイク前で早口になってしまうので練習が活きているのかはなんとも言えませんが、普段から滑舌を気にするようにしています。

ーー今回の経験は今後の活動にも活きそうですか？

井上：そうですね、活きると思います！

ーーほかのキャストのみなさんの演技をご覧になったり、掛け合いをしてみていかがでしたか？

井上：私自身、アニメや声優さんが好きなので、映像に声が吹き込まれる瞬間を目の当たりにできて嬉しかったです。掛け合いに関しては六条教授（役の大和田伸也さん）との掛け合いの数々を通して、実際にアニメの一部になれたんだと実感できた瞬間がありましたし、改めて声優さんはすごいなと思いました。