秋アニメ『ネガポジアングラー』第7話 上村 泰(監督)×岩中睦樹(佐々木常宏 役)振り返りインタビュー|菅原さんのナレーションにより完璧な”釣り番組”風に
毎週木曜22時よりAT-X・TOKYO MXほかにて好評放送中のオリジナルTVアニメーション『ネガポジアングラー』。自身も大の釣り好きである上村泰監督が、『BLUE GIANT』・『幼女戦記』を手掛けたNUTとタッグを組んでお届けする、「釣り」を題材にしたアニメとなっています。
不幸続きな青年・佐々木常宏が「釣り」を通じて、様々な出会いや経験を積んでいく様を描く本作。アニメイトタイムズでは、上村監督と佐々木常宏役の岩中睦樹さんに各話ごとの感想や収録エピソードなど、たっぷりとお話を伺ってきました! 毎話ごとの振り返りインタビューとして、各話放送後の金曜日に毎週更新中。ネタバレ満載となっていますので、ぜひ各話を見てからご覧ください!
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菅原さんにお願いできたことは本当に奇跡
──7話は一風変わって釣り番組のようであり、作中で一番謎な藤代さんにスポットが当たった回となりましたが、いかがでしたか?
岩中:藤代さん自身はあんまり姿を見なかったですよね。ナレーションが誰だったのか……謎が深まるばかりですけれど(笑)。
釣り番組風の構成も楽しめましたし、一見いいことを言っているようで何の中身もないコメントしかしていない常宏が好きです(笑)。見たものに影響を受けやすいんだろうなぁ。
──釣り番組風の演出は最初からこの回でやろうと思っていたんですか?
上村:シリーズ構成の段階からやろうという話になっていました。菅原さんにナレーションをお願いできたのは、本当に奇跡のようで、菅原さんにやっていただけることで、“本物”になるじゃないですか。ですので本当にありがたいと思っています。音響スタッフにも最初から「今回はそういう話です」と話をしていました。
岩中:実際に菅原さんは釣り番組でナレーションを担当されているんですよね?
上村:というより出演もされています。
岩中:すごいなぁ……。
スタッフ:先日撮った釣りロケの番組も菅原さんがナレーションをつけています。
(実際にナレーションがついたロケ番組はこちら)
上村:でも結局7話では何もわからないというね。
岩中:藤代さんのことは何もわからなかったですね。なぜあんなに釣りができるのかとか、なぜそんなにお金持っているのかとか、むしろ謎が深まりましたからね。
──藤代さん以外で印象に残っていることはありますか?
岩中:この回で出てきたサビキ釣りが、大変そうだなって思いました。あの糸が絡まる感じ。
上村:小さい頃僕もよく絡ませちゃって、それをお父さんがただひたすら解いていたという記憶があります。子供には竿は大きくて重いし、やっぱり絡まっちゃうんですよね。そのせいで、僕もサビキ釣りには少し苦手意識があったんです。
でも大人になってからやってみるとそんなに絡まなくて。防波堤から垂らすとか、ちょっと気をつけていればそんなにトラブルも起きないし、とても手軽な釣りだと思いますよ。
岩中:全部の針に掛かっていたときのテンションの上がり方はすごいんだろうなと思いました。
上村:取材に行った時に隣で男の子が「すっげー! やべー!」みたいに盛り上がっているのを何度も見かけました。そういう楽しさがサビキにはありますね。
岩中:やっぱりサビキ釣りってファミリー向けなんですかね?
上村:コロナが始まった頃に取材していたんですが、当時遠くに行けない時期だったので、身近なアウトドアとして釣り場にも親子連れの家族が沢山こられていて、サビキ釣りで楽しんでいたご家族も多そうでした。子供たちがすごく喜んでる姿は見てていいなぁと思いました。
──7話で好きなシーンを挙げるならどこでしょうか?
岩中:釣り番組のところはもう最初から最後まで全部好きですね。ナレーションに質問されたときにそれっぽいことを言っている常宏を演じていて面白かったです。
上村:僕は「だるぅ……」って言っている岩中さんの芝居ですね。
岩中:針が刺さったところですか?
上村:そうです。あの辺は本当に好きですね。
岩中:本当に痛そうだし、絡まってるし、臭いしっていうのがあったので、マジでだるそうにしようと思って演じました。
上村:あとはルアー釣りに失敗して帰ってきた時の、みんなは釣れてるけど、自分は釣れてないみたいなシーンです。ちょっと疎外感を感じているのに、「手伝って!」って感じで強制的に手伝っていたらだんだん楽しくなっていく流れは見ていて気持ちいいなと思いました。
岩中:最後ハナちゃんたちが楽しそうにしているのを見て、常宏も「フッ」って笑うのもすごくいいですよね。
[文・二城利月]
作品概要
あらすじ
鬱々とした日々を過ごす常宏は、ある日借金取りに追われ海に転落したところを、釣り好きの少女ハナとその釣り仲間の貴明たちに助けられる。
ハナに勧められるまま人生初の釣りを経験し、その釣り仲間とも親交を深める常宏。
ハナや貴明の働くコンビニでバイトも始め、難解な釣り用語や生アミの匂いに苦戦しながらも、徐々に釣りにハマっていく。
手元に伝わるアタリは、生の実感――。
転落し続け世界を見上げるだけの人生は、そう簡単に変わらない。
そんな常宏が釣りを通して見つけたものとは……?
キャスト
(C)NEGAPOSI-ANGLER PROJECT