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映画『MOLMAX』まんきゅう監督が“これまでで一番ヤバかった”本作の制作を振り返る/インタビュー

さまざまな表現、アイデアを取り入れ『モルカー』の世界がまた一歩広がった――『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』まんきゅう監督インタビュー|この映画の制作は、20年近い監督人生の中で「一番ヤバかった」!?

 

何度も訪れた危機的な状況も、チームのポジティブ思考と明るさで乗り切れた

──制作していく中で大変だったこと、苦労したことを教えてください。

まんきゅう:『モルカー』の初めてのオリジナル映画なので、設定を新しく起こすものがたくさんあって。特に、今回登場するカノンなどですね。脚本を作っている段階では、そこまで設定が作り込まれていない状態で、絵を起こす時につじつまが合わないことがたくさん出たりもしました。途中で設定を変えると、お話も調整しないといけないので脚本まで巻き戻して、またやり直したりして。コンテも何百カットも捨てたし、CGのレイアウトも百カット以上省いたりとスクラップ&ビルドを繰り返しながら作っていったので、途中で「本当に出来上がるのかな?」とか「企画がポシャってもおかしくないな」というくらいヤバイ時期もありました。

 

 
でも幸い、チームのみんなが前向きで明るくて、「(作品が)おもしろいんで大丈夫っすよ!」とずっと言い続けてくれたので、自分も折れずに最後まで乗り切れたかなと思います。

自分は監督を始めて、もう少しで20年くらいになりますが、間違いなく今回が一番ヤバかったです。でもこんな朗らかな現場もなかなかないなと思うくらい、制作状況のヤバさと、スタッフのモチベーションがまったく合っていないという不思議な状態が続いて、完成までこぎつけました。

──それこそランナーズハイみたいな(笑)。

まんきゅう:例えると文化祭みたいな。そんなノリもあったのかなと。

──そもそも、ショートアニメだったものを長編アニメにすること自体がかなりの冒険ですよね。

まんきゅう:そうですね。元々2分40秒の短い尺で、しかもセリフも一切なくて。でも『モルカー』の細かく作り込まれた世界観、背景美術一つとってもアート作品かなと思うくらい美しくできていて。様々なポテンシャルを持っていることは最初から感じていたので、長編にすることにまったく抵抗はなかったです。

逆に「60分で描き切れるかな」と思うくらい可能性を感じていたので、長編化のハードルはなかったです。むしろ「CGでどう再現しようか」とか、そっちのほうに注力していたのを覚えています。

──この作品は場面写を1枚切り取っても飾りたくなるし、絵が持つんですよね。

まんきゅう:今は写実的なアニメが多いので、デフォルメした美しさやアーティスティックな表現をしている作品が少なくなっている気がするし、ストーリー的にもこれだけハチャメチャやって、「よく考えたらつじつまが合ってないけど、何か観れちゃうな」っていう作品も少ないですよね。そんな中でチャレンジングなことができたのと、一つの作品としてまとめ上げられたことは、それ自体が新しいチャレンジだった気がします。

 

 

──僕らおじさん世代になると、子供の頃に観ていた『ポンキッキ』や『機関車トーマス』などのような作品に最近ほとんど触れていなかったこともあって、懐かしさとワクワクを覚えました。

まんきゅう:それはありがたいです。先ほど制作がヤバくなったという話をしましたが、ヤバくなりすぎて、志賀(健太郎)さんというクリエイターに絵コンテで、ヘルプで入っていただいたのですが、昔の映画のオマージュなど、自分だったら思いつかないような演出が入っていたりして。そのあたりが僕らの世代の人が観ても懐かしさをふと覚えてしまう要因になっていると思います。いろいろな人のクリエイティブのエッセンスが入っているので、それも結果的には良かったなと。

 

この映画でまた一歩広がった『モルカー』の世界。より一層多くの人に愛されるキャラクターになってほしい

──上映時間は事前に知っていたので、映画を観進めていくうちに、「これは時間内に収まるのだろうか? もしかしたらシーズン2に続くなんてことも!?」と不安になりましたが、ちゃんと尺の中で収まって。

まんきゅう:不思議ですよね(笑)。尺以上の情報量やボリューム感を感じられると、今でも思います。

──それでいて、無理やり詰め込んだりした感じが一切なく、おもしろいのにちょうど良くて。子供は飽きっぽいといいますが、飽きずに最後まで観られると思います。

まんきゅう:その辺のテンポの良さも、ハチャメチャが許される『モルカー』ならではかなと。普通だったらもっと丁寧に、一つひとつ解消していかないと観ている人が「これってどういうこと?」とストレスを感じるかもしれないですが、そういうものがいい意味で必要ない『モルカー』の魅力が映画でも表現できたかなと思います。

 

 

──今作の見どころや注目ポイントのご紹介をお願いします。

まんきゅう:元々のストップモーションアニメをCGで再現しようというところが最初の指針だったので、TVシリーズのファンの方もストップモーションアニメを観ているような気持ちになってもらえたら嬉しいです。ハチャメチャなストーリー展開やモルカーたちのかわいらしさ、人間の浅はかな感じなどから原作味を感じていただけると思います。

あと今回、新しくCGの表現やヒューマンキャラクターに声がついたりと、『モルカー』の世界がまた一歩広がったような感覚もあるので、これをきっかけに『モルカー』がいろいろな方に愛される作品になっていくといいなと思っています。

──世界どころか、モルカーたちは宇宙にまで行っちゃいましたから。

まんきゅう:簡単に行っちゃいましたね。竜宮城にも簡単に行っちゃうし(笑)。割とロケーションをたくさん使えるので、まだ見たことがない場所にも行けたらいいなと思っています。

 

 

──久しぶりの新作ということで、モルカーファンにとっては何よりのプレゼントになったと思います。

まんきゅう:喜んでもらえたらいいですね。

──またいつかモルカーたちと再会できるように願っています。その時はまた監督に。

まんきゅう:またこのようにいい作品を作って、インタビューしてもらえるように頑張ります。

 

作品概要

PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX

あらすじ

モルカーたちがAI化!?
モルシティにもハイテク時代到来!

この世界でもついにハイテクなAIのモルカーが登場!
ドライバーたちは次々と最新鋭のAI(あい)モルカーに乗り換えていく。

そんなある日、ポテトたちは謎の集団とAIモルカー“カノン”とのカーチェイスに巻き込まれてしまう。そこに凄腕ドライバーが現れ、ピンチから助けてくれる。どうやら彼は、いなくなった相棒のモルカーをずっと探している最中だという。それを聞いたポテトたちは“カノン”のAI機能を使って行方不明のモルカーを探す旅に出るが…。

キャスト

つむぎ(モルモット)
糸(モルモット)
メニメニアイズカンパニーCEO:相葉雅紀
ドッジのドライバー:大塚明夫
大魔法天使もるみ:田村ゆかり
カノン:村瀬歩
乙姫様:鬼頭明里
AIモルカー:鬱先生(まじめにヤバシティ) ちーの 最高コーラ

(C)見里朝希/PUI PUI モルカー製作委員会

 

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