秋アニメ『ネガポジアングラー』第9話 上村 泰(監督)×岩中睦樹(佐々木常宏 役)振り返りインタビュー|作中に小ネタが満載の回!? あんこうを捌くシーンのリアルさにも注目
毎週木曜22時よりAT-X・TOKYO MXほかにて好評放送中のオリジナルTVアニメーション『ネガポジアングラー』。自身も大の釣り好きである上村泰監督が、『BLUE GIANT』・『幼女戦記』を手掛けたNUTとタッグを組んでお届けする、「釣り」を題材にしたアニメとなっています。
不幸続きな青年・佐々木常宏が「釣り」を通じて、様々な出会いや経験を積んでいく様を描く本作。アニメイトタイムズでは、上村監督と佐々木常宏役の岩中睦樹さんに各話ごとの感想や収録エピソードなど、たっぷりとお話を伺ってきました! 毎話ごとの振り返りインタビューとして、各話放送後の金曜日に毎週更新中。ネタバレ満載となっていますので、ぜひ各話を見てからご覧ください!
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「釣りって釣ることだけが魅力じゃないよね」ってことを伝えたいエピソード
──まさかの取り立て屋の3人が再登場し、みんなで鍋を作って食べるという釣りをしない回でした。
岩中:この回は本当に日常って感じでしたね。ただ、日常テイストではありましたけど、台風でみんな同じ場所に避難しているから、非日常感もちょっとあって面白かったです。みんなで酔っ払うシーンとか大好きだなぁ……。
常宏が居ることに違和感が無くなってきたというか、もう完全に仲間になったんだなって感じる回でした。
上村:まさにこの話数でそうなるって感じはしますね。
岩中:あんこう鍋をみんなで食べてましたけど、僕あんこう食べたことないんですよ。あん肝はあるんですが。
上村:実は僕も食べれてないんですよね……。
スタッフ:ロケハンであんこう鍋を食べに行ったのは担当の演出と制作でしたね。
上村:せっかくあんこう鍋回を作ったのに……(笑)
岩中:あんこうを捌くシーンの作画がすごくないですか? 動画で吊るし切りしてるところを見たことはあるんですが。
上村:吊るし切りにするかどうかという話はスタッフの間でも出ていたんですが、さすがにエブリマートのスペースでやるのは難しいよねってことでこの形になりました。実際にお店に行って捌くところを映像に撮らせて頂いて、それを元に作画しています。本当によくできていると思います。……僕も行きたかった(笑)。
岩中:ずっと言ってる(笑)。
──今回は飯テロ回でもありましたが、好きな魚料理はありますか?
岩中:めちゃくちゃいっぱいありますよ。やっぱり唐揚げにしてビールで流し込むとか(笑)。
あとはムニエルが好きです。番組で釣りに行った時も自分で釣ったタイを持って帰って捌いてみたんですが、ムニエルが一番美味しかったです。
上村:僕は『ネガグラ』にちなむとサッパが大好きで、天ぷらとか唐揚げにするのが好きですね。あまりお店に並ばない魚なので、釣って食べるものというイメージがあります。あとはキスとかも塩焼きにすると美味しいので好きです。
岩中:僕、サバ釣りに行きたいです! サバってあまり日持ちがしないので、釣ってその場で食べるとめちゃくちゃ美味しいって聞いたことがあって。僕は福岡出身で青物をよく食べていたんですが、その中でも”ごまさば”っていう醤油とすった胡麻を和える料理が好きなんですよ。自分で釣ったサバで”ごまさば”をやってみたいですね。
──今回好きなシーンについてはいかがですか?
岩中:シーンといえば1個気になっていることがあって! 常宏がFGノットを練習している動画に映ってる人って監督に似てません?
上村:僕です。僕は何も指示してないんですが、カットが上がってきたらああなってました(笑)。
岩中:やっぱりそうなんですね(笑)。映像を見た時からすごく気になっていて、聞かなきゃって思っていたんです。他にも船の後ろに”ナット”って書いてあったり、スタッフさんの遊び心をすごい感じます。
話を戻しまして、好きなシーンは冒頭のハナちゃんですね。あの雨風の中、ずっと釣りに行こうとするハナちゃんがかわいくて好きです。
上村:危ないんで絶対にダメですけどね(笑)。
岩中:その後自分を棚に上げて常宏に「絶対釣りに行っちゃダメだぞ」って言っているのもいいですね(笑)。
──監督はいかがですか?
上村:鍋の描写がすごく美味しそうなので、このあたりですかね。あと、岩中さんも言ってましたが、みんなで酔っ払っているシーンもいいですね。いつの間にか酒を飲んでる貴明とか。
岩中:飲んでるシーンといえば、アイスがコスプレさせてるシーンありましたよね。これは何のコスプレなんですか?
上村:『幼女戦記』ですね。監督と制作会社が同じという繋がりで。
──ちなみに、9話にして釣りに行かない回を描いた意図についてお伺いしても?
上村:釣りに行かない回や、ご飯を食べるだけ回はどこかでやろうとずっと思っていて。「魚を食べることも大事にしたい」というのは企画の当初からずっと話をしていたんです。そういう意味でゆっくりする回も作りたいよねって話は前からあって。その話の中で釣りに行きたくなるエピソードというか、「釣りって釣ることだけが魅力じゃないよね」ってことを伝えたいと思って作ったエピソードになります。
[文・二城利月]
作品概要
あらすじ
鬱々とした日々を過ごす常宏は、ある日借金取りに追われ海に転落したところを、釣り好きの少女ハナとその釣り仲間の貴明たちに助けられる。
ハナに勧められるまま人生初の釣りを経験し、その釣り仲間とも親交を深める常宏。
ハナや貴明の働くコンビニでバイトも始め、難解な釣り用語や生アミの匂いに苦戦しながらも、徐々に釣りにハマっていく。
手元に伝わるアタリは、生の実感――。
転落し続け世界を見上げるだけの人生は、そう簡単に変わらない。
そんな常宏が釣りを通して見つけたものとは……?
キャスト
(C)NEGAPOSI-ANGLER PROJECT