同じオタクの言葉を信じて楽しんでほしい。芸人と声優がリスペクトし合い、win・winのアドリブ合戦を繰り広げる『朗読劇ボイコメ~声優×吉本新喜劇~』岡田直子さんインタビュー
朗読劇なのに声優陣も吉本新喜劇でおなじみのズッコケをするシーンも!? 配役には岡田さんの情報も参考に!?
――新喜劇の朗読劇ということで、アニメなどのイベントで行われる朗読劇にはない、吉本ならではのエッセンスやお笑い視点の演出など、声優もお客さんもかなり新鮮に感じられると思います。
岡田:「ズッコケ」をみんなでしたり、ギャグを入れたり、おもしろい動きをしたりと新喜劇をしながらも、声優さんの朗読お芝居のスキルの高さも感じられて、win・winの相乗効果が生まれているのではないでしょうか。
――朗読劇の各役柄もそれぞれの声優のイメージに合ったものや演じたキャラのセリフっぽいものになっているところもいいですね。
岡田:そこは私が提供した情報を参考に入れてくれて。川畑兄さんから「こんな感じでいいかな?」と尋ねられて、「めちゃめちゃ良いと思います!」とか、「この役とこの役だったらどっちが似合う?」と聞かれたら「こっちがいいです!」と、私が見たいほうに決めさせていただきました(笑)。そんなキャッチボールも何度かさせていただくことで、ファンの方に歩み寄ってくれているのも嬉しいです。
――声優・アニメファンと吉本新喜劇ファンの両方が観るので、それぞれのファンの期待に応えるのは大変そうです。
岡田:今までこういう試みはなかったと思うので、来てくださった皆さんは割とフラットな気持ちで観てくださっている方が多くて。声優・アニメファンの方も吉本新喜劇のノリって何となくわかるじゃないですか。それさえ知っていれば、小難しいことや前知識なく楽しめるのが吉本新喜劇の良さで。
吉本新喜劇ファンの方には、川畑兄さんが台本をお書きになっているし、新喜劇のメンバーも出演しているので、いつも通り楽しめますし。双方のファンに楽しんでいただけたんじゃないかなと感じました。
――ちなみに毎回、出演する声優の人選はどのようにされているのか、岡田さんが聞く機会はあるのでしょうか?
岡田:私は人選には関わっていないので何とも。ただ吉本の社員さんにすごいアニメ好きの方がいるので、その方が考えているのかもしれません。
――そうなのですね。毎回、同じイベントに集結するのが珍しい組み合わせだなと思ったものですから。
岡田:私も珍しい組み合わせだなと思いました。2回目の2日目は、小野坂さん、置鮎さん、白石さんと青二プロダクションさん所属の方々でしたが、他はまったくバラバラで、しかも若手の方からベテランの方までキャリアの幅も広くて。だから声優さん同士の組み合わせのおもしろさも『ボイコメ』の見どころの1つかもしれませんね。
トークショーでひよった質問をした岡田さんにお客さんからの温かい視線と共感が!?
――2部のトークショーは岡田さんが大活躍ですよね。
岡田:そんなことないです! 私のオタク心がダダもれで、勝手にシャシャリ出ちゃっているだけで。
――たぶん声優が出演するイベントではされない岡田さんならではの質問は、声優陣もきっと新鮮さやおもしろさを感じているのではないでしょうか。
岡田:それは私にはわかりませんが、オタクって自分が好きなことや知っていることを誰かに話したいという欲求があるじゃないですか? それが出て、「私、あの作品見ました!」とか「あのキャラのセリフが好きです!」とかめちゃめちゃ言ってしまって。声優さんは「あ、ありがとう……」という感じでしたけど(笑)。
それなのに「岡田さん、何か聞きたいことある?」と言われたら、「あっあの……休日は何をしてるんですか?」と日和った質問をしちゃって。でもそんな私を見て、お客さんは「わかる!」と共感してくれて温かいなと。
3回目となる今回はMCをFM大阪で『おふらじEX!』や『マリーのヲたく』などのパーソナリティーを担当されている淡路祐介さんに務めていただいて、私はアシスタント的なポジションなので、きっと横からワーワー言うと思います(笑)。
でもトークショーでは声優さんの貴重なお話を聞けるのがいいですね。「あの作品ではオーディションを受けて……」とおっしゃられた瞬間、「えっ!? あの作品ってオーディションがあったんですか? 私はてっきり指名だと思ってました」と前のめりになって。そのまま「じゃあ、あの役はどうだったんですか?」と質問を続けたり、知りたいことをいっぱい聞いちゃいました(笑)。
――だからこそ、声優ファンの方も岡田さんにシンパシーを感じたのかも?
岡田:そうだったらいいですね。実は吉本の社員の方から事前に釘を刺されていて。「はしゃぐなよ」とか「ハジけるなよ」とか。それに対して「仕事だからちゃんとやります」と答えたけど、本番では「イエ~!」ってハジケまくって、「お前~!」と怒られて。でも本番が終わったらSNSの反応が良かったらしくて、社員さんが「明日もお願いな」と。結果オーライということで。
――2回目のポスターやチラシには2日目の出演者に岡田さんの名前が入っていなかったので、まさにシークレットゲストですね。
岡田:そんなことないです! でも2日目は出番がなかったけど、元々お客さんとして観に来る気満々だったので、「ラッキー!」という感じでした(笑)。
今回も豪華な声優陣が出演。朗読劇の台本には岡田感が満載!
――そして『朗読劇ボイコメ』は今回で早くも3回目ですが、今回出演する声優陣についてはどう思われましたか?
岡田:2日間で6名の声優さんがいらっしゃいますが、特に斎賀(みつき)さんが私の世代すぎて感激しつつ、「あの声を生で聴けるの!?」と今からテンション爆アガりです(笑)。他の声優さんもすごくて、笠間 淳さんは今、『キン肉マン 完璧超人始祖編』でブロッケンJr.をやられているし、梶原(岳人)さんも主役をたくさんやられているし、今をときめく声優さんばかりで大好きですが、斎賀さんはやっぱり。あと大原(さやか)さんも『Fate/Zero』のアイリが好きなので。
――朗読劇のパートは川畑さんが執筆中かと思いますが、内容など何か聞いていることはありますか?
岡田:私は出演しないので、詳しいことはわかりませんが、今回も私へのヒアリングがあったので、それを参考にしつつ作られているはずです。「この声優さんはこういう役をあまりやっていないからこういう配役をしてほしいな」という要望を出しました。それをファンの方が観たらどう思われるのかはわかりませんが、私が見てみたかったので(笑)。
――朗読劇に出演していなくても「岡田感」が存分に出ていそうです。
岡田:そうですね。役やセリフの言い回しなどに岡田感が出ていると思います。恥ずかしい!(笑)