千空の夢まであと一歩。ファイナルに相応しいハイスケールな旅が始まるーー『Dr.STONE SCIENCE FUTURE』石神千空役・小林裕介さん、七海龍水役・鈴木崚汰さんインタビュー
先輩の演技にねじ伏せられる
ーー今回、演技面で変化はありましたか?
小林:今回は仲間が増えたことで、状況によってバランスよくセリフが交差していきますが、そんな中で千空は説明担当になりがちなんですよね。僕としては面白みがなくなってしまうのは嫌ですし、一応主人公なので(笑)、説明とは言えど工夫するように心がけたところはあります。
ーー説明役といえばメカ千空もありますね。
小林:今回も出てきますよ!(笑) ただ、メカ千空は声に加工が入ったりするので、自分の中であまり固まっていないんですよね。だからみなさん、「今回のメカ千空、ちょっと違う?」と思っても、それはアップデートされたものなので気にしないでください(笑)。
鈴木:イベントに来るメカ千空は違いますからね。
小林:そうそう、キャラを守ってほしいですよ(笑)。
一同:(笑)
ーー龍水を演じるにあたってはいかがでしたか?
鈴木:第4期の最初は船上ということで、常にみんなを引っ張っていくような気持ちでいましたし、忠告や警告を発するときは第一声として船員たちに伝えることを意識しました。ただそこはこれまでと変わらない部分でもあるので、今回はとにかく熱量を落とさないことを大事にしています。あと龍水は決め台詞を任せてもらうことが多いので、そこでかっこ悪くならないようにと(笑)。
ーー今回、いつも以上に叫び声が多そうですね。
鈴木:全体的にシリアスの度合いが上がっていますからね。そこは第4期の特徴でもあるので、その雰囲気を作りながら演じていたところはありますね。
ーーシリアスな展開もありますが、ギャグシーンでは相変わらず笑わせてくれそうですね。
小林:ゲスい千空は今までにたくさんありましたが、今回はとんでもなくイケメン千空になる瞬間があるんですよ(笑)。ただ、最初に演じてみたら「千空から外れすぎ」と言われてしまって難しいなと。
それでも、ギャグシーンは一度リテイクをもらうくらいがちょうど良いと思うんですよね。無難にやってもつまらないですから。この作品だとゼノ役の野島(健児)さんが「そこまで?」というくらい遊ばれていて。僕としては見ていて面白かったですし、一旦かましてみようみたいな気持ちはわかります。演技の幅を変えなきゃいけないシーンではどこまでやって良いのかを見極める機会でもあるので。
鈴木:それはありますね。龍水に関しては起伏がしっかりと作れる側のキャラクターなので、おかしなことをしてもそのまま通ることが多いんですよね。表現的な部分で逸脱してしまっても、逸脱していない範疇に収まるキャラクターだと思っているので、僕としてもギャグシーンでは少しでもおかしくなるように演じています。
ーー鈴木さんとしても一度かますような気持ちで?
鈴木:一旦かまします。でも、第3期はアドリブでわちゃわちゃすることがありましたが、第4期はギャグ過ぎる龍水はあまり見ていない気がしますね。ただ銀狼なんかは相変わらずです。そこはキャラクターごとに確立されたポジションなので様々なんじゃないかなと思います。
ーーシリアス展開が増えているということですが、収録現場の雰囲気はこれまでのシリーズと異なりますか?
鈴木:これは僕も聞いてみたいんですけど、第1期、第2期の頃に比べて人は増えていますか?
小林:そんなに変わっていないかな。でも分散収録が続いていた中、今回はやっと全員が揃ったんですよね。
ーーあぁ!
小林:ただ今回、敵と味方で明確にキャラクターが分かれているんですよ。しかも、敵チームの数も多いので、アフレコブースは自然と僕と野島さんを堺にして右半分が敵チーム、左半分がこちらチームになっていて。僕としても「これは和気あいあいとして良いのか?」と探り探りだったので、もしかしたらいつもより静かだったかもしれないです。
ーー良い緊張感に包まれていたのですね。
小林:そうなんです。
鈴木:命のやり取りをしていますからね。
ーー実際に、野島さんたちと掛け合いをしてみていかがでしたか?
小林:痺れましたね。
鈴木:ちゃんと強者でしたね。
小林:そうそう。しかも、威圧的にしているのではなく、静かにプロとして仕事を全うしているような佇まいで。役柄的にもプロフェッショナルということで、そこがにじみ出ていました。僕としては「威圧的を出すだけがお芝居じゃない」と背中で語られているような気がして、思わず「すみません!」と。いかんせん、こちらは騒がしい人ばかりなので(笑)。
鈴木:(笑)
小林:そういうやり方があるんだなって。わかってはいるんですけど、先輩のお芝居を間近で見ることが久しぶりだったからなのか刺激的に感じました。
鈴木:僕は「勝てるかな? 勝ちたいな」と(笑)。でも本当にそのくらいの強さと、説得力を感じさせる先輩たちのお芝居でした。特に、ゼノは人物像が想像しづらい、且つ、いろいろな方向性があるキャラクターなので、僕としてもどなたの声が合うのか考えたんですけど、実際にお芝居を観させていただいたら説得されてしまって。それだけの力量で演じられているから視聴者のみなさんもねじ伏せられるような感覚になるんじゃないかなと思います。
ーー第4期でおふたりが注目しているキャラクターを教えてください。
小林:ゲンですかね。彼は腕の良いメンタリストだからよく交渉や偵察に行かされるんですけど、最初はヒイヒイ言いながらもいざというときは「そういうのメンタリストに求めちゃう?」みたいになって。急に切り替わったときの“できる男”感は今回もいっぱい発揮されるので、ゲン好きにはたまらないところだと思います。あと小ネタなんですけど、とあるシーンをよく見ると、ゲンの体がほかの人とちょっと違う?というシーンがあったりするので楽しみにしていてほしいです。
鈴木:僕はモズと氷月を挙げます。ふたりとも武術を極める者ということで、互いの武術をひとつにしたらどんな力を発揮するのかなと。強さを求める武道家の人たちって、自分より強いものは吸収することが性だと思うんです。そして今回、その想いがひとつになる瞬間が熱いんですよね。でも氷月はいつ裏切るのかわからないから、みんな警戒を解いていなくて。ぜひ彼の動向もチェックしてほしいです。
ーー司を筆頭に、科学王国の新戦力にも期待ですね。
鈴木:そうですね。僕は第4期でようやく司と掛け合うことができました。個人的に中村(悠一)さんのお芝居が大好きなのでご一緒できたことがとても嬉しいです。
根底にある“人と人との繋がり”
ーー第4期の注目ポイントをお聞かせください。
小林:今回はこれまでのシリーズと比べて苦しい局面が多くなります。でも苦しみが大きいほど、乗り越えたときに得られる感動も大きくなるはずなんですよね。そういう意味でもファイナルシーズンは号泣できる内容になっていますし、僕としても早く見てほしいシーンがたくさんあります。そして、その想いはキャストのみんなも同じで、一同、熱量高く収録に挑んでいます。
鈴木:これまでと比べていろいろな意味でスケールが違うのが第4期です。海に出たと思ったら空をすっ飛ばして宇宙に行ってしまうなんて(笑)。それもそうなんですけど、人の生死が関わってくるという意味でのスケールの大きさもありますし、最初の目的地のアメリカで出会う新キャラクターたちの想いのスケールもこれまでとは違っていて。そんなこれまでとは違うところがありつつですが、本筋ではこれまでと変わらず科学をやっていくので、変わらない『Dr.STONE』を楽しんでいただけると思います。
ーー改めて『Dr.STONE』はどんな魅力を持った作品ですか?
小林:物語を通して科学がステップアップしていって、0からここまでできるのかとワクワクさせてくれますよね。ただ演じている身としては“人と人との繋がり”みたいなものをすごく感じていて。千空は特にそうなんですよね。誰に対しても壁を作らず、“自分ができないことは人にお願いする”からこそ、人との繋がりが濃くなっていて。そこは視聴者目線になってみても、演じたとき以上に絆の大切さみたいなものを感じることがあります。
鈴木:お話にありましたけど、適材適所といいますか、人にはできること、できないことが必ずあるんですよね。そんな中、この作品は誰一人として個性が殺されずに活かされている。子供から大人まで楽しめる人気の作品ですし、自分のできることを精一杯伸ばしてくれるような知育面での素晴らしさも兼ね備えているなと思います。
ーー最後に、放送を楽しみにしているみなさんへメッセージをお願いします。
鈴木:アメリカ大陸では自分たちより圧倒的な差がある科学に立ち向かわないといけない展開となります。そこで千空たちはどのような科学力で対抗していくのか。また、これまでの集大成といいますか、総力戦になる中、それぞれのキャラクターは各々ができることを真っ直ぐにこなしていきます。ひとつにまとまり、団結力が生まれた科学王国の強さをぜひ見届けてください。
小林:今まで積み重ねてきた科学がいっぱいありますけど、今回は最終シーズン(ファイナル)ということで2段、3段、5段、10段くらい一気に飛び上がっていきます。これまで通りクラフト要素も楽しんでいただきたいです。
ストーリー的にはだいぶ苦しい展開が続きます。もしかしたら意外な展開に驚くかもしれませんが、その果てには間違いない感動が待っているので最後まで見てほしいです。
【取材・撮影 MoA】
『Dr.STONE SCIENCE FUTURE』作品情報
放送情報
第4期最終シーズン第1クール 1月9日(木)22時よりTOKYO MXほかにて放送開始‼
あらすじ
宝島での激戦を終え、無事に科学王国へと帰還した千空たち。
手に入れた石化装置で、コールドスリープしていた司を復活させることに成功。司は科学王国の仲間となった!
そして、人類石化の黒幕・ホワイマンの本拠地が“月”であることを突き止めた千空たちは、月を目指す!
このストーンワールドで、ゼロから宇宙船を作るビッグプロジェクトへと乗り出した。
早速、世界中から宇宙船の素材を集める為、ペルセウス号で大海原へと飛び出した千空たち。
復活液の原料となる大量のコーンを求め、最初の目的地・アメリカ大陸を目指す。
勇気、結束、科学力、全てが試される大航海の先に、千空たちを揺るがす脅威が待ち構えていた――!!
遂に、千空たちの冒険は世界、そして宇宙へ向けて動き出す!
人類の未来を救う為、千空は仲間と共に全力で科学の道を切り拓いていく!!
キャスト
石神千空:小林裕介
大木大樹:古川慎
小川杠:市ノ瀬加那
コハク:沼倉愛美
クロム:佐藤元
スイカ:高橋花林
あさぎりゲン:河西健吾
カセキ:麦人
獅子王司:中村悠一
氷月:石田彰
西園寺羽京:小野賢章
七海龍水:鈴木崚汰
フランソワ:坂本真綾
Dr.ゼノ:野島健児
スタンリー・スナイダー:遊佐浩二