『やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中』Blu-ray&DVD BOX発売記念インタビュー|ジルが槍を折ったシーンや、カミラ・ジーク・ロレンスの会話など、印象深かったエピソードを内田 秀さん&日野まりさんが振り返る
角川ビーンズ文庫より刊行されている小説を原作としたTVアニメ『やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中』。2024年10月より放送を開始し、12月25日に最終回を迎えました。
本作のBlu-ray&DVD BOX上巻が2025年1月24日(金)に、下巻が2月26日(水)に発売となることを記念し、ジル役の内田 秀さん、カミラ役の日野まりさんにインタビューを実施!
最終回まで放送を終えた今の心境や、印象に残っているエピソードの振り返り、収録現場での思い出などをたっぷり語っていただきました。
内田さんは初主演作の緊張が徐々に解けてお芝居もカッコよく。日野さんはジルによって変わっていくカミラを見せてもらった感覚
──最終回のオンエアが終わった感想をお聞かせください。
内田秀さん(以下、内田):すごく嬉しいですが、寂しさもあります。収録が2024年の春くらいから始まって、いろいろなイベントに出演したり、ラジオの収録などをしているうちに、10月からアニメの放送が始まったりと、1年間ずっと『やり竜』に関わってきました。なので、無事に放送を終えることができてホッとした喜びと共に、「もう終わっちゃったんだな」と寂しい気持ちになりました。
日野まりさん(以下、日野):あっという間だったよね。毎回、収録のたびに「もう●話なんだ!?」と驚いていたら、「えっ!? もう12話なんて!」となって。
内田:早すぎる!
日野:でも最終回の放送日が12月25日の夜なんて、運命的だよね。
内田:クリスマスの夜に、ジルとハディスが結ばれて、素敵なエンディングでした。
──ご自身のキャラが初登場した時から最終話までの中で、成長を感じた点や演じ方を変えた部分があればお聞かせください。
日野:カミラは、私が演じ方を変えるというよりも、作中で「こうやってジルに救われていったんだな」というのが見えてきて。たぶん、カミラが生来持っていたドライな部分が、ジルと関わっていくことによってどんどん柔和になっていく過程を、12話を通して見せてもらった感じがします。なので、私が特に何かを変えたというよりも、カミラと同じ目線で演じられたことを嬉しく思います。
内田:初主演作ということもあって、最初はめちゃめちゃ緊張していて、「ちゃんとやらなきゃ!」という気持ちが強かったと思います。でも収録を重ねていくごとに、「力を抜いてやってもいいんだな」と思うようになって、いい意味で楽に演じられて、ジルとしてのキャラクター性を自分の声と演技で入れることができたかなと。
個人的に意識したのは、ハディスとの距離感ですね。第1話で、10歳に戻って求婚した時は「初対面の知らない人」という感じでしたが、第12話までに2人でいろいろな経験をして、心の距離もどんどん近くなっていって、「ハディスが好き」という気持ちも自覚するようになる、そんな心の変化を意識しながら演じました。
日野:ジルのお芝居がどんどんカッコよくなっていって。
内田:ありがとうございます!
日野:私がカミラ役ということもあり、意識して聴いていた、戦闘の時の掛け声とか敵に対する威嚇、民を率いた時の掛け声とかがどんどん勇ましくなっていって、キャラクターとのシンクロ率がどんどん上がっていって。もしかしたら最初からシンクロしていて、ジルの成長と共に秀ちゃんもそうなっていったのかな? 第11話のオンエアの「待て!」というセリフがすごくカッコよくて。
内田:嬉しい! 先ほどお話ししたように「しっかりしなきゃ!」という気持ちが強かったこともありますし、割と早い段階でみんなが「隊長!」と呼んでくれたりとか、仲良くしてくれたこともあって、演技している中でも「みんなを引っ張っていこう!」という気持ちがどんどん強くなっていったのは確かにあるかなと思います。
日野:確かに、アフレコ中も「隊長」でした。
──では逆に、内田さんは、日野さんのお芝居をどのように感じていましたか?
内田:後輩なので何かを言える立場ではありませんが……。
日野:気にしないで、何でも言って!
内田:声が変幻自在すぎて。
日野:嬉しい!
内田:原作を読んだ時、「カミラって、どんな感じのキャラクターなのかな?」と。アフレコでカミラを初めて見て、声を聴いた瞬間に「あっ!? カミラだ!」と、すごくしっくりきました。一瞬、男っぽい声が出る時も声が低くなるし、男らしい強さもちゃんとあって。「私もこれくらい演じ分けられたらいいな」と思いました。
日野:今、めっちゃ気分がいいです(笑)。
自分が演じるキャラ以外で、二人のお気に入りは?
──ジルは第1話の冒頭で、ジェラルドに裏切られ、失意のまま死を迎えましたが、気が付いたら6年前の10歳に戻っていました。ジルだけが未来を知っている状況で、周りは6年前の人たちという点で演じる難しさはありましたか?
内田:中身が16歳のまま10歳に戻ったので、今後起こりうることを知っているわけですが、悲しい結末に至るまでの過程とは違う経験をやり直していくことになります。各キャラクターを理解しつつも、ここからの物語はまったく違うものになるので。
日野:歴史を知っていても、やり直して結末を変えるために行動するから、選択肢もそこから導き出されることも違ってくるからね。
内田:ハディスと歩んでいく中でも、16歳の時とは違う経験をしているので、新鮮さを感じていたんじゃないかなと思います。
──ジルは悲劇を繰り返さないために、ジェラルドとの結婚を避けようと、とっさに近くにいたハディスに求婚しましたが、そこからの展開は予想もできないほど複雑で、政治的な駆け引きも絡んできたので、ジルを演じるのは大変だろうなと思っていました。
内田:確かに、演じる中で考えることもしゃべる量もとても多かったですね。「こういうシーンだったらジルちゃんはどう動くのかな?」とか「このセリフはどんな感じで、どういう想いで言っているのかな」とか。
でも、個人的には演じていて楽しかったです。自分が考えてきたお芝居と、みんなで掛け合いをした時では空気感も違いますし、他の役者さんの演技に合わせていったりもしたので、みんながいたからこそ自然な演技ができたんだと思います。
──振り返ってみると、登場するキャラクターがジルと触れ合うたびに影響を受けたり、変わっていって。ジルが物語の中心にいることを実感しました。
日野:ジルはちゃんと筋が通っているし、みんながジルのことを好きになっていくんですよね。たぶん、女性の視聴者が見ていてもガチ恋しちゃうくらい、魅力的な主人公なので、素晴らしいヒロイン、素晴らしい作品だなと思いました。
──序盤の段階から、敵対していたスフィアやその父、ベイルさえも助けようとするジルの優しさはすごいですよね。
日野:敵も味方も助けるなんて難しいことなのに、ジルならできるんじゃないかと思わせてくれるんですよね。
内田:終盤でも、ジェラルド側にいたロレンスが、ジルがピンチに陥った時に一時的に加勢してくれて。ジルは頭もいいし、みんなを引っ張っていく力がそれくらい強いんだろうなと思いました。
──自身の演じるキャラ以外で、お話が進むにつれて好きになっていったキャラはいますか?
日野:たくさんいますが、強いて挙げるならリステアード様かな。
内田:日野さん、ずっと言ってた(笑)。でもわかります。
日野:元々、原作を読んだ時から好きだったんですが、アニメであんなイジられ方するとは思ってなくて(笑)。
内田:おもしろすぎる!
日野:アニメで更にファンが増えたんじゃないかな。
内田:私がジルを演じていることもあって、いろいろなエピソードを見ていくうちに「ハディスって、いい人だな」と、しみじみと思うようになってきました。ちょっとダークな面もあれば、いざという場面ではジルを助けてくれますし、ジルの「誰も死なせないでみんなを助けたい」という願いもちゃんと守ってくれたりして。そういうところを見ていると「ハディスいいな♥」ってなります。
──第1話のアバンで、ジルがハディスと対峙した時はドライで残忍な感じでしたが、10歳に戻ったジルに求婚されたらすっかりデレるし、かわいくて。ギャップがすごかったです。
内田:ハディスも、子供の頃から周りの人に忌み嫌われてきたトラウマがあって。でもジルが自分を信じてくれて、好意を寄せてくれたり、ちゃんと話を聴いてくれたことで、ハディスも自分なりに変わろうとしていて。ずっと暗いままではなく、誰かを信じようとする姿がとても素敵だなと思いました。