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- 藤崎萌恵
- 大阪府在住のライター。数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。

波真田かもめ先生のBL漫画『スモークブルーの雨のち晴れ』(フルールコミックス/KADOKAWA刊)が実写ドラマ化。武田航平さん&渋谷謙人さんW主演で、ドラマDiVE枠にて2026年4月6日(月)深夜1時29分より放送がスタートします。
本作はアラフォーの元同僚2人が織りなす、大人ビターなラブストーリー。コミックは現在8巻まで刊行、累計発行部数70万部突破。ボイスコミックのYouTube再生数140万回超えの人気作品です。
かつて営業トップを争うライバル同士だった吾妻朔太郎(武田さん)と久慈 静(渋谷さん)。2人は久慈の退職日に一度だけ夜を共にし、8年後に思いもよらぬ再会を果たします。これを機に、封じ込めた一度きりの関係と、人生が動き始めて──。
本稿では実写ドラマ化を記念し、『スモークブルーの雨のち晴れ』の原作漫画をご紹介。自分は誰かと生きていくのか、ひとりで生きていくのか。住む家のことや親のこと、やりたい仕事への思いなど、悩んで焦って共有して模索していくアラフォー2人の等身大の生き方は、人生の転換期を経験していく大人たちの心を揺さぶります。
数年前までは製薬会社のMRエースとして働いていた吾妻朔太郎。全力疾走で仕事に打ち込みながらも成績は落ち始め、周りの人間が結婚や転職するなかで、自分だけが置いていかれるような焦りに心を侵食される日々。やがて限界まで疲弊してしまい、突然退職したという過去を持ちます。
38歳となった現在、朔太郎は無職で姉一家の家に居候中。危うい夜遊びをしていたところへ、久慈 静が助けに入ります。彼は朔太郎の元同僚であり、No.1の売上を誇ったライバル。久慈の退職日に一度きりの関係を持って以来、2人は8年ぶりに再会を果たします。
再会した久慈の性格は朔太郎の記憶のままでしたが、あの頃とは違う長髪姿で現れた彼は、意外にも在宅で医療翻訳の仕事をしているといいます。
8年前に封じ込めた一度きりの関係。だけど引き寄せ合うように再び久慈と肌を重ねた朔太郎は、その巡り合わせにより人生の転機を迎えることになり、思ってもみなかった道を歩み始めます。
作中で歳を重ねて行く2人が直面する悩みや不安は、読んでいて自分にも思い当たることがいくつかあり深く共感する部分も。この漫画ではセクシュアリティや仕事との向き合い方を描きながら、他人との関わりにも重きを置き、社会で生きる人間として多面的に彼らの日常と人生を映し出しています。
誕生日:11月1日
血液型:A型
身長:175㎝
38歳無職。ゲイ。根は努力家で真面目。かつては製薬会社でMRとして売上1位を争うほど仕事に打ち込んでいましたが、精神の限界を迎えて退職。現在は姉一家の家に居候中。久慈と再会したことをきっかけに、翻訳を仕事とする夢を持ち始めます。朔太郎から見た久慈は、“相変わらずムカつくけど相変わらずいい男”。
◆ドラマで吾妻朔太郎を演じるのは武田航平さん
誕生日:4月3日
血液型:A型
身長:178㎝
38歳。ゲイ。製薬会社でMRの営業トップを競っていた元エリート社員。退職日に朔太郎をうまいこと連れ出し、一度だけ体の関係を持ちました。その後、朔太郎のことは“一瞬たりとも忘れたことはない”。父親の病気がきっかけで翻訳を学び、現在は在宅で医療翻訳家として働いています。
◆ドラマで久慈 静を演じるのは渋谷謙人さん
朔太郎は久慈に誘われて、久慈の家で翻訳のバイトをすることに。それをきっかけに、いつしか本格的に翻訳を仕事にしたいという志と情熱を持ち始めます。
2人で過ごす時間は、刺激的で心地良くて穏やか。タバコの煙、雨の音、本に囲まれた部屋、古くて美しい家。そして、翻訳の仕事をテーマとする本作らしい研ぎ澄まされた言葉選びが心地良い質感と静けさをもたらし、アラフォーの落ち着いた恋愛と調和しています。
同時に内側には熱を持ち、長めの髪が相手の顔にかかり、汗ばむ肌が重なり、湿度を帯びた絡み合いも。艶のある会話や仕草が2人のあいだでたくさん交わされていきます。
翻訳について学びがある作品で、実際に翻訳したり、翻訳について語り合う光景も見どころ。本好きの人、翻訳に興味がある人にもオススメしたい漫画です。
生きていると、ままならないことも多く、時に気持ちが落ち込むことも。何もかも諦めてしまいそうになったり、立ち止まることもあります。疲れたときには休むことも大切で、全力疾走していた時には見えなかったことが、ふと見えることもあるはずです。
必死になって何かに打ち込んだことは自分を誇れる強みとなり、無駄な経験なんてひとつもない。あの頃に頑張ったことも、つまづきも、全てが糧になるのだと示してくれる作品でもあります。
朔太郎のように踏み出した一歩が新たな道を作り、思いがけない方向へと人生が拓けていくこともあるでしょう。久慈と再会してから、朔太郎は徐々に輝きを取り戻していきます。
一方で久慈もまた同じく、止まっていた時間が動き始めていました。父親が他界してから2年。朔太郎が来たことで家が動き始め、いつしか久慈の心に明かりが灯るように。
かつて朔太郎よりも一足早く製薬会社を退職した久慈は、周りから引き抜きや起業を噂されていましたが、実情は朔太郎の予想とは違うものでした。MRを続けるか迷っていた頃に父親の病気が見つかり、久慈はそれを機に父親から翻訳を学び始めたといいます。
朔太郎もそうですが、久慈もまた努力の人。医療翻訳の仕事に就くことができたのは、周りの人との縁や繋がりも含めて、これまでの積み重ねがあってこそです。
朔太郎と久慈の家族との関係も掘り下げられるなかで、とりわけ心にとまるのが父親との関係。久慈は翻訳という形で父と繋がり共に言葉を紡ぎ、朔太郎もまた父親がかつて自分に読んでくれた絵本を通して、あの頃の父と同じ言葉を辿っています。
誰しも逃れられない過去や現実があるなかで、相手が落ち込んでいるときにはそっと歩み寄り、壊れてしまう前に打ち明けて共有して感情を分け合う。朔太郎も久慈も心根が優しく、そんなふうにお互い寄りかかることができる関係にあります。
尊敬し尊重し合う朔太郎と久慈ですが、体の関係を持ちながらもその関係性は曖昧。2人が長らく“名前のない関係”を続けているのは、朔太郎の先のことへの不安によるものが大きく、失うかもしれないという恐怖を持っているから。だけど久慈の鼓動や触れる手の温かさに心が和らぐのもたしか。心もとないときは体を重ねることで慰められることもあります。
生活感のある思い出が積もっていくなかで、いつしか朔太郎と久慈は隣にいるのが当たり前に。自分のこと、相手とのこと、仕事のこと、家族のことも考えながら、緩やかに穏やかに愛が育っていきます。そんな2人の生き方と人生が多面的にじっくりと描かれており、温もりと刺激を受けながら没入できる作品です。
ドラマ『スモークブルーの雨のち晴れ』は、いよいよ4月6日(月)深夜1時29分より放送スタート。
吾妻朔太郎を演じるのは、『仮面ライダービルド』をはじめ数々の作品に出演し、BLドラマ『オールドファッションカップケーキ』でも大きな話題を呼んだ武田航平さん。久慈 静を演じるのは、子役から活躍し、2026年NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で前野長康役を務めるなど注目を集める渋谷謙人さんです。
武田さんは「ドラマ化のお話をいただく前からこの作品のファンでした。他人に言いづらい悩みや葛藤と向き合い、支え合う朔太郎と久慈。お互いになくてはならない、奇跡のバランス、繊細な関係を共演の渋谷謙人君をはじめ共演者、監督、スタッフ一丸となって丁寧に描きます。様々な境遇、どんな世代の方々にも共感していただける作品です。素敵な原作と共に、ぜひ、ご覧ください。」とコメント。
渋谷さんは「撮影初日からスモークブルーの空に恵まれ、武田航平君をはじめ、監督・スタッフの皆さんに支えられながら濃密な日々を過ごす中で、久慈静が自分に染み渡っていくのを感じています。この物語が多くの方に届き、末永く愛される作品となるよう大切に演じさせていただきます。」と意気込みを語っています。
原作の世界観が漂うドラマキービジュアルや予告映像からも期待が高まります。ぜひ原作でもドラマでも、「スモブル」の世界に浸ってくださいね。
◆現在1~8巻発売中
| 作品名 | スモークブルーの雨のち晴れ |
|---|---|
| 放送形態 | 実写ドラマ |
| スケジュール | 2026年4月6日(月)~ 読売テレビにて |
| キャスト | 吾妻朔太郎:武田航平 久慈静:渋谷謙人 久慈義治:升毅 吾妻好美:朝加真由美 森元環:山本龍人(ICEx) 森元芙美子:佐久間麻由 久慈実:田中幸太朗 久慈葉月:飯窪春菜 多治見康之:佐野和真 武市真天:蒼井旬 貫田信一郎:YOUNG DAIS 原知花:黒沢あすか |
| スタッフ | 原作:波真田かもめ「スモークブルーの雨のち晴れ」(フルールコミックス/KADOKAWA刊) 監督:高橋名月 中田江玲 脚本:開真理 青木江梨花 音楽:原田智英 制作プロダクション:レプロエンタテインメント 制作協力:stu 製作:「スモークブルーの雨のち晴れ」製作委員会 読売テレビ/エイベックス・ピクチャーズ |
| 主題歌 | OP:「最大幸福度」青木陽菜 ED:「Black out」CROWN HEAD |
