
春の終わりにUNIDOTS、Hana Hope、岬なこがつないだ音楽のバトン──初の2Days開催となった「animate Theater LIVE 2026 ~spring~」Day1レポート
アニメやライブ、イベントとの新たな出会いのきっかけを生み出すことをコンセプトに掲げる「AOM(animate opportunity meeting)」が主催するライブイベント「animate Theater LIVE」。
年4回の開催を予定している本イベントの春のライブ【AOM presents「animate Theater LIVE 2026 ~spring~」】が、5月30日・31日の2日間にわたり、東京・アニメイト池袋本店B2Fのアニメイトシアターで開催された。
「animate Theater LIVE」としては初の2Days開催となった今回は、5月30日(土)のDay1にUNIDOTS、Hana Hope、岬なこ、5月31日(日)のDay2にシユイ、asmi、DayRe:が出演。そして、両日を通して、Ray(Gt.)、久遠あきと(Ba.)、Akht.(Dr.)、Y.O.U.(マニピュレーター)による「animate Theaterバンド」がライブを支えた。本稿では、そのDay1の模様をレポートしていく。
UNIDOTSが作り出した、浮遊感と熱を帯びた幕開け
この日のトップバッターを務めたのは、ボーカル・瑞葵(みずき)と金野倫仁(こんのつぐひと)による音楽プロジェクト・UNIDOTS。アニメイトシアターでのワンマンや「animate Theater LIVE」第1弾への出演など、この場所に縁の深い彼女たちが、Day1の幕開けを担った。
ステージにはドラマー・Yuumiも参戦し、3人編成でイベントの幕が開く。ステージに現れたふたりは白い衣装に身を包み、青や赤のライトに照らされながら「溺れた魚」を披露。ゆらゆらと漂うような浮遊感をたたえたサウンドと、複雑な心象風景を映す歌詞が重なり、会場を一気にUNIDOTSの世界へと引き込んでいく。腕を伸ばし、身体をしなやかに揺らす姿からは、まるで泳ぐように歌う人だという印象を受けた。
続く「ヘヴンリー?」は、心地よくも重厚なビートに乗せて“推しへの愛憎”を吐露する楽曲だが、ステージではその湿度をスタイリッシュに昇華してみせる。そこから「メメント」へ。ド派手な演出ではないものの、音の隙間や身体の動き、照明の色合いによって空間を変えていくステージングは、まるで“かげおくり”のように、残像を観る者の心に残していく。
最初のMCでは、瑞葵が「改めてこんばんは、UNIDOTSです」と挨拶。「今日はanimate Theater LIVE 2026 ~spring~にお越しいただきありがとうございます。最後まで一緒に楽しみましょう」と呼びかけたあと、客席の様子を見て「なんかちょっとまだ硬い感じがする」と笑う。そこで瑞葵は、17時という早めの開演時間にちなみ「ライブの時ってご飯をいつなにを食べるか迷う」という話題を切り出した。
「今日何食べたかをみんなに聞こうかなと思って。参考にさせてよ」と、観客に向けて突然の“お昼ご飯アンケート”が始まる。「一人ひとりに聞くのもちょっと大変なので、せーので言いましょう。私、聞き取れるから」と言って、バンドメンバーも巻き込みながら「今日は何食べた? せーの!」と客席に声を投げかけたものの、返ってきた声の中から、かろうじて聞き取れたのは「カツ丼」。そのほかにもサラダやうどん、弁当といった声が飛び交い、瑞葵は「全然聞き取れなかった」と笑いながらも「みんなの熱量がわかってよかった」と満足そうな様子。
自然体なMCで序盤の空気をほぐしていくと「せっかくみんなの声も聞けたし、一体感も出たんじゃない?」と瑞葵。さらに次の曲で観客に一緒にやってほしい動きをレクチャーして「バスルーム・リフレクション」へ。観客が同じリズムで揺れることで、会場全体がひとつの波のように動いていく。楽曲の持つ浮遊感と、観客の身体的な反応が重なり、アニメイトシアターの距離の近さがより生きる場面となった。
とりわけ強い印象を残したのが、次に披露された最新曲「一縷(いちる)」だ。MVを背景に、瑞葵は身体をバネのように使いながら声を放ち、音と映像の狭間を切り開くように歌っていく。エレクトロなビートがライブならではの激しさを帯びる一方で、瑞葵の歌声は美しく澄み渡り、会場の隅々まで響いていった。
曲を終えた瑞葵は「熱いね! いいね!」と客席に声をかける。「みんな結構踊れるね。いいね、ありがとう」と、観客の反応を楽しむように笑顔を見せた。そしてラストの曲へ。「今日は最後だけど、8月8日(土)に代官山ORD.でワンマンをやるから、ぜひ遊びに来てください。また会いましょう。今日は本当にありがとう」と告げ、壮大なバラード「wake up」でライブを締めくくった。
Hana Hopeが届けた、作品と音楽が結びつく新たな景色
続いてステージに登場したのは、アメリカの大学で政治学を学びながら音楽活動を続けるシンガーソングライター・Hana Hope。「フリーバード」から始まったステージは、UNIDOTSが作り出した幻想的な雰囲気を受け取りつつ、Hana Hopeならではの柔らかなムードへと変えていく。
最初のMCでは「皆さん楽しんでますか?」と呼びかけ「今日ここで歌えて本当に本当に幸せです。皆さん最後まで楽しんでいってください」と笑顔を見せる。次の「Two Of Us」(『永久のユウグレ』ED主題歌)では、明るく跳ねるような空気が広がり、色とりどりのペンライトが光る。フォーキーなサウンドに、繊細で透明感のある歌声が重なり、その先にある感情や祈り、そして愛を浮かび上がらせていく。音源でもその表現力の高さは伝わってくるが、ライブではさらに20歳とは思えない落ち着きと深みをたたえた歌声が際立っていた。
そして、新曲「blue hour」について紹介する。楽曲はTVアニメ『淡島百景』の主題歌。Hana Hopeは作品について「歌劇学校の少女たちがプレッシャーと戦いながらも、夢に向かって進んでいく姿を描いている」と説明し、少女たちの強い意志や夢に向かう姿に深く共感していると語った。タイトルについては、太陽が昇る前の明け方の瞬間を表していると紹介。
その時間は、静けさの中で自分自身と向き合える瞬間であり、不安を抱えながらも夜明けへ向かって進んでいく姿を描いた楽曲だという。そうした説明を経て届けられた歌声は、まさに夜明け前の青さと、そこから差し込む光の気配を感じさせるものだった。爽やかな歌声とアコースティックなバンドサウンドが会場の空気を明るく塗り替えていく。
その後も「サファイア」(『瑠璃の宝石』EDテーマ)、「旅のゆくえ」(TVアニメ『狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』ED主題歌)、「消えるまで」( TVアニメ『はめつのおうこく』OP主題歌)と、アニメタイアップ楽曲を中心にステージを展開していく。ドラマチックな楽曲が続く中で、彼女は「ここまで私のアニメの楽曲をたくさん歌うライブがないので、すごく嬉しいです」と喜びを口にした。
MCでは、8月7日に恵比寿LIQUIDROOM、8月28日に大阪・Music Club JANUSでワンマンライブを開催することを告知。さらに、彼女にとって大切な1曲として、『Fate/Grand Order』Memorial Movie 2023テーマソングに抜擢された「flowers」の話題も。「今日ここにぴったりだなと思って持ってきました」と紹介した。その言葉の通り、楽曲が始まると会場の空気はさらに深く変化していく。
終盤、「これでもう最後の曲になってしまったんですけど、皆さんとお別れするのがすごく寂しいです」と惜しみつつ、自身の“サマーアンセム”として「サマータイム・ブルース」を披露。「みんなと一緒に手を振ったり、一緒に踊ったり、もし勇気があれば歌ったりして、楽しんでもらいたいです」と呼びかけると、フロアは一気に爽やかなムードに包まれた。
観客が手を振る姿を見ながら、「みんなありがとう!」と笑顔を見せ、温かな余韻を残してHana Hopeのステージは幕を閉じた。






























