エンターテインメントは常に進化する!導くのは“武将”たち――コーエーが全人類に送る『戦国武将祭』で新しい歴史が創られた!
女性を中心とした戦国武将ファンの急増は今や一般誌でも記事になるほど。ゲームはもちろん、アニメやコミックなどでも、“戦国”を題材にしたコンテンツが大ヒット中だ。
その老舗にして草分け的存在である株式会社コーエー(現コーエーテクモホールディングス株式会社)が自社の戦国コンテンツを核にした、『戦国無双3』声優陣や音楽アーティスト、タレント、武将ファイターが一堂に会するイベント『戦国武将祭』を、3 月6日(土)、7日(日)に、さいたまスーパーアリーナにて開催。草尾 毅 さん(真田幸村役)、小杉十郎太さん(織田信長役)、中田譲治さん(上杉謙信/徳川家康役)ら延べ14人の豪華声優陣と、武藤敬司選手、蝶野正洋選手、小島 聡選手など総勢19人のプロレスラー、そしてGACKTさん、Do As Infinityさん等の人気音楽アーティストや、タレントの水野裕子さん、佐々木希さん、次原かなさんが出演。更に総合司会は大東俊介さん、杏さん、フットボールアワーさん(6日)、麒麟さん(7日)が務めるなど他に類を見ない豪華な顔ぶれとなった。
このイベントの目玉“戦国ブロック”は、戦国時代の一連の流れを、その象徴とも言える“合戦”を切り口に、ゲームのイベントシーンを元にした映像と声優達の生アフレコによるボイスドラマでその合戦に至るまでの武将たちの心情や背景を表現し、合戦を甲冑や着物に身を包んだパフォーマー達のダンス等で表現し、ストーリーの結末をそれぞれの武将のコスチュームに身を包んだ“武将ファイター”達が実際にファイトで再現。更にファイトの試合結果により、イベント全体のストーリーも変化するという画期的な試みだ。
さらにボイスドラマではストーリー上登場しないキャラクターの声優がナレーションを務めるとあり、こちらも毎回がサプライズという嬉しい構成だ。
●「小杉+蝶野=信長」!?生ボイスドラマと肉体エンターテメントの奇跡のコラボレーション!
6日は小杉さんがナレーション読み上げる川中島の戦いからスタート。中田譲治さん、高塚正也さん(直江兼続役)、草尾毅さんが出演し、特に人気の高い「川中島の戦い」を再現した。その後リングには武藤敬司選手(武田信玄役)、KAI選手(真田幸村役)VS小島聡選手(上杉謙信役)、カズ・ハヤシ選手(直江兼続役)のタッグマッチが繰り広げられ、武田信玄が必殺のシャイニングウィザードで直江兼続をリングに沈めた。
続いて戦国市場最大のターニングポイント「本能寺の変」では袴姿で登場の大塚明夫さんの重厚なナレーションの中、小杉さん、緑川光さん(明智光秀役)、神谷浩史さん(浅井長政役)、前田愛さん(お市役)が登場し、浅井長政とお市の悲恋から明智光秀が信長を討つことを決意するまでを熱演。特に緑川さんの決め台詞「敵は本能寺にあり!」には、会場のファンから思わず歓声が上がった。ここでの対戦カードはまさに魔王の風格の蝶野選手(織田信長役)VS AKIRA選手(明智光秀役)。ここでは信長が見事勝利するも、光秀の真意を見抜いた信長が自ら炎の中に消えていった。
ここで信長の魅力一色に染まった会場の空気を受けるかのように「戦国LIVE-STAGE」が開幕。
小杉さんが信長のテーマソング「極~苛烈五十年」のほか、石川英郎さん(毛利元就役)が「大河滔々」、草尾毅さん・竹本英史さん(石田光成役)・高塚正也さん(直江兼続役)が「仰ぎて天に愧ず」と、それぞれ持ち歌を披露した。
普段、イベントなどで歌いなれている声優陣も「こんな大きな舞台で歌うのは最高ですね!すごく非常に気持ちいいです!」(小杉さん)。「広すぎて見えないぐらいです」(石川さん)と、かつてない規模のステージに大満足の様子。そして陣羽織を身に纏い、アイドルばりの振り付けという気合十分のステージングを披露した草尾さん達のユニットは「練習とか大変やったでしょう?」(フットボールアワー・岩尾さん)と聞かれると「述べ十時間以上練習しました」と自信満々に答えた。また、「この見た目通りの“中年隊”(笑)に根気よく振り付けを指導してくださいました先生、ありがとうございました!」と感謝を述べると、会場は盛大な拍手に包まれた。
●前田利家のハイキックに北条氏康が失神!?そしてGACKT登場!!
その後は豪華アーティストによる「戦国の宴-LIVE-」へと続き、Do As Infinityさんを筆頭に、SHANADOOさん、alanさん、谷村奈南さんらが出演。ここでもSHANADOOさんは色とりどりの着物姿で登場する等、“戦国”に相応しいパフォーマンスをそれぞれが披露した。
そして迎えた第二部。スポットライトに照らされたナレーションの神谷さんへの歓声とは裏腹に、物語は怒涛の展開へ。「小田原の戦い」では石川さん(豊臣秀吉役)、竹本さん(柴田勝家と二役)、小西克幸さん(前田利家役)、杉田智和さん(加藤清正役)、鈴木真仁さん(甲斐姫役)らが入り乱れるなか、信長の遺志を継ぎ、天下統一を目指す秀吉が関東の北条氏を打倒するまでの物語が描かれた。ここでは船木誠勝選手(前田利家役)VS近藤修司選手(北条氏康役)の対決が行われた。序盤、利家の鋭いハイキックに意識が朦朧となりながらも果敢に立ち向かう氏康だったが、関節技で利家が勝利を収め、秀吉の天下統一は目前となった。
そしてクライマックスの「関ヶ原の戦い」では杉田さんがナレーションを務めるなか、中田譲治さん(徳川家康役)、大塚さん、竹本さん、高塚さんが出演し、日本が西軍と東軍に分かれ、天下分け目の決戦に向かうまでが描かれたのをうけ、続くリングでも、飯伏幸太選手(石田三成役)、青木篤志選手(立花宗茂役)、石森太二選手(長宗我部元親役)の西軍VS杉浦貴選手(徳川家康役)、高山善廣選手(本多忠勝役)、HARASHIMA選手(伊達政宗役)の東軍による合戦が繰り広げられた。最後は家康が宗茂からカウント3を取り、史実通り東軍の勝利に終わった。
ここで最後の戦国LIVEとしてGACKTさんが登場、煌びやかな甲冑に身を包み、太刀を振りかざして熱唱するGACKTさんの姿に会場は大興奮となり、「斬」と「雪月花」の二曲のステージはあっという間に幕を閉じた。
そしてグランドフィナーレでは、この『戦国武将祭』のタイトルソングでもある「Live In The Castle」をPhoenix 2:00AM feat.Ami Suzukiさんが歌い、最後は出演者全員が壇上に上がり「これにて天下統一!」の掛け声で熱狂のイベントは幕を閉じた。
●暴走する信長、家康の前に立ちはだかる暗殺者、愛の武将がモノマネ…波乱の二日目が開戦!
おおむね史実どおりに進行した一日目とは打って変わって、二日目は意外な展開や、ゲームならではの「if(もしも)」の展開が満載のステージとなった。
この日は「本能寺の変」からスタート。内容は前日と変わらないのだが、生ドラマ後にはゲストの佐々木希さんが登場、お市をイメージしたキュートなコスチュームに身を包み、ついで始まるファイトにも蝶野選手演じる信長につき従い、覇王のリングインに華を添えた。しかしここから早くもイベントは急転直下。まるで信長が乗り移ったかのような蝶野選手の荒々しいファイトはなんと審判にまで攻撃を加えてしまい、結果的には光秀役のAKIRA選手が勝利したものの、最後は信長が甲冑姿の武者達に取り押さえられてリングを去るという波乱の展開に。
続く「天正壬午の乱」草尾さん(ナレーション)、中田譲治さん(徳川家康役)、大塚明夫さん(本多忠勝役)、檜山修之さん(風魔小太郎役)、鈴木真仁さん(甲斐姫役)が出演し、天下統一に向けて奔走する徳川家を苦しめる刺客として風魔小太郎が立ちはだかる緊迫の一幕が演じられた。そしてドラマを再現するかのように、リングでは稔選手(服部半蔵役)VS NOSAWA論外選手(風魔小太郎役)の試合が行われ、まるで本物の忍者を見るような激しい空中戦が繰り広げられ、普段試合を見慣れていない観客も二人の激しいバトルに歓声と拍手を送った。
続いて一日目と同じく「戦国LIVE-STAGE」へ、この日は二番手に檜山修之さん(伊達政宗役)が登場し、「天翔ける竜の如く」を力強く歌い会場を大いに盛り上げた。
前日に続き信長のキャラクターソングを熱唱し「二日続けてこんな素晴らしい舞台で、しかも信長のキャラソンを歌えるなんて…」と改めて感激をあらわにしていた小杉さんとは対照的に、檜山さんは「歌っているときはライトの逆光で(全景が)見えなかったんですけど、今改めて見るとすごいですね」とかつてない規模のステージに興奮した様子だった。
そして前日と同じく三人でパワフルなステージを披露した高塚さんは麒麟の川島さんの声マネを披露。「俺よりいい声で言うの辞めてくださいよ」と突っ込まれながらも、最後には二人で仲良く「麒麟です」と美声を披露。会場はひとしきり笑いに包まれて休憩となった。
●信玄が秀吉にシャイニングウィザード!?ますます混迷を極める歴史の結末は…?
「戦国の宴-LIVE-」ではDo As Infinityさんらが楽曲を披露。「無双」シリーズの最新作となる「北斗無双」のテーマソングを歌う谷村さんの劇中のキャラクターと同じセクシーな衣装には、会場の女性からもため息が漏れていた。また、「無双シリーズ」の大ファンだというMC陣も期待のコメントを寄せていた。
続いて始まった第二部では「小田原の戦い」が「if(もしも)」の設定で展開された。杉田さんのナレーションに合わせて石川さん、竹本さん、中田さん、鈴木さんらのドラマの中で信玄と謙信が同盟を結び、対戦カードも武藤選手、小島選手VS新崎人生選手(柴田勝家役)、TAKAみちのく選手(豊臣秀吉役)という、という異色の展開に。ここでは秀吉がコミカルな動きやトリッキーな動きで会場を沸かせるも、最後は信玄と謙信が息のぴったり合ったコンビネーションを見せ、シャイニングウィザードからラリアットのコンビネーションで見事勝利を収めた。
そして二日間にわたるイベントは遂にクライマックスへ。最後の「関ヶ原の戦い」では、緑川さんのナレーションに中田さん、大塚さん、竹本さん、高塚さん、草尾さん、檜山さんという戦国時代のクライマックスを飾るに相応しい豪華キャストが激しく入り乱れ、戦国の世の最後の一花を大いに盛り上げた。そして行われた最終試合は、飯伏選手、KAI選手、カズ・ハヤシ選手の西軍VS高山選手、HARASHIMA選手、高木三四郎選手(加藤清正役)の東軍による試合が行われた。しかし試合の最中に突如会場が暗転、そして会場に響く小杉さんの「是非もなし」の声と共に突如蝶野選手(信長)が地獄より蘇り、会場を埋め尽くすざわめきの中、堂々と試合に乱入!なんと劣勢だった西軍に加勢し、その援護を受けた三成が政宗を破り、西軍の勝利という歴史を覆す展開で「戦国ブロック」は幕を閉じた。
●演じ、戦い、歌い、踊る。まさにエンターテイメントの戦国絵巻、これにて天下統一!!
この日も最後には会場の興奮に止めを刺さんばかりに登場したGACKTさんが前日に勝るとも劣らない熱気で会場を圧倒。続くPhoenix 2:00AM feat.Ami Suzukiさんの楽曲と続き、ゲーム、声優、音楽、パフォーマンス、そしてファイトという、古今東西のエンターテイメントが融合した二日間の幕は閉じた。
両日とも突如始まったファイトに戸惑う空気が漂う場面もあったが、イベントが進むにつれ、徐々にその魅力に魅せられ盛り上がりを増していく客席の姿と、会場の空気を探りつつもそのポテンシャルを十分に見せ付けた武将ファイター達の姿が印象的な二日間だった。
そして各パートごとに挿入されるダンスや炎を使った迫力満点のパフォーマンス、豪華アーティスト達の夢の競演にお笑い芸人のトークと、一見“なんでもあり”と思いながらも、いざ蓋を開けてみると実に多彩ながらも、それぞれが“戦国”という一つのテーマに結ばれており、時間の経過を感じさせない、まさに“夢幻のごとく”な二日間であった。
なお、初日の冒頭には今年一月に亡くなられた武田信玄役声優の郷里大輔さんに一分間の黙祷が捧げられ、名優に対する哀悼の意が示された。
<取材・文:渡辺 佑>
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