原作者・冲方丁氏やバロット役の林原めぐみさんが見所大紹介!『マルドゥック・スクランブル 燃焼』公開直前記念イベントレポート!“冲方サミット”によるガチンコ・カジノバトルも開催!
2011年8月30日、東京・新橋のスペースFS汐留にて、映画『マルドゥック・スクランブル 燃焼』公開直前記念イベントが行われた。
本作は、冲方丁(うぶかたとう)氏原作のSF小説『マルドゥック・スクランブル』をアニメ映画化(全3部作)したもの。イベント当日は、原作・脚本を務めた冲方氏、工藤進監督、主人公・ルーン=バロット役の林原めぐみさんが登壇。今作の見所について話してくれた。
前作『マルドゥック・スクランブル 圧縮』では、少女娼婦バロットは、賭博師シェルの犯罪に巻き込まれ、シェルの放った刺客・ボイルドとの死闘を繰り広げるハメに。そして衝撃のラストシーンで続くとなり、ファンをやきもきさせ話題となっていた。林原さん自身も、約1年ぶりの収録については、「続きがすごく気になっていましたが、収録開始5分ぐらいで解消されました。でも収録が始まるとすぐMAXシーンだったので、珍しいの経験でした(笑)」とコメント。
そして、今作の見所の一つに、バロットがカジノでの勝負を通して、成長していくというものがある。当初、スタッフの間では、アニメでカジノシーンを表現するのは難しいのでは?という意見も出ていたそうだ。だが、白熱のルーレット勝負など、見事なシーンを作り出している。日本カジノスクールの先生に監修や実演をお願いし、それらの所作をアニメーターが再現しているのだ。因みに先生は、原作を前から読んでいたという縁もあったそうだ。
●冲方氏たちが制作秘話を大公開!
その中で、原作&脚本・冲方氏は「今作へは自分から注文をだすというよりは、スタッフの一員として、原作ファンの期待を裏切らないように、というのが最優先だった」とコメントしてくれた。制作過程では、尺に収まりきらないことも多々あり、監督と話をして、ヤスリがけのような作業だったという。シーンそのものはカットしないで、中の台詞を言い換えると0.1秒短縮できる、というのの繰り返しだったそうだ。ただ、一つリクエストがあるとすれば「あと30分尺がほしい!」と冲方氏は語ってくれた。
また、工藤監督は作品を作る上でのテーマとして、「一箇所は、今までみたことのない映像をつくりたいなって思ってるんです」という。第1部『~圧縮』でいうと、色彩の鮮やかさ、色の使い方が相当するそうだ。今回もいくつか撮影処理的な部分で力を入れており、林原さん曰く「楽園(※本編に登場する命の研究を行う実験施設)」の描写が、それに相当するとのこと。
林原さんも完成版を観て「もう、ちゃんと言葉に置き換えられないです。TVアニメの13話~23話分が、ギュッと入っていて、それが一気に感じられるからいいんでしょうね。目が離せないんです」と話してくれた。
そしてトークパートの最後で、工藤監督は「『~圧縮』公開から1年、今回も数少ないスタッフで作りました。前回、フィルムが1年全国を旅して、全国の方々に観ていただくかたちになりました。今回の『~燃焼』も、同じく全国を旅してまわってくれると嬉しいなと思っています」とコメントしてくれた。
●それぞれの願いをかけてポーカーバトル!
更にトークの後は、“冲方サミット”参加メンバーによる「ガチンコ・カジノバトル」を開催。“冲方サミット”とは、早川書房やキングレコードなど、冲方氏の関連書籍を発行する出版社やビデオメーカーのスタッフによる組織。過去にもトークイベントなどを開催している。今回は、各社が、冲方氏にやってもらいたい仕事を優勝賞品として、ポーカー対決を行った。勿論、冲方氏も「1ヶ月失踪権」をかけて参加だ!先述にもあった日本カジノスクールの先生がディーラーを務め、約1時間半にわたるバトルが行われた。
結果は、講談社・アフタヌーン編集部(※冲方氏原作の時代小説を漫画化した『天地明察』を連載)が優勝し、「絵心のある小説家・冲方さんにセルフパロディ4コマ『春海くん』を描いてもらう権」を獲得!冲方氏は、失踪(休暇をとることが)できなくてものすごく悔しがっていたが、近々発表されるであろう4コマ漫画に期待だ。
こうして、イベントは大盛り上がりで終了。今後も『マルドゥック・スクランブル』シリーズの動向に注目だ!<取材・文:小俣猛>
テアトル新宿他、全国で上映中。10月以降も、全国で上映館が追加されるので、詳細は公式サイトを参照!
映画 マルドゥック・スクランブル 公式サイト