真戸原さんの好きなアニメはまさかの……!? アニメ『弱虫ペダル』のエンディングテーマを担当するアンダーグラフの真戸原さんに独占インタビュー!
10月からアニメ版の放送が開始され、大好評の『弱虫ペダル』。原作は、渡辺航氏(週刊少年チャンピオン)の自転車<サイクル>ロードレースをテーマにした漫画で、累計500万部発行を誇る超人気の作品だ。
さらに、アニメのエンディングテーマの「風を呼べ」を手がけるのは、デビューシングルの「ツバサ」で40万枚という記録を残し、多くの人の心に刻まれる1曲をリリースし続けるアンダーグラフ。メジャーデビューから10周年を迎えた今年に、初のアニメとのタイアップ曲ということに加えて、アニメで巻島裕介役を演じる、声優の森久保祥太郎さんとラップでコラボするなど、多くの話題を呼ぶ1曲をリリースすることになった。
今回の記事では、そんなアンダーグラフのヴォーカル&ギターを担当する真戸原直人さんに独占インタビューをする機会を頂いた! 11月20日(水)にリリースされるシングル『風を呼べ』についてや、アニメの曲を担当しての心境などにズイッと迫っているので、是非ご覧ください!
【●最初は『弱虫ペダル』のオファーを断ろうと思っていた】
──アニメ『弱虫ペダル』のエンディングテーマを担当することになった経緯をお聞かせください。
真戸原さん:最初は『弱虫ペダル』のアニメが始まるので「曲を一度書いてみないか」と言われたのがきっかけです。
──アニメの楽曲を作るのは始めてのことですよね。
真戸原さん:作った曲がアニメに使われるというのは過去にもありましたが、タイアップという形で関わるのは今回が始めてです。実は、僕自身は長らくアニメという物を見ていなかったこともあり、最初は「想像しきれるかな……」とオファーを断ろうとも悩んでいました。
──曲の制作に踏み切った理由はなんだったのでしょうか?
真戸原さん:メンバーと相談してみると「最近のアニメは子供だけでなく大人も見ているし、クオリティもすごく高いので、やれる機会があるのなら絶対やってみたほうがいい!」と言われたんです。
──それで挑戦してみようと
真戸原さん:……メンバーは言うだけで、書くのは僕なんですけどね(笑)。
──アンダーグラフの楽曲は真戸原さんおひとりで作詞と作曲をされているんですよね。今回の「風を呼べ」も例外ではなかったんですか?
真戸原さん:そうですね。ただ、今回は音楽プロデューサーの方もいらっしゃったので、その意思に沿う曲にしつつ、しっかりと自分たちのやりたいこともやるという、真ん中の部分を目指しながら作りました。
──アンダーグラフのみなさんの「やりたいこと」とはどんなものだったのでしょうか?
真戸原さん:この曲を作る際、最初に「さわやかな感じをください」と言われました。ですが、僕らの作る曲はどこかアンニュイな部分があって、さわやかな曲というのはなかなかありません。そこで、この曲は『弱虫ペダル』に出てくる主人公や、自転車好きの方に伝わるような音にできたらいいなと。
──この曲にはそんな想いがこめられているわけですね。
真戸原さん:本当にすごく悩んで、個人的にお付き合いがあった『ツルモク独身寮』という漫画を描いている窪之内英策さんにアドバイスを頂いたりもしたほどです(笑)。
──その時、窪之内さんはどんなアドバイスを?
真戸原さん:「あまり萎縮せずに、原作の雰囲気を自分で広げてやるくらいの気持ちで書けばいいんじゃないか」と言われましたね。
──なるほど。作詞の際には原作もご覧になりましたか?
真戸原さん:漫画を読んで、作品の空気や雰囲気といったイメージを掴み、曲を作っていきました。
──先ほどお話しがありましたが、作品にマッチするさわやかな感じで曲が仕上がっていますよね。
真戸原さん:最初に出した案はダメと言われてしまったんですけどね(笑)。
──そうなんですか?(笑)
真戸原さん:音楽プロデューサーの方はそれも気に入ってくれたのですが、アニメのイメージとは少し違うということでした。そこから、キーやテンポといった、歌詞以外の部分はガラッと変えて、ブラッシュアップした結果が現在の物になります。今回のように、バンドマンではない第三者の方と話をしながら曲を作るということは、アンダーグラフとしてはあまりない経験だったので、少しドキドキしつつ、楽しい時間でしたね。
──制作中に印象的だった出来事などはなりましたか?
真戸原さん:アニメを中心に作った曲ということもあって、ほぼ完成した状態の頃に、アニメのイメージに合わせてテンポを上げようという話になったことが印象的ですね(笑)。
──完成間近でですか。
真戸原さん:作った曲のイメージやアレンジなど、雰囲気がすべてひっくり返るくらいで、僕らの経験上では考えられないほどの大幅な変更でした。テンポが早すぎて、ドラムやボーカルが対応しきれないんじゃないかと不安になったほどです。そんなこんなで、最終的に完成したのは9月の頭くらいでした(笑)。ただ、今はテンポを上げてよかったと思っています。
──大変な苦労があったんですね。完成した曲にアニメーションがついた物をご覧になっていかがでしたか?
真戸原さん:少し恥ずかしい感でしたね(笑)。始めて有線から自分の声が聞こえた時を思い出しました。そして、いろいろなことを乗り越えて出来上がった曲が、テレビから流れて来るのは、とても幸せで嬉しかったです。
【●森久保さんとのコラボは個人的なオファーで実現】
──「風を呼べ」は真戸原さんにとって、どんなイメージの楽曲になっているのでしょうか?
真戸原さん:『弱虫ペダル』のオープニングである「風を呼べ」は、原作の漫画を読んで感じた、自転車に乗って風を切るようなイメージをメインテーマにしています。1番は自転車に乗る少年の気持ちになって、一緒に応援できるような曲になっていますね。2番に関しては少し自由に詩を書かせてもらいました。「今、風が必要なことってなんだろう?」と思った時に、風力発電のプロペラがでてきたんですよ。僕らが電力の問題などを抱えている中で、風が人間を助ける物になるなぁ……と。2番には、そんな自転車の“人力”と風という“自然”の両方をかけた、少し深いテーマを込めています。
──タイアップ曲の「世界で一番素敵な人」はどんな曲ですか?
真戸原さん:こちらは、エフエム大阪のDJの方にお子さんが産まれるということで、そのお祝いとして作った曲です。これまで、この曲はお披露目する機会がなく「いつかは出したい」と考えていて、今回収録する形となりました。テーマは「こんにちは赤ちゃん」で、ケルトというアイルランド地方のダンスミュージックをイメージした、可愛らしい感じに仕上がっています。
──なるほど。「風を呼べ」では、アニメで巻島裕介役を演じる声優の森久保祥太郎さんもラップで参加していますよね。
真戸原さん:森久保さんとは、音楽イベントで何度かご一緒させて頂いて、アニメのキャスティングが発表された時に「こんな機会絶対に無いな」と思ったんです。それで、深夜にメールで「是非一緒にやりませんか?」と送ったら、快く承諾してくださいました。
──もともとコラボする予定ではなかったんですか?
真戸原さん:はい。僕が個人的にお願いしました。僕の中でも、この曲はアニメをとことん意識して作ろうと考えていたので、この曲を聞いてくれるアニメが大好きな人達にとって、楽しめるひとつの要素になればいいなと思ったのがきっかけですね。
──森久保さんのラップは本当に違和感なく曲の雰囲気を盛り上げていますよね。
真戸原さん:流石のひとことでしたね。森久保さんは声優という声を仕事にしている方ですので、音の操り方などは絶妙です。
──曲を聞いていても、もともとアンダーグラフのメンバーなのではないかと思ってしまうほど違和感がないですよね(笑)。
真戸原さん:そうですね(笑)。ラップの歌詞などは僕が考えて歌ってもらい、アンダーグラフの色に近い、とても自然な形で仕上げることができたと思います。森久保さんもすごく喜んでくださっていました。
──もしや、アンダーグラフのライブで「風を呼べ」を披露することになるなら、森久保さんがゲストとして登壇することも……?
真戸原さん:(笑)。今度、ニコニコ生放送でお会いするので、その時に直接オファーしてみます。
──期待しています(笑)。近々、ライブのご予定はありますか?
真戸原さん:大きいもので言えば12月17日(火)に予定している、マウントレーニアホールでのライブがあります。このライブでは、たくさんのゲストのみなさんを招待するほか、新曲を披露するという意味で、「風を呼べ」もセットリストに組み込む予定です。あとは、何処かの学祭にこっそり参加させて頂くことも検討していますね。
【●次のタイアップ曲は某猫型ロボットが活躍するアニメの曲……かも!?】
──今後、アニメとタイアップした楽曲をオファーされたらどうしますか?
真戸原さん:僕らの音楽と接点がある作品ならば、いくらでもやってみたいですね。個人的には、アニメのエンディングテーマに使われるような、切ない雰囲気のある曲が好きなので、今度はホロッと泣けるような曲にも挑戦したいと思っています。
──これからアンダーグラフの曲がアニメで流れることが増えるかもしれない……ということですね。
真戸原さん:あとは、別の方が歌う曲を作ってみるのも楽しいかなと。
──なるほど! 確かに森久保さんを始め、声優の方の曲を手がけたりしたら……是非聞いてみたい物です。
真戸原さん:夢がありますよね。お声をおかけ頂ければ、いくらでもやってみたいです(笑)。
──ちなみに、真戸原さんは好きなアニメや漫画はありますか?
真戸原さん:僕、有名な某ネコ型ロボットが活躍するアニメが大好きなんですよ(笑)。
──(爆笑)。では、その主題歌をやりましょう!
真戸原さん:なるほど。スキマスイッチさんもやっていましたし、機会があればお願いしたいですね(笑)。
──それでは、最後に読者とファンの方へメッセージをお願いします。
真戸原さん:アニメのタイアップ曲ということで、僕らとしても最大限の力で望んだ1曲となっています。森久保さんにも協力して頂いているので、アンダーグラフとどういった感じでコラボしているのか、アニメだけでは聞けない部分まで楽しんでください。そして、もし僕らの曲を気に入って頂けたなら、是非ライブにも来て頂きたいです。ライブは、ゆっくり聞いたり、楽しく盛り上がったりと、自分が楽しみたい方法で参加できるので、臆すること無く遊びに来て欲しいと思います。ファンの方には、12月のライブでいろいろ話そうと思っていますがひとことだけ……。「風を呼べ」はアンダーグラフ史上、最速のテンポの曲だから、ライブでもしっかりついてきてな!
──ありがとうございました。
=CD情報=
タイトル:風を呼べ/アンダーグラフ
発売日:2013年11月20日(水)
価格:¥1,260(税込)
発売元:東宝
販売元:東宝
レーベル:TOHO animation RECORDS
=収録曲=
1.風を呼べ テレビアニメ『弱虫ペダル』エンディングテーマ
2.世界で一番素敵な人
3.風を呼べ(Off Vocal)
=概要=
2013年10月7日よりテレビ東京ほかにて放送スタートするTVアニメ『弱虫ペダル』!
そのエンディングテーマを、シングル40万枚を記録したデビュー曲「ツバサ」から10周年を迎えるアンダーグラフが担当!今回のために書き下ろした新曲「風を呼べ」は、TVアニメ『弱虫ペダル』の世界観とともに、聴く人に元気と希望を与える渾身作!
アンダーグラフ史上、最速のテンポを誇るこの曲は、まさにスピード感あふれる『弱虫ペダル』の世界観を余すところなく表現。聴く人すべてに、風を味方に、明日に向かって希望を持ってほしいというメッセージを込めた新規書き下ろし曲です。
またC/Wの「世界で一番素敵な人」は、これまでライブのみで発表されていた名曲をついに収録。10周年を迎えるアンダーグラフのすべてを凝縮した、最高にして最新のシングルが11月20日に発売!
=アンダーグラフ:Profile=
1999年結成のメンバー、真戸原直人(Vo&G)、谷口奈穂子(Dr)、中原一真(B)によるロックバンド。2004年9月 1st シングル「ツバサ」でメジャーデビュー。発売から5ヵ月後にTOP10入りを果たし、世代を越えて支持される名曲となる。「ツバサ」シングルは40万枚、着うた、フル、メロディ合算で180万DL、1stアルバム「ゼロへの調和」も20万枚を越えるセールスを記録し、バンドシーンの中での立ち位置を確実なものとした。
2012年10月には真戸原直人が「世界の子どもにワクチンを日本委員会」のミャンマー視察に参加。翌年1月には独立行政法人国際協力機構(JICA)からのアフリカ・マラウイ共和国への視察オファーにより再び渡航するなど積極的に参加している。
7月3日には、7人のプロデューサーを迎えての新作アルバム「7+one ~音の彩り~」をリリース。リード曲「素敵な未来」にはプロデューサーに常田真太郎氏(from スキマスイッチ)を迎え、MVを映画監督の行定勲氏が担当。島田昌典氏、藤井丈司氏、根岸孝旨氏ら名だたるベテラン勢と、気鋭の若手である、いしわたり淳治氏、KOUSUKE MASAKI氏(from moumoon)、宅見将典氏ら日本のシーンを牽引するプロデューサーが集結した傑作が完成しました。
アンダーグラフ=「表面的でないココロの奥にある喜怒哀楽を形にした音楽を創っていく。」という意味を込められている。彼らは、身近な人を思い、日常の風景を眺めながら、その先の社会に対する憤りや不安、疑問を投げかけ今、何をすべきかを問いかける。常にそのユビサキから、音楽に乗せてこの時代へメッセージを発信し続ける。
=アニメ情報=
テレビアニメ『弱虫ペダル』
毎週月曜深夜1:30よりテレビ東京にて好評放送中!
他テレビ東京系列各局にて放送中
※放送曜日・時間は各局異なります。※放送時間は変更になる場合があります。
【テレビアニメ『弱虫ペダル』作品概要】
個性的かつ多彩なキャラクター、友情・ライバル・宿敵などの熱いドラマ、スピードと迫力にあふれたレース描写。渡辺航原作の大人気自転車ロードレース漫画が、2013年遂に待望のテレビアニメ化!
シリーズ構成は青春ストーリーのヒットメーカーとして知られる吉田玲子を迎え、監督は緻密な演出と熱いアクションを得意とする鍋島修を起用。キャラクターデザインは繊細なタッチで魅力的なキャラクターを描き出すことが得意な吉田隆彦が担当する。原作の魅力である熱いドラマと激しいレースシーンを、アニメならではの表現方法で見せる。
そして注目の声優陣は、主人公・坂道役に新鋭の山下大輝を抜擢。坂道とともに総北高校の1年生レーサーとして活躍する今泉俊輔と鳴子章吉には、それぞれ鳥海浩輔と福島潤。そして総北の柱となる3年生トリオは、キャプテン金城真護役に安元洋貴、クライマー巻島裕介役に森久保祥太郎、スプリンター田所迅役に伊藤健太郎を起用。そのほか、諏訪部順一、岸尾だいすけ、松岡禎丞ら、人気の声優たちが揃う。
さらに総北のライバルとなる王者・箱根学園の面々は、前野智昭、代永翼、柿原徹也、日野聡、吉野裕行、阿部敦とこちらも人気実力派が揃う。
【キャスト】
<総北高校>
小野田坂道:山下大輝/今泉俊輔:鳥海浩輔/鳴子章吉:福島 潤/金城真護:安元洋貴/巻島裕介:森久保祥太郎/田所 迅:伊藤健太郎/手嶋 純太:岸尾だいすけ/青八木 一:松岡禎丞/寒咲 通司:諏訪部順一/寒咲 幹:諏訪彩花/橘 綾:潘めぐみ
<箱根学園>
福富寿一:前野智昭/真波山岳:代永 翼/東堂尽八:柿原徹也/新開隼人:日野 聡/荒北靖友:吉野裕行/泉田塔一郎:阿部 敦
【メインスタッフ】
原作:渡辺航(『週刊少年チャンピオン』秋田書店刊連載中)
監督:鍋島 修(『「聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話」)
シリーズ構成・脚本:吉田玲子(『けいおん!』『ガールズ&パンツァー』)
キャラクターデザイン:吉田隆彦(『おおきく振りかぶって』)
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
<STORY>
千葉県にある総北高校に通う小野田坂道は、ちょっと気弱でアニメが大好きな高校一年生。坂道は高校に入ったらアニメ研究部に入部しようとしていたが、中学自転車界で名を馳せた今泉俊輔や、関西の自転車大会で賞を総なめにした鳴子章吉との出会いによって、自転車競技部に入部することになる。自転車競技部では激しいトレーニングや事件が待ち受けていたが、金城、田所、巻島といった個性的な先輩や、たくさんの仲間に支えられて数々の試練を乗り越えていく坂道。そうした日々の中で坂道の中に眠る自転車選手(ロードレーサー)としての才能が目覚め始める…!
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