小西克幸ら豪華声優陣が出陣! ディースリー・パブリッシャーが贈る乙女に向けた朗読劇「天魔の銀翼~敵は本能寺にあり~」レポート
2014年7月6日(日)舞浜アンフィシアターにて、朗読劇「天魔の銀翼~敵は本能寺にあり~」が上演された。『Vitamin』シリーズや『STORM LOVER』シリーズなどの乙女ゲームの制作でおなじみのディースリー・パブリッシャーが立ち上げた朗読劇で、明智光秀を主人公にした戦国時代を描く。戦国武将をイラストレーターのさとい氏が美しく描き、乙女にも受け入れやすいキャラクター設定になっている。
明智光秀役に小西克幸さん、豊臣秀吉役吉野裕行さん、徳川家康役・寺島拓篤さん、森 蘭丸役・下野 紘さん、伴 長信役・森久保祥太郎さん、近衛前久役・飛田展男さん、斎藤利三役・野島裕史さん、織田信長役・小山力也さん、そして語りとして井上和彦さんが出演。9人の男性声優が登場し、魅力ある歴史上の人物を演じた。前編の昼の部、後編の夜の部をそれぞれのレポートをお届けする。
■ 信長に惹かれ絶望した光秀の決意/『鳴かぬなら 私が鳴こう ホトトギス』昼の部レポ
『鳴かぬなら 私が鳴こう ホトトギス』と題した昼の部。1人ゆっくりと姿を現したのは、井上和彦さん。ゆっくりと語り出すと、円形のステージの下からルーレットを回すようにぐるりと回転しながら、下から姿を現したのは出演者8人。ドラマティックな音楽とともにスクリーンにタイトルバックが映し出されると、これから始まるドラマに期待感が高まった。
小西克幸さん演じる明智光秀は物腰も柔らかく、周囲の人間に優しくて常に人のために動く人物。光秀を「うぬは我の翼よ」と重宝していた織田信長を演じるのは小山力也さん。信長を思わせる赤いマントをまとい、大仰な物言いはカリスマ性たっぷり。2人の会話で信長が「鳴かぬなら殺してしまおうホトトギス」に対し、「鳴かぬなら私が鳴こうホトトギス」の発言から光秀の性格がよく表れている。
彼ら2人を取り巻く登場人物も個性派揃い。吉野裕行さん演じる豊臣秀吉は大胆不敵で女性に弱いチャラ男ちっく。吉野さん自身も秀吉のキャラクターイラストに合わせてか、ピンピンに跳ねたヘアスタイル&金色のシャツ。寺島拓篤さん演じる徳川家康は周りの顔色を伺う気弱な眼鏡っ子。しかし心の底では大きな野望を抱えている。寺島さん自身も大きな眼鏡に前髪を長く下ろし、節目がち。武将が表舞台で活躍する裏で暗躍する公家・近衛前久を演じたのは飛田展男さん。クセモノっぷりをちゃめっ気たっぷりに演じていた。
キャラクターの性格などは演出を加えながらも、語られるエピソードは史実をもとにしたもの。信長の人間としての魅力に惹かれながらも、残酷なやり方に絶望感に陥った光秀の心情を細やかに描かれていく。そして、日本史上の謎とされる「本能寺の変」に光秀が決意した決定打となったこととは!? ラストに小西さんが叫んだ「敵は本能寺にあり!」。声が会場中に響き渡るのと同時に、観客の心にも響き渡り、昼の部は最高のクライマックスで幕を閉じた。
■ 開幕からノンストップ! 人気声優勢揃い!/『時は今 天が下知る 五月かな』夜の部レポ
夜の部のサブタイトルは光秀が詠んだ有名な句『時は今 天が下知る 五月かな』。信長を討つことを決意し、本能寺の変に至るドラマが描かれる。
本能寺の変のシーンでは、戦さながら声優陣の芝居のぶつかり合いに息を呑む。野島裕史さん演じる斎藤利三は光秀の家臣にして親友。昼の部では気さくな性格を、夜の部では信長を討つ句を詠んだ光秀の心情を知り共に戦へ向かう鬼気迫る様を表情豊かに演じた。本能寺の変で利三と激しい戦をしたのは下野紘さん演じる森蘭丸。信長に心酔し無邪気な可愛らしさを見せたと思ったら、ためらいもなく人を殺める残酷さを好演。近衛前久と小田信長の二重スパイの忍・伴長信を演じた森久保祥太郎さんはしわがれた声で非情な忍を演じ、信長のカリスマ性に惹かれ、光秀とも刃を交わす。
そしてクライマックスは、光秀VS信長の一騎打ち。小西克幸さんと小山力也さん2人が円形のステージの前方に移動し、スクリーンに燃え盛る本能寺を背景に、芝居で壮絶なバトルを繰り広げた。戦いの中で信長の真意を知った光秀。お互いの想いが重ならないまま、光秀は信長を討つ。その後の登場人物の後日談も語られ、哀しい結末ながらも熱い想いで時代を駆け抜けた武将たちを見て、清々しい気持ちを感じたステージとなった。
本編終了後は声優陣による感想も。小山さんは後編ではどんどん衣装を脱いでいった自身の演出について「あと1シーンあったら、もう脱ぐものがなかったので困った!」と井上さんも笑い崩れるほどのおちゃめなコメント。野島さんは「またこのメンバーで続編できたらいいな」と意気込みを語ると、小西さんは「僕と小山さんは死んじゃったから無理かな……」とツッコミしつつも、全声優陣が朗読劇イベントの続編に意欲を見せていた。
<データ>
■出演
小西克幸 [明智光秀]
吉野裕行 [豊臣秀吉]
寺島拓篤 [徳川家康]
下野 紘 [森 蘭丸]
森久保祥太郎 [伴 長信]
飛田展男 [近衛前久]
野島裕史 [斎藤利三]
小山力也 [織田信長]
井上和彦 [語り]
■スタッフ
脚本:太田ぐいや
演出:斎藤栄作
イラスト:さとい
企画協力:賢プロダクション・レイネット
■主催
株式会社ディースリー・パブリッシャー
■制作
レイネット
>>朗読劇「天魔の銀翼 ~敵は本能寺にあり~」公式ページ