朗読あり、占いありで抱腹絶倒の内容に「是非もなし!!」 『ノブナガ・ザ・フール』ファン感謝イベントレポート
“The Fool”プロジェクトとして発表され、舞台のほか2014年1月から6月までテレビアニメとして放送された『ノブナガ・ザ・フール』。歴史上の人物とロボットアニメが融合したSF作品で、河森正治氏の手がけるメカと魅力的なキャラクターが織り成すファンタジックな戦国絵巻が好評を博した。
今回、作品を支えてくれるファンに感謝を込めて『ノブナガ・ザ・フール』ファン感謝イベントが12月7日(日)、虎ノ門のニッショーホールにて開催された。その昼の部の取材に参加してきたので、イベントの模様を詳しくレポートしていこう。
【登壇者】
宮野真守さん(オダ・ノブナガ役)
日笠陽子さん(ジャンヌ・カグヤ・ダルク役)
櫻井孝宏さん(アケチ・ミツヒデ役)
梶裕貴さん(トヨトミ・ヒデヨシ役)
杉田智和さん(レオナルド・ダ・ヴィンチ役)
佐藤英一さん(監督)
【MC】
小林治さん
●イベント冒頭から朗読劇! 大ボリュームの宴が開幕する!!
開催日は体の芯から凍える冬の日だったが、ホールはファンの熱気が充満し、外の冷気が心地よい程である。やはり女性客が多めだが、ロボットアニメということもあり男性客の姿も負けていない。そんな熱い観客が集い、会場にノブナガ役の宮野さんによる「皆の者、準備はいいか? 『ノブナガ・ザ・フール』開幕!」の号令と共にOP「FOOL THE WORLD」のショートイントロが流れ、宮野さん、櫻井さん、梶さんの3名が登場。そのまま朗読劇「東西料理対決」が始まった。
本編のハードな内容とは異なり、朗読劇はかなりコミカルな内容だ。鍋話で盛り上がる東側のノブナガたち。そこへ西側からジャンヌ役の日笠さん、ダ・ヴィンチ役の杉田さんが現れる。そこから両陣営の鍋料理自慢が始まり、ついには鍋料理対決へと至りノブナガが判定することに─。と、このような展開で大爆笑の朗読劇は完結した。
朗読劇の終了と共にMCが登場し、キャストたちの挨拶へ。それぞれ思い思いの挨拶で会場を沸かせた後、MCから朗読劇の感想を聞かれるキャスト陣。アニメとは違う世界観ではあったが「楽しく演じさせていただきました」という宮野さんは、アフレコ現場も同じような楽しい現場だったという。
続いてのコーナーは「ノブナガ・ザ・メモリアル」。ここで作品の監督を務めた佐藤英一さんが登場する。まず佐藤監督に制作時に心に残ったシーンをキャラ別に選んでもらい、そのシーンについてキャストたちと語り合ってもらうのだ。
最初はもちろんノブナガのシーン。選ばれたのは第6話で滝に打たれてノブナガが叫ぶシーンだ。ここはノブナガが一切しゃべらず、叫びだけで感情を表現するシーンで、監督も宮野さんの演技にホロリとしたと語る。宮野さんも監督の感想に「嬉しい」と感激しつつ「そういう演技にチャレンジできたことが、印象的だった」と話してくれた。
続いてはジャンヌで、第15話で故郷に戻ったジャンヌが「人間として生きたい!」と叫ぶ場面。ジャンヌは天啓によって生き方も分からないままノブナガの元にやってきて、15話でひどい状況に追い込まれた中でのあの叫びが印象的だったと佐藤監督。日笠さんは「ジャンヌはずっと迷っていることが多くて、ノブナガたちと出会って成長していくのが一番分かるキャラでした」とのこと。
お次はミツヒデ。最終話、ノブナガと斬り結ぶシーンが選ばれる。実は監督、一番好きなキャラはミツヒデだそうで、できないところも含めて普通の人間が次の時代を担う宣言をしたことが象徴的だったと話す。櫻井さんは「ミツヒデは選ぶ方向が常にダメなほうで(笑)その都度苦しみながら頑張ってきて、最後のシーンはすごく大事だなと思って収録に臨んだのを覚えています」と感慨深そうだった。
ヒデヨシで選ばれたのは、第10話でヒデヨシが命を狙っていることをノブナガが知っていたシーン。これまでヒデヨシの出番が少なかったのは、この10話のためだったと監督はいう。梶さんはといえば「戦国モノだと聞いていたけど、まさか悟空になって筋斗雲に乗るとは思わなかったですね」と述懐。さらにサイボーグ化した件に話が及ぶと「あれマークⅡなんですよ。つまり1回失敗している(笑)」と、監督からまさかの裏話も飛び出した。
ラストを飾るのはダ・ヴィンチ。監督のチョイスは、最終話でダ・ヴィンチが落下していくまでのシーンだ。監督曰く、他のキャラは自分の生きかたを見つけたが、彼は最後まで保留……そのダ・ヴィンチの真意を見せるために作られたのが件のシーンだそう。杉田さんは「人の考えを越えるということは、人に理解されない行動も取るし、分からなくてもいいんですよね。だからああいう形になったと思うんです」とコメント。
この後、キャスト陣は一旦退場し、最後に会場のファンへメッセージが贈られ、監督はここで退場となった。
□佐藤監督
『ノブナガ・ザ・フール』は総括していうと、前に向かう物語だったと思います。このプロジェクトもまだまだ終わらないつもりです。私も『ノブナガ・ザ・フール』を今後も何らかの形で展開していきたいと思っています。なので、未来に向かって皆さんと一緒に行きたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
●会場にウケればOK!? 珍回答続出の個人戦!
監督退場後、再びキャストたちが登場。始まったコーナーは「救星王となれ!」である。今回は個人戦で、与えられたお題を勝ち抜いて「救星王」を目指すのだ。
キャスト各自がそれぞれの席に着いたところでゲームスタート!「フールのシチュエーション」「ノブナガ・ザ・クイズ」「お絵かき・ザ・フール」と、3つのコーナーでそれぞれ競ったキャスト陣からは、爆笑の回答が続出。結果は、50ポイントを獲得した日笠さんが見事優勝となった。お楽しみの優勝商品は、なんと「東西鍋セット」!冒頭の朗読劇を受けた、粋な贈り物だったと言えそうだ。
そしてゲームコーナーに続いては、「ダ・ヴィンチのタロット占い」コーナー。だが占うのはダ・ヴィンチではなく、その弟子(という設定)の本物のタロット占い師・百音(マノン)さん。折角の機会ということで、宮野さんが仕事運、日笠さんは結婚運を占ってもらうことに。キャストのプライベートの一面がさらけ出される一幕もあった。
最後には、なんと本日2回目の朗読劇!5人揃って演じるそのタイトルは「あいつが俺で俺が私であなた!?」である。内容はといえば、いわゆる人格入れ替わりネタ。ダ・ヴィンチが発明した人格入れ替え装置で、ノブナガとミツヒデの人格が入れ替わってしまうのだ。櫻井さんのノブナガ芝居と宮野さんのミツヒデ芝居が、とにかく面白い朗読劇だった。
およそ2時間に亘って繰り広げられた楽しいイベントも、そろそろ終幕。最後に登壇キャストから観客へ向けてメッセージが贈られた。
□杉田さん
監督から聞いたダ・ヴィンチの解釈で、まだやり残したことがあるなぁと思いました。今後もプロジェクトは続いていくということなので、もう一度、この役を演じられたら嬉しいな、と。今日、久しぶりにダ・ヴィンチを演じたんですが、メチャクチャですね、この人は(笑)だからこそ、やり甲斐があります。ありがとうございました。
□梶さん
朗読劇では3回も舞台に立たせていただいたんですが、アニメのほうでは放送が終了して初めてのイベントでした。アニメの映像を観ながら監督の思うところをお聞きできたりして、とても楽しかったです。個人的にヒデヨシは、やっていて楽しい役だったので、また皆様に披露する場所があったらいいなと思っています。今日はどうもありがとうございました。
□櫻井さん
ミツヒデは巷ではダメなヤツみたいな扱いになっているんですが(笑)きっとそんなことはなくて、時には間違ったり後悔したりを繰り返しながら、最後は後を託されるような人間になったという軌跡を見て、学んだことがあるなと思いました。こんなすばらしいキャストに囲まれて、素敵な体験をさせていただきました。そしてイベントで皆さんの反応を生で体験できて、本当に楽しかったです。ありがとうございました。
□日笠さん
ジャンヌは悩みの多い普通の女の子で、少しずつ成長していく中で、私も一緒に成長していかなければと思い……とても勉強になる女の子と出会えました。この作品は朗読劇も一緒にやらせていただいたんですが、それが本当に楽しくて新しい挑戦ができました。私の役者人生の中でも衝撃が大きく、舞台にも挑戦してみたいと思える出会いだったのでありがたかったです。本日はお越しいただきましてありがとうございました。
□宮野さん
久しぶりのイベントで、こうして皆さんの前に立てたことを本当に嬉しく思います。朗読劇はあったんですが、アニメのキャスト同士で話すというイベントはあまりなかったので、時が経ってから思い出話をしつつ作品に触れることができたのは良かったなと思います。僕らも知らなかった監督の思いが聞けたのは、作品に携わった者としては嬉しいことですし、僕自身も作品を見返したくなりました。皆さんも何度も観て楽しんで欲しいと思いますし、まだまだ僕らは頑張っていきたいと思っておりますので、これからも『ノブナガ・ザ・フール』の応援を是非ともよろしくお願いします。今日はありがとうございました。
『ノブナガ・ザ・フール』イベントのフィナーレを飾るのは、やはりあの言葉しかない! 宮野さんによる「ノブナガ・ザ・フール!」の掛け声と共に、会場から「是非もなし!」のコール&レスポンスで、イベントは締めくくられた。
■TVアニメ『ノブナガ・ザ・フール』
【STAFF】
原作:「多次元プロジェクト"The Fool"」河森正治・サテライト/ALC/GP
原作/シリーズ構成/メインメカデザイン:河森正治
監督:佐藤英一
キャラクター原案:カズキヨネ
キャラクターデザイン:丸藤広貴
総作画監督:丸藤広貴、清水貴子、椛島洋介
CGプロデューサー:橋本トミサブロウ
CGディレクター:原田丈
イクサヨロイデザイン:河森正治、ブリュネ・スタニスラス、池田幸雄
メカデザイン:大河広行
ザ・フールメインモデリング:池田幸雄
モニターグラフィックデザイン/オリジナル家紋デザイン:石川寛貢
コンセプトデザイン:ロマン・トマ、ブリュネ・スタニスラス、ニエム・ヴィンセント
プロップデザイン:秋篠denforword 日和
色彩設計:品地奈々絵
美術設定・美術監修:加藤浩(ととにゃん)
美術監督:栫ヒロツグ(ととにゃん)
撮影監督:岩崎敦、志村豪(T2 Studio)
音楽:横山克
音響監督:明田川仁
編集:兼重涼子
タイトル文字・題字:憲真
アニメーション制作:サテライト
製作:ノブナガ・ザ・フール製作委員会
【CAST】
オダ・ノブナガ:宮野真守
ジャンヌ・カグヤ・ダルク:日笠陽子
アケチ・ミツヒデ:櫻井孝宏
トヨトミ・ヒデヨシ:梶 裕貴
レオナルド・ダ・ヴィンチ:杉田智和
イチヒメ:茅原実里
ヒミコ:東山奈央
ガイウス・ユリウス・カエサル:中村悠一
ネル:木戸衣吹
ビアンキ:石田晴香
オダ・ノブカツ:島﨑信長
タケダ・シンゲン:小山力也
ウエスギ・ケンシン:七海ひろき
アーサー:織田 圭佑
アレクサンダー:中井和哉
マゼラン:松岡 禎丞
マルクス・ユニウス・ブルータス:下野 紘
ハンニバル・バルカ:大原 さやか
シャルルマーニュ:石川界人
チェーザレ・ボルジア:近藤孝行
ニッコロ・マキャベリ:遠藤 綾
チャンドラ・グプタ:藤原貴弘
チャチャ:奈波果林
ハツ:梅村結衣
ゴウ:高橋紗妃
【ストーリー】
これは世界が東と西、2つの星に分かたれていた時空の物語。世界が戦乱の渦中にあるなかで、西の星の少女、ジャンヌ・カグヤ・ダルクは、星を救う「救星王」誕生のビジョンを見る。東の星の若武者オダ・ノブナガは、矛盾に満ちた乱世を統一する力を欲していた。彼らが選択するのは、救済か、それとも破壊か。二人の運命が巡り会ったとき、世界変革の物語が幕を開ける!愛よ、世界を破壊せよ!
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