『酷くしないで』のねこ田米蔵先生もビックリなお絵かき上達サービス「sensei by pixiv」!デビュー15周年の節目に絵の上達方法を聞いてみました!
『酷くしないで』シリーズをはじめ、多くのボーイズラブ(BL)作品を手掛けるねこ田米蔵先生。2016年は、ねこ田先生の2001年デビューから15周年ということで、アニメイトタイムズでは記念インタビューを実施しました。また、漫画家という職業に切っても切り離せない関係である“絵を描くこと”について深く語っていただくべく、pixivでサービス中のお絵かき上達サービス「sensei」を使って、ねこ田先生の漫画道を掘り下げていきます。
さらに、長年ねこ田先生と苦楽を共にしてきたMAGAZINE BE×BOYの担当編集と広報スタッフのお二人をお招きして、“チームねこ田”の座談会形式でお届け。ねこ田先生の15年間はどのようなものだったのか? 漫画家にとって画風の変化とは? そして、これからのねこ田先生は? ファンはもちろんのこと、漫画家を目指す全てのみなさんにお届けするスペシャルなインタビューの模様をお楽しみください。
■ 連載なんて続かないって……、でも気づいたら15年
──まずは、デビューから活動15周年ということでおめでとうございます。
ねこ田:ありがとうございます。おかげさまでという感じですが(笑)。
──今までの15年を振り返っていかがですか?
ねこ田:デビューは今の担当編集にスカウトされたのがきっかけでした。私はずっとマガビー(MAGAZINE BE×BOY)っ子だったので、思い出を残すためにやってみようと思いました。「私はMAGAZINE BE×BOYに漫画を描いたことがあるんだぞ!」って(笑)。最初のころは、私はすごく飽き性だし、連載なんて続かないって考えていたんです。でも気づいたら15年ですよ。
これまで生きてきて何も続かなかったんですけど、漫画だけは続けてこられた。私はこれがなくなったら後がないなと思っているから、今でも続けられているんだと思います。漫画を描くために生まれてきたとかではないんですけどね。残念ながら(笑)。
やっぱり描いていても「疲れたな」「飽きたな」と思うことはあるんですが、映画を見たり、街を歩いていて面白い二人組を見かけたりすると、「あの二人をこうすると面白くなるんじゃないかな?」って、ストーリー部分で描きたい創作が湧き上がってくるんです。
プロとして32ページのモノクロの原稿を描き上げるというのは本当に大変なんです。それをずっと続けていけるように15年かけて自分を訓練してきたような感じです。自分でも頑張ったなって思いますね(笑)。
──絵を描き始めたのはいつごろなんですか?
ねこ田:物心がついたときには絵を描いていたみたいで、両親が襖とかに絵が描けるように白い紙を貼っていてくれたんです。小さいころから「上手だね」って言われていたので、なんとなく褒めて伸ばされたような気はします。
──そこから漫画との出会いは?
ねこ田:小学4年生か5年生くらいに初めて漫画を読んだんですけど、それまで漫画を読んだことないのにコマを割って漫画を描いていたんです。デタラメなノート漫画でしたが……。漫画を読むようになって「コマはこうやって動くんだな」「こうやったほうが読みやすいんだな」とノウハウを自分で勉強していきました。
広報担当:初めて読んだ漫画って何だったんですか?
ねこ田:『白鳥麗子でございます!』でした(笑)。
一同:(笑)。
ねこ田:友達に面白いよって薦められて読みました。「りぼん」とか「なかよし」は買ってたんですが、読まずに付録だけ楽しんでいました(笑)。
■ 初BLに衝撃を受け、翌週にはBLの同人作家に!
──現在も活動されていますが、同人活動をスタートさせたのはいつごろでしょうか?
ねこ田:当時少年漫画がすごく好きで、中学2年生のときに好きな作品のBL同人誌をたまたま見つけたんです。「○○と○○がこんなことになってる!」ってビックリしました(笑)。薄いし、絵も全然違うし、しかもイチャイチャしてるし(笑)。「なんだこれは!」って驚いたんですけど、「これは他の人が描いたんだよ」って友達に教えてもらって、次の週には自分が描き始めていました。
私が住んでいたところは田舎だったので、東京とか大阪みたいに大きなイベントじゃなくて、100サークルくらいの小さいものに参加していました。そこから徐々にのめり込んでいきましたね。
──そんなに早く活動されていたんですね!
ねこ田:投稿とかはやったことはなかったんですけどね。
編集担当:私が先生と出会ったのが東京イベントでしたが、東京進出ですでに壁サークルでした。
ねこ田:大阪に出てから、バイトとかをしてて漫画描くのをちょっと辞めてた時期があったんです。そろそろ就職活動しなくちゃいけないなって頃に思い出作りに半年という期限付きで同人活動を始めまして。そうこうしているうちにスカウトされて今に至ります。
──今回は貴重な過去の同人誌をお持ちいただいていますが、この時点ですでにすごい出来ですね。
ねこ田:これは初めてパソコンで描いたものなんです。友達がパソコンを持っていたので、「描いてみたい!」ってお願いして。初めてパソコンで絵を描くし、そもそも消しゴムとかペンをツールで切り替える概念がまずないじゃないですか。アイコンが並んでるけど、「まずなにをすればいいの?」って感じで(笑)。友達に、バケツのマークで色を付けるんだよ、とか教えてもらうんですけど、「バケツ…?え…?」って状態で。しかも線と線が離れているところがあると、色がはみ出したり(笑)。その法則がそもそも理解できていなくて。超初心者の状態で描いたのがコレです。陰影もうまくつけ方分からなかったので塗りっぱなしですが。それなりに見えるように描いたつもりです(笑)。
編集担当:最初はPhotoshop(Adobe製の画像編集ソフト。高価だが非常に多機能)だったんですか?
ねこ田:そうです。Windows98(1998年発売)とかですかね。スペックが今程優れてなかったのですぐカタカタ処理中になって待ち時間ばっかりで。「これで絵を描くなんて狂ってる!」って思う程低スペックで……やれることも限られてましたね(笑)。久しぶりにこの絵を見てなかったことにしたいって思いました(笑)。
■ ファンの方とつながれるpixivは、プロにとってもモチベーションに繋がる!
──そこからデビューされてからの15年、いかがでしたか?
ねこ田:それまで同人誌しかやったことなくて、1ヶ月に2週間ほどしか描いていなかったんです。それを毎日描かなくてはいけない。サボればサボるほど、寝られない。3日で4~5時間くらいしか寝られないとか、床に転がって仮眠とかしていたんですけど、身体を壊してしまって。1ヶ月くらい声が出ないときもありました。
でも私のまわりには、3日くらい徹夜しているという人達がごろごろいるんですよね(笑)。私、辛いのがダメで、どうにかしなきゃって思って。それで2年目くらいから自分で毎日描けるようにノルマ制にして、描いていこうって決めています。今でも毎日2枚描くとか、ルールを決めてやっていますね。でもそうなると、原稿終わったぞっていう達成感がなく、早めに原稿描き終えたら一旦3日~4日寝かせてみようとか、危うく入稿し忘れてしまうかと思うくらいで(笑)。今は、漫画を描くことが生活に組み込まれています。
──15年も活動されてこられると、ファンの方から声援を聞く機会も多かったと思いますが。
ねこ田:私、Twitterも同人誌もやっていて、同人誌はダイレクトに反応が返ってくるから、その感想が参考になりますね。商業誌だけやってると、いろいろ迷走したりするんじゃないかな。自分の伝えたいことは本当に伝わっているのかとか。なので、同人誌をやってて良かったなって思います。
今では公開する場が同人誌だけでなく、pixivなんかもありますからね。最初にpixivを知ったときは、クリエーターがタダで公開して、見られるようにするなんて、「私だったら絶対できない!」って思いましたが……(笑)。命を削って描いているので(笑)。でも趣味で描きたいっていう方達には公開すればコメントももらえるし、タグもつけられる。
何より自分の絵を見てもらえてダイレクトに反応が返ってくるのはいいことですよね。
──やはりモチベーションに繋がりますか?
ねこ田:モチベーションはやっぱり上がりますね! ダイレクトに「面白かった」とか感想が返ってくるので。始めた頃は二次元パロディをやっていたんですが、商業誌を読んでてくれてて、オリジナルも面白かったっていわれると描いててよかったって思う。大きなモチベーションになりますね。
──漫画家という絵を描く職業の楽しさは何でしょうか?
ねこ田:やっぱり自分の頭の中では自由だし、描きたいというものがあっても、いざ紙面にすると難しいですね。一生懸命描いても表現出来た完成形がだいたい6割くらい。それをどこまで自分の脳内妄想に近づけられるかっていうところなんですけど。これは上手く描けたっていうのがあると、「よし!」って思います。頑張ってるんですけど、あんまりないですね(笑)。自分の理想通りのものが描けたときは達成感がありますね。
■ ちょっとずつマイナーチェンジしないと、古さがより古くなってしまうなって
──デビュー当時からの現在までの画風の変化についてお聞かせください。
ねこ田:初期の絵柄は、線とかをガチガチっと描き込んだりしていて、そこから泥臭い絵になっちゃってました。少女マンガと青年マンガが融合しているというか。当時若かったのに、10歳くらい年上と思われていたこともあったので、絵が古いんだなって気にしていましたね。
商業誌で描き始めて、担当編集さんに私が描いているのは少女マンガだから肌色をキレイに塗ろうとか、絵柄のことを気にするようにはなっていましたが、迷走期はいろいろありましたね。5~10年くらい漫画を描いていると、絵の流行の変化も感じながらになります。ちょっとずつマイナーチェンジしないと、古さがより古くなってしまうなって。
『酷くしないで』では、3巻くらいから眠傘の目を優しく描くようにしました。目尻をしっかり描いているのが、古いのかなって感じて。それがどう働いているかわかりませんが(笑)。やっぱり主観的にしか見れないので、客観的に自分の絵を見るということが難しいですね。
──絵柄を変えようというのは数年おきにあったりするのでしょうか?
ねこ田:変えたくても定着した自分の絵柄を変え難いというのはあります。こういうのが描きたいという願望があって、ちょっとずつ試したりして、「これは自分の絵にあってるな」って思うのは取り入れたりしているんですけど。増やしたり減らしたりしています。
編集担当:塗り方は変わりましたか?
ねこ田:変わりましたね。ずっとPhotoshopを使っていて、途中からペイントツールSAI(SYSTEMAXの画像描画ソフト。価格も安価で、デジタルで描くために特化されている)を使っています。Photoshopは色むらが出ないようになっているんですが、色むらを出しながら描くのがなかなか難しくて。ペイントツールSAIを使い始めてからは1年くらい試行錯誤しました。当時は仕上げにPhotoshopを使ったりしていましたね。今ではペイントツールSAIをメインに使っていて、Photoshopを使っていたときより塗る時間が半減しました。
──先生なりの絵を上達させる方法みたいなものはあるんでしょうか?
ねこ田:ものを見ることですかね。自分の手をモデルにして描いたりするんですけど、慣れてくるとやっぱり手癖で描くようになってくるんですよね。ふと見たりすると、「ここってこうじゃないんだ」って気付くことが今でもあるので、あんまり手癖で描かないようにしています。時間がないときは仕方がないんですが、時間があるときは、「ここはこうだったかな?」としっかり確認しています。腹筋の6パックでも描く人によって全然違う。ちゃんと見て、記憶だけで描かないようにするのがいいと思います。
編集担当:人体模型とかは使いますか?
ねこ田:いっぱい使いますね! 使うんですけど、人間ってすごく柔らかいから、人体模型では絶対に出来ないポーズとかあるんですよ。なのでポーズ集とか写真集を買って、足曲げてる所ばかり見たり、部分的に見たりとか。
広報担当:男性の写真集ですか?
ねこ田:受けの子は女性の写真集も見たりします。ちょっと丸みがないと、色っぽさが出ないというか。男性と女性の良い所を融合させて描いたりしていますね。
──受けと攻めの描き分け方はありますか?
ねこ田:キャラ的に男っぽい子が受けだったりすると、男っぽい男性の写真集を参考にすればいいけど、中性的な受けの子だと、肩幅に気をつけたり、筋肉の盛り方とかですかね。
広報担当:同じ受のキャラクターでも、ネムネム(※1)は中性的で、彰(※2)は中性的でもガッチリしているというか。それでもやっぱり受けと攻めの役割ってあると思うんですが。
(※1:『酷くしないで』登場人物、眠傘隆)
(※2:『酷くしないで』登場人物、小鳥遊彰)
ねこ田:あんまり気にして描いたことなかったな~。ガチムチの人や細マッチョとか、体格も人によってさまざまだから、いい感じにバランスをとって描いているんですが、そこまで意識せずに描いています。
編集担当:意識しないでも先生の中にあるってことですよね。
ねこ田:そうかもしれないですね。最初の頃はガチムチとか全然描けませんでした。3巻くらいで「筋肉質なのを取り入れていこう!」みたいに思って。
広報担当:先生の中でブームがあったんですか?
ねこ田:キャラクターを増やしていくと、読み分けというか、読者が「これ誰だっけ?」ってならないように特性を出して幅を広げていきました。可愛いキャラクターばかり描いていたので、2~3巻あたりから練習していました。この辺から筋肉質なのが多いですね。
編集担当:縞川(※3)と彰は本当に男性の大人の身体だなって感じですよね。
(※3:『酷くしないで』登場人物、縞川直也)
──先生はかなり細かく描かれることもありますね。
ねこ田:5巻の表紙なんかは、大きくすると時計のベルトところに白い線が入ってるんですけど、小さいと全部消えちゃうんですよね(笑)。
広報担当:この構図(5巻の書影)、カッコいいですよね。1人でいるときと2人でいるときとは構図の考え方がやっぱり違いますか?
ねこ田:1人のほうが構図を考えるのが楽かもしれないですね。書店って何千冊もBL漫画があって、だいたい2人の構図で顔がくっついていますよね。2人だと構図がこだわりにくい。BLっていうジャンルだから、ファンタジーよりの構図にすると読者が「これ大丈夫かな?」って思うんじゃないかなと。ラブ感が出ないというか。そういう制約があると構図って似てくるんですよね。だから2人の構図のときは、どうやって自分の作品を見つけてもらえるかを考えます。ピンのほうが逆に自由ですよね。
■ このサービス、デビュー当時に欲しかったです
インタビューの後編では、これまで様々な試行錯誤を重ねてきたねこ田先生に「sensei」を体感していただき、絵の上達方法についてお話を伺いました。これから絵を書き始める方、上達させたいけどなかなか上手くいかない方、絵を志すみなさんは必見です。
──ここからは「sensei」の開発スタッフをお招きして、解説を交えつつ「sensei」のお話をさせていただきたいと思います。
「sensei」開発スタッフ(以下、sensei):よろしくお願いします。3月にpixivから「sensei」というサービスがリリースされています。今日はねこ田先生がいらっしゃるということでプロのクリエイターから見た「sensei」についてご意見をいただければと……。
ねこ田:なるほど。
sensei:短時間で絵を勉強できるのも売りですが、それぞれの講座がカリキュラムごとに順番になっているので初めて絵を練習するぞ!って方でも体系的に技術を身につけることができます。
ねこ田:絵を描いている人は自分のスキルによって悩んでいることが違うので、これはありがたいですね。お話を聞いた時からいいなと思っていました。
sensei:ありがとうございます! これからも新しい講座や機能はどんどん追加していく予定です。
ねこ田:(実際に講座の動画を見ながら)ほしい資料がいっぱいあるんですが、誰か作ってくれないかって思っていたんです(笑)。
sensei:現在公開されている動画以外にも作ってみたいと考えています。「sensei」は、pixivアカウントを使ってお絵描きを楽しんでもらうサービスです。動画を見ることで、絵が描けたり、自分の絵が上達したなって思えたりすると、すごく楽しくなると思います。その入り口として作りました。また、今の時代、インターネットでいろいろ勉強できてしまう、世の中ではe-ラーニングと呼ばれていますが、pixivができることは何かと考えたときに、「これだ!」」と。地方の人でもこういうサービスがあれば自宅で勉強できるし、楽しんでもらえれば嬉しいです。
──先生はポーズを描くときの練習はどうやってますか?
ねこ田:写真集などで一番近いポーズをまず探してくることですね。描きたいイメージに近いものを探したり。高校のときに美術系の学校だったのでデッサンしてたんですよ。なのでちょこっとした知識はあるので、資料探しに困ることはあまりなかったんですが、なのでこのサービスはすごくいいと思います。
sensei:感覚的なことってある程度練習を繰り返さないとわからないと思います。senseiの場合はなるべく具体的に、例えば顔は「左右対象だよ」とか「この筋肉は何対何で描くと綺麗に描けるよ」みたいに説明してます。
ねこ田:目で見て、こうなってるんだなってわかって描いているんですけど、それも出来ない人は理論づけて身体の構図を説明してあげるのが、描きやすいことではあるのかなと思います。理屈で聞くと、次に描く時に参考にしようって思いますからね。
──15年前にあったら使用していますか?
ねこ田:使いますね! 当時はなかったですから。欲しかったです!
sensei:描き慣れている方は資料を見て、応用できると思うんですが、それもまだ難しいという方は、(動きのある絵の書き方の動画を見ながら)こういう写真があったらこういう風に落とし込めますよって提案する動画もあります。
広報担当:私はイラストを描いたりしないので、分からないのですが、(本記事にも掲載のイラストを指しながら)もしこのイラストを描くとしたら上から顔描いて、コートの襟描いてってやると思いますが、先生だとどう描きますか?
ねこ田:まずは裸の状態を想像して、身体がこの向きでって決めて描きますね。例えば『酷くしないで』の5巻の表紙などは、本当はもっと胴体が短くなるんですよね。でもそれを描くと胴体の短い人になっちゃうんですよ。それをわざと伸ばす。その比率をモノとかで合わせていくのが大変なんですよ。ベッドが異様にでかくなったり。家具の比率が大変ですね。実際の人物の頭身で描くと、ちんちくりんになっちゃうから。
sensei:このあとどんどんコンテンツを追加して、背景の描き方とかもやりたいんですが、その中に演出とか、イラストのちょっとした騙しのテクニックとかもやれたらいいなって思っています。
ねこ田:いいですね!
sensei:写真をどうやってイラストに落とせば良いのかという動画もあります。出したてのサービスですが、ユーザーさんからの反応は良いですね。
編集担当:これは初心者でも安心ですね。
■ ねこ田先生が語る、絵が上達する秘訣とは?
──これから「sensei」で追加されるとしたらどんなサービスが欲しいですか?
ねこ田:私が一番欲しいのは、かかとを上げた足を後ろから見たものとか、筋がどうなってるのかとか、くるぶしがどの位置にあるのかだとか、いろいろ大変で……。探してもほとんど出てこないんです。角度を3Dで変えたりできたら最高なのに! って思って。あとスーツとかで足組んだときに、スーツの裾がどういう風になっているのかとか。黒い服だとわからないんですよね。そういう細かい部分。誰が使うんだろうっていうのが欲しいですね。それに特化したものを、毎週更新するのはどうですか? 足パートとか見れるしたら最高だと思います!
──さすが、プロの方は目の付けどころが違いますね(笑)。
ねこ田:作っていただけたら、本当に最高です! 筋肉は線で描く時に、どこの線を取るかで見え方が全然違うんですよ!
sensei:参考になります。検討させていただきます!
──先生が思う、絵が上達するポイントは何でしょうか?
ねこ田:やっぱり観察力かなと。描けてると思っても、実際にちゃんと観察したら描けていないこともありますから。スーツも、スーツっぽくなればいいやって適当に描いちゃうと、ぜんぜんスーツっぽくなくなっちゃうんですよね。細かいしわとか、ちゃんと描けているかっていわれたら難しくて描けないんですが、どう簡略化して、マンガというか絵的に美しく描くかっていうのが難しいです。私が描けてたらもっとアドバイスできるんですけどね(笑)。最初のうちはものをよく見て、思い込みで描かないようにするのがいいかもしれませんね。まず模写することがいいかもしれません。
編集担当:デッサンとかやったほうがいいですか?
ねこ田:いや、私的にはデッサンはやらなくていい(笑)。私も高校の時の友達と論争したことがあるんですが……(笑)。すごく有名な作家さんでも、「腰に骨が入っているのか!?」っていう細い絵だとか、「こんなに胸が大きかったら服が入らないじゃないのか!?」とかデッサンとはまったく関係ないような絵もあるじゃないですか。それが魅力だったり。本当に基本の基本だけあってれば、後は、チャームポイントというか自分の絵のウリのほうが大切だと思います。
でも絵を描きはじめのころは、やみくもに何を頑張ったらいいかわからない人が多いから、こういうサービスはすごく参考になると思いますよ。
編集担当:マンガの投稿とかをみて絵を批評するときに、やっぱり絵がなあ……って思うと「デッサン勉強してください」ってつい言っちゃうんですよね。持ち込みをしてくる方にも是非このサービスを使ってみてって薦めてみます!
ねこ田:資料でよく使う本だと、分厚いのに使えるのが数枚だったりするから、このサービスはいいですよね。
──まだまだお聞きしたいことはたくさんありますが、そろそろお時間です……。では最後に、15年の節目として先生がこれから挑戦したいことをお聞かせください。
ねこ田:私、占いが好きで、この前「舞台の脚本やってみたら?」って言われたんです。映画とかはすごくお金がかかるし、劇場公開しなくちゃいけなかったりとかしますよね。でも小劇場って今すごく流行っているし、役者さんでも若手の役者さんばっかりで、にぎわっているみたいなので、やりたいですね。
編集&広報担当:いいですね! やりましょうやりましょう!
>>MAGAZINE BE×BOY公式サイト
>>sensei by pixiv公式サイト
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