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声優・早見沙織さんが映画『GANTZ:O』を語る

「人間らしさ」みたいなものを強く感じた――早見沙織さんが『GANTZ:O』を語る

 累計発行部数2,100万部を数え、これまでアニメ、実写化してきた『GANTZ』が待望の3DCGアニメーション映画に! 10月14日から全国公開中の映画『GANTZ:O(ガンツ:オー)』はファンの間でも人気の大阪編を初映像化。最先端の技術を駆使した、かつてない映像と豪華キャスト陣の熱演に、興奮と感動が押し寄せる最高のエンターテイメントになりました。

 そんな『GANTZ:O』の公開を記念して、アニメイトタイムズでは連続インタビュー企画を実施中。第2弾に登場していただくのはレイカ役・早見沙織さん! レイカのサラサラな髪が羨ましいと語るなど、フル3DCGの美麗さに驚く一方で、キャラクターたちが必死で生き残ろうとする、なりふり構わない姿にも衝撃を受けたようです。

 

早見沙織さん史上、最も過酷な目に遭うヒロイン!?
――これまでに原作コミック、アニメ、実写映画版などで『GANTZ』をご覧になったことは? また、本作への出演が決まったときの感想を教えてください。

レイカ役 早見沙織さん(以下、早見):実写映画が話題になりましたし、大学の同級生が原作コミックを読んでいて、私もちらりと読んだことがあったりしたので、タイトル自体は元々知っていました。なので『GANTZ』に出演させていただけると決まったときはすごくびっくりしましたし、嬉しかった気持ちもあります。その一方で緊張感というか、プレッシャーもありました。

――残酷な描写も多い作品ですが、『GANTZ』の最初の印象は?

早見:いっぱい血が流れたり、色々なことが起こる作品だったので、普段そういう作品をあまり読んだことがなかったこともあって、ファーストインプレッションとしては衝撃もあったんです。けれども、そのぶんとっても印象に残るというか。今回の劇場版も、観た人に印象深く残るような作品になるんじゃないかなと思いました。


――レイカの印象を教えてください。

早見:普段アイドルとして活動しているときは、華やかだったり美しさが目立つキャラクターではあるんですけど、ガンツでの戦いに巻き込まれてからの必死で生きようとする姿には、アイドルとは全然違う「人間らしさ」みたいなものを強く感じましたね。

――これまで様々な戦うヒロインを演じてきた中でも、かなり酷い目に遭うキャラクターでは?

早見:そうですね(笑)。グサッて貫かれたところとか、痛そうですよねぇ。アニメーションだと、ギリギリのところに立たされても、そこから美しく挽回したりするような作品が多いと思うんですけど、『GANTZ』は無常観を感じるんですよ。助けたいのに助けられないとか、助けに行こうとするのを止めたりとか、命を強く意識することが多いんです。

レイカも「生きてやる」とか、「なんとかしてこの状況を打破してやる」という強い意思、精神力を超えた必死さで行動している感じで、かっこいいとか華麗なんて気にしていられる余裕はないんですよ。なりふり構わず、ひたすら必死にもがいているんです。


――フル3DCGアニメで描かれた映像はいかがでしたか?

早見:これまで自分がアフレコ経験をした映像とは、まったく違うものになっていたので、アフレコ前にチェックを兼ねて映像を観たときは、台本で自分のセリフを見ようと思ったのに、ただ映像を観るだけになってしまって(笑)。あまり観たことがないほどリアルだなと思いました。自分も敵も本当にそこにいるようで、次元の差みたいなものがない感じでした。

――映像で一番驚いたシーンや、盛り上がったシーンは? 男子的にはロボが出てきたところで大盛り上がりでしたが。

早見:あーっ、やっぱりそうなんですね(笑)。私はどこだろうな……。あ、ちょうどフライヤーに写真がありますけれど、悪魔のような姿になったぬらりひょんの目の前で加藤が絶望しているシーンは印象的でしたね。僅かな顔の動きがとっても繊細に表現されていて、作り物じゃない、そこに生きている感じがして、絶対に自分の世界では有り得ないけれど、いたら怖いなってビクビクしながら観ていました。

自分のシーン的には一番最初の、レイカが玄野君と涙ながらにやりとりしながら転送されてしまうところは気持ちが盛り上がりましたね。それと今回は、アフレコの際に、モーションをつけてくださった役者さんのお声が入っていたんですね。なので、演じてくださった役者さんの呼吸感とか、感情の流れみたいなものはかなり大切にしつつ録りました。

後半の怒涛のように続く戦闘シーンも、走るところは本気で息を切らしましたし、全身の細胞を活性化させて臨んだ感じで、終わった後には心地よい疲労感が残るような収録でした。レイカが最後に「終わった……」と言うシーンがあるんですけど、私も同じ気持ちでしたね(笑)。

――収録は何人でされたのですか?

早見:今回は一人一人で、ひとつのシーンをかなり丁寧に録ったんですよ。


――大阪チームが全員、ネイティブ大阪弁の人でしたが、いかがでしたか?

早見:ネイティブ大阪弁ですか(笑)。なんの違和感もなかったです。今回は最初に転送されたときから舞台は大阪と決まっているので、いったいどんな風にキャラクターが出てくるのかなと思ったら、コテコテの関西系でしたね(笑)。うちは母方に関西方面の親戚が多いので、ちっちゃい頃から関西弁は耳馴染んでいたんですね。だからなんの違和感もなく、「今回の舞台は大阪なんだな」と思えました。


――『GANTZ』は原作からして、大阪チームに吉本芸人の名前が付けられていたわけですが、その吉本芸人の方々が今回キャスティングされています。中でもケンドーコバヤシさんが、最強で一番かっこいい役を演じていますが、こちらの印象は?

早見:台本を初めて開いたときに、私が普段は一視聴者として観させていただいている役者さんや芸人さんのお名前がたくさん書かれていて、すごくびっくりしましたし、こうして共演させていただけて嬉しかったです。お笑いは、詳しくはないんですけど、大阪にチケットを取って吉本新喜劇を観に行ったことはあるんですよ。


『GANTZ』を観ると、誤字がトラウマに!?

――女性視点での、この作品のおすすめシーンをお願いします。男性視点だと、スーツがセクシーとかイロイロあるんですけど。

早見:そこが男性視点ですか(笑)。迫力あるアクションが多いんですけど、心の機微もかなり繊細に描かれていて、そういうところは女性視点なのかはわからないですけど、楽しめる要素かなと思います。玄野君とのシーンが終わった後に、なにも知らずに来た加藤にちょっとだけ本音を漏らすレイカの表情などは、とても現実に近い感じがしました。顔に全部は出さないんだけれども、言葉尻に滲ませたりとか、そういう繊細な表現は私はすごく好きですね。

それと、杏はすごく好きなキャラクターで、かっこいいですね。母の強さを感じます。守るものがいっぱいあるから立ち向かえるというのは、女性にも共感できると思います。


――本作を見ると「ラジオ体操の歌」が恐ろしく感じるようになるのですが、早見さん流の「ガンツあるある」はありますか?

早見:細かいところなんですけど、誤字にドキッとするっていう。ガンツに表示される文字って、「さ」が「ち」になっていたりとかするんですよ。誤字を見るだけで、あれとリンクしてドキッとするのは「ガンツあるある」じゃないですか? 不思議さとか違和感に対する恐怖みたいなものは、この作品ならではとして、あるかもしれないですね。

――もしも早見さんがガンツ内に囚われ、100点を集めることができたら、3つの選択肢からどれを選びますか?

早見:ええ~っどうしよう!? まぁでも、自分が脱出しようと思うかもしれないですね。


――戦いの間に、恩人が死んだりしていても?

早見:そう! そこなんですよねぇ。たぶん、1回だけ参加とかだったら、おそらく「さよなら!」って言って帰りたいと思うでしょうね。ただ、自分を助けるためにガンツの中で亡くなってしまった誰かがいたとしたら、ものすごい悩むと思いますね。

――レイカは玄野のためにそれをやろうとしているわけで、そう考えるとレイカってすごいですよね。

早見:本当に愛情とか、情が深いと思いますし、信念や意志が強いと思いますね。


――最後に「劇場に来てね」メッセージをお願いします。

早見:ポスターの「必ず、生きて帰る。」というコピーの通り、必死で生きている人間たちの、必死な姿が描かれています。ぜひ劇場で、大きい迫力で、必死な気持ちを観ている方にも感じていただけたら嬉しいなと思います。とにかく映像も美しくて、音楽も素敵なので、目、耳、そして身体全体で『GANTZ』を感じていただければ嬉しいです。

――観客も全身スーツを着ていくと、全身で臨場感が感じられるかもしれませんね。

早見:全身スーツ! ここで私が言ったら、着て来られる方がいらっしゃいますかね(笑)。TPOがあると思うんですけど、心は全身スーツで来ていただければ嬉しいです。楽しんでください!

[インタビュー・文/設楽英一 撮影/Re-Zi]

公開情報
・『GANTZ:O』
2016年10月14日(金) 全国ロードショー

>>『GANTZ:O』公式サイト
>>GANTZポータルサイト

(C)奥浩哉/集英社・「GANTZ:O」製作委員会
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