声優
「アドリブ2016」福山潤さん演じるDT会社員がオタ芸を披露!?

恋する38歳のDT会社員役・福山潤さんがオタ芸を披露!? 中村悠一さんが熟考を重ねて生み出した「AD-LIVE 2016」葛飾公演【2日目・昼】レポート

 鈴村健一さんがプロデュースする、即興劇プロジェクト「AD-LIVE(アドリブ)」。2015年に続き2016年も9月からスタート。東京2か所・大阪1か所で、2日間2公演ずつ行われました。アニメイトタイムズで公開している全日(昼公演)レポートもこれで4本目。本稿では、9月25日(土)開催の葛飾2日目の模様をレポートします。

 前年までとは違い、昼夜それぞれの回でキャラクター設定の担当者が変わる「AD-LIVE 2016」。今からレポートする回は、「AD-LIVE」初参加の中村悠一さんが相方・福山潤さんの設定まで考えたそうです(同日夜公演は福山さんが担当)。中村さんが生み出した世界とは、どのようなものだったのでしょうか?

【出演者/9月25日@かつしかシンフォニーヒルズ】
中村悠一さん
福山 潤さん

 

福山さんが演じたのは「チャットで出会った女性に初恋してる38歳DT会社員、フクヤマ・ザ・デストロイ」!
「AD-LIVE 2016」で描き出された世界は、ちょっと特殊。何らかの理由で意識不明になった人や、心を閉ざしてしまった人の“精神の中”で展開されます。「マインドダイブ」と呼ばれるこの治療法は、精神の中に他者が入り記憶を刺激することで、意識を回復させる効果があるといいます。この公演は、福山さん演じるフクヤマ・ザ・デストロイ(以下、デストロイ)の精神の中に、中村さん演じる医師が入り込み、物語を紡いでいきました。

 
 まずは、クイズからスタート。記憶が曖昧なデストロイに、医師が奇抜な名前のことや、サラリーマンだったこと、チャットが趣味であることを次々明かしていきます。さらに、最後には「自動車事故を起こした」とも……。どうやら、このあたりが物語の肝になりそう。幾度となく沸いていた会場も、このときばかりは静かに見守っていました。

 
 こうして、本編へ。まだ自身の名前が受け止めきれないデストロイですが、ダジャレを披露したり、医師をピコピコハンマーで殴ろうとしたりするくらいの余裕も。「事故」という記憶はよぎりつつも、比較的明るい雰囲気で精神の旅がはじまります。

 
 なかでも、軽快な会話劇から明らかになっていくデストロイの人物像は、興味深いものに。趣味のチャットで、ある女性と出会い恋に落ちた彼。なんでも人生初の恋だそうですが、年齢はすでに38歳。立派な大人でした。「おっと? それはつまり、齢38にしてDTということかい?」とデストロイ。生々しい現実を受け止めきれない!

 
 しかも、1か所目の思い出の地・机の上では、木こりアイドル(!?)・ホシノユカの追っかけをしていた事実まで発覚。置いてあったハッピに袖を通すやいなや、全力でオタ芸を披露するひと幕も見せました。

 
 濃すぎるキャラクターを持った彼。本人も相当混乱していると思われましたが、ハッピを着たあたりから当時の記憶が蘇ってきたもよう。思い出話を嬉々として語るまでになります。

 
 ……しかし、この記憶の結末は幸福なものではありません。当時、デストロイの恋は叶わず、追いかけていたアイドルの熱愛まで知り、絶望の淵へ。そうして、最初に明かされた「自動車事故」へと繋がっていくのです。悲しい記憶でしたが、意識を回復させるには十分な刺激だったのかもしれません。

 
 そんななか、医師の正体も明らかになっていきました。そもそも「マインドダイブ」は、現実世界で親交のあった相手の精神へに入り込むケースが多いそう。しかし、ここまでのやりとりを見るに、医師とデストロイはこの場が初対面のようでした。

 
 ではなぜ、医師はデストロイのもとへやってきたのか。その理由はと言うと、医師もまた現実世界で意識を失った患者のひとりで、死を選びマインドダイブの世界に取り残された人物だったから。彼は、似た境遇のデストロイを見て「自分のようにはなってほしくない」と、救いに来たそうです。

 
 これが明かされると、物語は徐々にシリアスな展開に。終盤では言い争いも見られました。「君はまだ死んでない。やり直せる。僕はもう、そういう選択をできないんだよ」と医師が言うと、デストロイは「やり直してどうするの?」と首を傾げます。片や現実に未練を残した男、片や現実に絶望しかない男。相容れないのは当然といえば当然。

 
 しかし、そんな中でも活路を見出して欲しい。医師の声は、デストロイの元に届いたのでしょうか? キレイにオチたラストシーンは、Blu-ray&DVDでご確認ください! 設定を考えた中村さん曰く「“再会しない”結末にするため熟考を重ねた」そうですよ。

 
 ちなみに、アドリブワードは大盤振る舞い!(以下“”内はアドリブワード)終始さまざまな場面でカードが引かれ、ときにワードをキッカケに話を膨らます様子も見られました。デストロイが恋した女性について語るシーンでは、「“わたあめ”のような存在」と言った医師に対し、「いい表現だね。つまりふわふわとしていて溶けるような甘さを持った女性ということかい?」とデストロイ。極めつけに「あまーーい!」で締め括りました。

 
 さらに、その女性と「“雨の日”に必ず会う」と医師が言えば「チャットだからね?」と重ね、会話を成立させます。見事な話術とテンポの良さに、会場は沸きに沸きました。もちろん、「AD-LIVE」の醍醐味である奇跡も連発! そちらもBlu-ray&DVDで確認してもらいたいところ。

 
 また、第3の登場人物は廣瀬詩映莉さんが演じた木こりアイドル・ホシノユカ! アドリブワードで偶然飛び出した“木こり”というワードや、「えげつねえ斧を持ってる」というデストロイのセリフを反映し、武器を手にした昭和風味のアイドルとして登場しました。

 
 「心の大木、へし折るぞ! 木こりアイドルのゆかりんです! バッ木バ木☆」というキャッチフレーズもキマるキマる! ここも、大きな見どころのひとつです。

 
 加えて、観客と触れあう場面まであり、トピック尽くしだった葛飾2日目昼公演。出演者も観客も、きっと満足していたことでしょう♪

 
 次は、ついに大阪公演! 釘宮理恵さんと高垣彩陽さんが出演した大阪1日目昼公演のレポートを公開予定です。「AD-LIVE」初という、女性コンビでのステージ。一体どうなったのか……ぜひそちらもチェックしてみてください!

[取材&文・松本まゆげ]

ドキュメンタリー「MATSU-LIVE(マツリブ) -Documentary of AD-LIVE 2016-」放送決定

【TOKYO MX】1月22日(日) 19:00
【MBS】1月22日(日) 25:35
【BS11】1月25日(水) 25:00
※放送日時は変更になる可能性があります。予めご了承下さい。


監督:津田健次郎
制作プロダクション:祭

『AD-LIVE 2015』TV放送スケジュール
★ポイント1:豪華声優総勢13名が織りなす、90分間全てがアドリブで進む、唯一無二の舞台劇。
★ポイント2:決められているのは大まかな世界観と、舞台上で起こるいくつかの出来事のみ。お互いのキャラクターも舞台上で初めて知る!
★ポイント3:全12公演で約6万人(ライブビューイングを含む)もの観客を動員した人気舞台!

【放送日】
2/4(土)スタート毎週(土)19:00~
[再放送]毎週(日)26:30~
(12週にわたって放送)

【出演者】
■出演:櫻井孝宏・津田健次郎・鈴村健一
2/4(土)[東京公演(1日目)昼公演]
2/11(土)[東京公演(1日目)夜公演]

■出演:小野賢章・釘宮理恵・鈴村健一
2/18(土)[東京公演(2日目)昼公演]
2/25(土)[東京公演(2日目)夜公演]

■出演:梶裕貴・名塚佳織・鈴村健一
3/4(土)[埼玉公演(1日目)昼公演]
3/11(土)[埼玉公演(1日目)夜公演]
<以降の放送日は変更になる場合があります>

■出演:岡本信彦・谷山紀章・鈴村健一
3/18(土)[埼玉公演(2日目)昼公演]
3/25(土)/[埼玉公演(2日目)夜公演]

■出演:岩田光央・浪川大輔・鈴村健一
4/1(土)[大阪公演(1日目)昼公演]
4/8(土)[大阪公演(1日目)夜公演]

■出演:下野紘・福山潤・鈴村健一
4/15(土)[大阪公演(2日目)昼公演]
4/22(土)[大阪公演(2日目)夜公演]

【総合プロデューサー】鈴村健一
『黒子のバスケ』、『宇宙戦艦ヤマト2199』、『うたの☆プリンスさまっ♪』など人気アニメ、ゲーム、ラジオなど多くのメディアで活躍中。

特別番組『Document of AD-LIVE 2015』放送情報
 2015年9月~10月に全12公演開催され、実に約6万人(ライブ・ビューイング含む)を動員した大人気舞台劇「AD-LIVE(アドリブ) 2015」。その制作舞台裏や舞台本番映像を通じ、AD-LIVEの魅力に迫る特別番組。

【放送日】1/29(日)、2/3(金)19:30~20:00
【出演】鈴村健一、櫻井孝宏、津田健次郎、小野賢章、釘宮理恵、梶裕貴、名塚佳織、岡本信彦、谷山紀章、岩田光央、浪川大輔、下野紘、福山潤

『AD-LIVE 2015』とは?
 90分間、全てアドリブ!総勢13名の豪華キャストが織り成す、唯一無二の舞台劇! 大まかな世界観と、舞台上で起こる幾つかの出来事(例:電話が鳴る、誰かが来る)が決められているのみで、出演者のキャラクター(役)もセリフも、全てアドリブで紡がれる90分間の舞台劇。お互いのキャラクターも舞台上で初めて知ることに。どう紡がれるのか、何が生まれるのか判らないアドリブ要素と、予め決まっている幾つかの出来事の化学反応により、その日その瞬間に、その場だけの感動と衝撃のドラマが生まれる。

パッケージ情報
■Blu-ray&DVD「AD-LIVE 2016」(全6巻)
発売日:
第1巻 (鈴村健一×寺島拓篤) 2017年2月22日(水)
第2巻 (小野賢章×森久保祥太郎) 2017年2月22日(水)
第3巻 (梶裕貴×堀内賢雄) 2017年3月22日(水)
第4巻 (中村悠一×福山潤) 2017年3月22日(水)
第5巻 (釘宮理恵×高垣彩陽) 2017年4月26日(水)
第6巻 (浅沼晋太郎×下野紘) 2017年4月26日(水)

価格:
[通常版] 各7,500円+税(Blu-ray/DVD共通価格)
本編ディスク2枚組
特製ブックレット
オーディオコメンタリー(夜公演)
特典映像(CM、PV集)

[アニメイト限定版] 各8,000円+税(Blu-ray/DVD共通価格)
●通常版+特典DVD
・AD-LIVE 2016 CAST After Talk
 各公演終了直後の出演者による対談映像
・AD-LIVE 2016 DIRECTOR After Talk
 鈴村健一、浅沼晋太郎、川尻恵太の演出家3人で打ち上げ。各公演を振り返るトーク映像

>>「AD-LIVE(アドリブ)」公式サイト
>>「AD-LIVE(アドリブ)」公式Twitter

(C) AD-LIVE Project
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