『映画プリキュアスーパースターズ!』 声優・引坂理絵さん&美山加恋さん&高橋李依さんのプリキュアピンク鼎談!
今年はプリキュアシリーズ15周年。そんなアニバーサリーイヤー最初の劇場作品、『映画プリキュアスーパースターズ!』が3月17日(土)より大ヒット公開中です!
本作では、昨年春に上映された『映画プリキュアドリームスターズ!』に続き、直近3世代のプリキュア12名が総登場。世界中を嘘だらけにしようとする、謎の怪物ウソバーッカから世界を守るために立ち上がります!
「約束」がテーマの本作で鍵を握るのは、不思議な男の子・クローバー(CV:小野賢章)。
2月から放送中の『HUGっと!プリキュア』の主人公である野乃はなは、幼い頃にクローバーと出会い、ある約束をしたのですが……。
毎回、楽しく、熱く、感動的な物語が描かれる「映画プリキュア」だけに、ファンの人は、気になることも多いはず!
そこで、各世代の「ピンク」を演じる3名のキャストにインタビュー。
『HUGっと!プリキュア』のキュアエール/野乃はなを演じている引坂理絵さん。
『キラキラ☆プリキュアアラモード』のキュアホイップ/宇佐美いちかを演じた美山加恋さん。
『魔法つかいプリキュア!』のキュアミラクル/朝日奈みらいを演じた高橋李依さん。
物語を引っ張っていく3人による鼎談で、本作の見どころやアフレコでのエピソードなどを楽しく語っていただきました。
「あー私たちも、ついに仲間入りしたんだ!」と思いました。
──『映画プリキュアスーパースターズ!』への出演が決まり、台本を読んだ時の率直な感想を教えて下さい。
高橋李依さん(以下、高橋):台本を読んだ時、『魔法つかいプリキュア!』の世界観が本当に生き生きと描かれていて。みらいたちの時間は全然止まっていなかったことを再認識できたし、アフレコでも、「あの日常が帰ってきた!」と感じるくらい、すごく楽しくお芝居をさせていただきました。『魔法つかいプリキュア!』を一年間観てくれて、楽しかったと思ってくださった方は、絶対に観に来ていただいたくれた方が良いと思います(笑)。また、みんなに会えますよ!
引坂理絵さん(以下、引坂):私は、今回が初めてのプリキュア映画ですが、先輩たちとの絡みがいっぱいあって、「あー私たちも、ついに仲間入りしたんだ!」と思いました。お話も、はなちゃんの過去に触れるような内容で、すごく面白く読ませていただきましたが、クローバーとの約束を守れなかったことがお話にかなり深く絡んできますし、いつもの元気いっぱいなだけではない、はなちゃんの姿も描かれていて。どういうはなちゃんでいれば良いんだろう、どう表現すれば良いんだろう、ということをすごく考えました。
美山加恋さん(以下、美山):初めて後輩ができた作品なので、ちょっと先輩ぶってる……わけではないんですけど(笑)。先輩の威厳を見せられるシーンもあって、いちかたちもみんな大人になったんだなって思いました。『プリアラ』は、人の成長を濃密に描く作品だったので、1年間で積み重ねてきたものもすごく多かったですし、その分、「よし、ここまでちゃんと来れた。バトンを渡そう!」という心持ちで挑めました。
それに、妖精のヤパパ役で1年間ずっと一緒に頑張ってくれた引坂さんが次のプリキュアのピンクですから! 『プリアラ』の現場でそのことを知った時、すごく嬉しかったんです。今回のアフレコでも、私たちの仲間の引坂さんがすごくカッコ良く、次の新しいプリキュアとして頑張っている姿に、『プリアラ』のみんなで本当に感動していて。はなちゃんが引坂さんで良かったって、すごく思いました。
「さすが、これは子育てをしそうだぞ」という印象でした(笑)。
──引坂さんは、2月に『HUGっと!プリキュア』の放送が始まったばかりですが、早くも映画にも出演することになりましたね。その心境を教えて下さい。
引坂:この1、2か月は怒濤の日々で。放送開始して、もう1ヵ月経ったことも早いなと思っているのに、その上、映画も公開されるという流れに、自分の体が全然追いついて行かないぐらいでした。その全部が楽しい思い出すぎて、時の流れるのがひたすらに早く感じています。
私たちの『ハグプリ』はまだ始まったばかりで、この映画の中で、どれだけの姿を見せられているかは分からないんですが、私たちなりの今できる姿は映画の中で映し出されていると思うので、ぜひたくさんの人に観ていただけたら嬉しいです。
──高橋さんと美山さんは、引坂さんや引坂さんの演じる野乃はなに、どのような印象を受けましたか?
高橋:私がみらいとはなちゃんとして掛け合いをさせていただいて感じたのが、ピンクとして地に足をつけて踏ん張っているいる感じというか、力強さというか……。「野乃はな」という草木を連想させる名前だということもあって、これは太そうな根っ子がしっかりと地に伸びているぞという印象で。
引坂:ありがとうございます(笑)。
高橋:マイク前での立ち姿もすごくしっかりとしていて、パワーを感じました。ツンと指で突いたら倒れてしまいそうな感じとかも一切無かったですし、「さすが、これは子育てをしそうだぞ」という印象でした(笑)。
──はなは、はぐたんという不思議な赤ちゃんを育てていますしね(笑)。
美山:引坂さんは、すごく努力家でひたむきなイメージがあって、はなちゃんに本当にぴったり。ムードメーカーで、みんなを元気にしてくれるところも重なります。映画の中でも、はなちゃんがギャグっぽくて、すごく面白いんですけど。引坂さんだからこそ出てくる面白さがすごくあります。
高橋:ギャグがすごく面白いんですよね。
美山:そうなんですよね。独特の面白さというか、引坂さんの人柄の良さが出てるんじゃないかなって思います。マイク前にいるからこそ、引坂さん本人のことも、キャラクターのことも見られるので、それを感じ取れて、ますます応援したくなるんです。でも、私が応援なんかしなくても、すごくどっしりしているので……。
高橋:応援がなくても充分頑張ってくれそうな感じはあるよね(笑)。
美山:ありますあります(笑)。
引坂:え~(笑)。
高橋:(キュアエールだから)応援する側だもんね!
美山:そうそう。だからすでにかっこいいなって思います。
引坂さんの必殺技や変身のセリフを聞いて、その高音ぶりに驚きました。
──アフレコスタジオはどのような雰囲気でしたか? 印象的なエピソードを教えて下さい。
高橋:収録は2日間あって、1日目と2日目で参加しているメンバーが違ったんです。1日目がゲスト(クローバー役の小野賢章)さんと、『プリアラ』さんと、『ハグプリ』さん。2日目が私たち『まほプリ』のメンバー、引坂さんと美山さんと、妖精さんたち、という形で分かれていました。だから、空気感はそれぞれ違ったのかもしれないなと思っています。
引坂:そうだったかもしれないですね。
高橋:1日目はどうでした?
引坂:1日目は、私が緊張しすぎていて。周りの皆さんが暖かい目で見守ってくれているという状況でした(笑)。
高橋:そうだったんだ(笑)。
引坂:まさに…「子供を見守る」親の気持ち?という感じで応援してくれているのを感じながら、マイク前に立っていましたね。でも、1日目で緊張した分、2日目は少し落ち着いてできたと思います。『まほプリ』の皆さんも、「アスパワワ」(『HUGっと!プリキュア』に出てくる明日を作る力のこと)という単語で、難しい早口言葉を作るという遊びをしながら、楽しい空気を作ってくださったので(笑)。
高橋:「アスパワワ」という言葉が難しいからって、(十六夜リコ/キュアマジカル役の)堀江由衣さんが先陣切って早口言葉を作り始めて。引坂さんが真剣に台本を見てる隣で、私たちは「アスパワワ、アスパワワは渡さないわ」とかって言ってました(笑)。何が一番難しいってことになったんでしたっけ?
引坂:それは、もう覚えてないんですけど、「あ、確かにそれ難しいな」と思った記憶があります(笑)。そうやって、『ハグプリ』の言葉を取り上げて盛り上げていただいて。まさにムードメーカーになってくださっているなと思いました。あと、1日目はまだ『ハグプリ』が放送される前だったんですけど。変身や必殺技のシーンを初めて観た『プリアラ』の皆さんが後ろで「可愛いね」とか言ってくださっているのは聴こえてきて。嬉しいなと思いながらマイク前に立っていました。どちらのチームの皆さんからも、すごく温かい目で見ていただいたことが印象的でしたね。
美山:初めて引坂さんの必殺技や変身のセリフを聞いて、その高音ぶりに驚きました。 必殺技の「フレフレ!ハート・フォー・ユー!」の最後の「ユー!」がすっごく高いんですよ!
高橋:すごく高いよね~。
美山:みんなで拍手してました。
プリアラの現場で始まった、「クッキー焼いてきたの?」
美山:あと……(引坂さんを見ながら)『ステラおばさん』のことって話してもいいですか?
引坂:あ、全然大丈夫ですよ。
高橋:それもあったー!
──『ステラおばさん』の話とは?
美山:『プリアラ』時代に、(妖精の)ぺコリン役のかないみかさんが「今日、クッキー焼いてきたの?」って聞いたら、引坂さんが「ステラおばさんじゃねーよ!」って返すというやり取りが大流行して、ずっとやっていたんですよ(笑)。そうしたら、映画のアフレコの2日目、かないさんが来てすぐ引坂さんに「クッキー焼いてきたの?」って聞いて。
引坂:「ステラおばさんじゃねーよ!」って返事しました(笑)。かないさんからは、「『クッキーは?』て聞いたら、必ず『ステラおばさんじゃねーよ』って返しなさい」という教育を受けていて、ずっと鍛えられていたんです(笑)。
美山:どんな大先輩でも、言わなきゃいけないんですよね(笑)。
引坂:そういう指令を受けているんです。
高橋:私も、そのやり取りの完璧な姿を見せていただきました(笑)。
美山:最初はもっと控えめだったんです。
引坂:だんだん「じゃねーよ!」って言えるようになりました。今は、別の現場で(キュアショコラ/剣城あきら役の)森ななこさんからも、「クッキーは?」って聞かれて答える訓練を受けています(笑)。
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https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1498825058
小野賢章さんの演技で涙が出そうに……
── ゲスト声優であるクローバー役の小野賢章さんと、ウソバーッカ役の北村一輝さんと共演した感想をお聞かせください。
高橋:私は、ゲストの方とは別日の収録だったので、……。二人はどうだった?
引坂:(最初に公開された)CMでクローバーが少し出てくるシーンがあって。「どなたが演じるんだろう」と思っていました。小野さんは、アフレコでもクローバーの儚さを本当に繊細に演じられていて。私との掛け合いを上手くいかせるために、すごく配慮して下さっていたんです。「もうちょっとこうして良いですか?」と調整しながら、何度も演じられている姿を見て、クローバーというキャラクターに対して、すごく深く考えていただけていることをすごく感じました。
小野さんが演じられるクローバーを見て、私も涙が出そうになりながら一緒に掛け合いをやらせていただいたんですけど。クローバーは、小野さんにしかできないキャラクターだなと心から思いました。本当に繊細で素敵なお芝居をしていただきました。
ウソバーッカについては、(抜き録りで)まだ一度もキャラクターの声を聞けていないんです。
美山:私もウソバーッカの声はまだ聴けてないんですけれど、ただただ「どうなってるんだろう?」って気持ちです。まさか、北村さんがという驚きもあって、どう演じられているのかすごく気になります!
小野賢章さんは、前に(『エンドライド』で)共演させていただいた機会もあって、尊敬している声優さんの一人ですし、ご一緒できて嬉しかったです。少しお話もさせていただいたんですけど、賢章さんは今回、すごく可愛らしい男の子の役じゃないですか。だからか、声を入れ終わった後に毎回、「俺、可愛かった?」って聞いてくるんですよ(笑)。
引坂:その姿も可愛いです(笑)。
美山:ご本人はすごく気にしていらしたのですが、「大丈夫。誰よりも可愛いです!」って毎回言ってました。それに、周りが女の子だけの現場だったので「どうしたらいいのオレ?」てずっと言ってましたね(笑)。プリキュアって、すごくチーム感の強い作品だから、1日だけ(その中に)入るのは、ちょっと気まずかったりするかもしれなくて。なるべく、そういう気持ちにならないようにしたいという気持ちは私たちにもあるので、いっぱい話しかけたりするんですね。
でも、賢章さんは、その前に自分から皆さんに話しかけたりしていて。優しさがすごく溢れていました。そういう部分もすごくクローバーだなって感じがして、クローバーが賢章さんで良かったなって、私もすごく思います。クローバーの優しさや繊細な感じが心に染みるような素敵なお芝居をされていたので、皆さんにもじっくり観ていただきたいです。
きっと、はなちゃんのことを最後まで応援したくなる映画だと思います
───この作品の中で、ご自身が演じているキャラクターやそれぞれのチームの見所などを教えてください。
高橋:『まほプリ』チームの3人が言葉を語らずに目線だけで通じ合うところがあるんですけど、そこが特に好きです。
美山:あそこ、めっちゃかっこよかったです! ちょっと泣きそうになりました。
高橋:本当? 嬉しい~。これは3世代の作品だから、まさか私たちがあんなにも素敵なシーンを頂けるなんて思ってもいなくて。台本を見た時、ちょっと整理ができなかったくらいです。そのシーンには、私たちらしさを詰め込ませていただいたので、言葉で言わなくてもお互いへの信頼が伝わる空気感が出ていたかなって。きっと、観て下さる方にも、それは感じてもらえると思います。
引坂:はなちゃんがどういう子で、クローバーに対してどういう気持ちを抱いているのかも、すごく繊細に描かれているので、そこをぜひ観ていただきたいなと思います。それに私は、3世代のプリキュアが出ているからこそ、このお話を最後まで走り抜けることができたのだなと感じました。全体を通して、先輩方の助けによって、はなちゃんたちが前に進んでいくところがあるので、そこはぜひ観ていただきたいなと思います。
美山:今回ピンクの3人が集まる瞬間と、それ以外のみんなが集まる瞬間があるんですね。そこは、それぞれのチームのメンバーが、ピンクのことをどう思っているかがすごく分かる内容になっていて。私たち『プリアラ』は、1年間、仲間との絆と成長を濃く描いてきたので、それぞれの一言一言に思い出がぎゅっと詰まってるような感覚になり、ちょっと泣きそうになりました。そこは、1年間応援してくださった皆さんにも感じ取ってもらえるものがあるんじゃないかなと思います。
あと、はなちゃんとは(TVシリーズで)会ったことあるのですが、『ハグプリ』チームとしては初めて会う作品で。3人と一緒のシーンの中に、「『プリアラ』の個性って、まだまだこんなにあったんだ!?」と思えた大好きなシーンがあるんです。『ハグプリ』さんと出会うことで、こんな一面も観られるんだなって。ぜひ、そういうこのキャラクター(の組み合わせ)ならではの自由さを楽しみながら観ていただきたいです。きっと、はなちゃんのことを最後まで応援したくなる映画だと思いますので、いっぱいライトを振って応援して欲しいです。
[取材・文・写真/丸本大輔]
作品情報
● 公開日
3月17日(土)ロードショー
● ストーリー
私、野乃はな!今日は待ちに待ったはぐたんのお花畑デビュー♪のはずだったのに、突然あらわれた怪物・ウソバーッカが、世界中をウソだらけにするため大暴れ! さあやとほまれがさらわれてしまったの! めちょっく!! しかも次は「プリキュアアラモード」と「魔法つかいプリキュア!」がねらわれているみたい…急いでみんなを探そう!
ウソバーッカの戦いの中で、私は思い出したの。幼いころ不思議な男の子・クローバーとの約束を果たせなかったことを…。私、ちゃんと気持ちを伝えなきゃ! そしてみんなで世界を守ろう!!
● 声の出演
原作:東堂いづみ
監督:池田洋子 脚本:米村正二 オリジナルキャラクターデザイン:宮本絵美子 井野真理恵 川村敏江
キャラクターデザイン・総作画監督:香川 久 作画監督:爲我井克美 小松こずえ 音楽:林ゆうき
美術監督:渡辺佳人 色彩設計:竹澤 聡 撮影監督:五十嵐慎一
声の出演:
引坂理絵 本泉莉奈 小倉 唯 多田このみ 野田順子
美山加恋 福原 遥 村中 知 藤田 咲 森なな子 水瀬いのり かないみか
高橋李依 堀江由衣 早見沙織 齋藤彩夏
ゲスト声優:北村一輝 小野賢章