【連載】『ソードアート・オンラインアリシゼーション』第4話感想：松岡禎丞×島﨑信長対談｜大きな一歩を踏み出したユージオの心情

2018年10月より放送中のTVアニメ『ソードアート・オンラインアリシゼーション』(SAOアリシゼーション)。第4話「旅立ち」では、果ての山脈に行ったセルカがゴブリンに捕まってしまったところに、後を追っていったキリトとユージオが遭遇。いよいよ戦いが始まってしまう。《アンダーワールド》での戦いはどんなものなのか、気になる第4話をキリト役の松岡禎丞さん、ユージオ役の島﨑信長さんに振り返ってもらいました！

※※※第4話のネタバレが含まれています。本編視聴後にご覧いただくことをおすすめします※※※

＜連載バックナンバー＞
【第1話】アンダーワールド
 【第2話】悪魔の樹
 【第3話】果ての山脈

　

ゴブリンとの迫力ある戦闘
――第4話にして、ついに戦いが繰り広げられましたね。でも、またこれまでの戦いとも少し違っていて。

松岡禎丞さん(以下、松岡)：第4話は、《アンダーワールド》の世界が、限りなく現実に近いということが本当によくわかる回でしたね。

第1期の2クール目に出てきた《ペイン・アブソーバー》…つまり痛覚緩和装置がない状態で斬られたときの痛みがあって、キリトとユージオがゴブリンたちと戦うシーンは、1話まるまるやっても良かったんじゃないかな？と思うくらいの迫力がありました。

「仮想世界でこんな痛み、ありえないだろ」と言っていたと思いますが。

――ウガチとの戦いのシーンですよね。

島﨑信長さん(以下、島﨑)：このAパートは全力！という感じで面白かったよね。

松岡：ある意味、これまでがVRゲームの世界の話だったけど、ここで一気に原点回帰したような感じがしたんですよ。

キリトが敵に攻撃された瞬間、こんな状況と痛みを体験したら「これはゲームではない！」　って感じたと思うんです。

それを考えると、1期の頃の「これはゲームであっても、遊びではない」というセリフを思い出させる回でしたね。それによって今後の戦闘でも、本当に命がかかっている！という感じで演技をできているので。

――恐怖心みたいなのも強く感じて戦えそうですね。

松岡：心の力というか、勢いではないんですけど、恐怖心を押し殺しながら戦っていくという感じですね。

――ユージオはどうですか？

島﨑：ユージオは最初からこの世界に生きている人だから、当然命がかかっていることはわかっているんです。

でも、それ以上に、セルカはもちろんなんですけど、キリトを助けたいという思いで、剣術を学んでいるわけでもないのにゴブリンに向かっていくんですよね。

ウガチからキリトを助けたシーンは、ずっと抱え続けてきたアリスを守れなかったという思いがあったから、今度こそ守るんだ！と思って行けたんだと思います。

――そこで約束のことも思い出すような描写がありましたね。

島﨑：記憶として明確に戻ったわけではないけど、やっぱりどこか覚えていたキリトとアリスとの約束のこと。子供の頃のキリトのことも、どこかでずっと覚えていたというか、魂に残っていたんでしょうね。だからこそユージオはあそこで動けたんだと思います。

そこがユージオの素敵なところで、基本的に真面目で温和な人間で、普段は「やめようよ」と止める側なんですけど、いざ誰かのためというときに、普通の人じゃ出せない勇気を出すことができる男なんです。友達のために動けるって素敵だなと思います。

――「その刀なら使い方は斧と同じでいけるはずだ」ってキリトに言われて戦いに参加しましたけど、キリトも結構無茶を言いますよね(笑)。

松岡：理屈じゃないんです！

――理屈じゃなく一歩踏み出せた気はしますね。

島﨑：アリスの時は踏み出せなかったから。それは実はシステム的な縛りだったんだけど、ユージオは６年間、一人でずっと悔いていたんです。「今度こそ……守るんだ……」というのは、ユージオの心からの言葉だと思います。

――そのあと大怪我を負ったユージオを助けるために、セルカを説得するときの掛け合いはいかがでした？

松岡：自分とセルカの天命を移動させるところですよね。あのシーンでキリトが頼れるのはセルカしかいなかったし、セルカもキリトもユージオを失いたくなかった。

でも、この傷では確実に助からないというところで、お前に賭けるしかないんだ！と思って、僕はテスト(収録)のときから結構セルカに対して焦りというか……こんなこと言っていいかわからないけど、泣き言を言う前にやるんだ！という感じで言っていたんです。ユージオを助けるためだろ！と。だからセルカにはすごくすがった気がしますね。

島﨑：キリトも余裕がないし、その中で伝えるべきことを伝えたって感じだったよね。セルカも頑張ってユージオも助かったという。

　
ユージオの天職からの解放、そして二人は旅立つ
――そしてBパートでは、《ギガスシダー》を切り倒すところまで行きます。ここは少しゲームっぽさもありました。

島﨑：Bパートで僕が特に大事だなと思ったのは、「――キリト、僕に剣を教えてくれ！」と言うところです。

６年前のことをずっとずっと後悔し続けていたユージオが、やっと前に進めた。アリスを救い出すために、同じ間違いを繰り返さないために。強くなりたい、強くなるんだと決意した、大切なシーンだと思います。

――個人的には、目もそむけてしまっていたセルカに「央都に行って……アリスを連れ戻す」と言って、「君と君の家族を苦しめて、本当にごめん」と言えたことは良かったなと思いました。

島﨑：ずっと過去ばかり見ていたユージオが、キリトとの再会をきっかけに、やっと前を向くことができるようになったんですよね。セルカとちゃんと話をすることができて、本当に良かったと思います。

――そこから二人が旅立つというところがラストでしたね。オープニングの最後も連想できるような。

松岡：まぁ、さすがに旅立ってすぐにあれ（OPラストの旅に出るキリトとユージオが歩き出す前にやるアクション）はやらないでしょうけどね(笑)。

島﨑：超絶相棒感だよね(笑)。

松岡：あれはもうちょっと二人の仲が深まってからのシーンだと思いますが、それは描いた足立慎吾さんに聞いてみないとわからないですね。

[取材・文／塚越淳一]

　
パッケージ情報
■【Blu-ray】TV ソードアート・オンラインアリシゼーション 1 完全生産限定版
発売日：2019/01/30
価格：9,504円(税込)

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作品情報

【イントロダクション】
「ここは……どこだ……？」

気づけばキリトは、なぜか壮大なファンタジーテイストの仮想世界にフルダイブしていた。ログイン直前の記憶があやふやなまま、手がかりを求めて辺りを彷徨う。

そして、漆黒の巨木《ギガスシダー》のもとにたどり着いた彼は、一人の少年と出会う。

「僕の名前はユージオ。よろしく、キリト君」

少年は、仮想世界の住人――《NPC》にもかかわらず、人間と同じ《感情の豊かさ》を持ち合わせていた。

ユージオと親交を深めながら、この世界からのログアウトを模索するキリト。そんな彼の脳裏に、ある記憶がよみがえる。それは、幼少期のキリトとユージオが野山を駆け回る想い出――本来、あるはずのない記憶。

更にその想い出には、ユージオともう一人、金色の髪を持つ少女の姿があった。名前は、アリス。絶対に忘れてはいけないはずの、大切な名前――。

【放送情報】
TOKYO MX：10月6日より毎週土曜 24：00～
とちぎテレビ：10月6日より毎週土曜 24：00～
群馬テレビ：10月6日より毎週土曜 24：00～
BS11：10月6日より毎週土曜 24：00～
MBS：10月6日より毎週土曜 27：08～
テレビ愛知：10月8日より毎週月曜 26：05～

[配信情報]
AbemaTV：10月6日より毎週土曜 24：00～(地上波同時配信)
＊放送開始日・放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。

【STAFF】
原作：川原礫（「電撃文庫」刊）
原作イラスト・キャラクターデザイン原案：abec
監督：小野学
キャラクターデザイン：足立慎吾鈴木豪西口智也
助監督：佐久間貴史
総作画監督：鈴木豪西口智也
プロップデザイン：早川麻美伊藤公規
モンスターデザイン：河野敏弥
アクション作画監督：菅野芳弘竹内哲也
美術監督：小川友佳子渡辺佳人
美術設定：森岡賢一谷内優穂
色彩設計：中野尚美
撮影監督：脇顯太朗林賢太
モーショングラフィックス：大城丈宗
CG監督：雲藤隆太
編集：近藤勇二
音響監督：岩浪美和
効果：小山恭正
音響制作：ソニルード
音楽：梶浦由記
プロデュース：EGG FIRM ストレートエッジ
制作：A-1 Pictures
製作：SAO-A Project