『スター・トレック:ディスカバリー』BD&DVD発売記念!日本語吹替声優・よのひかりさん&桐本拓哉さんが見所を語る公式インタビュー大公開
50年以上前に作られ、単なるドラマを超え文化と呼ばれるほどの人気を獲得した『スター・トレック』。同作の最新ドラマシリーズで、『トランスフォーマー/最後の騎士王』のスタッフが集結した『スター・トレック:ディスカバリー』シーズン1が、ついにBlu-ray&DVDとして、NBCユニバーサル・エンターテイメントより好評リリース中!
このたび、日本語吹替版で主人公マイケル・バーナムを担当したよのひかりさんと、ケルピアン人のサルー役を担当した桐本拓哉さんによる、公式インタビューが公開されました! 作品やキャラクターの魅力、見どころについて語ってくれています。
日本語吹替声優・よのひかりさん&桐本拓哉さんの公式インタビュー到着!
──人気シリーズ最新作の吹替キャストへのオファーがあった際のご感想を教えてください。
桐本拓哉さん(以下 桐本):「スター・トレック」と言えば、子供の頃から見ていてテレビをつければやっているような番組でしたし、僕らの日常生活の遊びの中にも普通に入っていたような番組でしたからね。そんなシリーズなんですけど、実はこれまでドラマシリーズでも、映画版でも、吹替えで参加したことがなくて、本作が初めての出演なんですよ。なぜか縁がなくて。
よのひかりさん(以下 よの):桐本さんが初めてというのは意外ですね。
桐本:そうなんですよ。どんな端役でもなかったんですよね。ずっと見ているしかないのかなと思っていた頃に、こうやってキャスティングしてもらえて、しかも、副長で重要なポジションのキャラクターですから、とにかくうれしかったですね。
最初、吹替ディレクターの方から、「ちょっと変わった役だけど、大丈夫?」なんてことを言われたりしていたんですよ(笑)。その時はタイトルを教えてもらえなかったんですけど、あとで「スター・トレック」シリーズの最新作と聞いて、「うん、大丈夫。どんな役でも大丈夫」と思って(笑)。そんな風に食らいつくぐらい、僕としてはうれしかったですね。
よの:実を言うと、私はシリーズの作品をほとんど見たことがなかったんですよ。もちろん「スター・トレック」というものは、長い歴史のある作品で、たくさんのシリーズが作られているというのは存じ上げていました。ただ、どこから見たらいいんだろうみたいな、取っかかりのないままちょっと来てしまったんですよね。そんなネームバリューのすごい作品に関われるうれしさはあるんですけど、一つのお仕事として捉えると、気持ちの中では他のお仕事とすごく差があったわけではないですね。
ただ、私の中では、かえって見ていなかったことが、むしろ良かったかもしれないと思っています。見ていたら熱くなりすぎたり、自分の中で気負っちゃうようなところもあったかもしれないですけど、そういうものがなくてニュートラルな気持ちで迎えられたのは見ていなかったからかなと今は思っていますね。
──実際に吹替えてみていかがでしたか?
桐本:ここ最近の吹替えの流れなんですけど、配信系の作品というのは映像が完成していない状態で収録のリハーサルを始めることが多いんですよね。後から完成したものが来るんですけど、特にSF作品はCGを使いますから最初にもらう映像の段階だとどういうシーンなのかよく分からないんですよ。でも、それが見ていて面白いんですよね。CG加工が入る前はこうなっているんだと分かったりね。
ただ、本国の役者も、あとからCGで追加される存在しない対象と芝居をしているので、僕ら吹替える側も対象が分からないんですよね。どんな感じでどのぐらいの相手とやり合っているのかなというのが分からない。本国の役者はスタッフから説明を受けているから分かるんでしょうけど、僕らは吹替えのディレクターさんが1番知っているというぐらいなので、リハーサルする段階では想像だけで、臨まなければいけないというのが大変でしたね。
──吹替えの段階になると基本的には完成している映像で確認できることが多いですよね。
桐本:それで、こちらも芝居を作っていくというのができたんですけどね。配信系の作品が増えてからだいぶ変わってきていますね。何もないところで演じている映像もあれば、本作にではCGでクマムシ生物という虫みたいなものが出てくるんですけど、実は白タイツを着た大柄な俳優さんが演じていて、たまならく面白い映像なんですよ(笑)。ものすごくシリアスなシーンなのに(笑)。
よの:本当にシリアスで、宇宙空間に放出されて漂うシーンでも思いっきりつり下げているワイヤーが見えているんですよ(笑)。そんな映像を見ながらマイケルの真面目なモノローグのシーンというのは…、正直きつかったですね(笑) 。
──マイケルは地球人でありながら、バルカン人に育てられ、数々の困難を乗り越えていく強い女性です。同じ女性として、共感したり、勇気づけられる部分はありましたか?
よの:マイケルに比べて、私はあまりにも環境が違いすぎて、ぬるいところで生きていますから足元にも及ばないです(笑)。だけど、本当に彼女は頭の良い女性だと思いますね。最初は、ちょっと若さ故の勢いで暴走しちゃって、たくさんの犠牲を出してしまうようなシーンもあるんですよね。それでも彼女の優秀さが彼女自身を救うんですよ。
彼女の優秀さというのは、USSディスカバリー号の船長ロルカが彼女を部下として欲しがるという話の展開があるぐらいですからね。生きるか死ぬかというようなギリギリのシーンのところで、彼女が瞬間的に選び取っていくその判断力のすごさというのは、机の上でのお勉強ができるというのとはまたちょっと違う頭の良さですね。
──マイケルの感情を抑制するバルカン人らしい演技についてはどうでしたか?
よの:シーズンの前半は特にそうでしたね。少し無感情というか、とにかく笑わなかったんですよ。後半になってきて笑うシーンが増えてきたんですけど、笑うとすごくすてきですね。彼女の笑った時のすごく女性らしい柔らかな表情がとても魅力的だなと思います。
──サルー役を演じたのはクリーチャーの演技が得意なダグ・ジィーンズですが、地球人ではないケルピアン人というキャラクターを演じるにあたり、気をつけた点などありましたか?
桐本:見た目が特殊なので、最初は悩みました。ダグさんも実際に特殊メイクをして演じているので、声を聴くとやっぱりちょっと普通の声ではなく、セリフ回しが鼻声になっている感じなんですよね。吹替えた時も、そういう声のほうがより映像にしっくりくるかなとか、いろいろ考えたんですけど、ずっとそれだと吹替えの演技が続けられないですしね。それは声に加工を入れちゃうようなものでもあるので、そういう方向はやめました。
でも、何か普通の人間とは異なる言い方をやったほうがいいなと考えて、ダグさんはアメリカの役者さんですけど、周りの役者さんと異国感というか違いが出るようにクイーンズ・イングリッシュ的なイメージを持ち込んでいるんですよ。アメリカとイギリスの役者さんは同じ英語でも発音とか、リズムとかも違うので。今回はそれが映像とマッチしてちょっと普通の人間たちと違う感じになればと思って、自分的にはそういう感じでやっています。
そういう言い方にしために、逆に言いづらい言葉がいっぱい出てきて自分の首を絞めているところはあるんですけどね(笑)。スルッと言えばいいものを、そのイントネーションで話そうとすると、難しい単語があるんですよね。今回はそういうことが多々あって、しまったなと思いました(笑)。
──2人のキャラクターの階級や関係も序盤とそれ以降に変化が出てきますが、吹替えの際に何か考慮された点はありましたか?
桐本:基本的にマイケルは突進して行って、サルーは極力リスクを冒さないように事を運んでいくのが1番良いと考える種族なので、ぶつかり合いが最初は強く出ているよね。サルーたちケルピアン人は捕食される側の種族だったんですけど、サルーはそうじゃないということをずっと疑問に思っていてリスクを犯してこちらの世界に飛び込んだという生い立ちがあるんですよ。
そのことをサルーが惑星連邦に入る前の短編エピソードの収録で分かったんですよね。そういうのが根っこにあるから、マイケルとぶつかりながらも通じるところがあるんだなと思いましたね。
──惑星連邦やディスカバリー号のクルーらは極限の状態で時にはぶりかり合いながらも助け合う仲間たちですが、現場での共演者のみなさんとのチームワークはいかがでしたか?
よの:チームワークも良かったですね。特に医療部長ヒュー・カルバーの吹替えをしている奈良徹さんが、すごくスター・トレックのフリークなんですよ(笑)。
桐本:スター・トレックの熱心なファンである“トレッキー”だねと彼に言うと、本人は「いや、そこまでは」と言うんですけどね(笑)。いろいろと収録では助かりました。
よの:相当詳しいですよね。私はスター・トレックの知識がほとんど無かったので、分からない時には“奈良先生”が解説してくれるんです(笑)。
桐本:表面的だけじゃない裏設定的なところも、奈良さんが「いや、実はですね……」って説明してくれるんですよ(笑)。本番に行く前に話しが盛り上がっちゃって、演出の方に「もういいから始めるよ」ってあきれられたりしていましたね(笑)。
──USSディスカバリー号の保安主任となるタイラーと恋の予感もあるマイケルですが、マイケルはタイラーのどんな所に惹かれているんでしょうか?
よの:マイケルの生い立ちに関わるような話の要所要所で、気付きを与えてくれるような言葉を、タイラーが語るんですね。自分では思いもしていなかったことを言われたりすると、気になってしまうのではないかと。それに、何か自分と相反するものを感じたんでしょうね。マイケルは恋愛の経験も多くないという設定なので、だから余計にタイラーのような影のある男に惹かれたのかもしれませんね(笑)。
最終的にはちょっと悲しいことになっちゃいますけど、それでもタイラーと心が通じていると思っていたんでしょうね。マイケルは任務をこなしつつも、タイラーとの関係ではとても穏やかな表情で幸せそうにするんですよ。そういうところからも、タイラーとの時間はすごく彼女にとって大切なものなんだろうなというのは感じました。
──本作は映画を超える迫力の映像や最先端のVFXで、見るものを未体験の世界へ誘ってくれますが、圧巻されたシーンなどありましたか?
桐本:シーズン1の第1話を最初に見た時はほとんどCGも完成していたので、そこでまずビックリしましたね。リハーサルしながらも、すごい映像ができる世界になっちゃったんだなと思わされました。第1話でマイケルが宇宙服で未知の物体に向かうシーンが特にインパクトがありました。
よの:映画じゃないのにどのシーンもすごいですよね。
桐本:映画でもないのに全話のクオリティーが高いよね。映画だとある程度は時間をかけられますけど、これはドラマシリーズだから制作時間の制限もあるはずなのにどうしてこんなにクオリティーを高くできるだろうと思いましたね。
よの:私は胞子ドライブの部屋の中にある胞子を培養している場所がきれいだなと思いました。でも、どのエピソードでも、どのシーンでも、本当に驚かされる映像が各話でありましたね。
──本作は過去シリーズを体験していなくても楽しめるSFアクション超大作ですが、本作の初心者に楽しみ方やお薦めポイントを教えてください。
よの:私もシリーズをほとんど見ていない、いわゆるスター・トレック初心者で参加させて頂いたにもかかわらず、それでも十分楽しめたので、他のシリーズを見てないからとか恐れる必要はないと思います(笑)。ぜひ手に取って頂きたいですね。一つの物語としても楽しんで頂けると思うので、「他のシリーズを見てからじゃないと……」という心配はないと思います。
もちろん他のシリーズを知っていたら、より楽しめるところはいっぱいあると思うんですけど、初心者でも間違いなく楽しんで頂ける作品です。SFの面白さだけでなく、ドラマにはサスペンス的な要素もあります。その面白さは、収録中に吹替ディレクターから今後の展開を聞いてショックを受けたぐらいです(笑)。
桐本:この作品はシリーズ第1弾の「宇宙大作戦」の前日譚になるので、「スター・トレック」シリーズが気になる方はこの作品から見て、逆に「宇宙大作戦」を見るというのも1つの正しい見方だと思います。
そういう意味では、シリーズを初めて見るには1番いい作品なんじゃないかと思いますね。全てのシリーズはつながっているので、本作を見てからでも別のシリーズを楽しめるんじゃないでしょうか。
それにシーズン1全15話でちゃんと完結していて一つの話がきっちりと作られていますし、さらにラストには僕らのようなスター・トレック初心者でも驚きつつ、ファンが喜ぶこともあって、シーズン2にもちゃんとつながっています。見終わると長編映画を見たような満足感がありますし、イッキ見されたらとても爽快感がある作品だと思います。
BD&DVD情報
「スター・トレック:ディスカバリー」Blu-ray&DVD
好評リリース中
Blu-ray BOX 12,800円+税
DVD-BOX 9,800円+税
レンタルDVD Vol.1~8
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
海外TVドラマ『スター・トレック ディスカバリー』公式サイト
TM & (C)2018 CBS Studios Inc. STAR TREK and related marks are trademarks of CBS Studios Inc. CBS and related logos are trademarks of CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved.