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冬アニメ『えんどろ〜!』連載第2回:メイン声優インタビュー│赤尾ひかる、夏川椎菜、小澤亜李、水瀬いのり

冬アニメ『えんどろ〜!』連載第2回:赤尾ひかるさん、夏川椎菜さん、小澤亜李さん、水瀬いのりさんインタビュー│勇者パーティーの声優陣が語る、ゆる〜いキャラに隠れた演技へのこだわり

2019年1月12日(土)深夜1時より放送中のTVアニメ『えんどろ~!』。本作は『ゆゆ式』シリーズを手がけたかおり監督をはじめ、数々のアニメーション制作を担当したStudio五組らがメインスタッフに名を連ね、“ありそでなかった日常系ファンタジー”をテーマに描くオリジナルアニメとなっています。

また、『ゆるゆり』の作者のなもり先生がキャラクター原案を手がけるキュートなキャラクターを、赤尾ひかるさん、夏川椎菜さん、小澤亜李さん、水瀬いのりさん、麻倉ももさん、久野美咲さんら若手女性声優陣が務めることもあり、2019年冬アニメの中でも注目が集まっている作品です。

この度、アニメイトタイムズでは、全4回に渡ってスタッフ・キャスト陣へのインタビュー連載企画を実施。作品やキャラクターの魅力をはじめ、制作・収録秘話などを語っていただきます。

第2回は勇者パーティーこと、ユーシャ役・赤尾ひかるさん、セイラ役・夏川椎菜さん、ファイ役・小澤亜李さん、メイ役・水瀬いのりさんが登場。キャストならではの視点で作品やキャラクターの魅力を語っていただきました。

どの組み合わせでもみんな仲良しの最強パーティー

――まずは作品やキャラクターの第一印象についてお聞かせください。

ユーシャ役・赤尾ひかるさん(以下、赤尾):オーディションで作品やキャラクターの設定や台本を頂いて読んだ段階では、ほんわかした色のテイストもありつつ、冒険というキーワードも見え隠れしていたので、RPGのような雰囲気の世界観なんだなという印象を受けました。

また『えんどろ~!』という、ひらがなで書かれたのタイトルからも作品のゆるい雰囲気が伝わってきて、幅広い層でも楽しめるほんわかした作品だという印象もありました。

さらにRPGと日常を掛け合わせていくということで、最初はどんな作品になるんだろうとワクワクする気持ちを抱えつつ、収録に臨むにあたり作品やキャラクターについて深く知っていきました。

キャラクターとしては、演じていくうちにユーシャはおバカなことに気がついていきましたが(笑)。第一印象としては勇者という肩書を背負っていく天然な女の子なのかなという印象でした。

▲ユーシャ

▲ユーシャ

セイラ役・夏川椎菜さん(以下、夏川):私はゲームが好きでRPGもプレイしていたので、その世界観は身近に感じていましたし、日常系のアニメも好きということもあって、自分の好きなタイプのアニメとゲームを組み合わせたような作品なのかなと思いオーディションを楽しみにしていました。

キャラクター表を見たときは、可愛い色味や薄い線で描かれていた女の子ということもあって「可愛い女の子たちが萌えるやつだ!」と思っていて(笑)。ただ、最近って可愛い絵柄で見せておいて重い話が後から出てくるような作品も多いので、もしかしたらそういう内容なのかもしれないと考えていたところもあって。

でも、セイラのオーディション原稿に書かれていたのは、日常のやり取りやツッコミセリフがほとんどで「おかしいな?セイラは武器を持っているはずなのに戦うシーンがないぞ」と(笑)。これは純粋に女の子たちの日常を楽しめる作品だと実感しながらオーディションに臨みました。

そういう意味では、立ち位置的に冷静だったり常識人なところなど、私が今まで演じてきたキャラクターからすると新しいタイプの役どころだと思っていたんです。それから回を重ねるごとに意外と不憫なところやすぐに泣いてしまうような弱い部分も見えてきたので、私と共通点が多いキャラクターだと思いました。

▲セイラ

▲セイラ

――ちなみに似ていると思った部分を挙げるなら?

夏川:不憫なところ……(笑)。

一同:(笑)。

夏川:アフレコをしていて、すごく演じやすいんですよ。というのも私がセイラに共感できる部分が多いからだと思いますし、「私がセイラだったらこんな声を出すんだろうな」と思う声が、普段のイベントで出しているようなものだったりするので(笑)。本当に手に取るように気持ちが分かる映し身みたいなキャラクターですね。

ファイ役・小澤亜李さん(以下、小澤):私は、最初の頃は女の子が主役のRPGという第一印象でした。やっぱりRPGは男の子が主役で冒険していくイメージが強いんですけど、女の子にするとこうなるんだと、新しさを感じる雰囲気の作品でした。

また、ユーシャがアイテムを探したりクエストをしたり街の人とコミュニケーションをとっているところをみると「こんなほのぼのしたRPGがあるならやってみたいなぁ」とも思いました。

私が演じるファイですが、元気で食いしん坊でシンプルな感性の持ち主です。野生の勘で的を得た発言や賢さを発揮する一面もありますが、友達や仲間思いの優しい子なので、人としてしっかりした部分を持っている女の子です。

▲ファイ

▲ファイ

メイ役・水瀬いのりさん(以下、水瀬):ファンタジー世界なのに日常という相反するジャンルと言いますか。ファンタジー世界では、モンスターと戦ったりダンジョンに潜ることが日常だと思うような世界観なのに、そこにある本当に普通の日常を描いている作品ということで個人的にもかなり印象的でした。

また、この4人のキャラクターをはじめ、マオちゃんやローナ姫など、それぞれのキャラクター性が色濃く描かれていると思っていて、ひとりひとりを好きになれる作品だとシナリオを読んで感じました。

私が演じているメイというキャラクターは、一言で言うとオタクキャラです。自分の好きなもの、カルタードについての知識が豊富ですが、そんなカルタードに関係するシーンになると人一倍に喋り、それ以外のシーンではあまり意味のある発言をしていなくて(笑)。

思いついたことを言うようなキャラクターなので、決めようとすればするほど「何言ってるんだろう?」という空気を流すことがメイの魅力で、心が折れない部分は強いと思います(笑)。

物怖じしなかったり意外と家庭的な一面があったりと、演じている私自身、まだまだ彼女の表情をすべてを見ていない気がしているんです。ちなみに「~っす」という口調も、この4人の中ではひとつの個性なのかなと思いました。

▲メイ

▲メイ

――みなさんからご覧になって勇者パーティーの魅力はどんなところだと思いますか?

夏川:自由なところ?

赤尾:たしかにみんな気楽に生活しているよね。

小澤:それなのにバランスが取れているところが良いよね。

夏川:(ボケとツッコミの)バランス……取れてるかな?(笑)

小澤:いつも振り回しちゃってごめんね!(笑)

赤尾:ひとりでも欠けたら物足りなくなっちゃうよね。

水瀬:「これを言ったらいけないのかな?」と思うようなところがまったくない会話で、安心して掛け合いができます。それぞれのパワーバランスが個々のスキルに振り切っていて、パーティーとしてひとつの形にまとまっているので強みなのかなと思います。

夏川:だいたいみんなマイペースだけど、輪を乱すようなマイペースを持った子はいないから、自然とまとまっていて。その雰囲気は魅力的だよね。

赤尾:4人1組のパーティーじゃないといけないって思っていて。なるべくして一緒になったパーティーだと思います。

小澤:自然に出来上がった仲だからね。

夏川:でも固まりすぎてないから、そこにマオちゃんが入ってきても、これから登場するローナ姫と絡んできても、4人だから受け入れる体制ができていて。どのキャラクターと絡んでも成立しているように感じています。

小澤:しかも依存し過ぎないと言いますか、休日はお互いに趣味の時間を確保しつつ個々で行動する描写も今後はありますからね。

赤尾:たしかに! 趣味の時間を大切にしているよね(笑)。

夏川:そこは大人だよね(笑)。

小澤:そこまで「4人じゃなきゃ嫌だ!」ということはなくて。いい意味で女子女子していないんですよね。

――かおり監督にインタビューをした際、この4人は喧嘩をしないとおっしゃっていましたが、今のお話を聞いて納得しました。

水瀬:どの組み合わせになっても心地良いのは珍しいのかなと思っていて。

小澤:たしかに、気まずくならなさそうだよね。

水瀬:ね。だからそのバランスがとても安心できます。

――じゃあこの4人の中でどのペアで描かれることになっても……?

夏川:どんな会話をするのか、どこに遊びに行くのかまで、すぐに想像できると思います!

水瀬:みんなが特定の誰かに対してスイッチを変えるようなことはないから、自ずとそのままの自分を出せるのかもしれませんね。

ゆる~いキャラクターに隠れた演技のこだわり

――キャラクターを演じる上でのポイントについてお聞かせください。

赤尾:ユーシャはいつも明るいので、裏に何かあるのか考えずにセリフを発したり、ストーリー的にもゆる~いので、幸せな空間に幸せな言葉や面白い言葉をポンポンとリズム良く口にするようにしています。ただ、ユーシャにも真剣に演じるときがあって……たまに(笑)。

小澤:本当にたまにしかないけどね(笑)。

赤尾:そうなんです(笑)。第1話の冒頭で描かれていた魔王との決戦は真剣でしたし、もしかしたら今後も出てくるところがあるかもしれませんが……。そこではちゃんと本物の勇者のように、しっかりみんなを引き連れていけるように意識しています。

また、みんなで一緒に行動することがこのパーティーの魅力でもあると思うので、ふわふわと自由に楽しくやっていますね(笑)。

――ちなみにかおり監督からは、ユーシャはどんどんアホにしてほしいとお願いされていたそうですが……?

赤尾:話が進むに連れて色々なお話、キャラクターひとりにスポットが当たるエピソードもあるので、そこでいい具合のアホさを出せるときは出して。もちろん出さないときもありますが、そのあたりはいい塩梅を見つつ演じています。

次回はどれくらいにアホになれるのか、最終回までどれだけアホにできるかは挑戦的なところではありますが、最終的には喋れなくなりそうで(笑)。

小澤:だって第1話の鼻歌も「ふんがふんがふ~ん」って感じだったもんね(笑)。

夏川:最終回近くでまた鼻歌やってほしい! どんな鼻歌になるのか見てみたいね(笑)。

赤尾:この鼻歌はアドリブでやらせていただきました。本当はOPを鼻歌で歌おうかなと思いましたが、収録を通して「ユーシャはこっちだ!」と思って演じました(笑)。

水瀬:ぜひサントラに収録していただければと(笑)。

小澤:「ユーシャの鼻歌」ってタイトルの3分耐久のボーナストラックで(笑)。

水瀬:せっかくなのでオーケストラアレンジにしてもらえたらいいですね。

赤尾:ハモる?(笑)

一同:(爆笑)

――かおり監督からは真剣なシーンと普段のゆるい雰囲気の切り替えが素晴らしいと伺っていました。

夏川:普段がゆるいからこそ頼りがいがある気がしていますね。

赤尾:その差が激しいからこそ、際立っているのかもしれません。でも予告を収録しているとき、真面目に演じようとすると、本編との差もあって「無理やり真剣にしているんじゃないか」と自分の中で思うこともあって(笑)。たまにギャグにしか聞こえないこともあるんですけど……頑張っています、これからも頑張ります(笑)。

小澤:それで言えば第1話のアバンはカッコ良かったよね。

夏川:もう「全員、誰!?」と思うくらいで(笑)。

小澤:私達はアフレコが進んでいるので、改めて第1話を見ると「こんなにカッコ良かったっけ?」と新鮮さを感じました(笑)。

赤尾:一番最初の導入こそ本格的な冒険物語なのかなと勘違いしてしまうかもしれませんが、第2話、第3話と観ていただいて、そっちが本物だと認識してもらえたら嬉しいです。

小澤:もう観ていただいた方もいらっしゃると思いますが、第2話以降が本物です(笑)。

夏川:もはや第2クールみたいな感じだよね。第1クールはアバンで終わっちゃったから(笑)。

――セイラを演じる上ではいかがでしょうか。

夏川:セイラはあの4人の中で意外と表情が豊かなんじゃないかと考えています。というのも、怒ることも泣くことも、ツッコミを入れることもあって、それでいて笑っているので、喜怒哀楽が一番出ているキャラクターだと思っています。本当に顔のパーツがよく動くんですよね。それにセイラはエルフなので耳が長いんですけど、彼女が照れたときやしょんぼりしているときは、赤くなったりシュンとしていて、そこも可愛いところだと思います。

そんなセイラの表情が豊かな部分、感受性の豊かさは演じている上でも大切にするべきポイントだと考えていて。基本的にパーティーだけじゃなくて、他の色々な要素に振り回されるタイプなので、そこは私も思い切り振り回されようと思って収録に臨んでいます。

また、掛け合いをする上ではツッコミが多くなるので、早口になったり強めに言うことが多く感じることもありますが、そこも楽しみながら演じているんです。ゆるいコメディだからこそ、強くなってそのゆるさをなくしてしまわないようにしています。

――収録は本当に夏川さんが大変そうだとかおり監督からも伺っています……!

夏川:話によっては急に泣き出すこともあって、それまでは真面目なことを語っているんですよね。また、自分に好きなことについて語るときはメイのように饒舌になるので、演じる上では大変ですが楽しくやらせていただいています。

――第1話からファイに耳をかじられていましたしね。

夏川:そうですね。でもまだまだかじられ要素はあるので、ぜひその点も楽しみにしていただけると嬉しいです(笑)。

それに思わず「あ~!よしよし~!」って頭をなでたくなる瞬間が、演じていても観ていても思うんですよ。だからその感情を視聴者のみなさんからも引き出せるようなお芝居を心がけています。

――他のみなさんからセイラをご覧になっていかがでしょう。

水瀬:本当に……不憫(笑)。

一同:(笑)

水瀬:そう感じるのと同時にオカンポジションだと思っていて、みんなのお母さんのような存在ですね。

小澤:泣いているときが本当に可愛いんですよね~。不憫で申し訳ないんですけど、1話に1回泣いてくれると、こっちも「可愛いな~♡」と思えるような愛らしさが詰まっている女の子だと思います。

夏川:セイラが泣くシーンはお約束になりつつあるよね。

水瀬:たしかに。収録が進んでいる中で「メイはセイラに対してはちょっとSなのかな?」と思うようなところが結構あるんですよね。

赤尾:そのやり取りで一気に泣いちゃうこともあるからね(笑)。

夏川:あとセイラも変なところで頼りないと言いますか、大事なところでやらかしたり頼りないと思う部分もあって、そのギャップもまた可愛らしいと考えています。逆にそういった場合は他の3人の方がしっかりしていたりするよね。

小澤:知能レベルが高かったりオカンポジションで面倒見がいいこともあるんですけど、自分のことがあまりできていないところがまた不器用で魅力的ですよね。

――ツッコミ役としてみんなを支えているからこそ、他の3人も安心してボケたりできるのかもしれませんね。

夏川:そういう意味でも、みんなを包み込むようなオカンなのかもしれませんね。きっと本人も前向きに「ツッコミしていくぞ!」と意気込むのではなくて、「私がなんとかしなきゃ!」という使命感があるんだと思います。そこで3人に振り回されて様々な表情を見せるので、ぜひみなさんにはそんなセイラを愛でていただきたいです!

――小澤さん演じるファイはいかがでしょうか。

小澤:4人の中でユーシャよりも元気にしてほしいというディレクションがあったので、その元気いっぱいなところを意識しています。

身体こそ小さいですが、とても堂々としているキャラクターなので、頼りがいのあるキャラクターとして演じられればいいなと思って収録していきました。

――それに加えてキャラクターの紹介文にも書いてある通りロジカルな一面も見られるわけですよね。

小澤:そこが個人的に難しいと感じるポイントで、ファイは話している途中で急に頭の良い発言をするので、そのギアチェンジも意識していますね。それだけは私にない部分ということもあって頑張って演じています(笑)。

夏川:実は4人の中で一番しっかりしているんじゃないか説が私の中であるんだよね。

水瀬:たしかに、突然マジレスを放り込んだり(笑)。

小澤:しかもいきなり賢い言動をするから、みんなに「何言ってるんだろう?」と理解が追いつかれないこともあるよね。

水瀬:それに対してメイが尊敬の眼差しを向けている場面もあって、メイの中ではファイってそういう立ち位置なんだと実感しました。

――メイはいかがでしょう。

水瀬:私は絵で見えている表情よりも、ちゃんと感情を乗せることをオーディションのときから言われていました。メイのキャラクターって難しくて、最初に絵を見たときは、おとなしくて無口で無表情で、ちょっと照れ屋で……と自分の中で考えていましたが、キャラクターを知れば知るほど、オヤジギャグを言ってみたり、カルタードのオタクであることが分かっていって。

そういう独特なセンスを持った変人なんだと思うんですけど、そのヘンテコさを強く他者にアピールしない変さと言いますか。何気なく過ごしているけど、「なんかこの子の切り口不思議だな」と感じてもらえるようなポジションだと考えています。

なので、みんなのテンション感に沿うように言っているけど、1周回って考え直すと「何を言っているんだ?」と思うような(笑)。みんなが作ってくれた流れにしれっと賛同するものの、全然言っていることは違ったり、そこで疑問に思うようなタイプの女の子なので。

低燃費型ではありますが、秘めた思いがあるタイプなのかなと思っていて。なので最初に持ったイメージよりも表情を豊かにするように心がけています。

――たしかに絵を見た段階では無口キャラなのかなと思うところもありましたが、作中ではちゃんと言うべきことは堂々と口に出していますよね。

水瀬:「~っす」という口調や、みんなをさん付けで呼んだりと、常にオタクならではの好きな気持ちも織り交ぜながら話しているので、そのスイッチが入ったときのギャップも見どころだと思います。

――そこからカルタードのことになると早口になるわけですからね。

水瀬:そうなんですよね。一瞬でも「何言ってるんだろう?」と考えたらつまづいちゃうので(笑)。

一同:(笑)。

小澤:早口な上に横文字も多いもんね。

水瀬:そうそう。なので家でいっぱい練習して頭の中に入れながら演じています。今後はひとりひとりにスポットライトが当たるエピソードも見どころなので、そういう意味でメイの話数はかなり面白い内容になると思います。

ちなみに、第1話の冒頭ではカルタードで魔法を詠唱するシーン真面目なシーンもありましたが、気分は日曜朝のアニメのように思い切り戦っていました。アバンシーンが終わってからは肩に力を入れずに4人の掛け合いが続いていますが(笑)。

「~っす」という口調もオーディションのときは若干「これでいいのかな?」と考えることもありましたが、みんなでアフレコをしていたら全然違和感はなくて。むしろみんなが「りょーかい!」と言っている中で、メイは「了解っす!」とひとりだけ言っているシーンもあって、そこにアイデンティティを感じつつ楽しく演じています。

――他のみなさんからご覧になってメイはいかがでしょうか。

赤尾:自分の好きなこともそうですし、ストーリーの会話の流れに合っていても合っていなくても自分の意志がしっかりある子だなと思っていて、4人の中でも特に自分を確立している女の子だと感じました。

水瀬:確立し過ぎちゃった結果、ああいう子になっちゃったけどね(笑)。

赤尾:(笑)。でもそこがとても魅力的だし、好きなものを言った後の「どや!」っていうセリフものすごく可愛くて、収録の度に聞きたいんだよね。

水瀬:だいたいみんなに拾ってもらえなくて「どや!」「で、さぁ……」ってスルーされて何もなかったように話を続けられちゃうからね。でもその後のメイは落ち込む素振りなく会話に戻るからすごいなって。

赤尾:ハートが強いよね(笑)。

小澤:「ドヤ!」が言えれば満足だ、みたいな(笑)。

夏川:セイラからすると、ユーシャとファイは天然ボケで、メイだけ意図的ボケというイメージなんです。メイだけはちゃんと考えてボケてますよってアピールしてくれるから、セイラからすればフリだと思っていて思い切りツッコミを入れていて。セイラとメイは漫才をしているようで、いいコンビだなって思います(笑)。

小澤:ユーシャやファイって前のめりに物事に取り組むんですけど、表情では伝わりずらいですが、メイもファイ達と同じくらいの気持ちで一緒に乗ってくれていて、そこも彼女の魅力だと思います。

絶対に見逃せない勇者パーティー以外のキャラクター

――現場の雰囲気はいかがでしょう?

小澤:ほとんどが女の子かつ、そこまで人数が多いわけでもないので、女の子のトークがよく飛び交っています。メイクの話とかファッションの話とか、もうユーシャたちと変わらないくらい和やかな空気感は作品とまったく同じだと思います。

水瀬:アフレコ終わりにご飯もよく行きますね。

小澤:収録が終わるとぴーちゃん(赤尾さん)が誘ってくれるんですよ~!

夏川:だいたい焼肉に行くことが多くて、そこは作品とは異なってしっかり食べに行くんですけども(笑)。

赤尾:そこはゆる~い感じではないね(笑)。

水瀬:アフレコも本当にスムーズで早く終わるので、健全な時間にご飯を食べてから帰ることもあるんですよね。

――会話劇がメインなのでセリフ量も多いので、もしかしたら時間がかかっているのかなと思いきや実際はそんなことはなく?

小澤:みんなキャラクターがハマっているから、本当にすぐに収録が終わってしまって……でもそこで解散だと寂しいじゃないですか(笑)。だからご飯に行ったりして、とても楽しくみんなで作っています。

夏川:キャラクターじゃなくても会話をたくさんするから、よりキャラクターを演じる上でも会話が自然にできるので、そういった面も素敵だと思います。

――ちなみにマオやローナ姫、ちびドラゴンをご覧になっていかがでしょうか。

赤尾:マオちゃんが可愛いんですよ~!

小澤:可愛いのに先生としての威厳があって、授業をしている姿はしっかりしていてカッコいいなと感じるところもありました。

水瀬:美咲と(第1話のアバンで登場した魔王役の)玄田哲章さんとのツーショットがアツくて、来るものがあるなと思いました(笑)。ふたりのちょっとしたユニゾンのセリフがあったとき、言い終わったあとに美咲が会釈したら玄田さんも会釈で返していて、とても和みながら見ていました(笑)。

とにかくみんなお当番回になるとたくさん喋るので、出てきたら絶対好きになると思いますし、ローナも途中から参加しますが彼女は存在感が大きいんですよね。

赤尾:私達を引っ張ってくれるんですよね。

小澤:途中から参加したとは思えないくらい最初から作品に馴染んでいるんです。

水瀬:また、ローナの登場が作品として新しいスパイスにもなっていて、4人の新たな一面がローナのおかげで見えてきます。

小澤:ローナがどのように4人とか変わってくるのかは、今後の展開にぜひ注目していただけると嬉しいです!

赤尾:また、ちびちゃん(※ちびドラゴン)も第1話から登場しています。大きく何かをするわけではありませんが、たまに見せるいたずらや何かを食べているところも注目していただきたいですね。

水瀬:ドラゴンということもあって、今後は「あっ、肉食……」と思うような場面もあります(笑)。

夏川:それに結構ボケてくるようなシーンもあって、結果的にちびがセイラに対して一番Sなんじゃないかと思っています(笑)。そこも楽しみにしていただけると嬉しいです。

また、ゲストキャラクターの方が毎回いらっしゃるんですけど、かなり自由に演じられているんです。キャラクターもいい意味で分かりやすく個性的なキャラクターが多く、声優さんのお芝居によってさらに面白くなっている現場だなと思います。

『えんどろ~!』という作品、ユーシャ一行ならではの楽曲たち

――みなさんは勇者パーティーとしてOP主題歌『えんどろ~る!』を歌われていますが、楽曲を聴いたときの印象は?

赤尾:ふんわり冒険の始まりが感じられる内容になっています。ゆるい世界にぴったりのリズムやメロディで、聴いていて心地良かったです。ユーシャはリズムに乗ってどんどん進む感じなのかなと思いながらレコーディングしました。

夏川:RPGの世界観かつ、なんでもありのナラル島から始まる物語なので、どんなOPになるんだろうと楽しみにしていましたが、聴いてみたら自分が思っていたよりも可愛さに寄った世界観の楽曲が来たと思っていて。それを4人で歌ったときにどんな楽曲になるんだろうと楽しみにしながらレコーディングした覚えがあります。とにかく歌詞が可愛いんですよね。

冒険を始めるユーシャたちの気持ちを代弁したような歌詞になっていて、そちらもぜひ注目していただきたいです。

小澤:私も可愛い歌だと思いましたし、まだアフレコが始まっていない頃にレコーディングしたので、元気に歌うぞと意気込んで挑戦しました。

メロディや歌詞がキャラクターたちにぴったりで、まだアフレコが始まっていなかったにも関わらず、自然に歌えました

また、歌詞にも仕掛けがあるので、歌詞カードを読みながら聴いていただけると、もしかしたら楽しみ方が増えるかもしれません!

水瀬:OPテーマなのに『えんどろ~る!』というタイトルで不思議だと思ったのが第一印象にあって(笑)。また、ソロパートを歌うところもありますが、キャラクターふたりの組み合わせとか、4人以外のパートもあって、一緒に歌ったらどうなるんだろうと思いつつ収録させていただきました。

ちなみに個人的にはメイはあまり歌は上手じゃないのかなと思っていたんですよ。一生懸命に歌っているもののリズムが少し遅れちゃうイメージがあったので、レコーディングの際には漢字をあえてひらがなにしたり、伸ばし棒を付けたりして、メイの雰囲気が乗ったらいいなと考えつつ歌いました。

――完成した楽曲を聴いてみていかがでしたか?

小澤:みんなが可愛くて私の中で安心感が生まれました(笑)。

赤尾:リピートして聴きたい楽曲だよね。

夏川:サビに入って4人の歌声が一緒になったとき、やっぱりこの4人だからパーティーが組めているんだなと伝わってきました。ほんわかした雰囲気も作品そのままの空気感が歌に乗っているような雰囲気だったので、OPとして良いものに仕上がったと思います。

水瀬:最後の方も歌詞は感動的なフレーズが散りばめられているよね。

小澤:そうだよね。『えんどろ~!』のお話もコメディタッチに描かれているエピソードがメインではありますがあたたかいお話もあるので、そんな優しい部分も楽曲としてまとまっていて素敵でした。

――カップリングとして収録されているテーマ曲の『はっぴぃとぅご~!』についてもお聞かせください。

小澤:『はっぴぃとぅご~!』はキャラクターPVで使われたイメージソングということもあって、OPよりも先に収録していたんです。

水瀬:私は最初こっちの楽曲がOPだと思っていたんですよね(笑)。 

赤尾:でもそう思っちゃうくらい素敵な楽曲だよね。

小澤:ユーシャが先頭に立って歩いていそうなイメージが楽曲から伝わってきたので、想像を膨らませながら歌いました。

赤尾:アニメやOPよりも先に収録したので、ユーシャのアホらしさの塩梅がまだ全然分からなくて、「もっとアホに」というディレクションをいただきつつレコーディングを進めていきました。ただ、そこで掴んだからこそアフレコでユーシャのアホらしさの引き出しに繋がったのかなと思います。

――また、EDの『Wonder Caravan!』はソロアーティストとして水瀬さんが担当されていますが、こちらはどういった楽曲になっているのでしょうか?

水瀬:この楽曲は『えんどろ~!』の世界観にある、仲間とパーティーとして進んでいくという、ひとりじゃないことを歌った内容になっています。そのため、サビの「僕らが目指した世界なんだ」というフレーズはユーシャたちに重なりますし、日常の中にある色々な冒険に対して、一緒に頑張っている仲間たち。ひとりかもと思っていても、周りを見ると支えてくれている人がいて、そんな存在に気がつくことができる温かい歌になっています。

2番以降も冒険感が増した内容になっていて「嵐の夜でも越えていこう」と勇者パーティーを思い浮かべられるような歌詞になっているので、ぜひフルバージョンで聴いていただけると嬉しいです。

またイントロもマーチングのようなメロディになっていたりと、自分の楽曲の中では初めての試みなんです。きっとそれは勇者パーティーが支えてくれたからこそ歌えた楽曲ですし、行進しているようなリズム感は『えんどろ~!』のEDというこの楽曲の持ち味なので、ぜひ聴いていただけると嬉しいです。

リアルユーシャ一行が結成!? もしキャスト陣で冒険に出かけるなら

――もし、みなさんがユーシャたちのようにパーティーを結成するなら、それぞれどういった職がぴったりだと思いますか? 

夏川:みんなで遊び人やる?(笑)

赤尾:それいいね! 遊びたい!

小澤:でも戦いに行くとしたら、ちゃんと役割は考えないとね。占い師とか気になるけど、戦いにはあまり役には立たなそうだし……。

夏川:じゃあ魔王を倒しに行くとして、みんなはどんな職をやってみたい?

小澤:私は某大乱闘するゲームでもそうなんだけど、魔法が使えないだよね(笑)。常に殴ってAボタン連打しちゃうから……戦士で(笑)。

水瀬:そういうことなら私も上手く魔法使えないんだよね。ずっと頭突きとか体当たりとかしかできないから……私も戦士かも(笑)。

夏川:えっ、ふたりも戦士!?

水瀬:左右から攻められるから!(笑)

夏川:(笑)。私は弓使いがいいな!

水瀬:セイラも弓を使うよね。

夏川:そうそう。それにゲームでも銃や弓とか遠距離系の武器で遠くから倒したいんだよね(笑)。

赤尾:カッコいい~!

小澤:前衛と後衛でいいバランスになってきたね! ぴーちゃんは何やる?

水瀬:踊り子?

赤尾:えっ!?

水瀬:ぴーちゃんの舞でモンスターを誘惑するんだよ!

夏川:そこで引き連れてきたところを拳や弓で攻撃して倒す!

小澤:もしくは、ぴーちゃん自身がちびちゃんになるのは?

赤尾:可愛いしそれでもいいかも~!

小澤:いや、戦ってよ(笑)。

夏川:お花屋さんも似合いそう!

赤尾:兼業できそうだね(笑)。……あ、私が学者だったらどうかな!

小澤:えっ、嘘でしょ?

一同:(笑)。

赤尾:でもユーシャを演じている身からすれば勇者にも憧れるんだよね。みんなを引き連れて色々なところに行きたいから!

水瀬:そういう意味では、ぴーちゃんって勇者っぽいよね。先導してくれそうだし、実際にきっかけを作ってくれるし。

小澤:うん、普段からわりとぴーちゃんは勇者だよ。何事にも前のめりな部分があるし、それこそ収録後にご飯にも誘ってくれるし。

夏川:たしかに、私達を引っ張ってくれるよね。

赤尾:じゃあ勇者で!

水瀬:勇者・戦士・戦士・弓使い?

夏川:回復してくれる人がいない!(笑)

赤尾:回復アイテムいっぱい買っていこう!

水瀬:魔法系は誰もいないんだね……戦士どっちか絶対にいらないでしょ(笑)。

小澤:ややオフェンス寄りではありますが、こんなパーティーになりました(笑)。

勇者パーティーの魅力が大きく描かれる期待の第3話

――そして第3話が放送となりますが、見どころをお聞かせください。

小澤:初めてのクエスト実習をする回になっています。よりRPGらしさが出てきたというか。

水瀬:そのクエストを受けるのに対応してくれた受付の男性キャラクターがかなり不思議なキャラクターなので、そこにも注目してほしいです。

夏川:みんで冒険に出るんですけど、野宿をするシーンもあって、キャラクターの新しい一面が見られるエピソードになっています。

小澤:その中でファイの野生的な一面も見えてきます(笑)。

赤尾:ストーリー的に素敵な部分も見られるお話なんです。

夏川:ここでようやく勇者パーティーの特徴が大きく見えてくると思うので、そこも期待していただけると嬉しいです。

――最後に今度の見どころを踏まえて読者の方にメッセージをお願いします。

水瀬:これから第3話を観ていただくことになると思いますが、ユーシャたち以外にも個性的なキャラクターが登場するので、見れば見るほどどのキャラクターも好きになっていただけるはずです。こんなにも可愛い女の子たちが登場しているのに個性がぶつからず、回を重ねるごとに新しい一面が見える作品は見ていても、演じていても本当に楽しいと思います。彼女たちが一歩一歩進んでいく冒険を、気長にゆるく見守っていただけたら嬉しいです。

小澤:メインの4人だけでなく、他のキャラクターたちも本当に可愛いんです。そんなキャラクターたちが勇者パーティーと触れ合っていくという側面もある作品だと思います。また、RPG要素が入ったゆるいテイストにはなっていますが、その中でも優しいお話やみんなの良いところが詰まっているので、ぜひ毎週放送を楽しみにしていただけると嬉しいです。

夏川:『えんどろ~!』は、難しく考えるところはまったくない作品だと思っています。ユーシャたちの関係性もシンプルで可愛らしいものだし、これから登場するキャラクターも良い人たちばかりなんです。お話も一話完結のものが多く、いつ見ても何度見ても癒やされる作品だと思っています。心が疲れたときに観ていただくも良し、寝る前に穏やかな気持ちになりたくて観るも良し。様々な楽しみ方ができる作品なので、ぜひユーシャたちを見届けていただけたら嬉しく思います。

赤尾:ゆるい日常とRPGをかけ合わせた作品なので、日常が好きな方も、ゲームが好きな方も、疲れて夜中にふと何か観たいと思った方も、誰でも楽しめる作品です。私達4人が揃ってお仕事をするのは初めてでしたが、色々なお話をしたり、焼肉を食べたりとお仕事以外でも楽しくお話しているので、回を重ねるごとにチームワークも良くなっているんじゃないかなと思います。視聴者のみなさんにも最後まで笑って観ていただきたいので、これからもよろしくお願いします!

――ありがとうございました。

[取材・文/鳥谷部宏平]

TVアニメ『えんどろ~!』作品情報


 

放送情報

2019年1月12日(土)~
TOKYO MX、BS11にて深夜1時より放送

2019年1月14日(月)
AT-X、とちぎテレビにて23時より放送
 

INTRODUCTION

――――ユーリア・シャルデット、無職です♪

人々とモンスターが共存して暮らす剣と魔法の大陸「ナラル島」。
そこには恐ろしい「魔王」が存在していました。
はるかはるかの大昔、ナラル島に現れた魔王を倒した初代勇者――
それからも、様々な時代で何度も何度も魔王は蘇り、
同時にそれに対抗する勇者もまた現れ…。
少女たちは、いつの日か出ずる魔王を倒すべく冒険者学校へ通います。

ちょっと抜けているけど勇者体質の、ユーシャ。
生真面目ゆえに苦労が絶えないエルフの聖者、セイラ。
食べることが大好きで明るい戦士、ファイ。
物静かなヲタク魔法使いの、メイ。

勇者パーティーを目指す4人の、いつまでたっても魔王をたおす様子のないゆる~いファンタジーライフがはじまります。
 

STAFF

原作:い~あ~るぴ~!
監督:かおり
シリーズ構成:あおしまたかし
キャラクター原案:なもり
キャラクターデザイン:飯塚晴子
モンスターデザイン:岩永悦宜
総作画監督:大田謙治
美術監督:込山明日香(イマジネット)
美術設定:柴田千佳子
色彩設計:松山愛子
撮影監督:東郷香澄(チップチューン)
編集:武宮むつみ
音楽:藤澤慶昌
音響監督:明田川仁
音響効果:小山恭正
音響制作:マジックカプセル
音楽制作:キングレコード
プロデュース:EGG FIRM
アニメーション制作:Studio五組
製作:えんどろ~製作委員会!
 

CAST

ユーシャ(ユーリア・シャルデット):赤尾ひかる
セイラ(エレノワール・セイラン):夏川椎菜
ファイ(ファイ・ファイ):小澤亜李
メイ(メイザ・エンダスト):水瀬いのり
ローナ姫(ローナ・プリシパ・オ・ラパネスタ):麻倉もも
マオ:久野美咲
 
公式ホームページ
公式Twitter(@endro_anime)

(C)ERP/えんどろ~製作委員会!
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