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- 福室美綺
- 福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。親友であり敵のような複雑な関係性が大好物です。
2019年7月12日(金)に公開となる『トイ・ストーリー』シリーズ最新作『トイ・ストーリー4』。
最新作では、ウッディやバズ、ボー・ピープなどおなじみのキャラクターを始め、自分のことをゴミだと思っているフォーキーや、ウッディたちがたどり着いた移動遊園地で出会う毒舌ふわもふコンビのダッキー&バニーが登場します。
本稿では、そんなダッキー&バニーを演じるお笑い芸人のチョコレートプラネットさんにインタビューを実施。
ふわふわの毛並みがキュートなアヒルのぬいぐるみ・ダッキー役の松尾駿さんと、鮮やかな青と緑のもふもふの毛が特徴的なうさぎのぬいぐるみ・バニー役の長田庄平さんにオーディションの裏話や『トイ・ストーリー4』の見どころを語っていただきました。
――ダッキー&バニー役をオーディションで勝ち抜いたおふたりですが、オーディションはいかがでしたか?
バニー役・長田庄平さん(以下、長田):初めて挑戦したオーディションなので、とりあえず「やってみよう!」と、自分たちが持っているものをすべてぶつけました。
ダッキー役・松尾駿さん(以下、松尾):うんうん。本当にぶつけるだけでした。
――『トイ・ストーリー』という大きな作品に参加できることになって、そのときの感想をお聞かせください。
長田:もう人生で1番嬉しかったです。ドッキリで発表されましたが、意味が分からなさすぎてポカーンとなっちゃって。それがちょっと失敗だったな、と(笑)
松尾:リアクションが悪かったね。
長田:あまりに急に発表されて、リアクションが悪かったのでもう1度やり直したい気持ちはありますけど(笑)
でも、昔から大好きなシリーズで、今回のお話をいただく前から『トイ・ストーリー』の最新作が公開されると聞いていて楽しみにしていたんです。
まさかオーディションの話をもらえて演じさせていただくことになり、すごくびっくりしました。
――松尾さんはいかがですか?
松尾:ある意味、めちゃくちゃですよ。「いろいろな映画に出たい!」と思っていましたが、もう出なくてもいいと思うぐらいの大作に出させていただいて、本当に嬉しいです。
――スクリーンで実際に自分たちの演技を見て、いかがでしたか?
長田:自画自賛ですけど、すごく良かったです。
松尾:うん。めちゃくちゃハマってた。
一同:(笑)
長田:収録しているときは部分的には自分の声を聞いていましたが、「これでいいかな?」「完成した作品の中にどうハマっているのかな?」と怖い気持ちがあって。
でも、実際に試写で観させていただいて、「めっちゃハマってるやん!」「めっちゃええやん!」と思いました。
松尾:もしかしたら、自分の声にすごいエフェクトがかかっているんじゃないかといろいろ心配でしたが、きちんと僕らの声だったので安心しました(笑)
あと、キャラクターに合っている感じがしたので、すごく嬉しかったです。
――ダッキー&バニーのシーンはすごく面白くて笑いました!
長田:本当ですか!? ボケのキャラクターでもあるので、「ボケにちゃんと笑ってくれるのかな?」という怖さがありました。でも、試写会で周りの人たちが笑ってくれていたので、ホッとしています。
――声だけで表現するのは難しいと思いますが、どのように工夫されたのでしょうか。
松尾:音響監督に引き出してもらいながら、演じる中で自分たちが成長していったという感じがしました。
普段やっているコントと比べ物にならないぐらい難しかったですが、とても良い経験をさせていただきました。
長田:コントをやっていたのでお芝居には自信がありましたが、声優はまったく違うので戸惑ってしまう部分がたくさんありました。
でも、回数を重ねていくうちにだんだんハマっていったという感じです。本当に良い経験をさせていただきましたし、自分自身も成長できたような気がします。
――今回の声優経験は、今後のコントにも生かされていきそうですね。
松尾:もちろん!
長田:ここから僕たちのコントはフルCGですよ。
一同:(笑)
松尾:舞台でコントをするときは、僕らは出ないで映像だけか、あとはもう人形劇です。そういう可能性もあります。
――(笑) 台本が手元に届いたとき、2人で読み合わせはされました?
松尾:それはあまりしなかったです。
――へぇ! どうしてですか?
長田:前もって準備することが良いのか悪いのか分からなかったので、とりあえず真っ白な状態でいこうと思いました。
松尾:台本はめちゃくちゃ読みましたが、僕らはもともと練習せずにコントをするタイプなので、息はピッタリだったと思います。
長田:ただ、オリジナル版の声優さんもコメディアンの方ですが、向こうの声優さんにあわせて日本語で吹き替えをする際、日本の芸人とのテンポの違いを感じました。
なので、そこに合わせるのがすごく難しくて。でも、演じるうちに、自分たちの色を出すことができたな、と思います。
――収録の際に、具体的にどのような指示を受けましたか?
長田:シーンによって違うダッキー&バニーの感情の表現について、いろいろと指示を受けました。
松尾:あと、音響監督から「楽しくやってください」とすごく言われました。最初は楽しむ余裕がありませんでしたが、時間をかけながら楽しむことができるようになったので、それがだいぶ大きかったのかな、と思います。
長田:うんうん。後半は結構普通に楽しんで演じていました。
――コメントで「ダッキー&バニーの関係性が僕らに似ている」とおっしゃっていましたが、具体的にどのあたりが似ていると思いますか?
長田:ダッキー&バニーは移動遊園地の射的の景品のぬいぐるみで、いつか子供に持ち帰ってもらうことを夢見ている、ちょっと不遇で卑屈な感じのキャラクターです。
僕らも売れるまで13、14年かかっていて、少し卑屈な感じになっていたので、親しみを感じられるキャラクターだな、と思いました。
松尾:バズに強く当たるシーンがありますけど、それが吉本の芸人と被ってしまって……。
長田:誰だよ(笑)
一同:(笑)
松尾:ミキの昴生(兄)です。
長田:何があったんだよ(笑)
一同:(笑)
――だからリアルなシーンなんですね(笑)
松尾:そうなんです。
長田:本当に日常で感じていることを、そのままダッキー&バニーでぶつけたところはあります。
――ちなみに、アニメイトタイムズは主にアニメの情報を発信しているのですが、おふたりはアニメご覧になりますか?
長田:アニメはめちゃくちゃ好きです。特に、ディズニー作品が大好きで『トイ・ストーリー』の1作目は劇場へ観に行きました。フルCGの作品が好きなので、ピクサーさんの作品は全部観ています。
なので、“声優”に憧れるところがありました。今回、実現できて本当に嬉しいです。
松尾:(小声で)僕はアニメを1回も観たことがなくて……。
長田:そんなことある!? 日本人よ!?
松尾:ちょっと厳しい家庭で育ったもので……。
長田:厳しすぎない!?
一同:(笑)
長田:あ、そっか。箱根出身だもんね。紙芝居しかない。
松尾:今回をきっかけに紙芝居からやっとアニメーションになりました。
一同:(笑)
長田:もしかしたら『トイ・ストーリー4』が初めてのアニメーション?
松尾:そうそう。
――すごいですね!
長田:すごいですじゃないですよ(笑)カルチャーショックすぎます(笑)
――『トイ・ストーリー4』はどのような作品だと思われますか?
長田:『トイ・ストーリー』は第1作目から、成長していく気持ちの変化や出会いと別れを描いている感じがします。
新しい出会いの嬉しさがあったり、別れる寂しさがあったり、私たちの日常生活でも絶対にあることなので、みんなが感じられる、共感できるものが『トイ・ストーリー4』にいっぱいあるんだな、と思います。
松尾:昔自分たちが持っていたおもちゃだったり、自分自身がウッディやバズと重なったりするところがたくさんあります。今回の最新作は、いろんな経験があって、いろんな世界があることを知るので「新しい世界に出てみよう」と思わせてくれました。
長田:僕らも吉本を出たほうがいいんじゃないかな、と。
松尾:ここは太字でお願いします。
一同:(笑)
長田:『トイ・ストーリー4』を観てそう思うところがありました。
松尾:吉本を出て「無限の彼方へ、さぁ行こう!」と(笑)
――その無限の彼方、チョコレートプラネットさんにとって、次の新しい世界はどこでしょう?
長田:某芸人さんがニューヨークへ行っているので、海外へ行ってみるのも面白そうです。日本とは違う文化に触れてみたい気持ちがあります。
松尾:それこそ、声優というお仕事をやらせていただいたので、今までやったことがない仕事に挑戦してみたいです。できれば、“聖火ランナー”とか……
長田:そういういやらしいアピールをちょこちょこするね(笑)
松尾:開会式とか……
長田:開会式は無理でしょ(笑)
松尾:いや、分からないよ!? 『トイ・ストーリー』に声優として出演できるなんて思ってもなかったから、言っとくべきよ!?
なので、東京オリンピックで1番最後の聖火ランナーを僕にやらせてください。
――おぉ!
松尾:自分からやらせてくださいと言う方は、なかなかいないと思うんです。
長田:いないよね、できるとは思わないし。
一同:(笑)
長田:でも、夢は大きく持っていたほうがいいと思います。僕らもどんどん新しいことに挑戦して、どんどん新しいものを生み出していきたいです。
松尾:『トイ・ストーリー4』を観て、自分たちも冒険していかなきゃな、と思います。
長田:『トイ・ストーリー4』をご覧いただいて、チョコレートプラネットがすごいと思われる存在になれるように頑張りたいです。
――また、フォーキーは自分のことをゴミだと思いつつも“使命”を見つけます。チョコレートプラネットさんにとっての“使命”があれば、ぜひ教えてください。
長田:めちゃくちゃ上手いこと言ったみたいな顔してる(笑)
松尾:途中、自分で言っていて眠くなってきた(笑)
一同:(笑)
長田:でも、新しいおもちゃに命が芽生える瞬間を見て、使命ではないですけど、「こういうこともあるのか」と初めて感じた気持ちがありました。なので、子供たちにもぜひ見てほしいです。
――ありがとうございました!
■監督:ジョシュ・クーリー
■製作:ジョナス・リヴェラ、マーク・ニールセン
■全米公開日:6月21日
■日本版声優:唐沢寿明、所ジョージ、戸田恵子、竜星涼、新木優子、チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)ほか
■主題歌「君はともだち」ダイアモンド✡ユカイさん
■原題:Toy Story 4
■配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。好きな作品は『Free!』『NO.6』『十二国記』『ギヴン』『新世界より』など。好きな声優さんは保志総一朗さんと坂本真綾さん。ハッピーエンドよりも意義のあるトゥルーエンドや両片想いが大好物な関係性オタクで、主にイベントレポートやインタビューを担当しています。最近はVTuberがマイブーム。