この記事をかいた人
- 塚越淳一
- アニメイトタイムズでいっぱい書いています。
毎日1曲ずつ名曲おすすめアニソンを紹介する連載企画「塚越淳一のアニソントラベラー」。連載第23回は、TVアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』より、レン(楠木ともり)の「To see the future」です。
『ソードアート・オンライン』シリーズは電撃文庫の刊行がはじまったのが2009年、TVアニメは2012年という長い作品。もはやアニメファンでその名を知らない人はいないほどの人気を博しています。
それだけの長い歴史があるので、作品に関わる楽曲も膨大。今回はその中から1曲をご紹介です。
ということで塚越さん、お願いします!
TVアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』(以下:GGO)のエンディングテーマ。当時まだ新人声優だった楠木ともりが、キャラクターとしてSAOシリーズのエンディングテーマを歌うなんて!と、喜びと驚きがあったのだが、Jazzin'parkによる曲がおしゃれでカッコよかったし、何より彼女によく似合っていた。
『GGO』の主人公である小柄なレンのリアルは、小比類巻香蓮という女子大生で、身長が高いことがコンプレックスになっている。この「To see the future」は、そんな内向的な香蓮に寄り添った歌詞という印象がある。実際、歌い方も、レンという表記ではありながらも香蓮っぽさが感じられる。ただ、サビはレンもいるという感じで、そこにものすごく勇気をもらえる。
あらためて歌詞を見てもらえばわかるが、かなり良いことを言っているのだ。《明けない夜は ないよ ないよ》とか《なりたい自分も なれない自分も 受け入れられたとき 力になる 強くなれる》とか。本当にその通りだと思う。しかも、そういうメッセージがダンスミュージックに乗せて流れてくるので、スッと染み込み、ふとしたときに歌詞が心に浮かんでくる。ぜひ、ちょっと悩んでしまって、なんとなく前に向かえない人に聴いてほしいと思う。
でも、この曲で一番驚いたのは、その年のアニサマ(『Animelo Summer Live 2018 "OK!"』)に楠木さん(当時18歳)が出ちゃったことですけどね! あの大きな会場のど真ん中で堂々と歌って、“一緒に!”とか“はい!はい!”と観客に声までかけて、最後にピンクのピーちゃん(メインアームのP90/CV.楠木ともり)を持って、にっこりと笑ったときは、安西監督みたいに「ぶるっ」ってなった(『SLAM DUNK』新装再編版18巻参照)。まさかこの曲を聴いたときに想像した景色を、あんな大きな会場で実際に見ることになるとは思わなかった。天晴。
『ご注文はうさぎですか?』のシリーズ楽曲毎日紹介の執筆やイベントパンフレットの制作、内田真礼さん、三森すずこさんのライブパンフレット、『まちカドまぞく』『ちはやふる』のブックレットほか、雑誌やWebなどで執筆をしているフリーライター。
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ