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- 逆井マリ
- 神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。
――コンテンポラリーダンサーの水村里奈さんと競演したMVも話題を呼んでいます。Anlyさんは初のダンスだったんですよね?
Anly:そうです。事前にダンスのビデオを送っていただき、振り付けを覚えて踊ったんですが、MVではあまり使われていません(笑)。というのも、私も編集に立ち会って、「ここをこうしたい……」とリクエストしているうちに、自分のダンスシーンがどんどん減っていって(笑)。
水村さんのダンスが凄すぎたんです。体の動きだけじゃなくて、表情でもこの曲を表現してくださっていて。さらに、来てくれたダンサーさんたちのメイクも調節してくれて。その様子を見ていて、ああ凄いなぁと……。まわりのスタッフも、水村さんのプロフェッショナルさに感動していました。
――本当にクリエイティブの魂がぶつかっていた現場だったんだなと。
Anly:でも私は抽象的な言葉ばかり使ってしまうんですけど(笑)。それを汲み取ってくれるスタッフやクリエイターのかたが回りにいてくれるので、その方たちのおかげだと思います。
――唐突なんですけど、Anlyさんはマーチングをされていたんですよね?
Anly:そうです! 高校時代、トロンボーンでマーチングバンドをやっていました。
――個人的な話で恐縮なんですけど、石垣島に住んでいる私の友人の子どももマーチング部で活躍していて。沖縄では文化として根付いているんでしょうか?
Anly:へぇ、そうだったんですか! 確かにマーチングをやっている人は多いように思います。強い学校が多くて、中には外国で公演している高校もあるんですよ。もうエンターテインメントですね。文化部というより、体育会系です(笑)。
――個人的には、今回のMVの後半の演出にマーチングのエンターテインメントを感じたんです。曲もマーチング感がある気がして。そういうものって意識されていたんでしょうか?
Anly:音源のなかでスネアがロールをずっと打ってるんですよね。だから感じるんだと思います。
MVはもともと水村さんと私だけの予定だったんですけど、いつも映像を担当してくださっている監督(三田 努さん)から、後半に人数が増えていくのが良いんじゃないかってご提案をいただいて。色々なエッセンスが加わり、ああいうミュージックビデオになったんです。実は今回のシングル自体、スネアのロールが入っている曲ばかりで。だから、シングルを聴いていると、そういうふうに映像も見えるんだと思います。
――あ、なるほど!スネアのロールが入った楽曲が多かったのは、偶然なんですか?
Anly:たまたまなんです。4曲目の「この闇を照らす光のむこうに -Orchestra Version-」は入ってないんですけど、それ以外の3曲は入っています。
――改めて、他のシングル収録曲について教えてください。それぞれ思い入れのある曲だと思うのですが、この3曲をカップリングに選んだ理由をまずは教えていただけますか?
Anly:「星瞬~Star Wink~」をアレンジしてくれた松ヶ下さんが、2曲目の「Free Bird」、4曲目の「この闇を照らす光のむこうに -Orchestra Version-」をアレンジしてくださったんです。「Free Bird」は19歳のときにレコーディングが終わってて、そのときに録った声のままで。
――「Free Bird」は『JTA日本トランスオーシャン航空』TVCMにも起用されていて、待望の音源化ですね。一方、「この闇を照らす光のむこうに -Orchestra Version-」は、2017年に「Anly+ スキマスイッチ=」名義でリリースされたコラボレーション曲ですが、この曲を今オーケストラでセルフカヴァーされた経緯を教えていただけますか?
Anly:昨年4月に発売したアルバム『Sweet Cruisin'』のリリースパーティを松ヶ下さんと、松ヶ下さんの知り合いの演奏者のかたと一緒に行う予定だったんですが、それが(コロナで)できなくなってしまって、1人で配信ライブをしたんです。
そのあとに、松ヶ下さんが「せっかくライブをやろうってことでメンバーが集まったわけだし、リモートでオーケストラバージョンをレコーディングしてみない?」って提案してくださって。その中で選んだ曲が、「この闇を照らす光のむこうに」でした。
リモートで初めてオーケストラレコーディングしたので、思い入れがあったんです。今回は収録したものを、CDに入れました。オリジナルのスキマスイッチさんとの音源とは、また違う展開もあったりして。そこも楽しんでもらえたらなと思っています。
――では「Rainbow」についても教えてください。
Anly:特別な思い入れのある曲です。大阪のFM802というラジオ局で、『Saturday Amusic Islands Morning Edition』という番組でパーソナリティをしている仁井聡子さんというかたにお世話になっていて、プライベートでもよく長電話するくらい仲が良いんです。自粛生活をしている時に、ひさびさに電話して。「こんな時期だけど、良い思い出を作りたいよね」という話になったんです。
それで「リスナーさんと曲を作る企画ってどうですか?」って。なかなかのスピード感で企画がまとまり、リスナーさんと一緒に曲を作るという企画がはじまりました。
「ライブで楽しい曲にしたい」「虹をテーマにしましょうか」って感じでやり取りをしていって。リスナーさんが良い言葉をたくさん送ってくれたんです。
「天使の梯子」「Sun-catcher」とか。普段わたしが思いつかないような言葉をくれて、それを歌詞にしていって、リスナーさんからクラップの音ももらって。音源もコメント録りも全部自分でやって####――今、まさにこの取材を受けている事務所の(Anlyのすぐ後ろにある機材を見て)ここで一人で作業して、オケも作ったんです。
――トラックも1人で作られていたんですね!
Anly:そうです。結果的にすごく良い曲になって、ライブで歌ったら楽しいだろうなって。
――クラップの音を送った方たちがSNSに感想を書かれていましたね。みんなにとって、とてもいい思い出になったと思います。先ほどの「溶ける」のお話じゃないですけど、きっと曲を聴くたびに思い出して、溶けていくんだろうなと。
Anly:そうなってくれたらいいなって思ってます。
――ところで、ジャケットもステキですね。
Anly:最初の打ち合わせの段階で、「白のイメージです」とお伝えしていて。そのイメージを汲み取っていただき、「星瞬~Star Wink~」の繊細さを布を使って表現してもらいました。布のセッティングがすごく大変でした(笑)。スタイリングもすごく気に入っています。私のスタイルとして、ループペダルの演奏法があるので、スポーティなかに繊細さもあるとジャケットにしていただき、良かったなと。
――で、ジャケの髪形から変わって、現在は金髪になられているっていう(笑)。
Anly:アハハ! そうなんですよね(笑)。年末に髪を染めたいなと思って。で、髪を染めたあとに「あ、夏目くんと同じ髪の色になってるな」って。Star Wink色になりました(笑)。
――ステキです(笑)。今日はいろいろなお話をありがとうございました!
[インタビュー・逆井マリ]
神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。
・初回生産限定盤/1,599円(税込)
・期間生産限定盤/1,599円(税込)
・通常盤/1,200円(税込)
オリジナルクリアファイル
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
・Anly公式サイト
・Anly公式Twitter(@Anly_Singer)
2021年1月16日(土)より、新宿バルト9他の劇場にて限定上映
■イントロダクション
2003年の初出当初から多くの読者を魅了してきた緑川ゆきの代表作「夏目友人帳」(白泉社 月刊LaLa連載)。 TVアニメ第一期は2008年に放送を開始、 これまでに第六期まで制作され、 深夜アニメとしては他に類を見ないロングシリーズとなりました。 2018年9月にはシリーズ初の長編オリジナルエピソードが描かれた劇場版が公開。 動員数・興行収入・初日満足度ランキングにおいて第1位にランクインし、 興収9億・動員数60万人を超える大ヒットとなりました。
続編を望む声が高まる中、 この度、 新作アニメーションの制作が決定いたしました。
人と妖(あやかし)、 交わらないはずの両者の素朴で繊細な心の機微を描き、 一話完結という原作の特性を生かしたオムニバス形式で、 ファンに人気の二つの短編エピソード「石起こし」と「怪しき来訪者」を2021年初春、 限定上映いたします。
■あらすじ
「石起こし」
森の中で、 小さな妖怪・ミツミと出会った夏目。 岩鉄という神格の妖怪を、 深い眠りから覚ます「石起こし」の役を任されているという。 しかし褒美の酒をめぐり、 ニャンコ先生や妖怪たちが、 起こし役を横取りしようと画策をはじめる。 ミツミを気にかけた夏目は、 手助けをすることに――。
「怪しき来訪者」
田沼のもとに現れた、 不思議な客人。 毎日のように訪ねて来ては、 少しだけ話をして帰っていく。 その正体が妖怪であることを知った夏目は、 田沼を心配するが、 田沼は妖怪との交流を楽しむようになっていた。 妖怪は悪さをするつもりはないらしいが、 少しずつ田沼の体調が悪くなってしまう――。
■キャスト
夏目貴志:神谷浩史
ニャンコ先生・斑:井上和彦
田沼 要:堀江一眞
三篠:黒田崇矢
ヒノエ:岡村明美
ちょびひげ:チョー
一つ目の中級妖怪:松山鷹志
牛顔の中級妖怪:下崎紘史
ミツミ:金元寿子
■スタッフ
原作:緑川ゆき/月刊LaLa(白泉社)連載
総監督:大森貴弘
監督:伊藤秀樹
脚本:大森貴弘 村井さだゆき
コンテ・演出:伊藤秀樹 大城美幸
妖怪デザイン・アクション作監:山田起生
サブキャラクターデザイン:萩原弘光
作画監督:山崎絵里 田中織枝
美術:渋谷幸弘
色彩設定:宮脇裕美
編集:関 一彦
撮影:田村 仁
音楽:吉森 信
アニメーション制作:朱夏
製作:「夏目友人帳」製作委員会
配給:アニプレックス
「夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者」公式サイト
アニメ公式サイト
アニメ公式ツイッター(@NatsumeYujincho)