『映画ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』高木 渉さんインタビュー|エゴエゴ役で出演するつもりが、まさか伝説の“あの”役も……?
高木さんにとってのプリキュアの敵役とは?
──ところで、映画の特典シールにエゴエゴとブンビーの姿がありまして……。
高木:えっ! そうだったんですね!
──鋭い方は「もしかして?」と楽しみにされている方もいらっしゃると思います。そして、実際にある場面にブンビーが登場します……! ブンビーのお話を聞いたときはどのようなお気持ちでしたか?
高木:僕は収録の時までブンビーが出てくると思っていなかったんですよ。
──その段階までご存じなかったんですか?
高木:そうなんです。最初にお話しした通り、まっさらな気持ちでエゴエゴ役に挑むつもりでした。「エゴエゴをお願いします」と言われてましたしね。ただ、アフレコの時にはまだ絵が未完成の状態でもあったので、隙があればという気持ちではいましたけど。
そしたらスタッフさんがブンビーさんの絵を挿入する予定があると教えてくれたので、それじゃあ声も入れましょうよってことになって、ちょっと忍ばせてあります(笑)。
──映画を観るときに楽しんでほしいですね。
高木:そうですね。でも今回僕は、あくまでエゴエゴ役で出演させていただいてますからね。果たして、皆さんブンビーを見つけられないんじゃないかな(笑)。
──高木さんは今作のエゴエゴにブンビー、さらに『ふたりはプリキュアMax heart』ウラガノス役も演じられていますが、敵役を演じられる上で心がけられていることはあるんでしょうか?
高木:ドラマとしては勧善懲悪であった方が面白いし分かりやすいとは思うのですが、僕なりには、悪は悪でも悪なりの正義があるって気持ちで演じようと思っています。その方がヒューマンドラマとしても奥の深いものが作れそうな気がしています。
今回のエゴエゴにしても利己主義的で迷惑なことをしているのですが、エゴエゴにはエゴエゴなりの目的が、欲があるような気がするんです。だから最初から“悪いキャラクター”って感じで役を作っていかないようにしています。
役割としてはどっちつかずにならないようプリキュアたちに敵対するというブレない気持ちではいますが。ブンビーもそんな感じだったんですけどねぇ。あまりにも上司がね。なんだか悪いことをしているというよりも「俺には生活があるんだ」ってなっていきましたね(笑)。
──(笑)。実際そうでしたもんね。その人間味が大人にはグッときてしまって。
高木:(ブンビーの声色で)「俺には養っていく妻と子どもがいるんだよ、7歳と5歳の子どもが。家族のために戦ってるんだよ!」といったサラリーマン的な心意気がありましたから。僕のなかの設定ですよ(笑)。本当はどうだか監督に聞いてみないといけませんが。
──高木さんの中でブンビーはどんな存在になっていますか?
高木:僕にとっては親しみある大好きなキャラクターです。10年以上も皆さんの心に残るキャラクターになってくれて、ブンビーを演れて良かったなと思っています。
なによりファンの皆さんに感謝ですよね。人気投票などで『5GoGo!』が入っていたり、ブンビーが入っていたりすると「まだこれだけ支持してくれる人がいるんだな」って嬉しくなります。
それが僕のパワーの源にもなっています。僕らは娯楽を通していろいろな人に元気を届けられたらいいなぁって思っていますが、逆にお客さんからも元気をたくさんいただきますね。
──そこでもらった元気が高木さんのエネルギーになって、また返っていくというか。すごくいい循環が生まれているようにも感じます。
高木:そうですね。とくに今の時代、そういうのが必要だと思っています。
困難を乗り越えるための勇気をくれる作品
──本作は全てご覧にどのようなお気持ちになりましたか?
高木:プリキュアってどの時代にも通じる普遍的なテーマがありますよね。夢を諦めないことだったり、相手への思いやりだったり、誰かを助けたいと思う気持ち……。子どもたちに作品を通して勇気というか、へこたれない気持ちが伝わったら嬉しいですね。作品自体が成長物語なので、みんな一緒に成長していけたらなぁって。
今で言うならコロナ禍でみんな抑圧された気分になっていますよね。きっと小さい子どもたちも大人になったとき「2020年代の初めは大変な時期だったなぁ」って覚えていると思うんです。
──きっと忘れられないですよね。
高木:ね。小さい子どもたちが外でマスクをつけて遊んでいたりする姿を見ると「かわいそうだな」と思うと同時に「子どもたちも我慢しながら見えない敵と戦っているんだな」って思うんです。
映画は映画で堅っ苦しくなくただ楽しんで観て欲しいんですけど、どこかみんなで力を合わせて戦っていくというか、そういう乗り越えていくための気持ちや勇気を映画を見て持ってもらえたら嬉しいですね。
──ステキなお話をありがとうございます。そして、私も含め一部の大人たちはブンビーに想いを馳せることになりそうです。
高木:ははは。懐かしんでもらえたらと思います(笑)。他にもいろいろな仕掛けが仕込まれていますので、そちらも楽しみにしてくださいね。
【インタビュー・文/逆井マリ】
『映画ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っと GoGo!大変身!!』作品情報
2021年3月20日(土)全国ロードショー
声の出演
キュアグレース/花寺のどか:悠木碧
キュアフォンテーヌ/沢泉ちゆ:依田菜津
キュアスパークル/平光ひなた:河野ひより
キュアアース/風鈴アスミ:三森すずこ
ラビリン:加隈亜衣
ペギタン:武田華
ニャトラン:金田アキ
ラテ:白石晴香
キュアドリーム/夢原のぞみ:三瓶由布子
キュアルージュ/夏木りん:竹内順子
キュアレモネード/春日野うらら:伊瀬茉莉也
キュアミント/秋元こまち:永野愛
キュアアクア/水無月かれん:前田愛
ミルキィローズ/美々野くるみ:仙台エリ
ココ:草尾毅
ナッツ:入野自由
ゲスト声優 藤田ニコル役:藤田ニコル
スタッフ
原作:東堂いづみ
監督:中村亮太
脚本:金月龍之介
音楽:寺田志保
キャラクターデザイン・総作画監督:爲我井克美
美術デザイン:増田竜太郎
美術監督:小川友佳子 渡辺佳人
CGディレクター:大曽根悠介
色彩設計:佐久間ヨシ子
撮影監督:髙橋賢司
製作担当:澤守洸
『映画トロピカル~ジュ!プリキュア プチ とびこめ!コラボ?ダンスパーティ!』作品情報
声の出演
キュアサマー/夏海まなつ:ファイルーズあい
キュアコーラル/涼村さんご:花守ゆみり
キュアパパイア/一之瀬みのり:石川由依
キュアフラミンゴ/滝沢あすか:瀬戸麻沙美
ローラ:日高里菜
スタッフ
原作:東堂いづみ
監督:大塚隆史
脚本:金月龍之介
音楽:寺田志保
キャラクターデザイン:中谷友紀子 稲上晃
作画監督:稲上晃
美術監督:小川 友佳子 渡辺 佳人
色彩設計:佐久間ヨシ子
撮影監督:五十嵐 慎一
製作担当:澤守洸
映画公式サイト
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