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TVアニメ『キングダム』-合従軍編- 森田成一×福山潤 W主人公対談

TVアニメ『キングダム』-合従軍編-信役 森田成一さん×嬴政役 福山 潤さんW主人公対談|「炎を絶やさぬように」臨んだアニメの行く末と政や信たちの生きざまを見守って

「合従軍編」は福山さんいわく「ラスボスカーニバル」。政と信の再会シーンはリラックスして収録に

――「合従軍編」では、政と信の「秦国」は、天才軍師の李牧率いる六国による合従軍と戦わなくてはいけないという過去最大のピンチで、国の存亡をかけた戦いが繰り広げられています。

福山:やれるなら、もっと前にやれただろうと思うくらいのウルトラCで、ゲームでいえば最後のボスカーニバルですからね(笑)。

――19話で、政が蕞の民衆に語り掛けるシーンは王としての器を見せなくてはいけない大切なシーンだったのでプレッシャーもあったのでは?

福山:プレッシャーもありましたが、それは現場ではなく、放送されて、皆さんがどう受け止めてくれるのだろうか? ということで。だから第3シリーズの収録が終わった今も気が抜けないんですよね。今取材して頂いているタイミングではオンエアが終わっていないので。ただ今の僕にはもうやれることはないので、今は待つのみという心境です。

――一方の信が率いる飛信隊は三百人隊、そして千人隊へとどんどん大きくなっていくことで、戦いに赴く意識の変化もあったのでは?

森田:むしろコンパクトになっている気がするんですよね。戦いの舞台もどんどん大きくなっていますが、成長していくことでより大事なところがわかってきたからこそ、散漫になっていないと思っているし、この第3シリーズに臨む上でも重要なことでした。

――蕞で信と政が再会したシーンも素敵でした。

森田:あのシーンはすごくリラックスして演じられました。信が政と一緒にいる時や貂も加えて一番最初の3人組でいる時はリラックスできるんですよね。3人は冗談も言い合えるし、友達同士みたいな話し方なのに、内容は国の話というギャップがおもしろいんですよね。だからそこに飾りを付けたくはなくて。

思ったまま、感じたままを素直に出すということを、このシリーズで続く重い戦いの中でできたことは、フレッシュな気持ちになれた良い瞬間でした、今一度見つめ直そうと思えた瞬間でした。大切なことは実はシンプルなんだと。

19話までの印象深いシーンは?

――この記事が掲載される時点でオンエアされている19話までで、印象深いエピソードやシーンをお聞かせください。

福山:信や政が関わっていないのに印象深いシーンやエピソードがたくさんあります。
王翦対オルドの山岳での戦いは王翦は余り喋らないから底が見えない不気味さと強さを見せて、対照的にオルドは良く喋って展開を面白くしてくれるので、函谷関が破られるかどうかの緊張感も相まって好きですね。他の戦場もですが、この作品には脇役が存在しないといっていいくらい皆が魅力的なので各エピソードが面白いです。

あと政が王都の咸陽を離れて、最終防衛線ともいえる蕞に赴くエピソードも大きいですね。今までお飾りの王みたいな立ち位置だったけど、昌平君に蕞に向かうと告げた時は今までとは違うという意思表示でもあり、成蟜(せいきょう)の反乱を沈静化してからどこまで力を蓄えていたのかを表す見せ場でもあって。視聴者の皆さんも政の成長や実力を見られると楽しみにしてくださったのではないかなと思っています。

森田:信と万極の戦いが印象深いです。信のアイディンティに直結しているし、自分たちには正義があるけど、敵にも正義があるという戦いの本質を表すシーンで。大局的に見れば小さな戦いではあるけど、そこで語られているものは大きかったし、原(泰久)先生が描きたい、『キングダム』の根底がそこにあると思うんです。

原先生は民衆にも視点を向けて描いていらっしゃいます。「合従軍編」の序盤で描かれることで、『キングダム』のテーマを今一度確認でき、それが信や政の戦いや想いのフックになる大切なシーンだと思います。

それと視聴者、ファンとしては張唐と成恢(せいかい)の戦いも激アツでした。ベテラン中のベテランの浦山(迅)さんがあのセリフを言った時はたまらない瞬間でした。名ゼリフという点では恒騎の「はしゃぎ過ぎなんだよ」も最高ですね。なんともいえないヤカラ感が出ていて。

随所に名ゼリフや名シーンのオンパレードですが、お気に入りだったり、好きなシーンは年齢によって違うと思うんですよね。自分の場合、「老兵いまだ老いず」を体現する張唐の立ち居振る舞いや言葉のひとつひとつにグッときて。皆さんそれぞれ、熱い「合従軍編」を感じていただけたら嬉しいです。

 

合従軍の中で気になるキャラは魅力的な女性武将と個性的な副官?

――合従軍の中で気になるキャラ、手ごわいなと感じるキャラは?

福山:視聴者の方が気になっているのはたぶん媧燐(かりん)じゃないかと思いますが、 僕はその副官のバミュウが気になっていました。媧燐から下僕のような扱いをされていたり、「調教しがいがある」と称された彼をいったい誰が演じられるのだろうかと。そうしたら岩田光央さんが来て(笑)。

森田:まさにという感じだよね。

福山:僕はオギコ役もやらせていただいていますが、オギコをやっていなければ、そこまでバミュウのことを気にしていなかったと思います。岩田さんがあそこまでやっているのであれば、自分ももっと振り切ってやってもいいかなと。

森田:僕はやっぱり媧燐ですね。(田中)敦子さんがどんどんものすごい演技を出していらっしゃるし、最近の放送回でも本当に楽しんでいるのが声にも出ていらして。色気もあるし、憎々しさもある、かわいらしさもあったりと、いろいろな要素を同居させて演じるのは敦子さんじゃなければできないと思います。見るたびに怖さを感じるんですよね。戦象さんを呼んできて「目がかわいい♡」とか、ワケわかんないことを言ったりして、キャラの面でも役者的な面でも媧燐が気になるし、今後どう絡んでくるのか楽しみです。


 
(C)原泰久/集英社・キングダム製作委員会
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