映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』日本語吹替版スパイダーマン/ピーター・パーカー役 榎木淳弥さんインタビュー|物語が続く限りはスパイダーマンを演じ続けたい
『スパイダーマン:ホームカミング』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』に続くマーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)の「スパイダーマン」シリーズ第3弾、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が大ヒット公開中です。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』以来のドクター・ストレンジ(演:ベネディクト・カンバーバッチ)との共演、歴代の「スパイダーマン」シリーズのヴィランたちの登場など公開前から大きな話題を集めました。
そんな本作で主人公のスパイダーマン/ピーター・パーカー(演:トム・ホランド)の日本語吹替版を務める榎木淳弥さんへインタビューを実施。『ホームカミング』から日本語吹替を担当してきた榎木さんが感じるスパイダーマンの魅力や本作の印象に残っているシーンなどを伺いました。
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」公開にあたってトム・ホランドさんとゼンデイヤさんにインタビューさせていただきました。
— 榎木淳弥 (@enojunjunjun) January 6, 2022
お二人ともとても気さくに答えてくださったので是非ご覧ください。
映画は本日遂に公開です。宜しくお願いします。 pic.twitter.com/3o3dzr0Ny8
スパイダーマン、賛成派・反対派?
ーーまずはじめに『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の完成版をご覧になられての感想からお願いします。
榎木淳弥(以下、榎木):「スパイダーマン」のお祭りムービーだなと思いました。歴代「スパイダーマン」シリーズのファンの方たちは最初から最後まで興奮できる作品になっているのではないでしょうか。
また、ピーターは今作でようやくヒーローとしての条件が揃ったなと思いました。今まではまだちゃんとしたヒーローになり切れていなかったけど、初登場の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』から通して徐々にヒーローとしてスパイダーマンとしての条件が確立されてきて、今作ではそれが完成形になった。ジョン・ワッツ監督の思うヒーロー像を定義された感じがしましたね。
ーーネタバレのない範囲で、特に印象に残っているシーンはありますか?
榎木:スパイダーマンの正体が世間にバレた中で学校に登校したら、スパイダーマン賛成派の先生と反対派の先生が言い争っているシーンがあって。その対比は面白かったですね。
ーー前作のラストに宿敵ミステリオ(演:ジェイク・ギレンホール)の罠でスパイダーマンの正体がバレて、さらには殺害の容疑にかけられ、世間ではスパイダーマン賛成派・反対派で分かれているのは本作の見どころの一つでもあります。ちなみに榎木さんはどっち派ですか……?
榎木:真実を知っていたら賛成派になりますけど、情報操作をされてしまっているので反対派に回りそうな気がしています。
ピーターの気持ちを考えると、嘘の情報に振り回されてメンタルが大変だなと思いますけどね……ただ、正体がバレてしまったからといって、スパイダーマンの記憶をみんなから消そう!という行動に走るのはよくないなと思います(笑)。そのせいで色々な事件が起こってしまうので……!
ーーどんな行動を取るのが得策だったのでしょうか……。
榎木:バレてしまったのを割り切って、バラエティ番組に出るとか。みんなの好感度を上げるための行動に出たら、もっと人気が出たんじゃないかなと思いますね。
『ノー・ウェイ・ホーム』登場キャラクターの魅力
ーーMCU版「スパイダーマン」に登場するスパイダーマン/ピーターの魅力を感じるポイントを教えてください。
榎木:やっぱり誰も傷つけたくないと考える「心優しさ」ですよね。前作ではミステリオが死んでしまいましたけど、殺すつもりはなかったですし。味方だろうが敵だろうが関係なく接することができる心優しさは親しみやすく、「親愛なる隣人」に繋がっていると思います。
ーーご自身の重なる部分はありますか?
榎木:いや、僕は嫌われ者なので……そういう意味では今作でのスパイダーマンは反対派がいるから似ているのかもしれませんけど(笑)。ピーターのように素直ではなく捻くれ者だから、どちらかというとストレンジに近いかもしれません。
ーーストレンジとは『アベンジャーズ/エンドゲーム』以来の共演ですが、今作で感じたストレンジの魅力はいかがですか?
榎木:頭が良くて、会話が知的ですよね。嫌味を言う場面でも、ただ嫌味を言うのではなく凝った皮肉を返していて。今作では、そんなストレンジにネチネチ・ガミガミ言われるピーターが見られるので、その辺は特にすごく面白かったです。
ーーストレンジとは対照的に、恋人のMJ(演:ゼンデイヤ)と親友のネッド(演:ジェイコブ・バタロン)はずっとピーターの良き理解者であり支えでもありましたよね。
榎木:MJもネッドもピーターのすべてを理解してくれているのが魅力ですよね。どんな時も絶対に味方でいてくれる。特にネッドが登場すると空気が明るくなってコメディになるのが、すごく良いなと思っています。
前作まではMJとピーター、ネッドとピーターと二人ずつでのやり取りが多かったのですが、今作では3人の友情がメインで描かれていて。純粋な友情にグッときました。
ーーすごく分かります……! また、今作ではサム・ライミ監督版『スパイダーマン』シリーズ、マーク・ウェブ監督版『アメイジング・スパイダーマン』シリーズの歴代ヴィランたちが時空を超えて登場します。印象に残っているヴィランはいますか?
榎木:ドック・オク(演:アルフレッド・モリーナ)はすごく印象に残っています。というのも、日本語吹替版を担当されているのが銀河万丈さんじゃないですか。
サム・ライミ監督版『スパイダーマン2』からの続投ということですが、『エンドゲーム』ではサノス(演:ジョシュ・ブローリン)の日本語吹替版を担当しているんです。サノスのイメージが強くて、「ドック・オクはすごく悪いやつなんだろうな……」と思ってしまいましたね(笑)。