TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』乾紗寿叶役 種﨑敦美さん×乾心寿役 羊宮妃那さんインタビュー|それぞれが語る乾姉妹の好きなシーン、そして大事なセリフたちに込めた想いとは
現在放送中のTVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』(着せ恋)。コスプレをテーマにした作品で、ストーリーの面白さはもちろん、その演出のこだわりや作画のクオリティにも毎週、感動させられています。
喜多川海夢役の直田姫奈さんと五条新菜役の石毛翔弥さんのインタビューに続き、第6話から登場の乾紗寿叶(さじゅな=ジュジュ)、そして第7話から登場の乾心寿(しんじゅ)の乾姉妹について、2人を演じた種﨑敦美さん(紗寿叶役)、羊宮妃那さん(心寿役)にたっぷりと語ってもらいました。
海夢と新菜の声もピッタリ!? 2人が語る原作、そしてアニメの素晴らしさ
――原作の、どんなところに魅力を感じましたか?
種﨑敦美(以下、種﨑):もともと表紙は気になっていたんです。その表紙の全部が同じ子…海夢ちゃんだとは思っていなかったんですけど、それも今作ならではですよね。
オーディションを受けるにあたって原作を読ませていただいたのですが、まず五条くんの作務衣姿にやられてしまいまして……(笑)。作務衣姿だけでなく、泣きぼくろとか制服のシワとか、すべてが私の好みドンピシャだったんですよね……。
絵はもちろん、キャラクターとしても海夢ちゃんも五条くんどちらもヒロイン!っていうくらい魅力的でかわいかったし、お話はテンポよく進んでいくのに、心の動きは丁寧で繊細で、一瞬で好きな作品になりました。
私がオーディションを受けた乾姉妹……そう心寿ちゃんも実は受けてたんですけど、二人はいつ出てくるんだろとわくわくしつつ、海夢ちゃんと五条くんの関係が変わっていくのを楽しみながら読んでいました。
羊宮妃那(以下、羊宮):私も一気に読んでしまったんですけど、みんなの笑顔がとても好きでした。そして、好きなものがあるってとても素敵なことだなと思いました。心寿ちゃんならお姉ちゃんに対してだったり、コスプレに対してだったり。みんなの好きなことをしているとき、好きなことに向き合っているときの笑顔がとっても好きだなと思いましたし、みんなすごく輝いていました!
――作品を読んだことでコスプレへの印象は変わりましたか?
種﨑:コミケなどでコスプレをしている方は何度も見ていたので、最初から、自分たちのなりたいものになって楽しんでいる世界が素敵だなぁと思っていたんです。でも、これは海夢ちゃんも言っていましたけど、好きなものに対しての究極の愛なんだなと、より思うようになりました。
それぞれがいろいろな工夫をしながら好きなものに近づいているんだな…と思いました。元々は服もコスプレ衣装が売っているお店があると思っていたんです。もちろん、それも実際にあるんですけど、作ることも当たり前の世界なんだなと思ったし、ウィッグの知識やテープでそもそもの形を変えたり…など、たくさんのことを知れたので、それを知った上でコミケなどで皆さんのコスプレを改めて見てみたいなと思いました。
羊宮:作品に触れる前は、とても素敵でかわいくてキラキラしている印象があったんですけど、原作を読んでみると、生地ひとつとってもたくさん考えられていたり、着たあとのことも考えなければならないんだなと思いました。
本当に好きなものになるというのは、裏での努力もすごいんだと知ることができましたし、五条くん役の石毛翔弥さんが「その主人公声優は服を縫う」というチャレンジ企画で、服を作っていらっしゃるリアルな姿を見たときも、その努力はひしひしと伝わってきました。
――アニメは第9話まで放送されましたが、原作の良さをそのままアニメにしたような素晴らしい作品だと思っています。実際に放送を見ていかがですか?
種﨑:私が一番に惹かれた五条くんのビジュアル、そして海夢ちゃんのキラキラ具合を原作の魅力そのまま、しっかり描いてくださっていて……。原作を読んでいるときからキラキラが詰まった素敵な作品だと思っていましたが、それがより増幅されてアニメーションで伝えてくださっている感じでした。
アニメを見て、何でこんなにキラキラしているんだろう、何でこんなことが可能なんだろうと思っていたんです。第8話の海でのシーンとかも泣いてしまったんですけど、毎週泣くようなシーンじゃなくても泣ける!みたいなところがある。海夢ちゃんでいうと、行動力やノリで「イエイ!イエイ!」な空気を持っているのに、第4話で五条くんに大変な思いをさせてしまって泣いているところとか、本当に繊細なんですよ。
それぞれの気持ちの変化、2人の関係性の変化、好きなものに対してやりたいけどやれない、でもやりたい!みたいな心の変化をすごく繊細に丁寧に描いてくださっている。だからアニメーションのキラキラ具合が、こんな作品見たことがない!って思うくらいにまでなっているんだなぁって思いました。それが毎週OPからEDまで完璧に描かれているのは、スタッフさんも作品に恋をしているからなのかなって。
羊宮:原作がとても素敵なんですけど、アニメも皆さんが期待されている以上のものなのではないかなと思っています。私は原作を読んだときに五条くん視点で読んでいたんです。海夢ちゃんがだんだん惹かれていくところを見ていて、「良かったね、五条くん」と思っていたんですけど、アニメだと、だんだん海夢ちゃん視点で見るようになっていたんです。キャラクターの表情や仕草だったりが、まるで自分に重ね合わせられるような感じで描かれていたので、いろいろな楽しみ方ができる作品だなと思いました。
――原作は男性目線で見ていたんですね(笑)。
種﨑:意外!
羊宮:そうなんです(笑)。アニメだと第2話になるんですけど、(原作の)足幅を測るところのアングルは、とても素晴らしかったです!
種﨑:要所要所のアングルが素晴らしいですよね。
――たとえば第8話の海夢と新菜が海に行って、そこで鳶にハンバーガーを取られるシーンは原作になかったですし、そういうアニメならではの見せ方も良いですよね。
種﨑:もうすべて! すべて良いんですよ! 良い足し方をしてくださっていて、丁寧さが増していると思います。原作にないシーンって、さてどう演じようかなと思うこともたまにあるんですけど今作は全て自然なんですよね。石毛さんと直田さんもより深く浸れて演じやすかったんじゃないかな…?と放送を見ていて思いました。
羊宮:そういうシーンを見ていると「日常」という感じがして、幸せな気持ちになるんです。
――喜多川海夢を演じる直田姫奈さん、五条新菜を演じる石毛翔弥さんの声はいかがでしたか?
種﨑:ジュジュ様は第6話が初登場だったんですけど、アフレコ前にいただいたリハーサル用の映像の冒頭、「喜多川さん、とても奇麗でした」「え……っ えぇ~~~」っていう第5話の最後のシーンのやり取りには、声が入っていたんです。海夢ちゃんに関しては「えっ」だけだったんですけど、それで「やばい、この2人!」って思いました。それだけで五条くんと海夢ちゃんだ! 完璧だ! 素晴らしすぎる!と思って、この2人が作ってきた空気の中に、私が入るんだと思って緊張マックス!みたいな状態でした(笑)。
――ご共演は初めてなんですよね?
種﨑:羊宮さんを含め、お三方とも共演するのは初めてでした。キラキラした作品だし、私1人だけキャリアも長かったので場違いなのではないかと思いながら収録に行ったんですよね(笑)。ピュアな雰囲気のキャストさんがギュッとしているのかと思っていろんな意味で頑張らなきゃ…!と思いながら向かいました。何度でも言いますが直田さんと石毛さんのお2人はこの役を演じるために生まれてきたのでは…!というくらいぴったりでした。
羊宮:石毛さんは「大丈夫だよ、一緒に進んでいこうね」っていうお芝居をしてくださる印象で、直田さんは「よし! 一緒に行こう!」って引っ張ってくださるようなお芝居の印象がありました。そういう感じで会話にも乗せていただいたりしました。
あと、五条くんのセリフだと「なんですって?」というセリフが大好きなんですけど、アニメでもそこは好きでした(笑)。喜多川さんだと「ごじょー君」と名前を呼ぶところですね。会話の中でもありますけど、そこにいろんな気持ちが溢れているなと感じて、すごく好きです。
――2人のバランスや性格もキャラクターのまま、みたいな感じがしますよね(笑)。
種﨑:そっくりなんですよ! ラジオを聞いていても、本人たちでしゃべっているのに、キャララジオ?って思うんです(笑)。そんなラジオ、聞いたことがないですよね。
――アフレコもほぼ一緒にできたということでしたが、それは良いことですね。
種﨑:この作品、登場人物が少ないので、コロナ禍での分散収録の支障が全然なく、掛け合いの相手と全部一緒に録れたんですよ。
――羊宮さんはアフレコはいかがでしたか?
羊宮:すごく嬉しい気持ちと、オーディションから結構な期間が空いていたので、オーディションで「これで行こう」と思っていただけたものを出せるのかな、という不安など、いろいろな想いがありました。
――直田さんや石毛さんは、羊宮さんが種﨑さんに質問している姿が姉妹っぽかったとも話されていましたが、不安なところを質問したりしていたのですか?
種﨑:実は質問とかではなく、私が何か言ってあげられることはないかな?と思って話していただけというか(笑)。
羊宮:種﨑さんから温かいお言葉をいただきつつ、現場の空気感も温かくしてもらっていた感じでした……。