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知っているようで実は知らないアニメイト池袋本店の歴史【連載第1回】

1日の売上が1万円もなかった!? 今のアニメイト池袋本店ができるまで|知っているようで実は知らないアニメイト池袋本店の歴史【連載第1回】

アニメイト池袋本店は、2023年でオープンしてから40年を迎えます。そんな記念すべき2023年3月には、アニメイト池袋本店がリニューアルし、グランドオープンを予定。新たな体験を皆様にお届けできる時を楽しみにしています!

今では多くの方々にお越しいただいているアニメイト池袋本店ですが、一体どのようにして今の形になったのか、みなさんはご存知でしょうか? 実はお恥ずかしながら、これを執筆している私も2019年に入社したということもあり、その実情は知らないままだったのです。

社員でありながら、しかもいつものように通っている場所ながら、歴史は全くわからない……。

そこで今回は、アニメイト池袋本店リニューアル&グランドオープンを記念して特別企画をお届けします。

題して「知っているようで実は知らないアニメイトの歴史」。

アニメイト池袋本店はどのように生まれて、どのように今の形になり、どのような店舗になるのでしょうか? そして、アニメとどんな関わり方をしてきたのでしょうか?

それぞれのターニングポイントとなるキーマンにお話をお聞きしながら、その歴史に迫ってみました。

連載第1回となる今回は、1983年3月にオープンした最初の“アニメイト池袋店”から2000年にオープンしたサンシャインシティの向かいにあった牛乳パック型と言われる“アニメイト池袋本店”までの歴史を追っていきます。

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アニメイト1号店として生まれたアニメイト池袋店は波乱万丈!?【1983〜1985年ごろ】

アニメイト池袋店が生まれた1980年代前半といえば、『宇宙戦艦ヤマト(1974)』が大ヒット、続く形で『機動戦士ガンダム(1979)』も大ヒットしていた時代でした。『うる星やつら(1981)』『超時空要塞マクロス(1982)』『ときめきトゥナイト(1982)』『魔法のプリンセス ミンキーモモ(1982)』などの人気作品をはじめとして、アニメがTV放送されるのが当たり前となってきている時代でした。

その流れに乗って、アニメを専門としたショップも登場していきます。アニメイトもそのひとつでした。

記念すべきアニメイトの1号店となるアニメイト池袋店は、サンシャインシティのすぐ近く、まだ乙女ロードとも呼ばれていなかった場所で生まれました。その時、1983年3月。

初代店長だった太布尚弘さんは、当時の様子をこう語ります。


ーー当時の店長業務は何をしていたんですか?

太布:開店初日はお客様が並んでくださっていましたが、すぐに足取りがまばらになっていきましたね。本当にお客様が来ないわけですよ。

お店にいても暇だから、よくアルバイトの人たちとチラシを配りに行ったりしていました。

ーー今ではアニメイトはお客様が多いイメージですけど、最初は少なかったんですね。

太布:全く来ないんです。売上が1日1万円いかなかったことも普通でした。アルバイトの子たちがお店の商品を趣味で買っていたのが一番のお客様だったかもしれません(笑)。

当時はよくお店に来てくださった方たちと仲良くなって、その方たちがアルバイトになってくれたことが多かったんですよ。

男性向けのアニメが多くて、お客様も男性が多かったですね。


今では信じられないような状況です……! 当時はお店も狭く、取り扱っている商品もかなり違っていたそう。お店はワンフロアほどと小さく、立地も今の場所ではありませんでした。


ーー当時の商品はどのようなものを取り扱っていましたか?

太布:下敷き、ポスター、缶ペンケース、ステッカー、バインダーなどの文具が多かったですね。今ではほとんど取り扱っていません。あと、カセットインデックスカードやビデオインデックスカード(※1)。ラミカ(※2)とかも最初からありました。

※1:カセットインデックスカード、ビデオインデックスカード
音楽を録音するカセットテープ、映像を録画するビデオテープのためのカード。当時はCDを録音するためにカセットテープ、TVの映像を録画するためにビデオテープが使われていました。インデックスカードはアニメの絵柄がついたものがあり、自分だけのオリジナルカセットテープ&ビデオテープを作る人が多くいました。

※2:ラミカ
正式名称はラミネートカード。キャラクターのイラストが描かれた小さなカードをラミネート加工した商品。

ーーラミカは、イラストがある紙をラミネート加工したものですよね。価格はどのくらいでした?

太布:1枚100円でした。お店の壁面にいっぱい並んでいましたけど、いつの間にかなくなってしまいましたね。缶バッジはまた売れるようになりましたが、基本的に用途がないものは売れなくなってしまう印象です。下敷きがいい例ですね。

ーー今では、ポラロイドカメラで撮影したような加工がされたイラストカードである「ぱしゃこれ」なども人気です。ラミカに近いものを感じます。

太布:あれは本当はトレカ(トレーディングカード)の流れだと思います。なので、少し違うものかもしれません。


当時の様子がなんとなく浮き彫りになってきました。世間的にアニメショップがないという状況だったら盛況になりそうな気がしますが、なかなか軌道には乗らなかったそうです。

そんな状況が少しずつ変わってきたのはあるふたつの出来事がありました。


ーーお店の盛り上がりを感じたのはいつごろですか?

太布:ある日、TVCMを出すことになったんです。そうしたらお客様がいっぱい来ましたね。隣にうどん屋さんがあったんですが、そこも満席でしたよ(笑)。

CMを入れたあとは爆発的にお客様が来たんですが、その後はやっぱりまた減っていく。でも、そこからは1日1万円なんてことはもうありませんでした。

あと人気だったのはセル画(※3)販売ですね。

※3:セル画
当時のアニメは手描きで作られており、セルという透明なシートに1コマずつ画が描かれていました。

ーー当時の人気イベントとしてはセル画販売があったと聞いています。

太布:セル画は人気でしたよ。セル画販売のときは開店前から100人くらい並んでいました。

セル画って同じコマは世界に2枚と存在しないんです。だから、どんどん売れるので次々に補充していたんですが、「さっきはなかったのに!」ってお客様によく怒られましたよ(笑)。お店が狭いから陳列するのにも限界があったんです。


インデックスカード、ラミカ、セル画……! 今ではお目にかかれない商品ばかりです。

オープン当初の1983年当時も、今も、人気商品とそれを買いに来てくださるお客様のおかげでお店が続いているのだと実感させられます。

当時人気の商品&作品は?【1983〜1985年ごろ】

人気作品

聖戦士ダンバイン』(1983年放送)
装甲騎兵ボトムズ』(1983年放送)
キン肉マン』(1983年放送)
魔法の天使クリィミーマミ』(1983年放送)
キャッツ・アイ』(1983年放送)
キャプテン翼』(1983年放送)
重戦機エルガイム』(1984年放送)
北斗の拳』(1984年放送)
名探偵ホームズ』(1984年放送)
機動戦士Zガンダム』(1985年放送)
タッチ』(1985年放送)
ハイスクール!奇面組』(1985年放送)

人気商品

下敷き
ポスター
缶ペンケース
ステッカー
バインダー
インデックスカード
ラミネートカード
セル画

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