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【内海賢二 彼が生きた時代:連載第3回】水樹奈々インタビュー

【内海賢二 彼が生きた時代:連載第3回】水樹奈々さんインタビュー|内海さんは尊敬する先輩であり、お父さんのような存在です

続けることは自分自身と戦い続けること

ーー水樹さんにとって、内海さんは声優としてどんな魅力のある方だったのでしょうか?

水樹:内海さんが声を吹き込んだキャラクターは存在感が圧倒的なんです!どんな役でも内海さんが声を入れると何倍も生き生きと動きだす感じがして。

いつもマイクの前で伸び伸びと楽しみながら演じていらっしゃる姿が印象的で、そのエネルギーが、キャストやスタッフさんにも伝わり現場の士気がぐんっと上がって、作品のクオリティ上昇にも繋がっていたと思います。

世代も立場も関係なく、初対面の人がいてもすぐに打ち解けてしまうし、ミキサールームにいる監督はじめスタッフさんたちも巻き込んで空気を作ってしまう。一気にすべてを照らす太陽のような方で、心の底から憧れの先輩でした。

ーー水樹さんにとって憧れの先輩という言葉が出ましたが、特にこの人という方はいらっしゃいますか?

水樹:特定のひとりではなく、すべての先輩方を尊敬しています。私自身、デビューして25年になるのですが、本当にまだまだ未熟で。現場で先輩方のお芝居を見るたび反省の日々です。続けていくことが難しく厳しい世界で、長い年月を戦い抜いてきた方々の台詞の重みと豊かさは、一朝一夕で真似できるものではありません。

ーー驚かされることばかりの世界なんですね。

水樹:先日『ドラゴンボール』の現場でご一緒した野沢雅子さんは、朝起きてすぐに「かめはめ波」が打てるとおっしゃっていました(笑)。激しいバトルシーンの連続でも、ケロリとされていました。先輩方からはいつも刺激をいただいていて、その度にもっと頑張らなければ!と思います。

ーー現在追求されていること、目標にしていることなどはありますか?

水樹:77歳になっても今と変わらず、激しい曲を歌いながら走って飛んでいたいと思っています。私の曲はテンポが早く、キーも高い曲だらけなのですが、年齢を重ねても変わらず歌いこなせるよう、日々鍛錬を重ねていきたいです。

ーー声優として活動されていく中で困難なことはありましたか?

水樹:デビューしてしばらくはほとんどお仕事がなくて、アルバイト三昧でした。

私には向いていないのかなと何度も心が折れそうになりました。でも、ネガティブな気持ちでいるときは悪いことばかり引き寄せてしまうもので。今だからこそできることをやろう!と、気持ちを切り替えられるようになってから少しずつ道が拓けていきました。

ーーそんな困難なときにも声をかけてアドバイスをしてくれたひとりが内海さんだったそうですね。失礼を承知で、訃報を聞いたときの心境を伺ってもよろしいでしょうか?

水樹:あの日は事務所経由で連絡がありました。びっくりして言葉が出ませんでした。夢であってほしいと思ったのが素直な気持ちです。とても信じられませんでした。

ーー今だからこそ、内海さんに伝えたいことはありますか?

水樹:伝えきれなかった感謝の気持ちと、心からリスペクトしている想い、そしてこれからもずっと私たちを見守っていてくださいと伝えたいです。

[取材/武田結花 編集/石橋悠 構成/原直輝]

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映画『その声のあなたへ』作品情報

ストーリー

アニメイトタイムズで働く若手ライターの結花は、取材中に声優・内海賢二の存在を知る。彼に興味を持った結花は、取材企画を立ち上げて彼の声優仲間らへ取材を始める。この取材を通して彼女は、内海賢二という声優の人柄だけでなく、かつての声優業界、声優という仕事が今のような人気職業になるまでの歴史を知っていく。

スタッフ&キャスト

配給:ナカチカ、ティ・ジョイ
監督・脚本:榊原有佑
制作:and pictures
企画:株式会社CURIOUSCOPE

逢田梨香子、伊藤昌弘、内海賢太郎、勝杏里、かないみか、神谷明、柴田秀勝、杉山里穂、谷山紀章、戸田恵子、浪川大輔、野沢雅子、野村道子、羽佐間道夫、水樹奈々、三間雅文、山寺宏一、和氣あず未 (五十音順)

公式HP:sonokoe.com
公式Twitter:@SonoKoe_0930

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