全員が1位をとるつもりで全力収録! チームが培ってきた強い信頼感――秋アニメ『弱虫ペダル LIMIT BREAK』真波山岳役・代永 翼さん&黒田雪成役・野島健児さんインタビュー
渡辺 航先生原作(秋田書店『週刊少年チャンピオン』連載中)のアニメ『弱虫ペダル』の新シリーズ『弱虫ペダル LIMIT BREAK』が2022年10月9日(日)からNHK総合にて放送開始!
シリーズは約4年ぶりとなる第5期では、4期で描かれていた坂道にとって2年目のインターハイの最終日3日目のレースがいよいよ幕を開けます。
放送開始を記念して、箱根学園より真波山岳役の代永 翼さんと黒田雪成役の野島健児さんにインタビューを実施。5期が決まった時の感想とお互いのキャラの印象と変化を感じた点、5期の見どころなど語っていただきました。
続きは「まだか」と思いつつ、前シリーズから時間が経っても「メンバーが集まればあの日に戻れるはず」という確信
――第5期シリーズ『LIMIT BREAK』の制作を知った時の感想をお聞かせください。
黒田雪成役・野島健児さん(以下、野島):4期(GROLY LINE)がインターハイ3日目をスタートしたところで終わったので、きっと続きがあるだろうなと思っていました。実際に5期が決まったと聞いた時はホッとしましたが、収録はかなり先になるともお聞きしていたので、「4期ラストのテンション感を保てるのだろうか?」とか「(収録を再開する)数年先に、この日の自分に戻れるのだろうか?」という不安もありました。
だから「収録だけでも、もっと早くしたい!」という想いもあったけど、「この慣れたメンバーがそろえば、きっとあの日に戻れるはず」という、つかみどころのない自信もありました。
真波山岳役・代永翼さん(以下、代永):僕も5期が決まった時は嬉しかったんですけど、収録までだいぶ間隔が空くということだったので、「まだか!? まだか!?」とか「やるなら早く!」と待ちきれない状態でした。
これまでは次回シリーズが決まると、その1カ月後くらいには収録が始まっていましたが、今回みたいに数年も間隔が空くのは珍しくて。「また3日目スタートの時に気持ちやテンションに戻せるかな?」というドキドキもありましたが、早くみんなに会いたかったし、収録もしたいと熱望していたので、収録が始まった時は「やっと決着がつくんだな」と楽しみな気持ちでいっぱいでした。
――代永さんには以前、5期の放送が決まった時、坂道役の山下大輝さんとお二人でお話をお聞きしましたが、発表前にあった『弱虫ペダル』のイベントで、話したくてうずうずしていたし、申し訳ない気持ちだったともおっしゃっていました。
代永:イベントの時にはもうアフレコが始まっていたし、5期の放送の時期も知っていました。たぶん「もしかしたら今日の最後に発表があるかも?」と思われた方も多かったと思うんですけど、残念ながらまだ発表できなくて。
野島:会場のお客さんの期待感も大きかったんじゃない?
代永:そうなんです! 5期への期待感やワクワク感はすごく感じていましたし、こうやってイベントができて、ファンの皆さんとお会いできたことで、『弱虫ペダル』のアニメが続いていることも実感できました。だから5期の制作発表に続いて、放送直前にお話しできる機会をいただけて嬉しいです。
――前シリーズの『GROLY LINE』で印象に残っているシーンやエピソードを教えてください。
代永:4期ではインターハイ1日目の終盤から2日目の終わりまで描かれましたが、黒田さん的には葦木場さんを1日目のゴール直前までアシストして、「運び屋」として活躍したところも印象深かったけど、総北の物語がすごく濃くて。
2日目に後退した鏑木君を、青八木さんが助けに行ったシーンでは、合流した後に2人で「恋のヒメヒメぺったんこ」を歌うんですけど、松岡(禎丞)君がすごく緊張していたのがおもしろくて。まだみんなで収録できていた頃で、控室で山下君に必死に音程を教わっていたのが印象的でした。「これで合ってる?」って(笑)。でも(鏑木役の)下野(紘)さんはほとんど確認もせず、合わせていて。「あの先輩、すごいな!」と感心しました。
野島:さすが歌のプロだね。
代永:3期(NEW GENERATION)の時は山下君が歌った後に、(田所役の)伊藤健太郎さんが合わせて歌った時もCDや音源を聴いて確認しながらやっていましたね。
そして鏑木君と青八木さんが歌うシーンは、僕らがテストの時はブースの外にいたので、本番で画面から流れてくる「恋のヒメヒメぺったんこ」を聴いたら、松岡君がエネギッシュに歌っていたのがおもしろかったです。
その前のバトンをつないでいくシーンで、古賀君が鏑木君のところに行ったシーンは、古賀君はレースには出場していないけど、メンバーと一緒に走っていたり、背負っているものを感じて、総北らしいなと思いました。
ハコガクでは、やっぱり黒田さんが葦木場さんへ想いを届けるシーンが素晴らしかったです。黒田さんはあんなにボロボロで出血しながらも葦木場さんを運んで。思い起こせば、荒北さんもボロボロになりながら真波君を運んでいたからハコガクの伝統なのかも(笑)。
野島:それか運び屋さんってケガする伝統なのか?(笑)
代永:みんな、壁際が好きですよね。ギリギリを走って、コーナーラインをとっていく、みたいな。そんなところも先輩から後輩に引き継がれていく想いも感じたし、ハコガクらしいなと思いました。真波君は先輩や後輩が頑張っているところを見ている感じで、『GROLY LINE』ではあまり活躍をしていないので……(笑)。
野島:僕も黒田が「3秒削る」と言って、肩を削りながら激走したシーンは印象深いですね。正直いえば、1日目も2日目もトップを獲る必要がないのに、落車するほど必死になって。「副キャプテンなのに大ケガしてリタイアするリスクを考えなかったのかな?」と収録前は思っていました。
でもハコガクを育てるために「どんな小さな試合にも出よう」と一生懸命チームを作ってきたし、勝つことへのこだわり、勝つことによって強くなるという確信があったからこそ、今どう自分たちの力を出し切ろうかを考えて、それを明日へつなげていこうという強い想いがあったんでしょうね。
そして「何としても葦木場をトップに」という運び屋としての責任感が本能的に出たのがあのシーンだったのかなと思ったし、アフレコ中にも強く感じました。黒田に本気の姿をアフレコ中に見せつけられて、「野島、お前も、もっと本気を出さなくていいのか?」と叱咤激励されて、最後押し出してもらえた気がします。