アニメ映画『かがみの孤城』、3月30日開催の當真あみさん、原恵一監督が登壇したフィナーレイベント「『かがみの孤城』閉城の日」より公式レポートが公開!
2018年に本屋大賞を史上最多得票数で受賞、ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR2021(文庫部門)など9冠に輝き累計発行部数160万部を超える、辻村深月氏のベストセラー小説『かがみの孤城』。待望の劇場アニメ化が決定し、2022年12月23日(金)に全国公開されました。
3月30日は劇中でで「かがみの孤城」が”閉城”する日。その節目として、30日に丸の内ピカデリーにてフィナーレイベントが開催されました。
當真あみさん、原恵一監督が登壇したイベントの様子をここに公開します。
フィナーレイベントのレポートが到着
満員のお客さんの割れんばかりの拍手に迎えられながら、本作の主人公・こころ役の當真あみさん、原恵一監督が登壇しました。
まず初めに當真さんより「今日は皆さん来てくださってありがとうございます。公開から3ヶ月以上経ってもまだ観ましたという言葉をいただいて嬉しく思います。今回、閉城の日にイベントを実施することができて、自分としても、こころとしても今日を迎えられてすごく楽しいです!」と感謝の気持ちと共に挨拶しました。
次に原監督より「昨年の12月23日に公開されて、あっという間に3ヶ月以上経ちました。皆さんにしっかり届いているという気持ちを実感しました。ありがとうございます。」と挨拶。
会場には20回以上本作を観ているお客さんもおり、當真さんは「私は映画館に3回観に行きました。皆さんの方が遥かに多くて負けたのが少し悔しいですけど、嬉しいです」と感謝の気持ちを伝えました。
「閉城の日」にもう一度作品の魅力を語りつくしたい!ということで、全国のファンの皆さんより、事前にTwitter上で「かがみの孤城」のベストシーンを募集!その中でもとりわけ人気の高かったベスト3を発表し、當真さん、原監督と今だから語れる名シーンの裏話などで盛り上がりました。
第三位 マサムネ「オレ達、もしかして助け合えるんじゃねーのかな」
MCより「このセリフを受けたあと、何かこころのお芝居に影響はありましたか?」と聞かれると當真さんは、「アフレコの時はまだマサムネくんの声が入っていなかったんですけど、勇気をもらいました。その後、こころの『学校に来たんじゃない、友達に会いに来た』というセリフはやっぱりマサムネくんの言葉があったから、こころも一歩踏み出せたんじゃないかなと思います」と当時のアフレコ現場での気持ちを振り返りながら語
りました。
また原監督は「このセリフをマサムネくんが言うところに皆さん共感したと思うんです。マサムネくんのキャラクターに深みが加わったんじゃないかなと思います。」とキャラクターに対する想いを話しました。またMCより、マサムネ役の高山みなみさんのセリフ「真実はいつも一つ!」が話題になったことを聞かれると、「アフレコする前に、高山さんならではの演出ができないかなと考えました。(このセリフは元々)別の作品のものなので断られないか心配していましたが、当日直接セリフ変更を伝えると、高山さんに「はい」と言っていただけました。
ただこれはちゃんと意味があって、マサムネが『真実はいつも一つ!なんちゃって』とおどけた後に、スバル『なにそれ』っていうんです。スバルはコナン君を知らないという伏線がしっかりとあるんです。ただこれは後付けで伝えたんですけど(笑)」と会場に笑いを誘いました。
第二位 喜多嶋先生「だって、こころちゃんは毎日闘っているでしょう」
選ばれたシーンについて當真さんは「喜多嶋先生の一番好きなシーンで、このセリフは自分を認めてくれたと感じて、すごく私は好きです。1位だったらよかったなと思ったんですけど、2位だったので悔しいです。」と順位に悔しさを漏らしながらも、自分自身の好きなシーンとして思い入れを語りました。
同じく原監督も、「すごく大事なシーンだと思っていたので、選ばれたのは嬉しいです。」と喜びを語りました。また當真さんの演技について原監督は「涙をこぼす直前の、声が潤んだ感じがとてもよかったです。こういうシーンは、生身の人間の安定しない感じが撮れるとリアリティーが出る、綺麗に演じてもらわない方が人間らしいと思ってOKにすることがあります。」と當真さんのリアルな演技を絶賛しました。
第一位 オオカミさま「善処する」
この場面について當真さんは「このシーンは涙なしで観れる方は少ないんじゃないかなと思います」と感動的な場面であることを語り、またお客さんから寄せられた”オオカミさまのセリフでここだけ声が違うんですよね?”という質問に原監督は「このセリフだけ(美山加恋さん演じる)ミオに言ってもらおうと決めました。芦田さんバージョンもあって、最初はミオとオオカミさまのオーバーラップを考えたのですが、短いセリフなのであまり効果がないと思い、思い切ってミオの声だけにしました。」と最後のシーンに込めた想いを明かしました。
「閉城の日」、原監督から當真さんに修了証書が授与される
さらに、本日は「閉城の日」ということで、原監督から當真さんにサプライズで修了証書の授与が行われました!原監督から読み上げられる修了証書を聞き、當真さんは気持ちが抑えきれず涙を流す場面も。修了証書を受け取った當真さんは、「今日『かがみの孤城』のこころ達と卒業するのと一緒に私も卒業出来て嬉しいです、ありがとうございます。こころと自分自身が重なるところもあって、共感できる部分も多かったんですけど、やっぱり初めてのアフレコでうまくいかないなと思う時もあって、ただ最後にこんな沢山の人が観てくださって本当に嬉しいです。」と涙ながらに語りました。
そして最後の挨拶では、原監督「この作品で美術監督をするはずだった中村隆さんが突然亡くなられて、すごくショックで喪失感もあったんですが、何とか完成までに至りました。僕は信心深い方ではないんですが、誰かがどこかで見ているってあるんじゃないかなと思います。この映画も中村さんがきっと観てくれていると思っています。本日は沢山の方に来てくださって、特別な映画になっていることを実感しました。こころみたいな子供たちは沢山いると思うんですよね。実際にはこの映画を観ること自体できない人もいるかもしれないけど、そういう人たちに寄り添える、そんな気持ちになってくれたら嬉しいです。」、
當真さん「こういうシーンが好きだったなど今日聞くことができて、沢山の人の心に届いていたんだなと思い、すごく嬉しかったです。そして3月30日の作品の節目に立ち会えて、嬉しいです。修了証書をもらって、安西こころ役として皆さまの前に立つのは最後なんですけど、私の中ではずっと思い出として残りますし、何かあった時に支えてくれるんじゃないかなと思います。」と作品に対しての想いを伝えました。
最後は感動の大きな拍手に包まれ、お越しくださったお客さんを、當真さん、原監督のお2人でお見送りし、無事「閉城の日」フィナーレイベントの幕が閉じました。
原恵一監督 修了証書コメント全文
「一生懸命な人」、それがあなたに一番ふさわしい言葉です。だからこそ、この映画は沢山の人達の心に届きました。その気持ちをずっと維持するのは難しいことです。
壁にぶつかったり、悩んだりすることもあるでしょう。馴れで演じてしまうこともあるかもしれません。でも、この仕事を続ける上で一番大切なのは、「全力でやる」ことだと思います。
楽な仕事ではありません。でも全力でやる価値のある仕事でもあります。これからも、良い旅を。何処かでまた会いましょう。
原恵一
映画『かがみの孤城』作品情報
公開情報
2022年12月23日(金) 全国公開
ストーリー
学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。 ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこには不思議なお城と見ず知らずの中学生6人が。さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。
期限は約1年間。戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めたころ、ある出来事が彼らを襲う―
果たして鍵は見つかるのか? なぜこの7人が集められたのか? それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?
すべての謎が明らかになるとき、想像を超える奇跡が待ち受ける―
スタッフ
■原作: 辻村深月「かがみの孤城」(ポプラ社刊)
■監督: 原恵一
■主題歌:優里「メリーゴーランド」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
■脚本: 丸尾みほ
■キャラクターデザイン/総作画監督: 佐々木啓悟
■ビジュアルコンセプト/孤城デザイン: イリヤ・クブシノブ
■音楽:富貴晴美
■企画・製作幹事:松竹 日本テレビ放送網
■配給: 松竹
■制作: A-1 Pictures
キャスト
當真あみ 北村匠海
吉柳咲良 板垣李光人 横溝菜帆 ・ 高山みなみ 梶裕貴矢島晶子 ・ 美山加恋 池端杏慈 吉村文香 ・ 藤森 慎吾 滝沢カレン / 麻生久美子
芦田愛菜 / 宮﨑あおい
公式サイト
公式ツイッター(@kagami_eiga)
公式Instagram
公式TikTok
原作『かがみの孤城』受賞歴
2018年本屋大賞 第1位
ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR2017【小説部門】 第1位
王様のブランチブック大賞2017 大賞
埼玉の高校図書館司書が選んだイチオシ本2017 第1位
第11回神奈川県学校図書館員大賞(KO本大賞) 大賞
熊本県学校図書館大賞2017 大賞
2017年啓文堂書店文芸書大賞 大賞
第6回ブクログ大賞【小説部門】大賞
ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR2021【文庫部門】 第1位