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- 逆井マリ
- 神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。
――本インタビューは3話放送後に掲載される予定ですが、小沼さんの目線から見た今後の見どころについて教えて下さい。
小沼:2人の関係が少しずつ進むに連れて、堀江さんと羊宮さんのお芝居もちょっとずつ変わっていきます。最初は引っ込み思案だったけど、距離感が縮まって自然に話せるようになる市川と、最初は自然だったのに恋をして逆に意識してしまう山田の変化に注目しながら見ていただけると、『僕ヤバ』の青春具合や、人を好きになって人間が変わっていく様子がより楽しめると思います。
――距離感や変化を繊細に描いている作品ですもんね。
小沼:2人と同じような年代の方もそうですし、当時を思い出して楽しむ方もいらっしゃると思うんですよね。後者の方々が、自分たちの思い出の延長線上にある物語に感じていただきたいと考えていました。要はシンデレラストーリーにしたくないというか。隣のクラスにあった日常のように描きたかったんです。
今学校に通っていたりする方は、これから『僕ヤバ』で描かれていることが起こるかもしれないですし。この作品を見ることで「自分も一歩踏み出そうかな」とポジティブな気持ちになったり、自分のことを好きになったり……そんな作品になればいいなという思いを込めています。
――自分のことを好きじゃないと小沼さんはおっしゃっていましたが「少しでも自分を好きになってほしい」という思いは、ご自身の経験も踏まえた上で考えられているのでしょうか。
小沼:そうですね。今の歳になって考えると、あの時もう一歩踏み出せる勇気があればなって思うことがあります。それは異性への関係だけじゃなくて。例えば、市川は山田を通して変化していき、足立翔(CV:岡本信彦)や南条ハルヤ(CV:島﨑信長)たちとの、友人関係、さらには家族関係までも変わっていきます。
自分を必要以上に卑下する事はないんだって、今だからこそわかるものがあります。物語の中でしか出来ない事や、ドラマチックになっている部分もあると思うんですけど、これはシンデレラストーリーやヒーロー・ヒロインの話ではないんです。
南条先輩の心の動きを見てもらうと分かるかもしれませんが、みんな考えていることがあって、時には辛いこともあるんだけど、最終的に楽しく過ごしているんですよね。
自分の青春時代に暗く蓋をしてしまっている方は市川の行動を見て、共感性羞恥といいますか。苦しくなる事もあるかもしれませんが、あの時の自分を黒歴史にしてほしくないなと。僕らの年代になると笑い話に出来るかもしれないですし。今市川のような青春を過ごしている人に対しては「ちゃんと救われる時期が来るんだよ」というところもちょっとでも伝えられたらと思っています。
――とてもいいお話のあとに恐縮なのですが……これは皆さんにお聞きしてる質問なんですが、「自分の心のヤバイ部分」を教えてください。
小沼:(笑)。ゾンビ映画とかスプラッター系が大好きなんです。血が飛び出てブシューってなるヤツが。……さっきまで良いこと言ってた風だったのに、なんだかすみません……。
幼少期にテレビで放送されていたゾンビ映画を見て衝撃を受けたんですよ。ただ映画のタイトルが分からなくて。唯一覚えていたのが「ブレイン ブレイン 」ってゾンビが唸っているシーンと、お医者さんが死にそうな登場人物の体温を測るシーンだけ。その後、高校生になった時に「あの死ぬほど怖かった映画は何だったんだろう?」と思って片っ端からゾンビ映画を見たんです。最終的に『バタリアン』だってわかりました。それがきっかけで色々歪んじゃいましたね(笑)。
――なるほど!(笑) 今日は文字通り“NGなし”でいろいろな質問に答えていただきましたが、小沼さん自身のTwitterにも「NGなし」と書かれています。小沼さんのモットーなのでしょうか。
小沼:そうですね。これには2つ意味があります。まずは作品に対してNGはないですよ、という意味です。年齢制限のあるものでも大歓迎ですよ、と。あともうひとつは「作品の宣伝になるようでしたら、なんでもやります」という意味。もし作品の宣伝になるようなら、バンジージャンプでもなんでもやりますよ、と(笑)。ただ僕が飛んだところで作品を見る人が増えるとは思えないので、バンジージャンプはやらないかもしれませんが。
とにかく作品を見てもらいたいんです。作品は視聴者に見てもらわないと完結しません。作り手として、見てもらうための努力に協力を惜しんではいけないなと思っています。
神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。
4月1日(土)よりTVアニメ放送開始!!
【テレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠】4月1日より毎週土曜深夜1時30分~
【BS朝日】4月8日より毎週土曜深夜1時00分~
【CSテレ朝チャンネル1】4月1日より毎週土曜深夜2時30分~
4月1日より毎週土曜深夜2時00分~PrimeVideoにて見放題独占配信!!
各配信サービスにて順次配信開始!!
詳細はこちら
※放送・配信日時は予告なく変更になる場合がございます
“尊死“続出で大反響!今一番応援したくなる、青春初恋ラブコメ!!
コミックス累計発行部数は300万部を突破。
「このマンガがすごい!オトコ編」に2年連続ランクイン、「次にくるマンガ大賞 2020 Web マンガ部門」では1位を獲得し、注目を集めている『僕の心のヤバイやつ』。
大人にも刺さる甘く切ないストーリーながら、くすりと笑える展開に中毒者が続出し大きな話題を呼んでいる。
そしてついに、2023年4月にTVアニメが放送決定。
監督を務めるのは叙情的な演出に定評のある赤城博昭(『からかい上手の高木さん』)。シリーズ構成・脚本は細やかな人物描写を得意とする花田十輝(『ラブライブ!』『響け!ユーフォニアム』)、キャラクターデザインは勝又聖人(『五等分の花嫁∬』)、音楽は牛尾憲輔(『映画「聲の形」』『チェンソーマン』)が担当。アニメーション制作は色彩の美しさに定評のあるシンエイ動画が務める。
さらに市川京太郎役に堀江瞬、山田杏奈役に羊宮妃那を迎え、市川と山田が織り成す初恋模様をリアルに表現。
原作の紡ぐ世界観、そしてもどかしいほどゆっくりと近づいていくふたりの心を丁寧に描いていく。
市川京太郎は殺人にまつわる猟奇本を愛読する、重度の中二病男子。
同じクラスの美少女・山田杏奈をチラチラと見ては、ヤバめな妄想を繰り返していた。
そんなある日、山田が市川の聖域・図書室にやってくる。
一人だと思い込み、大口でおにぎりを頬張ったり、機嫌よく鼻歌を歌ったりと、思うままに振る舞う山田。
予測不能な行動を繰り出す姿に、市川は徐々に目が離せなくなっていき……。
原作:桜井のりお(秋田書店「マンガクロス」連載)
監督:赤城博昭
シリーズ構成・脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:勝又聖人
色彩設計:柳澤久美子
美術監督:黛昌樹
撮影監督:峰岸健太郎 竹沢裕一
編集:肥田文
音響監督:小沼則義
音響制作:マジックカプセル
音楽:牛尾憲輔
制作:シンエイ動画
オープニングテーマ:ヨルシカ「斜陽」
エンディングテーマ:こはならむ「数センチメンタル」
市川京太郎:堀江瞬
山田杏奈:羊宮妃那
小林ちひろ:朝井彩加
関根萌子:潘めぐみ
吉田芹那:種﨑敦美
足立翔:岡本信彦
神崎健太:佐藤元
太田力:福島潤
原穂乃香:豊崎愛生
市川香菜:田村ゆかり
南条ハルヤ:島﨑信長