『カワイスギクライシス』との出会いは、リザとよぞらの出会いのように、僕にとっても革命的なものでした──超絶ガナリヴォイス”を持つ歌い手・超学生の素顔に迫る

一番苦労したのは「Myao」!?

――挑戦的な部分もある楽曲だとおっしゃっていました。例えば、それはどのようなところに感じていますか？

超学生：まず、さきほど話題に上がったイントロです。＜Myao＞＜Myao＞言っているところがあるじゃないですか。実は一番録り直しているんですよ。

――そうなんですか！　でも確かに……「Myao　Myao」って歌う機会はそうそうないでしょうし（笑）。

超学生：僕含め制作陣もあそこには凄くこだわっているんです。何度も録って一番良いものを使っています。

あとは、Aメロが終わったあとの入りのところも、なかなか聴かない浮遊感のあるものになっていて、エンジニアさんのこだわりを感じました。個人的にとても作品に合っているものになっていると思うので、皆さんに喜んで頂けたらなと思います。（インタビューは放送前のため）今のところPVには入っていないので、初回放送で驚いてほしいです。もちろん僕も見ます。ただ、僕の家にはテレビがないので実家で見ようかなと。漫画のファンとして動くよぞらがどうなるのかすごく楽しみですね。

――PVも素敵でしたよね。

超学生：作品の世界観がバッチリ伝わる映像で。僕の曲も素晴らしいタイミングで流してもらえてうれしかったですね。

“心地よさ”のリズムを研究したい

――この曲の制作を経て、気づいたことや、次に挑戦してみたいことはありました？

超学生：かなりニッチな事かもしれないんですけど……リズム感をもっと鍛えたいと思いましたね。

――そうなんですか？　もともと良いのかと……。

超学生：元々あまりいい方ではないんです。今回は沢山練習して歌ったんですよ。なぜ大事かと思ったのかというと、今回の曲ってドラムのキックの音が強いんですよ。かつ、尖った音だったのでリズムが取りやすかったんです。

でも、その裏でタンタンタンって変わったり、ピロピロした音が入ってきたり。で、「ロングトーンの後に普通のフレーズに戻る時などに崩れるな」と思って。

それと、ラフミックスや完成の音源を聴いたときに「リズムがハマっているからこそかっこいい曲なんだろうな」とも思ったんです。最近は逆にずらしたり、直さないという楽曲もあるじゃないですか。例えばTOOBOEさんの楽曲などはそうじゃないかなと思うんですけど、リズムエディットをあまりせず、録った時のグルーヴを大事にしてるんだろうなと思っていました。ビタッと縦は合ってなくて、それによって、人間味や情緒が出ている。

そういう曲がある一方で、『うる星やつら』の主題歌の「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」、「アイワナムチュー feat. asmi, すりぃ」など、ビタッとハマってるからこそカッコいい曲もあるんですよね。声を楽器として捉えている感じがしました。

録音の時点で精密で自在にリズムをコントロール出来たら凄く武器になるなと思ったので、リズム感を鍛えたいなと。合わせることが出来るなら、ズラすことも可能だと思いますし。

――なるほど。私は「サイコ」が凄く好きなんですけど、あの曲もビタッとハマってるところもあれば、あえてズラしているところもあるように思うんです。あのグルーブ感が心地いいなと思っていたんですよね。

超学生：ああ、ありがとうございます。あれはエンジニアさんに「ここ波形では合ってるんですけどちょっとズラしてください」お願いをした所があるんです。だから良い感じのところでズラしたり合わせたりしていると思います。今「心地いい」とおっしゃってくれましたが、それってすごくうれしくて。今、僕の中で今「リズムブーム」が起きてると思うんですよね（笑）。どうなると、人は心地よく感じるのか研究したいです。

――日常のふとしたものもリズムに関係していますもんね。心臓の音もリズムのひとつですし。

超学生：リズムってものすごく基本的なところだと思うんですよね。でもあまりにも基本的すぎるからこそ指摘されにくい気がします。僕は最近やっとリズムをもっと大事にしないとなと思えました。よくバンドの話で「リズム隊が良ければ何とかなる」みたいな話があるじゃないですか。それを身をもって理解しましたね。

――ところで、この曲で超学生さんを知った方は今後どのように超学生さんの音楽に触れるのが良いですか？　

超学生：この曲が好きな方は全然違う曲を聴いて「えっ」ってなってほしいです（笑）。例えば、同じく作品の主題歌として「Did you see the sunrise?」（『仮面ライダーBLACK SUN』）を歌わせていただきましたが、今回とは真逆で、生音でダークという真反対の曲調なので、楽しんでいただけると思います。また、普段からボカロ曲がお好きな方は僕のYouTubeチャンネルを見てもらえると、好きなボカロ曲の“歌ってみた”があると思うので、良ければぜひ。

超学生としての普段の活動はそっちなので。「超学生って普段はこんな感じなのね」と見てもらうのも楽しいかもしれないです。

――個人的に気になったんですけど、超学生さんの名前って初投稿の動画のコメント欄で募集して決まったものじゃないですか。今後、学生の年齢を超えたときに、超学生から変わる可能性というのはあるんですか？

超学生：その予定はないですね。名前はあくまで記号として、というか。せっかく覚えていただいたお名前ですし、このまま超学生で行こうと思っています。

――最後にライブに向けての意気込みをお伺いしたいんですけども。この曲きっかけでライブに行きたい！という方にお言葉をもらえると。

超学生：前回もそうでしたが、本当に気軽に遊びに来てください！　何もしらなくても全然大丈夫です。もちろん予習していたほうが楽しめる方もいるでしょうから、そこはお任せしますが、力まずに遊びにきてほしいです。何もしらないけど、って状態で友だちの付き添いで来ていただいても（笑）。「暇だし行ってみるか」って感じで来てくれると嬉しいです。

――秋に控えられている2nd ONE-MAN LIVE「入学式」は、どのようなライブになりそうですか？

超学生：前回は「入学説明会」で今回は「入学式」。現段階ではお話できないことが多いのですが、今回はどう保護者の皆様が巻き込まれていくのか、楽しみにしていてほしいです。

――ありがとうございました！　保護者の一員として楽しみにしております。

［インタビュー・逆井マリ］

楽曲情報

スペースキャットビッグバン

DL / ストリーミング配信
→ https://lnk.to/Spacecatbigbang

TVアニメ『カワイスギクライシス』作品情報

作品名	カワイスギクライシス
スケジュール	2023年4月7日（金）～2023年6月23日（金） TOKYO MXほか
あらすじ	あまたの星々を支配下に置く宇宙帝国「アザトス」から地球へと派遣されてきた調査員リザ・ルーナ。はじめは文明レベルの低い地球を、さっさと滅ぼしてしまえばいいと考えていたが、立ち寄ったカフェで「猫」と遭遇する。その異次元の「可愛さ」に衝撃を受けるリザ―― 果たして『カワイイ』は地球を救うのか！？
話数	全12話
キャスト	リザ・ルーナ：花守ゆみりよぞら：藤原夏海向井誠二：小笠原仁矢薙華澄：会沢紗弥ガルミ・ルゥ：伊藤彩沙ラスタ・コール：宮本侑芽アマト・ロイ：中村悠一フィアナ・ティアリー：近藤玲奈亜妻光彦：緑川光亜妻ささら：富田美憂ミキティ・フルプルリン：緒方賢一シャミル・ナーガ：子安武人ミトラ・リル：守屋亨香狐陰小町：上田麗奈猿藤七絆：稗田寧々羊間茜子：大橋彩香
スタッフ	原作：城戸みつる『カワイスギクライシス』(集英社ジャンプコミックス刊) 監督：羽鳥潤シリーズ構成・脚本：皐月彩キャラクターデザイン：渡辺まゆみ音楽：成田旬・瀬尾悠介色彩設計：瀬戸治子美術監督：和田千帆撮影監督：坪内弘樹編集：村井秀明音響監督：中谷希美音響効果：風間結花音響制作：ビットグルーヴプロモーション音楽制作：ポニーキャニオンアニメーション制作：SynergySP
主題歌	OP：「スペースキャットビッグバン」超学生 ED：「にゃんぼりーdeモッフィー!!」DIALOGUE+
電子書籍	『カワイスギクライシス』電子書籍（コミック）