『祝福を!』から巻き戻した関係値で表現する、めぐみん&ゆんゆんの繊細な距離感―― 『この素晴らしい世界に爆焔を!』高橋李依さん&豊崎愛生さんインタビュー
2023年4月より好評放送中の春アニメ『この素晴らしい世界に爆焔を!』。
本作は角川スニーカー文庫から刊行の暁なつめ先生によるライトノベル『この素晴らしい世界に祝福を!』のスピンオフを原作としており、人気キャラクターのひとりであるめぐみんの過去と彼女のアイデンティティとなる爆裂魔法との出会いが描かれています。
第6話の放送が終わり、物語も折り返し地点に入った本作ですが、前半のエピソードの振り返りとして、めぐみん役・高橋李依さんとゆんゆん役・豊崎愛生さんの対談をお届けします。
おふたりが印象に残ったシーンはもちろんのこと、めぐみんが初めて“爆裂魔法”を使用したシーンの印象や、付随して描かれた『映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説』で見られた習得の経緯などのお話を伺いました。
また、めぐみんとゆんゆんの掛け合いを作るうえでの裏話も必見です。これまでの物語を振り返り、これからの物語への期待を高める意味でもぜひご一読ください。
印象に残ったのは紅魔の里を旅立つ時の「いってらっしゃい」
――アニメ『爆焔を!』も折り返しとなりました。前半のエピソードの中で、おふたりが印象に残っているシーンを教えてください。
めぐみん役・高橋李依さん(以下、高橋):私はやっぱり第6話のラストシーンでゆんゆんがめぐみんにかけた「いってらっしゃい」のシーンです。
ゆんゆん役・豊崎愛生さん(以下、豊崎):あのシーンは良かったねぇ……。
高橋:『爆焔を!』の原作小説を読んでいたので、知っている展開ではあったのですが、完成した映像の色使いや音楽の温度感からめぐみんとゆんゆんの尊い瞬間を全身に浴びてしまい、あまりに素敵過ぎてもうはじけ飛びそうでした……!
豊崎:ここでめぐみんとゆんゆんの関係性が固まったよね。あの「いってらっしゃい」は、とても丁寧に大事に言わせていただきました。収録では仕事に向かう旦那さんを見送るお嫁さんをイメージするところがあって、現場でゆんゆんはめぐみんの嫁みたいだと話していたことを覚えています。
ここまでの物語ではレッドプリズンが舞台になっていて、カズマさんのようなポジションの男の子はいませんでした。だから、めぐみんが『祝福を!』の時よりヒーローっぽくなっていて、『爆焔を!』の主人公はやっぱり彼女なんだなと感じられて。そんなめぐみんとゆんゆんの関係性は本当に夫婦かのように思えました。
高橋:あと、みんなからゆんゆんとの関係を言及されるシーンも印象に残っています。照れることもあれど、基本めぐみん側はしれっとした演技でOKをもらっていて。演じた時も、本気で別に仲良しではないと思っているような感覚が強くて。
もし本人が、これは仲良しだということに気づいていたら、もっと照れ隠しとしての演技になっていたと思うのですが、そうではなかった。自分でも気づいていない特別な存在だからこそ、第三者にはしれっとした対応でOKが出たんだろうなって。
独特なツンだと思いますが、傍から見ているとニコニコしちゃうポイントですよね。ふたりの間には、何か言語化できない不思議な感情が渦巻いているんだろうなって思っちゃいます。
――豊崎さんはどのシーンが印象的でしたか?
豊崎:どどんこさんとふにふらさんに、ゆんゆんがお金を貸してしまったエピソードが印象に残っています。それを知っためぐみんが、ゆんゆんのいないところで目を真っ赤にして怒ってくれたのが嬉しかったんです。「どんだけゆんゆんが好きなのよ」と茶化されてめぐみんはより怒るのですが、かなり可愛いかった……!
高橋:第2話で短剣をめぐみんに選んでもらったと喜ぶゆんゆんも良かったですよね! そんなゆんゆんに反抗するめぐみんもすごく可愛かったなぁ……。
その短剣を使ってふたりはまた勝負をしますし、もう友達にしか見えませんよね。なのに毎度否定したり、からかわれたり。ふたりに関してはそういう日常が切り取られたシーンが印象に残っています。
――また、『爆焔を!』では、ちょむすけの存在も欠かせませんよね。
高橋:マスコット的なキャラクターですが、結構感情豊かな印象があります。リアクションも良いし、されるがままに見えて嫌な時は嫌だと意思表示もハッキリしていますし、ピンチな時も助けてほしそうにしていてキュートですよね!
豊崎:生天目仁美さんの演技もまた可愛らしくて……! ゆんゆんは割とクロちゃんクロちゃんって大事に扱うけど、めぐみんは結構雑だよね(笑)。
高橋:30万エリスで心が揺れてましたしね……。
豊崎:攫われそうになった時も、冗談ではあるものの「あの子は諦めましょう」なんて言ったりして。辛辣なのにめぐみんに懐いている関係性が好きですし、こめっことのやり取りもお気に入りです。
――メスだと明らかになったのは本作が初でもありました。
豊崎:名前を付ける時に、ゆんゆんが「その子、女の子だからね!」って念押ししていましたね。
高橋:ちょむすけという名前の印象があったから性別を気にしたことはなかったけれど、そうか、女の子か……メスの猫ちゃんにちょむすけかぁ……。
豊崎:めぐみんも正体を察している感がありますが、何せあの人の半身ですからね。その辺でだらけていたり、ゴロゴロしたりするような特に頑張らないスタイル。その感じがちょむすけに行ったのかなって思ったりします。