電車でも観られるギリギリライン!? 煩悩を刺激しまくるアニメ『てんぷる』放送直前! 蒼葉結月役・愛美さん&蒼葉月夜役・芹澤 優さんインタビュー【連載第1回】
ふたりのリアルな姉妹関係は? バイトをきっかけに急変化!?
──おふたりも姉妹がいらっしゃるということですが、蒼葉姉妹をご覧になっていかがですか?
愛美:皆仲良しでお互いを思い合っていますよね。良い家族だなと思います。
芹澤:助け合っていますよね。月夜は結月を思って部活を休んでいたりして。両親がいないからかもしれませんが、すごく絆が強いと思います。
──両親がいないことを含めて、過去になにがあったのか気になるところですね。
芹澤:海月が「昔はもっと馬鹿だった」と言うんですけど、物語が始まる段階の結月と月夜は「ちゃんとしなきゃ」と思っていたんでしょうね。
──ご自身のきょうだい関係と蒼葉姉妹を比べていかがですか?
愛美:私は妹と兄がいるんですけど、序盤は全然仲が良くなくて。
芹澤:序盤(笑)。
愛美:序盤(笑)はお互いに興味がなかったんです。うるさかったらちょっと反応するくらいでした。
芹澤:えぇ……。
愛美:でも私が高校生の頃、バイトを始めたことをきっかけに社交性を身につけまして(笑)。そこから急に喋りだした気がします。
家族全員、コミュニケーションが上手くないんです。家族同士でも話すのが恥ずかしかったりして。でも今となっては、お母さんは東京に遊びに来ますし、妹とは毎晩電話していて。お兄ちゃんからは恋愛相談を受けたりするようにもなりました。
──愛美さんを軸に変わられたんですね。
愛美:そうだと思います。私の家庭も途中からガラッと変わったので、蒼葉家もどうなのか気になっちゃいます。
──芹澤さんはいかがですか?
芹澤:私は小さい頃から仲が良いです! 特に、お姉ちゃんのことは崇拝していて。
──崇拝ですか!?
芹澤:学校とかで嫌なことがあるとお姉ちゃんに「助けてください!」って泣きついていたんですけど、そのたびに、その人はこうであなたはこうだから、みたいに教えを説いてくれるんです(笑)。
──(笑)。
芹澤:頭が良いんですよ!
愛美:かっこいい!
芹澤:「悟りを開く」と言っていたんですけど、「お姉ちゃん、悟りを開いてください……!」って(笑)。なにかあってもお姉ちゃんが解決してくれたので、シスコン度は月夜に近いなと思います!
──意外な共通点がありましたね。
芹澤:そうなんです。妹も海月ほどではないですが、どちらかと言うと「はいはい、ゆうゆう頑張ってね」みたいな落ち着いたタイプで。だから私たち姉妹は蒼葉姉妹に近いんじゃないかな。
とにかくパワフルな赤神に負けないように!
──演じるにあたってのポイントを教えてください。
芹澤:月夜に関しては、姉妹で話しているとき、初期の赤神との話し方はツンデレでいうツンのような、ちょっと澄ましたイメージです。それに対して恥ずかしがるシーンはとことんデレる! 顔を真っ赤にした表情であったり、ツンとデレのギャップをイメージしました。
──デレが最高ですよね。
芹澤:「もっともっと恥ずかしがってください」と何度も言われました。でも普通のシーンは特に問題もなく、ツッコミのシーンは「良い感じ!」と言ってもらえました!
──ツッコミも多いですもんね。愛美さんはいかがでしたか?
愛美:結月はいろいろな魅力があるので、その時々の良さをしっかり表現したいと思って。お姉ちゃんらしさであったり、ポンコツだけど頑張り屋だったり。ほかにもちょっと弱くなったときとか。それらのメリハリを意識して演じました。
──なにかオーダーやディレクションはありましたか?
愛美:赤神がボケたり、自分のことを殴ったりしたときにツッコむことが多いんですけど、その勢いに負けないようにビシッとツッコんでほしい、というディレクションが多かったです。「もっと強くツッコんでください」みたいに。
──芹澤さんとは逆方向ですね。
愛美:そうなんです。もう、赤神はとにかくパワフルに自分を殴るので(笑)。
──(笑)。そんな赤神を演じる赤坂さんの演技をご覧になっていかがでしたか?
愛美:赤坂さんも体当たりで演じられてたんですけど、頑張りすぎてフラッとしていたことがあって……!
芹澤:あった!
愛美:パッションがすごく伝わってくるんです。
芹澤:長く叫ぶシーンが続くことも多くて、一旦休憩させてあげて……と思ったり(笑)。制作側の要望に何度もチャレンジされていてすごいなと思う反面、心配になるくらい叫ばれていました。
愛美:汗だくだった……!
芹澤:冬だったのにね。
愛美:エアコンを下げようとしても「皆さん寒いと思うので」と気遣って下さいました。
──赤坂さんにインタビューさせていただいた際、酸欠で倒れそうになったとお話されていました。そんな姿がどこか赤神と重なって……!
愛美:頑張りが周りに伝わるタイプなのかもしれませんね。私は真逆で……。
──そうなんですか?
愛美:緊張していたり頑張っていることが伝わりづらいんですよ。なんでも卒なくこなしているように見られがちといいますか……。それが悩みでもあるんですけど、赤坂さんはエネルギーがわかりやすく伝わってくるので、羨ましいなと思いながら見てました。
芹澤:器用に見えるのはわかる! なんでもできる人ってイメージがあるからこそ、その裏の努力が伝わらず、「なんでもできる人だから」と片付けられちゃう。私もその気持ちがわかるんです!
愛美:優ちゃんとはその話したよね。
芹澤:しゃぶしゃぶ食べながらね。
愛美:そうそう。「うちら、ヒーヒー言いながらいろいろなものを掴んでるのに、周りからそう見られないよね」みたいなことを話しました(笑)。
──おふたりはプライベートでも仲が良いんですね。
愛美:最近レギュラーで一緒になることが多くて。そのおかげで仲良しです!
芹澤:アフレコ終わりにご飯に行ったりしますね。
キャラクターたちが真面目に考えて行動した結果が“面白”になっちゃう
──本作にはギャグ要素も多いですが、そもそも演じられる側としてギャグ作品は難しいんでしょうか?
愛美:個人的にすごく難しいと思います。ギャグをコテコテにする作品もあれば、ギャグシーンをあまりギャグにしない作品もあって。でも『てんぷる』は難しいことは考えずにストレートに演じればOKだったのでやりやすかったです。
芹澤:私はギャグ作品でハマると、「自分のギャグ線がハマったんだ!」と思えて嬉しいです。笑いって相性があるじゃないですか。
愛美:ある!
芹澤:オーディションに受かったりすると「じゃあ私のギャグ線でいかせてもらいます!」みたいな気持ちになって。
──自信に繋がるんですね。『てんぷる』の場合はどうでしたか?
芹澤:『てんぷる』の場合、私はギャグというよりもラブを重要視していて。それでもギャグシーンを褒めてもらえたときは嬉しかったですね。
──なるほど。ラブとギャグのギャップみたいなものは意識されましたか?
愛美:この作品は真面目に考えて行動した結果が“面白”になっちゃうことが多いので、そのあたりはあまり意識しませんでした。デフォルメになるシーンであったり、言われたときは意識する感じでした。
芹澤:私も普通に真っ直ぐに演じました。たしか、アフレコの段階でかなり映像が完成していたんですよ。なので、映像をみながらデフォルメになっていたら面白シーンなのかな? みたいに判断していました。すごくギャグに寄った回もあるので、そこは楽しんでもらえたら嬉しいです。