10周年を迎えた『ツキウタ。』の原作者・ふじわらさんに独占インタビュー! 作品の誕生秘話や設定の裏側、アイドルたちへの想いを語る!!
各月をイメージした男女のキャラクターたちが、その月の魅力を詰め込んだ歌とミニドラマをお届けする『ツキウタ。』シリーズ。アニメ、ゲーム、アプリ、コミカライズ、舞台など、幅広く展開し続け、ついに10周年を迎えました。
これを記念したプロジェクト「十進月歩」が開催され、劇場アニメの制作発表やCD最新シーズンが順次発売されるなど、ますます盛り上がりを見せる本作の原作者・ふじわらさんに独占インタビュー!
作品の誕生秘話や設定の裏側、アイドルたちへの想いなどを語ってもらいました!!
リアルタイムでアイドルが年齢を重ねていく設定は、自分の中ではごく自然に生まれたもの
――本作では、どのようなお仕事を手掛けているのでしょうか。
ふじわらさん(以下:ふじわら):企画・脚本・イラストレーター様とのやり取り・各種収録立ち合い・デザイン・監修業務・宣伝などなど、原作者でありつつプロデューサーでもあるので、作品にまつわるさまざまな制作業務全般を行っています。
――『ツキウタ。』の企画はどのようにして生まれたのでしょうか。
ふじわら:入社した当時、株式会社ムービックはグッズ制作をメインとする会社であったので、私自身も版権をお借りして、既存タイトルさんのグッズ制作・開発を行っていました。
その業務の中でさまざまな作品の制作現場に触れることで触発されて、グッズではなくタイトルそのものを制作したいと考えるようになり、企画書を提出したのがはじまりです。単発のタイトルをいくつか制作して、ある程度の反響をいただけたことを足掛かりに、規模とキャラ人数を増やして企画したのが『ツキウタ。』でした。
とはいえ、いかんせんコンテンツ制作の会社ではないので、ツテやコネが無いに等しく。企画にGOが出てからは作曲家さんを発掘するべく、毎日検索&お問合せフォームから地道なメールでのオファーなどをしていました。
――リアルな年月の経過で、登場するアイドルが歳を重ねていきます。作品の歩みとともに変化していく彼や彼女たちに感じることをお聞かせください。
ふじわら:リアルタイムでアイドルが年齢を重ねていくことが画期的、珍しいとよく言われるのですが、実は珍しいことをやっているという自覚はないまま、そうなっていました。
『月』という、実際に移り変わるもの、変化していくものを題材にするからには、当然年齢も重ねていくだろう。そんな、本人的にはごく自然な思考の流れだったと思います。結果として、タイトルの特徴の一つとなり、また、成長することでどんどん変わっていく人間のリアルさ、同じ時を歩む身近さを出せたのかなと思います。
――登場する4ユニット(Six Gravity、Procellarum、Fluna、Seleas)それぞれの、この10年での成長や魅力の変化、各ユニットへの思い入れなどをお聞かせください。
ふじわら:イメージカラーは黒、和風、王道、まっすぐ、それが漠然とした最初のユニットイメージでした。設定的にもあまり奇をてらわない、王道なイケメンさんたちを揃えた……つもりだったのですが、1年後には設定詐欺と言われる程度に(苦笑)個性的になっていました。
これは他ユニットにも言えることですが、リアルタイムで時を重ねて経験を積み、声優様の演技や作曲家様の歌などの多方面からの刺激を受けることで、彼ら自身が成長した結果かな、と思います。
ふじわら:黒に対して白。和風に対しての洋風。王道に対して型破り。まっすぐに対して自由。そんな風にひたすらグラビと対照的なものを目指した結果がProcellarumです。リーダーからして破天荒でいらっしゃるのですが、他メンバーも負けず劣らず個性的です。
団体行動は苦手なのに、不思議とまとまっている…そんな空気がいつでもあって10年経っても変わりません。他愛のない無駄話なら、お任せあれ。延々とどこまでも書けるし、話せる、そんな楽しいメンバーたちです。
ふじわら:グラビと同じ、王道でまっすぐ。ただし女性アイドルらしくイメージモチーフは花で、色はピンク! そんなところからスタートしたユニットです。6人いるメンバーが、それぞれ王道のヒロインのつもりです。
対照的なユニットを作ることで互いの個性や魅力がより際立つ、というのが持論なので、いつも基準となる最初のユニット、タレントを考えてから相手を考え始めます。グラビもフルーナも『ツキウタ。』の大切な基準点として、軸がブレないようにと思っています。
ふじわら:プロセラと同じで、王道のフルーナとは対照的に、少しとがった個性やクセがある6人が集まったユニットです。そもそもリーダーの決め方からして『くじ引き』であり、結果、最年少がリーダーになった辺りにも自由な気質を感じて貰えればなと思います。
古き良き昭和・平成の日本社会では生きにくいタイプが多いかもしれませんが(笑)、これからの時代では羽ばたくタイプが集まっているんじゃないかな、と思います。