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『白聖女と黒牧師』石谷春貴×中村カンナが掛け合いで目指したのは「兄妹のような関係性」

夏アニメ『白聖女と黒牧師』石谷春貴さん×中村カンナさんがアベルとヘーゼリッタの掛け合いで目指したのは「兄妹のような関係性」/インタビュー

 

アイキャッチは声優陣のアドリブであの形に

――少し脱線しましたがアベルとヘーゼリッタの話題に戻します。ふたりでいるシーンも作中では多いですよね。

石谷:そうですね。そういうシーンに関しては、ヘーゼリッタの言葉は真っ直ぐアベルに届くので、「ここは受け流すか?」とか「ストレートに返すか?」みたいに、どう料理するか考えるのが楽しいです。ヘーゼリッタはそんなアベルに対する返答も全部真っ直ぐなのですが、真面目な話もしっかりできるし、アベルは自分にとって貴重な存在だから家庭教師をやっているんですよね。

彼自身はおそらく勉強は嫌いなのですが、ヘーゼリッタの側が良いとなんとなく思っているから一緒にいるんだと思うんです。程よい距離感ですし、アベルにとってヘーゼリッタは道標になっていて、そんな彼女との掛け合いは彼の人間らしい姿が垣間見える瞬間にもなっている。そういう信頼感を持ちながらお芝居に取り組みました。

中村:とりあえずヘーゼリッタは、アベルからどんな球が来ても真っ直ぐ返そうと思って演じていました。アベルに影ながら支えてもらっているところはありますが、ヘーゼリッタはヘーゼリッタで彼を何とか誘導してあげたいと思っていて(笑)。

石谷:結局、導いてもらっているのはアベルだったりするんですよね。

中村:そうなんです。ちゃんと彼の事を理解しているからこそ、厳しい言葉を伝えたりもしています。逆にヘーゼリッタの弱点をアベルは把握してくれているから、甘えることもできたりするので、自由に掛け合いができたと思っています。アドリブも多かったですし。

石谷:収録時はアドリブどうしようかなぁとか、飛んできたものを自然に返そうかとか思っていました。

――ヘーゼリッタとアベルの関係性もファンの方は好きになりますよね。

中村:見ていて飽きないですし、不思議な関係性ですよね。

――先ほど話題に上りましたが、印象に残っているアドリブはありますか?

石谷:この後出てくるヘーゼリッタがとある動物に扮するシーンです。そこは「コレコレ!」と思いました。

中村:私はアイキャッチですね!

石谷:この作品のアイキャッチは全部アドリブなんです。第2話の収録のテストテイクで、アイキャッチでちょっと遊んでみたら「今後もアドリブで」みたいな流れになりました。それ以降は楽しくやらせていただきました!

――アイキャッチが断然楽しみになりました! それではそろそろまとめとして、5話以降の見どころを教えていただけますでしょうか。

石谷:とある場所に行きます。そこで誰かさんのお兄さんが登場するのですが、これがまたクセの強いキャラクターになっています!

中村:(笑)。

石谷:後はこの世界の闇の部分が描かれる場面や、キャラクターたちが自分や周囲にしっかり向き合うシーンも今後は出てきます。けれど最終的にはやっぱり光があるし、その明度がとにかく高いんです。

どれだけ重たい過去や闇の部分が描かれたとしても、この作品はずっと優しく明るい雰囲気です。なので優しい気持ちになりたい方はぜひとも引き続き視聴してほしいです。クセの強いキャラクターたちの掛け合いで笑って、ほんわかして癒されたら、きっといい夢が見られると思います!

中村:ローレンスが悪い人ではないと理解した後の、ヘーゼリッタの変化に注目してください。セシリアはフレデリカのようにはならないという安心感が生まれたのが第4話で、そこから信頼関係を築いていきます。セシリアという同年代の女の子と過ごすことでヘーゼリッタも変わっていくので、そこも楽しんでいただけたらなと。

後はセシリアとローレンスの関係性ですよね。もう「はよ付き合えよ!」って思っちゃいますけれど、ふたりも物語が進むごとに変わっていきます。登場人物も増えていきますが、作品の根底に流れている優しさは変わらないので、色々な優しさを実感していただけたら嬉しいです。

――最後にファンのみなさんへのメッセージをお願いします。

石谷:音楽もストーリーに沿ったものになっていますし、隅々までこだわりが感じられますので、この先も余すことなく楽しんでください。そしてローレンスとセシリアのもどかしい関係や、ヘーゼリッタの猪突猛進具合にも注目を!

また、第1話で見られた過去のお話などは、原作で細かいエピソードが描かれています。アニメと原作とで見せ方が変わってくる部分はありますが、やっぱり優しさや明るい世界など描きたいものは変わっていませんので、気になる方はぜひ原作にも触れてみてください。原作を読んでからアニメをご覧になることで、また違った楽しみ方ができると思います。

中村:老若男女問わずどのキャラクターにも感情移入できますし、絵が本当に綺麗で可愛くて繊細なので、目の保養にもなっちゃいます。また、人間模様が魅力的な作品なので、過去のお話からキャラクターたちの関係性や心情を分析しつつ、楽しんでいただけたらなと思います。4話以降もよろしくお願いします!

 

TVアニメ『白聖女と黒牧師』作品情報

白聖女と黒牧師

あらすじ

とある教会。そこには可愛いけどだらけグセのある聖女さまと、真面目で過保護で料理上手な牧師さまが住んでいました。穏やかな日々の中で、密かに恋する聖女と鈍感な牧師が繰り広げる、"無自覚いちゃラブコメ"。もどかしい二人の関係が行きつく先は――!?

キャスト

セシリア:澤田姫
ローレンス:石川界人
アベル:石谷春貴
ヘーゼリッタ:中村カンナ
メル:戸松遥
レベッカ:中原麻衣
エリック:小市眞琴
ギーゼルベルト:前野智昭
フレデリカ:上田麗奈

(C)和武はざの・講談社/「白聖女と黒牧師」製作委員会

拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ガンダムシリーズをはじめとするロボットアニメやTYPE-MOONを主に追いかけている。そして、10代からゲームセンター通いを続ける「機動戦士ガンダム vs.シリーズ」おじ勢。 ライトノベル原作や美少女ゲーム、格闘ゲームなども大好物。最近だと『ダイの大冒険』、『うたわれるもの』、劇場版『G-レコ』、劇場版『ピンドラ』がイチオシです。

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胃の上心臓
拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ロボットアニメ作品やTYPE-MOONの作品を主に追いかけている。

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