『わたしの幸せな結婚』連載インタビュー最終回 斎森美世役・上田麗奈さん、久堂清霞役・石川界人さん対談 第一期を振り返って「これが運命の出会いだったんだなということを描ききった印象です」
1話から見直すとより分かる映像の素晴らしさ
――イベントなどで石川さんは制作を担当するキネマシトラスさんへのリスペクトを語られています。『わた婚』で感じたキネマシトラスさんの魅力を教えてください。
石川:撮影処理に凄くこだわっていらっしゃるなと思います。その場の空気感を出すための処理の精細さが凄くて、画面の色味で緊張感や温かい雰囲気が分かりやすく表現されています。今作に関しては髪の毛の表現が凄く美しいです。平面的な髪の毛にするのではなくて、そこに何かが宿っている、意味が生まれている表現なので見てて面白いし「細かっ!」てなりました。
また、キネマシトラスさんは目のハイライトのこだわりも凄いので、そのあたりも注目してみると面白いかもしれません。
――1話から見返す際に、そのポイントに注目すると面白いかもしれないですね。
石川:物語の前半、後半では全く処理が異なっていますからね。最後まで見れていないのですが、現時点までの放送分を見ても全然違うなと。12話のオンエアーが楽しみです。
――上田さんはご覧になられている範囲で、作画についてどのようなご感想を持ちましたか?
上田:建物や街、背景もとっても丁寧に描かれていて。12話のアクションシーンや、6話の異能バトルで飛び散る瓦屋根なんかも、そのリアルさに感動しました。繊細に描かれているからこそ空気感が伝わってきますし、作品への没入感に繋がっている印象もあります。あとは石川さんも触れていましたが、色味のバランスがとっても素敵ですよね。「ピンクってこんなに種類あるんだな」と思わせられました。
石川:うんうん。
――着物のピンクと、桜のピンクもあって。色合いがとても素敵でしたね。
上田:原作やコミカライズへのリスペクトも感じましたし、色合いひとつとっても素晴らしく、説得力のある映像になっているなと思いました。
今だから明かせるエピソードとメッセージ
――最終回を迎えて、2人の未来が楽しみになるものでありつつも、『わた婚』ロスになられている方もいらっしゃると思います。ファンの方に向けて、第一期で今だから話すことができるエピソードなどあれば……。
上田:実は12話の自問自答をするシーンは、めちゃめちゃ時間がかかったんです。何パターンも収録したんですけど、どういうディレクションがあったかも、どのパターンがOKテイクだったかも、今は思い出せないくらいです(笑)。
シーン全体の流れにパターンを作りつつ、さらに箇所箇所のセリフに細かい修正が加わり、結果どのテイクが使われたのか分からないっていう(笑)。
シリーズを通して私が一番最後に収録したシーンになります。清霞とのCパートも先に録音して、美世だけ残ってひとりで収録しました。とても大事なシーンだったので、時間をかけて録っていただけて嬉しかった反面、あまりにも長時間収録しすぎて……思わずマイク前にしゃがみ込んでしまいました。「もう、分からない……」って。
――その都度、ディレクションをいただきつつという形だったんですか?
上田:そうですね。言語化するのが難しいシーンだったので、スタッフさんとこちら側とで意思疎通を図るのが難しかったなという思い出です。
――針に糸を通すような繊細な作業だったんですね。
上田:はい……難しかったです。
――石川さんはいかがでしょうか。
石川:なんだろう、僕はあまりないんですが、やたらと(久堂清霞の姉・久堂葉月役の)日笠陽子さんがスナック菓子のリニューアルバージョンを持って「これすっごく美味しいんだよ!」って配りまくっていたっていうエピソードくらいしか。
――(笑)。
石川:「食べた?、食べてよ!、食べろ!」って(笑)。無理やり食べさせられて「美味しいです」「でしょ!だから言ってるのに!」っていう。本当に葉月みたいに振る舞っていたのが面白かったなと。僕も上田さんみたいなエピソードが欲しかったんですけど、全然ない。以上です!(笑)
――素敵なエピソードをありがとうございます(笑)。では第二期に向けて現状お話できる範囲でメッセージをいただけると。
上田:美世は今のところ、「清霞とふたりで幸せになるために頑張ろう!」と、かなりポジティブな精神状態にあるんじゃないかなと想像しています。まだまだ困難に直面することもあるかもしれませんが……2人がこの先どんなふう歩みを進めていくのか、第二期の放送を、ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。
石川:前半美世に手を差し伸べていた清霞は、後半では逆に救われて、お互いが助け合う構図で終わりましたが、第二期になるとどちらかが救うという話ではなく、支え合って、2人で物事に向き合っていく場面も増えるんじゃないかなと。共同作業が増えて一緒に過ごす時間も増えて、やり取りの親密さも増していくと思いますので、そのあたりを楽しみにしていただけたらなと思います。
――清霞にとっても美世にとっても、新たな幸せのカタチを掴んでいく第二期になるのかもしれませんね。
石川:かもしれませんね。
[取材・文/逆井マリ]
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『わたしの幸せな結婚』作品情報
あらすじ
名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。
嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞(きよか)。
数多の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。
斬り捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美貌の男。
初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていく――。
これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。
キャスト
(C)顎木あくみ・月岡月穂/KADOKAWA/「わたしの幸せな結婚」製作委員会