『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第5話放送後インタビュー:堀江由衣さん(上原メイ子役)×川澄綾子さん(下田かおり役)|1999年が舞台となった第5話、堀江さん&川澄さんが『kanon』の発売に都市伝説の話題で盛り上がる!【連載第6回】
若木民喜さん、みつみ美里さん(アクアプラス)、甘露樹さん(アクアプラス)が原作の同人誌『16bitセンセーション』をベースにオリジナル要素を加え、、新たな物語にしたTVアニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』。アニメイトタイムズでは、現代と過去が入り交じるSF要素が加わりに生まれ変わった本作について語るインタビュー連載を実施中!
連載第6回は、アルコールソフトの原画・CG担当でエースでもある上原メイ子を演じる堀江由衣さんと、ネコ耳帽子がトレードマークでゲーム作りに情熱がある会社の頼れるお姉さん下田かおりを演じる川澄綾子さんが登場! 第5話は、1999年のアルコールソフト。会社も成長していて、社員も増えたところに飛び込んできたコンシューマー化の話。果たして会社の未来は? ただ、対談で盛り上がりを見せたのは、1999年の話題になったあの都市伝説…。
コノハのタブレット端末は、90年代の人からしたらオーパーツみたいなもの
――まず、台本を読まれた印象はいかがでしたか?
堀江由衣さん(以下、堀江):原作はあるけど、ちょっと内容が違うということを伺っていたので、原作に踏み込む前に台本を読めばいいのかしらと、最初に台本を読ませていただいたんです。
でもその後に原作漫画を読んだら「メイ子さん、めっちゃ出てるじゃん!」と(笑)。そこで、メイ子さんのことを少し理解出来た気がしました。ゲーム業界のあるあるを、エッセイに近い雰囲気で表現した原作漫画に対して、アニメは、それをまったく違う世界観で見せているんですよね。「現代の人がその時代に行ったら」という目線になることで、ストーリーがすごく面白く描かれていて、おしゃれな変え方だなぁと思いました。
その当時のことが分かる原作も面白かったのですが、ひとり現代の人が真ん中に入ると、ワクワク感も加わって、さらに面白くなるんだなと思いました。
川澄綾子さん(以下、川澄):第6話くらいまでのお話から抜粋されたシナリオでオーディションを受けたので、そのときにゲーム業界を描いていているということは分かっていたのですが、時代が1990年代から始まり、かおり(23歳)、かおり(27歳)となっていったので、どういう話なんだろうと思っていたんです。
そこから第1話の台本を見たら、コノハちゃんという現代の子がタイムリープするお話で。今は普通にいろいろな作品がアニメになっていますが、コンシューマー化(全年齢対象)するにはこういう紆余曲折があったことを今の人たちが知る機会にもなるんだなと思いました。
私は美少女ゲームがアニメ化したときに、声優として出演させていただいていた側なんですが、そういう裏側は全く知らなかったんです。美少女ゲームがアニメになることってすごいことなんだ!と、とても新鮮に思いました。当時の私たち、そんなこと考えていなかったよね?
堀江:必死だったからね(笑)。
川澄:だから、改めて私たちも勉強させていただいているところはあります。
――堀江さんもオーディションの思い出はありますか?
堀江:メイ子が歳が変わっていく表記がありましたし、タイムリープをしている子がいるということは書いてあったと思います。 なので私もそういう話なんだなというのは分かっていましたが、改めて第1話の台本を読んで、「なるほど!」と合点がいきました。
――年齢の違いを、演じ分けたりもしたのですか?
川澄:とは言っても成人から始まっていて、作中で子供が18歳になるようなことではなかったので。そんなに変わらないよね?
堀江:メイ子も20歳が25歳になるくらいだったので。
川澄:ただかおりの場合は、会社の中で役職が変わっているので、年齢というよりは「責任感やしっかりした感じを出してください」というディレクションは受けていました。
――堀江さんはメイ子を、川澄さんはかおりをここまで演じてきた感想をお願いします。
堀江:メイ子はほんわかしているけれど、ゲームが好きで会社に入り、かおりさんを慕っている感じがしました。原作漫画の流れと時間軸的には似ているんですが、実はアニメでは、メイ子の心情描写みたいなものは序盤はあまり描かれていないんです。この先にはそういうところもあるのかもしれないけれど、ここまでは、ほんわかと、未来からやってくるコノちゃんを迎え入れるという、ほのぼのできるキャラクターになればいいなと思いながら演じていました。
――原作だと、才能のあるイラストレーターで主人公ですからね。
堀江:そうなんですよ。いろいろな葛藤とか、この世界でやっていくのかどうなのか。絵を描くのは好きだけどどうしようというところもあるんですが、いろいろあるけど、変わらずに頑張ってきたんだなというのが伝わるように、会社への慣れ度合いなどは、少しだけ意識しました。
――かおりはどうでしたか?
川澄:かおりさんは糸目で、ずっとほんわか優しいのかなと思っていたら、この先では少し激しい感じで、てんちょーに物を申したり、守くんにもバシッと言ったりすることもあるので、アルコールソフトの中の頼れるお姉さんみたいな存在ではあると思います。一方でコンシューマー化の話には誰よりもはしゃいでいたりもしていたので、本当にゲームが好きな人なんだと思いました。
――トレードマークのネコ耳帽子はどうでしたか?
川澄:最初にキャラクターを見たときの印象と、中身のギャップは少しあったかもしれないです。結構圧が強めでサバサバしたところがある人なので。
――では、ここまでで気になったシーンはありますか?
川澄:アフレコの話になってしまいますが、毎回コノちゃんが来る時代が変わるたびに、その時代の話で盛り上がっていました。懐かしのお菓子の話など、あるあるを話していて。
堀江:アクセントに迷ったりしながらね。
川澄:今はプログラマーという言葉は平板でアクセントなく言ってしまうからね。
堀江:その時代でも、専門的な人がどう言っていたのかなどもありますし。
川澄:それをアフレコ前にみんなで確認していました。
――コノハのキャラクターはどう思いましたか?
川澄:かおりさんたちの時代からすると、異次元?
堀江:そこの面白さはありますよね。現代の子たちが使う言葉を、すごい勢いで言われたときに、なになに?となる感じ。たとえば萌えとか。
川澄:無双するとかね(笑)。
堀江:そのあたりの使うワードの違いは面白いなと思いました。ただ、ガヤの収録をするときにはドキドキするんですよ。今は言っても当たり前だけど、当時は言ってたかな?という言葉もあるので。
――それは確かにありそうですね。このオタク言葉がいつから使われるようになったかまでは意識していないですからね。
川澄:あと技術の進歩という面白さもあって、コノちゃんのタブレット端末なんて、この時代的にはオーパーツみたいなものなので、そこで時代に干渉してしまうところも見え隠れして、少しずつ未来が変わっていっているかもしれないというところもスパイスになっていると思いました。
堀江:どうなるんだろうね!
川澄:ゲームが続々と消えている!みたいなのは気になるよね。
堀江:気になる! うちの会社、どうなるんだろうとか。
――コノハのタブレット端末がオーパーツっていうのは、まさにですよね。その技術の進化は、実際に見てきていますけど。
堀江:特にこの30年って、ネットやパソコンが一番進化した時代だと思うので、その差はすごいですよね?
川澄:99年だと、iPhoneはまだないですよね?
堀江:スマホ自体がなかったんじゃない?
川澄:携帯電話は?
――出始めた頃ですね。
川澄:今はスマホでゲームをするのが当たり前だけど、それがあり得なかった時代だから、この30年って、やっぱりすごかったんですね。
堀江:使っている側でもこう思うのだから、作っている側はものすごかったんでしょうね。なのでそういう視点でも本当に面白いです。
――パソコンを入れ替えて、ウインドウズに対応しなければいけないわけですしね。
川澄:マウスで絵の線を引いているのも衝撃でしたね。
堀江:色を交互に入れる“タイリング”とか。私は絵を描かないから分からないけど、描く人からすると、そんなことしてたんだ!と思うでしょうね。
――昔のネタもいろいろありましたが、第4話ではコミケも出てきましたね。
川澄:やっぱり『新世紀エヴァンゲリオン』ってすごいんだなと思いました。エヴァのコスプレ、みんなしてたよね?
堀江:してたしてた。でも、そんなに前かぁ、そうだよねと思いました。今も人気があるから、ちょっと分からなくなってしまいますけど、すごいですよね。