マンガ・ラノベ
『まんがタイムきらら』編集・末永雅弘インタビュー

ワールドワイドを目指す『きらら』の成り立ちと、編集者の楽しさ。大熊先生の取材と学習の賜物によって誕生した『星屑テレパス』編集デスク・末永雅弘さんインタビュー【『まんがタイムきらら』20周年記念】

4コママンガ編集者ならではの楽しさと大変さとは?

――『まんがタイムきらら』の編集者ならではの仕事の楽しさや大変さを教えてください。

末永:まずマンガ家という、とても優れたクリエイターと一緒に仕事をさせていただけるのは嬉しいことです。そして『まんがタイムきらら』の4コママンガは、1作品あたり1話のページ数はだいたい8ページや10ページで、普通のストーリー作品に比べると短くなっています。そのため他の出版社と違って、1人の編集者が受け持つ作品数は多く、いろいろなジャンルの作品を担当することができるのは楽しいですね。

大変なことやつらいことはそれほどありませんが、すごく細かい話をさせていただくと、キャラクターの吹き出し内のセリフのフォント(書体)は編集者がすべて指定しているんですけど、4コママンガは1ページに8個のコマがあって、1コマ内のセリフ量が多い傾向にあります。

特に『きらら』では、かわいい女の子たちがおしゃべりしているシーンが多いので、マンガ内のセリフのフォントも丸くて、かわいいフォントに変えたり、ギャグのオチでは太い文字に変えたりという作業が大変で。『きらら』の掲載マンガのフォントは、1作品の中でもコロコロ変わっているので、他の少年誌などと見比べると違いがわかっていただけるのではないかなと思います。

――『きらら』に掲載されるマンガは、4コマ1つでも、膨らませてアニメ1話分や半分くらいになりそうなエピソードも多い気がします。4コマに凝縮すること、それを毎月何本も描かれるのは大変だろうなといつも思います。

末永:4コマで構成しなくてはいけないという制約はありますが、その中で作家さんに自由に表現していただくことで予想もしないアイデアが生まれたり、驚かされることもあります。

――4コママンガは、1コマ1コマの間や次の4コマまでの間に、小説でいうところの行間みたいな、読者に想像させる楽しみがあるのも魅力の1つかなと。

末永:そういう楽しさもあると思います。

『きらら』作品が女の子の青春を描くことで与える「癒し」と「活力」が多くの共感を生む

――2000年代後半から『まんがタイムきらら』の掲載作品のアニメ化が行われ、2010年代にはいわゆる“きららアニメ”というブランドが確立しましたが、編集側としてはどう思われていますか?

末永:非常にありがたいことですし、「“きららアニメ”だから見よう!」と思っていただけるということは、信頼の証なのかなと思っているので、嬉しいです。そして、そういったニーズに応えながらも、新しい価値を感じてもらえる作品を今後も作っていきたいです。あとは“きららアニメ”が海外でも受け入れられてきているので、『きらら』がよりワールドワイドなものになっていけたらいいなと思っています。

――『きらら』作品は、女の子の純粋で一生懸命な青春が描かれていることで、男女や年齢に関係なく、誰でも共感しやすいのが多くの人に愛されているポイントなのかなと思いました。

末永:そうですね。『きらら』といえば、女の子の青春ものというイメージが多くの方にあると思いますし、ただ「女の子かわいいな」と癒しを得るだけでなく、「自分も頑張ろう!」という元気や活力を受け取ってもらえているのかなと思います。

――そして『きらら』作品は、連載当時やアニメ放送時から時間が経っても、フォロワーの方が増え続けているのも特徴の1つかなと。

末永:学校を舞台にした作品が多いんですけど、多くの人が通った経験があり、今学生生活を体験している方も多いので、共感してくださる方が多いのかもしれません。

――それは流行を過度に追い過ぎていないことで、不変的に愛されるものになっているのでは?

末永:ありがとうございます。時代の流行も捉えながらも、多くの人が持っている価値観と変わらないものを提供していきたいと思います。

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