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『星屑テレパス』大熊らすこ先生×アニメ『星屑テレパス』かおり監督×『まんがタイムきらら』編集・末永雅弘氏 座談会

場所や世代を問わず「かわいい」を追求する“きららアニメ”。『星屑テレパス』のシナリオ制作は『ゆゆ式』のノウハウが活きている?『星屑テレパス』作者・大熊らすこ先生×アニメ『星屑テレパス』監督・かおりさん×『まんがタイムきらら』編集デスク・末永雅弘さん座談会

数多くのアニメ化作品を輩出し、今では“きららアニメ”というジャンルを確立している『まんがタイムきらら』(芳文社刊)。2023年11月には独立創刊20周年を迎え、10月からは『星屑テレパス』(大熊らすこ先生原作)のアニメが放送中!

アニメイトタイムズでは『まんがタイムきらら』20周年と、アニメ『星屑テレパス』の放送に際して、前後編のスペシャルインタビューをお届けします。

後編となる今回は、『星屑テレパス』の作者である大熊らすこ先生と、アニメ『星屑テレパス』の監督を務めるかおりさん、そして『まんがタイムきらら』のデスクであり、『星屑テレパス』の担当編集である末永雅弘さんの座談会です。

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大熊先生とかおり監督の『まんがタイムきらら』との出会い

――まず大熊先生とかおり監督に伺いたいのですが、『まんがタイムきらら』に出会ったきっかけと、最初にご覧になった作品を教えてください。

アニメ『星屑テレパス』監督 かおりさん(以下、かおり):アニメ『ゆゆ式』(三上小又先生原作、『まんがタイムきらら』連載中。2013年アニメ化)の監督の依頼をいただいたのが『きらら』との本格的な出会いのきっかけとなりますが、それまでは「かわいいマンガ誌」くらいの認識でした。

知るきっかけになったのは『けいおん!』(かきふらい先生原作、2009年アニメ化)ですね。アニメが大ヒットして、「すごいブームだな」と横目で見ていた感じでした(笑)。

『星屑テレパス』原作 大熊らすこ先生(以下、大熊):『きらら』と出会ったきっかけは『ひだまりスケッチ』(蒼樹うめ先生原作、『まんがタイムきららキャラット』連載中。2007年アニメ化)ですね。4コママンガ自体は昔から好きでよく読んでいましたが、学生のかわいい女の子がメインで描かれている4コママンガを読んだのは『きらら』が初めてでした。オチをギャグだけに使わない幅広い作風に魅力を感じました。

――『きらら』や歴代作品の印象、関わるようになって印象が変わった点はありますか?

かおり:かわいい作品を大事にされているんだなという点では、今でも印象は変わりません。ただ「かわいい」の間口は広いんだなとは感じていました。作品の舞台がファンタジー世界だったり、学校だったり、また主人公も小学生から社会人まで幅広くて、場所や世代を問わず、「かわいい」を追求しているんだなと思っています。

大熊:私にとって『きらら』の印象といえば、『ひだまりスケッチ』の印象になるんですよね(笑)。『ひだまりスケッチ』をきっかけに、他の『きらら』作品も知って、「かわいいキャラクターの日常や様々なジャンルに焦点を当てて、すごく幅広い作風で4コママンガを描かれる雑誌なんだな」という印象を受けました。

3人が語る“きららアニメ”の魅力とは?

――皆さん、それぞれの立場(漫画家・アニメーション監督・漫画編集者)からご覧になった、“きららアニメ”の魅力とは?

『まんがタイムきらら』デスク 末永雅弘さん(以下、末永):アニメになることで、視覚的にも聴覚的にも情報量が多くなって、かわいさが足し算されていくことに加えて、OPテーマとEDテーマが付くことにも魅力を感じていて。『きらら』は日常を描いた作品が多いんですけど、OPテーマやEDテーマは自由な表現でキャラをかわいく見せられる特典映像みたいになっていると思います。

例えば『星屑テレパス』のOPテーマは清涼感があって幻想的で、EDテーマも幻想的な雰囲気があって。そういう映像を見られることは意義があることですし、編集者としても嬉しいことです。

かおり:アニメは三次元の世界で、立体的に考えないといけないので、キャラクターの立ち位置など原作のマンガとは違った魅力を映し出せるものだと思っています。さらに、音と音楽と色が付いて、キャラが動いたり、飛んだり跳ねたりする楽しさとかわいさが表現できるところも魅力かなと思います。

あと『きらら』作品の魅力でもあるんですが、平和なんですよね。生死をかけた戦いやバイオレンスもなく、女の子たちが「ふふふ」と笑っているのを見るだけでこっちも幸せな気分になれますし、画面に映し出されると気持ちが落ち着くのではないでしょうか。

大熊:“きららアニメ”とひとくくりにされてしまいがちですが、それぞれの作品ごとに個性がある多様性が魅力なのかなと感じています。女の子4~5人が主体となって、“何か”をするアニメというイメージが強いかもしれませんが、その“何か”が部活であったり、サバイバルであったり、いろいろですし、過程も穏やかだったり、青春だったり、一筋縄ではいかなかったりという様々なバリエーションで、女の子たちの活動や様子を描いていて。そしてアニメになることで、もっと深く、感覚的に、実感を伴って楽しむことができるのが魅力なのかなと思います。

 

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